低用量ピルとアフターピルは併用できる?それぞれの違いや服用時の注意点について解説
更新日:2024年05月20日
本記事では、アフターピルから低用量ピルへの切り替え方、正しい服用方法について詳しく説明していきます。
アフターピルは低用量ピルでは代用できない。
アフターピルと低用量ピルは共に避妊薬です。しかし、低用量ピルをアフターピルの代わりに用いることはできません。
理由は、避妊効果を発揮するための服用方法が異なるからです。アフターピルは1錠で避妊効果が得られますが、低用量ピルは毎日飲み続けることで避妊効果が高まるお薬です。そのため、避妊に失敗した時などの緊急時に低用量ピルを服用しても、アフターピルのような避妊効果は得られません。
あくまでも低用量ピルは毎日服用することで排卵を抑制し、高い避妊効果を発揮する避妊薬です。月経開始から少なくとも7日以上飲み続けてはじめて排卵が抑えられます。調査によると、正しく服用することで避妊の成功率は99.7%見込めます。また、低用量ピルの主成分は黄体ホルモン(プロゲステロン)や卵胞ホルモン(エストロゲン)ですが、お薬によって異なる種類の黄体ホルモンが含まれています。
アフターピルは、成分によって2種類に大別されます。1つはレボノルゲストレル(黄体ホルモン)が成分のノルレボ、もう1つはウリプリスタール酢酸エステル(選択的プロゲステロン受容体調節剤)が成分のエラ、エラワンです。いずれも避妊に失敗後72時間(エラ、エラワンは120時間)以内に1錠服用することで、排卵を抑えたり着床を阻むことで避妊効果がもたらされるという仕組みです。妊娠率は72時間以内の服用で1.9%(120時間以内の服用で2.2%)※とされています。
※引用:FDA「Ella」
つまり、低用量ピルは継続的な服用が必要で、アフターピルは1錠しか服用しなくても効果が見込めるという大きな違いがあります。このことから、低用量ピルを1錠服用しても、アフターピルと同様の避妊効果は期待できないと言えます。
中用量ピルを用いた緊急避妊法(ヤッペ法)は推奨されていない
緊急的に避妊を行う方法として、中用量ピル(卵胞ホルモン量が低用量ピルより多いピル)を用いる「ヤッペ法」というものがあります。これは1970年代から行われてきた緊急避妊法で、過去には日本で最も利用されていた緊急避妊法でした。
避妊に失敗してから72時間以内にまず中用量ピルを2錠飲み、さらに12時間後、再び2錠を飲みます。
ただ、妊娠阻止率は57%しか見込めず、副作用が出やすいことから、昨今は利用されることが少なくなりました。緊急避妊法の現在の主流はアフターピルです。
低用量ピル・アフターピル・ヤッペ法(中用量ピル)の比較
低用量ピルやアフターピル、ヤッペ法(中用量ピル)、それぞれの特徴は次の通りです。
低用量ピルとアフターピルの違いとは?
