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オンライン診療の問題点は?診療における新たなシステムの普及への現状や課題など紹介

監修医師 木村眞樹子
更新日:2024年02月26日

更新日:2024年02月26日

オンライン診療の問題点は?診療における新たなシステムの普及への現状や課題など紹介のイメージ
オンライン診療には患者のアクセシビリティ向上や感染症拡大防止などさまざまなメリットがあると言われていますが、デメリットはないのでしょうか?今回は、オンライン診療の現状と問題点を紹介します。

オンライン診療って?

オンライン診療とは、医療機関に直接行くことなく医師の受診を受けることができる受診方法を指します。スマートフォン、タブレット、パソコンなどの情報通信機器を使ったビデオ通話や電話を用いて診察を受けます。

 

2018年3月に厚生労働省が出した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に沿って現在のオンライン診療は運用されています(2019年7月一部改訂)。オンライン診療に対して、直接受診する方法を対面診療と呼びます。

新型コロナウイルス感染症により注目されている医療システム

対面によらず、かつ外出しなくても診察が受けられるオンライン診療は、人との接触や外出に機会を削減することができます。そのため、オンライン診療は新型コロナウイルス感染症の拡大防止策に有用な医療システムとして期待されています。

厚生労働省より時限的・特例的に規制緩和

日本で新型コロナウイルス感染症が急速に拡大し始めた2020年4月から、規制を緩和することでオンライン診療が利用しやすくなっています。

 

この規制はあくまで新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う限定的な措置で、この流行が治まる規制緩和は解除される予定です。

 

今回の規制緩和で大きく変更された点は、
・初診でのオンライン診療が可能
・研修を受けていない医師でもオンライン診療による診察が可能
の2点です。

初診患者でも受け入れ可能

オンライン診療に対する規制緩和により、初診患者のオンライン診療ができるようになりました。

 

ただし、電話もしくはテレビ通話によるオンライン診療は医師が得られる情報が少なく、オンライン診療では判断が難しいケース出てくることが予想できます。

 

そのため、医師に対面受診を求められた場合は、速やか医療機関を直接受診しましょう。

研修を受けていない医師でもオンラインでの診察が可能

規制が緩和される前は、オンライン診療に関する研修を受講した医師のみが電話や情報通信機器を用いた診察を認められていました。

 

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として普及が急がれる状況となったため、規制緩和により必要な研修を受けていない医師でもオンライン診療ができるようになっています。

 

この制度は一時的なもので、医師は将来的にオンライン診療の実施に必要な研修を受けることが前提となっています。

オンライン診療実施の流れ

オンライン診療による診察を希望する場合は、まずオンライン診療を実施している医療機関を探す必要があります。

 

このとき、内科、耳鼻咽喉科など受診を希望する診療科がオンライン診療に対応しているかを調べておきましょう。

 

受診する医療機関を決定した後は、電話もしくはインターネット上で事前予約を行います。初診の場合は特に保険証などによる本人確認が求められます。

 

必要に応じて保険証のコピーなどを郵送する必要があるため、余裕を持って受診予約を行いましょう。予約が済んだら電話や情報通信機器を準備してオンライン診療に備えましょう。

かかりつけ医または近隣の医療機関へ実施しているか問い合わせる

オンライン診療では難しいと医師が判断した際には対面診療が必要になることがあります。そのため、かかりつけ医やかかりつけがない場合にも受診しやすい近隣の医療機関でのオンライン診療をうけられるか問い合わせすることをおすすめします。

また、初診のオンライン診療をおこなっていない医療機関でも、かかりつけの方だけオンライン診療や電話診療をおこなっていることもありますのでまずは問い合わせてみてください。

事前予約を行う

オンライン診療を希望する場合は、事前に受診予約をする必要があります。医療機関によって、予約方法や予約できる期間などが異なるため、当該医療機関のホームページで確認しましょう。

ホームページがないときは電話で確認しても良いかもしれません。

電話または情報通信機器を用いて医師が診察

オンライン診療では、電話や情報通信機器を用いて医師の診察を受けます。基本的に問診のみの診察となるため、できる限り正確に体調や症状を医師へ伝えましょう。

患者希望の薬局へ処方箋をfax等で送信

オンライン診療による診察の結果、薬による治療が必要と医師が判断した場合には、処方箋が発行されます。このとき発行された処方箋の情報は、患者が希望する調剤薬局へ医療機関からfax送信などにより伝えられます。

 

オンライン診療を受けるときは、事前に薬を受け取る調剤薬局を決めておき、名前やfax番号などを確認しておきましょう。

薬局またはオンラインで薬剤師による服薬指導を行う

薬を受け取る前に必要な薬剤師による服薬指導は、対面もしくはオンラインのいずれでも実施できます。

 

医療機関の受診から薬の受け取りまでを自宅で済ませたい場合は、オンラインによる服薬指導を受けることもできます。

 

