生理じゃないときに低用量ピルを飲み始めると効果がなくなる?正しい服用方法について解説
更新日:2024年05月25日
そのため「ピルを飲んでいるから避妊具をつけなくても大丈夫」というのは間違った認識です。望まない妊娠を避けるためにも、効果的な服用タイミングを知っておくとよいでしょう。
そこで今回は、低用量ピルの避妊効果を高める正しい服用タイミングを解説していきます。
生理じゃない時にピルを飲み始めたら効果は無くなるの?
生理ではないタイミングで低用量ピルを飲み始めた場合、最初の1ヶ月間は避妊効果を得られない可能性があります。
なぜなら、排卵が近づいているもしくは起こった後のタイミングに低用量ピルを飲み始めたとしたら、排卵が抑制されず、妊娠が成立する可能性があるからです。
避妊効果が得られる次回の生理開始までは、ピルを飲んでいたとしても妊娠してしまう可能性があるため、避妊具を使用するか性行為を控えるようにしましょう。
低用量ピルの正しい服用タイミングは?
低用量ピルの正しい服用タイミングは以下の2パターンがあります。
・Day1スタート
・SUNDAYスタート
それぞれの違いを確認していきましょう。
生理初日から開始するDay1スタート
「Day1スタート」とは、生理の初日から5日目までに低用量ピルの服用を開始する飲み方です。
生理初日から服用することにより、排卵の抑制や受精卵の子宮内膜への着床を抑えられ、避妊効果が期待できるでしょう。
生理初日とは、生理が開始してから24時間以内を指します。起床時に生理が始まったことに気づいた場合は、前日の就寝時間から24時間が生理開始のため、当日中に服用しましょう。
Day1スタートの飲み方は「実薬を21錠服用する」タイプと「実薬と偽薬を合わせて28錠服用する」タイプの2パターンがあります。
7日間の休薬期間の間に消退出血(低用量ピルを服用している間の月経のような出血)が起こります。
避妊のために低用量ピルを服用している方は、服薬時間を決めるなど、飲み忘れを防ぐ工夫をするとよいでしょう。
日曜日から開始するSundayスタート
「SUNDAYスタート」とは、生理後の最初の日曜日に低用量ピルを服用する飲み方です。
最初の日曜日から低用量ピルを服用することにより、週末に生理が重くならないようにする特徴があります。
SUNDAYスタートの飲み方は「21錠タイプ」のみです。21錠分飲み終わると7日間の休薬期間を設けます。仕事が休みの週末に、遊びや旅行などの用事と生理が重ならないようにしたい方におすすめです。
低用量ピルを飲み忘れた場合の対処法は?
1日分飲み忘れた場合
低用量ピルを最後に服用してから24時間以上間隔が空いている場合、飲まない時間が経つにつれて薬の効果が得られなくなってしまいます。望まない妊娠を避けるためにも、速やかに低用量ピルを服用しましょう。
飲み忘れに気づいたタイミングによっては1度に服用する錠数が変わります。以下の記載で確認していきましょう。
翌日分服用前に前日分の飲み忘れに気付いた場合
もし前日分の低用量ピルを飲み忘れた場合、気づいた時点で1錠服用しましょう。次に服用する際は間隔など開けず、いつも通りの時間に服用してください。以降は通常通り服用すれば問題ありません。
もし前日分の低用量ピルを飲み忘れた場合、気づいた時点で1錠服用しましょう。次に服用する際は間隔など開けず、いつも通りの時間に服用してください。以降は通常通り服用すれば問題ありません。
翌日分服用時に前日分の飲み忘れに気付いた場合
当日低用量ピルを服用するタイミングで前日分の飲み忘れに気づいた場合、前日飲み忘れた1錠と当日服用する1錠、合わせて2錠服用してください。以降は通常通り服用すれば問題ありません。
もし飲み忘れた日が第1週の最初または第3週の最後の場合、休薬期間が7日を超えるため妊娠の確率が高くなっています。そのため、性交渉時には必ずコンドームを使用しましょう。万が一、避妊に失敗した場合はアフターピルを服用するという選択肢があります。
当日低用量ピルを服用するタイミングで前日分の飲み忘れに気づいた場合、前日飲み忘れた1錠と当日服用する1錠、合わせて2錠服用してください。以降は通常通り服用すれば問題ありません。
もし飲み忘れた日が第1週の最初または第3週の最後の場合、休薬期間が7日を超えるため妊娠の確率が高くなっています。そのため、性交渉時には必ずコンドームを使用しましょう。万が一、避妊に失敗した場合はアフターピルを服用するという選択肢があります。
2日連続で飲み忘れた場合
低用量ピルを最後に服用して48時間以上間隔が空いている場合、速やかに1錠実薬を服用しましょう。以降は通常通りに服用を続ければよいのですが、飲み忘れる以前に比べると避妊効果は下がっている可能性が高いです。
そのため、7日間連続でピルを服用できるまでは性行為を控えるとよいでしょう。もし性行為をするのであれば、必ず避妊具を装着して行為に及んでください。
3日以上飲み忘れた場合
第1週目に飲み忘れた場合