低用量ピルとは
低用量ピルとは、女性ホルモンが主な成分の避妊薬です。継続的に毎日飲むことで排卵を抑え、子宮内膜の増殖を抑制して受精卵の着床が難しい状態を作り出し、避妊効果を発揮します。正しい服用によって、ほぼ100%の確率で妊娠を阻止でき、月経不順、月経痛や月経前症候群などの症状を和らげる作用も持ち合わせています。
アフターピルとは
アフターピル(モーニングアフターピル)とは、避妊に失敗した場合や低用量ピルの服用を忘れた場合、性被害を受けた後などに望まない妊娠を防ぐために飲む緊急避妊薬です。子宮内膜を一時的に受精卵が着床しにくい状態へ変化させることで妊娠を回避します。性行為から72時間以内の服用で約95%の避妊効果が見込め、72時間を過ぎても、120時間以内であれば高確率で妊娠を阻むことが可能です。
アフターピルが必要となるタイミング
低用量ピルを飲み忘れた場合
もしも、低用量ピルを飲み忘れたら以下の措置を早急に取る必要があります。
1錠飲み忘れた時
最初に、飲み忘れた錠剤をできる限り早く服用してください。そして、残りの錠剤はこれまで通り飲んでください。1日の服用上限は最大2錠です。通常、1錠だけ飲み忘れてもアフターピルを飲む必要はありません。ただ、同じ周期に飲み忘れをしていたり、前の周期の最終実薬週に飲み忘れたりした場合、アフターピルを飲むことをお勧めします。
最初に、飲み忘れた錠剤をできる限り早く服用してください。そして、残りの錠剤はこれまで通り飲んでください。1日の服用上限は最大2錠です。通常、1錠だけ飲み忘れてもアフターピルを飲む必要はありません。ただ、同じ周期に飲み忘れをしていたり、前の周期の最終実薬週に飲み忘れたりした場合、アフターピルを飲むことをお勧めします。
2錠連続して飲み忘れた時
1錠飲み忘れた場合と同様、飲み忘れた錠剤をなるべく早く服用しましょう。上限を超えて1日3錠以上飲まないよう注意が必要です。第3週に飲み忘れをしていた場合、休薬期間を取らず、今飲んでいるシートの実薬の服薬が終わり次第、次のシートの服用を始めてください。低用量ピルは、7錠以上の服用で避妊効果が発揮されます。服用がまだ7錠に達していない場合、性行為時は避妊を行ってください。
※28錠タイプに含まれるプラセボはお薬の成分を含んでいないので、飲み忘れても問題ありません。
※2日以上ピルを飲み忘れると避妊効果が低下します。続けて7日以上実薬を服用できていない場合は別の避妊法を選択してください。
1錠飲み忘れた場合と同様、飲み忘れた錠剤をなるべく早く服用しましょう。上限を超えて1日3錠以上飲まないよう注意が必要です。第3週に飲み忘れをしていた場合、休薬期間を取らず、今飲んでいるシートの実薬の服薬が終わり次第、次のシートの服用を始めてください。低用量ピルは、7錠以上の服用で避妊効果が発揮されます。服用がまだ7錠に達していない場合、性行為時は避妊を行ってください。
※28錠タイプに含まれるプラセボはお薬の成分を含んでいないので、飲み忘れても問題ありません。
※2日以上ピルを飲み忘れると避妊効果が低下します。続けて7日以上実薬を服用できていない場合は別の避妊法を選択してください。
避妊行為をせずに性行為をした場合
高い確率で避妊が期待できる低用量ピルですが、絶対妊娠しないとは限りません。また、ピルには性感染症の予防効果はありませんので、自分自身はもちろんパートナーを守るためにも、避妊具を正しく使いましょう。
避妊具が破損したりはずれたりした
コンドームの避妊成功率は正しい使い方で98%、一般的な使い方で87%です。
一般的な使い方には、使い方を間違えた、使っている途中で破れたなどの使用中のトラブルも含まれます。その結果、避妊成功率は正しい使い方に比べて低い数値となっています。
実際に避妊効果が低下するのはどのような場合か、以下で詳細に説明していきます。
コンドームに穴が開いてしまっていた
開封時や装着時にコンドームに爪などが引っかかると、穴が開いてしまうことがあります。取り扱いには注意を払いましょう。
開封時や装着時にコンドームに爪などが引っかかると、穴が開いてしまうことがあります。取り扱いには注意を払いましょう。
古いコンドームを使用してしまい、途中で破れた
コンドームにも使用期限があります。製造からかなり年数が経過している場合、ゴムの劣化による破損が起こす恐れがありますので、パッケージに記載されている使用期限を必ず確認しましょう。
コンドームにも使用期限があります。製造からかなり年数が経過している場合、ゴムの劣化による破損が起こす恐れがありますので、パッケージに記載されている使用期限を必ず確認しましょう。
使用していたコンドームが途中で外れたり、膣の中に残ったりした
コンドームと男性器のサイズが合っていない場合は外れやすくなります。コンドームはサイズも確認の上で選びましょう。