ただし、電話や情報通信機器などを用いた服薬指導を実施していない調剤薬局もあるため、事前の確認をおすすめします。

オンライン服薬指導の場合は薬を配送

オンラインによる服薬指導を実施した後は、薬を郵送による受け取ることができます。しかしながら、全ての薬局が郵送に対応しているわけではないため、オンライン服薬指導実施の有無と併せて薬の受け取り方法も確認しておきましょう。また、郵送の際には郵送料がかかることもあります。

オンライン診療の問題点

オンライン診療を実施するためには、医療機関と患者の双方が環境を整える必要があります。また、音声もしくは映像に診察が前提となるため、医師が得られる情報は対面診療のときと比べて非常に制限されます。

 

問診のみの診察となるため、触診や血液検査なども実施できません。慢性疾患による再診で症状が安定している場合は問題となることはないかもしれませんが、初診のときはオンラインで判断しかねる症状の場合もあります。

 

この場合は、対面による診察の受診勧奨が行われます。なりすましや虚偽申告などもオンライン診療では対面診療に比べて起こりやすくなるため、本人確認は厳格に行われます。

 

また、診察内容や治療内容などの個人情報と考えると、情報セキュリティの観点からも対策を講じる必要があります。

病院やクリニックなど医療機関におけるシステム導入

全ての医療機関がオンライン診療に対応しているわけではないため、今後オンライン診療を開始する予定の医療機関は必要なシステムを導入しなければなりません。

患者側の情報通信機器や通信環境の設備

日頃からスマートフォンやパソコンを使用している方は問題ないかもしれませんが、日常生活で情報通信機器に触れることがない方もいると思います。その場合は、情報通信機器の購入から通信環境の整備をしなければならず、かなりの負担になってしまいます。

診察時の情報が聴覚や視覚など限られる

オンライン診療で最も問題視されている点のひとつは得られる情報が少ないことです。問診を基本とするオンライン診療は音声や映像のみで診察を行います。その結果、医師の診察に支障をきたし、正確な診断に妨げるおそれもあります

急変患者への緊急対応が難しい

元々、慢性疾患かつ症状が安定している方で医療機関への定期的な通院が困難な方の診察を容易にするために始められたのが遠隔診療(後のオンライン診療)です。

 

したがって、症状が急変した患者の診察には向いていません。急を要する場合は、直接医療機関を受診することをおすすめします。

オンライン診療が普及すればメリットもある

オンライン診療が今後一般的な受診方法となった場合は、
・感染症の拡大防止
・通院に要する時間の省略
・遠方から医療機関へのアクセシビリティ向上
などのメリットがあります。

感染拡大防止

オンライン診療は外出せずに医療機関を受診できます。そのため、患者本人の感染症防止だけでなく、人の出入りの減少が期待できる医療機関でも院内感染の防止にも繋がることが期待されています。

通院する時間のない方や在宅の方

対面診療のみの場合は病院やクリニックへ行く時間が取れずに受診を諦めてしまっていた方も少なくないと思います。

 

オンライン診療が普及することによって、時間がなくて受診ができない方にも病院やクリニックを受診する機会が増えることになります。

 

また、在宅での治療を考えている方にとってもオンライン診療は大きなメリットとなります。

医療機関の少ない地域への遠隔診療

オンライン診療の前身であった遠隔診療は、医療機関の少ない地域の方の医療機関へのアクセシビリティを向上させる目的で始まりました。

 

オンライン診療が今後普及していくにしたがって医療機関の少ない地域の方が病院を受診する機会が増えていくことが予想されます。

症状や疾患によっては対面診療を求められることも

オンライン診療は非常に利便性が高くさらなる普及が期待されていますが、問診を基本とするオンライン診療に向かない症状や疾患があることも事実です。

 

例えば、頭痛などの頻繁に見られる症状でオンライン診療を受けて医師から鎮痛薬を処方されたとします。しかしながら、脳出血など急を要する疾患が原因となっている可能性もあります。

 

このように、問診だけでは判断しかねるケースも十分にあり得るため、医師に対面受診を求められた場合は早めに医療機関を直接受診しましょう。

オンライン診療の課題を解消し新たな医療システムを

オンライン診療が普及することで一定のメリットは期待できますが、まだまだ解決しなければならない課題もあります。今回の規制緩和を受け、オンライン診療に関する制度がより良いものになっていくことが期待されています。

参考文献
厚生労働省 オンライン診療の適切な実施に関する指針
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について

最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。

 

オンライン診療は、
・受付や会計の待ち時間が短縮される。
・自宅や外出先で診療が受けられる。
・院内処方の場合くすりが自宅に届く。
・院内感染・二次感染のリスクがない。
などのメリットがあり、非常に便利なサービスです。

 

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周辺への感染の可能性を配慮して外出を控えたいやその他事情により、病院に行くことが難しい場合は、オンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。

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監修医師 木村眞樹子
現役医師、産業医 10年以上大学病院で臨床に従事、産業医として企業の健康経営にも携わる 2019年より医療ライターとしても活動している
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