ピルの休薬期間が7日以上になっており、この時期に他の避妊具を用いない性行為を行った場合は妊娠する確率が高い可能性があります。
もし避妊効果を高めたい場合は、緊急避妊薬(アフターピル)の使用を検討しましょう。処方してもらうためには近くの産婦人科などを受診する必要があります。
ピルの休薬期間が7日以上になっており、この時期に他の避妊具を用いない性行為を行った場合は妊娠する確率が高い可能性があります。
もし避妊効果を高めたい場合は、緊急避妊薬(アフターピル)の使用を検討しましょう。処方してもらうためには近くの産婦人科などを受診する必要があります。
第2週目に飲み忘れた場合
飲み忘れる前に1週間連続で服用できていれば、避妊効果が高くなっている可能性があります。
第1週目に飲み忘れた時と比べると、緊急避妊薬の必要性は高くありません。とはいえ、避妊具を装着せずに性行為を行うと妊娠する可能性は高まるため、心配な場合は医師に相談しましょう。
飲み忘れる前に1週間連続で服用できていれば、避妊効果が高くなっている可能性があります。
第1週目に飲み忘れた時と比べると、緊急避妊薬の必要性は高くありません。とはいえ、避妊具を装着せずに性行為を行うと妊娠する可能性は高まるため、心配な場合は医師に相談しましょう。
第3週目に飲み忘れた場合
第2週目と同様、飲み忘れる前に1週間連続で服用できていれば、避妊効果が高くなっている可能性があります。
21錠タイプであれば、休薬期間を設けずに翌週から新しいシートのピルを服用しましょう。また28錠タイプの場合は、偽薬を服用せずに新しいシートのピルを服用すると避妊効果を維持できます。
※妊娠が心配な場合、飲み忘れがあった時の飲み方がわかりにくい等で心配な方は、2錠以上の実薬の飲み忘れがあった場合そのシートの残りの服用をやめ、次の生理開始後に新しいシートを飲み始めるようにしましょう。その際は、避妊のために別な避妊方法が必要となります。
第2週目と同様、飲み忘れる前に1週間連続で服用できていれば、避妊効果が高くなっている可能性があります。
21錠タイプであれば、休薬期間を設けずに翌週から新しいシートのピルを服用しましょう。また28錠タイプの場合は、偽薬を服用せずに新しいシートのピルを服用すると避妊効果を維持できます。
※妊娠が心配な場合、飲み忘れがあった時の飲み方がわかりにくい等で心配な方は、2錠以上の実薬の飲み忘れがあった場合そのシートの残りの服用をやめ、次の生理開始後に新しいシートを飲み始めるようにしましょう。その際は、避妊のために別な避妊方法が必要となります。
服用タイミングや飲み忘れが心配な場合は医師に相談しよう
低用量ピルは避妊効果を高める目的で服用する場合、生理開始日に服用するのが最も効果的です。一方で、生理不順などの生理周期が乱れている場合やニキビの予防、月経困難症などのケースでは、生理開始日以外の期間でも服用を開始する場合があります。
体の状態によって低用量ピルを服用するタイミングが異なるため、医師に相談して適切なタイミングで服用しましょう。また、飲み忘れなどがあった場合も自己判断せずに医師に相談すると適切な対処方法を教えてもらえます。
まとめ
服用していると妊娠確率が下がる低用量ピルですが、生理ではないタイミングで服用を開始すると望んだ効果が得られない場合があります。
低用量ピルの正しい服用タイミングは以下の2パターンです。
・Day1スタート(生理初日から5日目まで)
・SUNDAYスタート(生理開始の最初の日曜日)
生理初日に服用することで高い避妊効果が期待できます。また、生理開始の最初の日曜日に服用し始めると週末に生理が重くならずに済むのです。
もしピルを飲み忘れてしまった場合は妊娠する確率が高くなっています。飲み忘れたタイミングによって服用する錠数や妊娠のリスクが変わるため、心配な場合は性行為を控え医師に相談しましょう。
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医師
佐藤 綾華
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※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。
想定外の妊娠は女性にとって身体的、精神的に負担がかかることです。
また、低用量ピルの服用により月経周期が安定し、月経量が少なくなるため月経痛が改善する、ホルモンバランスの安定によりニキビが改善するなどの副次効果も期待できます。
将来的な妊娠やお子さんへの影響はないとされていますので、妊娠を望まない時期に効果の高い避妊方法を希望される場合は服用を検討されてみてはいかがでしょうか。
生理ではないタイミングで低用量ピルを飲み始めた場合、最初の1ヶ月間は避妊効果を得られない可能性があります。
なぜなら、排卵が近づいているもしくは起こった後のタイミングに低用量ピルを飲み始めたとしたら、排卵が抑制されず、妊娠が成立する可能性があるからです。