コンドームと男性器のサイズが合っていない場合は外れやすくなります。コンドームはサイズも確認の上で選びましょう。
無防備な性行為があり、かつ低用量ピルを飲み忘れたとき
アフターピルは、無防備な性行為後72時間以内の服用が定められています。服用は、早ければ早いほど避妊の成功率を高めることができます。性行為から24時間以内に飲んだ場合の妊娠阻止率は95%という報告があります。
低用量ピルやアフターピルの入手方法
医療機関(病院)で処方してもらう
ピルを入手するためには、医療機関が発行した処方箋が必要となります。通常、専門の医療機関で診察を受けて処方してもらうことになりますので、かかりつけの婦人科がある場合は、そちらを受診してください。
対面診療に対応している産婦人科医療機関:緊急避妊に係る取組について|厚生労働省
オンライン診療サービスで処方してもらう
2019年から、産婦人科医あるいは厚生労働省が指定する研修を受講した医師は、オンライン診療を初診から行えるようになりました。予約や診察、処方や支払いまで全てをオンラインで行うオンライン診療は、通院の手間がなく、周囲の目を気にせず自宅で診察が受けられます。
処方箋があれば一部の薬局でも購入可能
病院が発行した処方箋があれば、処方箋を取り扱う薬局に限りアフターピルを購入できます。スギ薬局やマツモトキヨシなど、一部のドラッグストアもこれに対応しています。購入時には、薬剤師から服薬指導を受け、その場で服用しなくてはなりません。服用を確認した薬剤師は、医療機関に患者様の服薬を報告します。
アフターピルはオンラインクリニックで処方してもらうのがお勧め
アフターピルの購入に際しては、電話やビデオ通話を使って診察が受けられるオンライン診療がお勧めです。通院することなく、自宅にいながらインターネットを通じて診察や処方を受けることができます。
以下ではアフターピルの処方に、オンライン診療が推奨される理由をお伝えします。
通院せずに診察が受けられる
1つ目の理由は、医療機関に出向くことなく診療が受けられることです。通院が不要であるオンライン診療は対応がスピーディーで、緊急性の高いアフターピルの服用に適しています。
さらに、オンライン診療では自宅にアフターピルが送られてきますので、お薬を取りに行く必要もありません。お急ぎの方や通院に抵抗を感じる方は、オンライン診療をご利用ください。
PCやスマホで診察から決済まで完結
2つ目の理由は、インターネット上で診察から決済までを終えられることです。スマホやパソコンを利用して医師の診療を受けるオンライン診療は、予約や診察、決済も全てオンライン上で行いますので、面倒な電話予約の手間もかかりません。医療機関に行って支払うことも不要です。スマホがあれば、外出先からも簡単に予約や診察が行え、便利です。
様々な決済方法に対応
3つ目の理由は、様々な決済方法が使えることです。対面診療時にクレジットカードや電子マネーが使える医療機関もありますが、まだ現金での支払いが主流です。一方、オンライン診療では、クレジットカードを中心に多様な支払い方法が選べます。医療機関ごとに対応している支払い方法は異なりますので、医療機関を選ぶ際には、支払い方法も確認しておきしましょう。
まとめ
ここまで、低用量ピルとアフターピルの特徴や服用方法を解説してきました。普段から低用量ピルを飲んでいても、飲み忘れてしまっては妊娠のリスクが生じます。避妊効果を継続させるためにも必ず毎日飲むように、今一度注意を払いましょう。
また、アフターピルには副作用もありますので、できるだけ服用する必要がないようしっかり避妊しましょう。それでも、万が一の時には速やかな対策を取ってください。自分の体を守るためにも、正しく安全にピルを服用し、毎日の暮らしをより豊かにして頂きたいと思います。
SOKUYAKUオンラインクリニックでは、低容量ピルやアフターピルのオンライン診療に対応しております。医師がそれぞれの患者様に適切な避妊薬を処方し、ご自宅に配送いたしますので、処方を希望される方は是非ご活用をください。
医師
馬場 敦志
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
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※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。
緊急気品でオンライン診療を選ぶときには、性行為から緊急避妊薬を内服するまでの時間、郵送して緊急避妊薬が届くまでの時間などを考えて診察を受けるようにしましょう。
また、低用量ピルを内服している方が、服薬を飲み忘れた時に性行為している場合には、妊娠する可能性があります。
状況によっては避妊効果に影響しない飲み忘れの場合もあるため、心配であれば、処方を受けている医師に確認するのがいいでしょう。