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大人になってから起こるアトピー?成人型アトピー性皮膚炎の原因と対処法

監修医師 五藤 良将
更新日:2025年03月7日

更新日:2025年03月7日

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「大人になってからアトピーの症状が出てきた…」と悩んでいませんか?アトピー性皮膚炎は子どもに多い病気と思われがちです。しかし、大人になってから発症する「成人型アトピー性皮膚炎」も少なくありません。ストレスや生活習慣の乱れ、皮膚のバリア機能の低下などが原因となり、慢性的な湿疹やかゆみに悩まされることがあります。この記事では、成人型アトピー性皮膚炎の原因や対処法、悪化を防ぐ生活習慣について詳しく解説します。

大人のアトピー性皮膚炎はなぜ発症する?

大人になってから発症するアトピー性皮膚炎の背景には、生活環境の変化を経験したり、慢性的なストレスや生活リズムの乱れ、ホルモンバランスの変化があります。

皮膚のバリア機能の低下

皮膚には外部の刺激や雑菌の侵入を防ぎ、体内の水分を保持するバリア機能があります。アトピー性皮膚炎では、このバリア機能が低下してしまうのです。

 

バリア機能の低下によって、外部の刺激やアレルゲンが侵入しやすくなります。アレルゲンが皮膚から侵入すると免疫細胞が反応し、ヒスタミンを放出することで炎症が起こります。

環境要因

大人ではハウスダストや花粉などの環境アレルゲンが影響を与えることが特徴です。子どもの頃に症状が落ち着いていた人でも、ストレスや生活環境の変化によって免疫力が低下し、大人になって再発することがあります。ダニやペットの毛、ダニの死骸、カビなどは刺激となりやすく、都市部での大気汚染や冷暖房による空気の乾燥が肌の状態に影響を及ぼすことがあります。

生活習慣やストレス

社会人になると生活習慣が変化し、些細な日常の出来事でも重なったり続いたりすると、ストレスが蓄積しアトピー性皮膚炎の発症や悪化につながることがあります。学校生活から就職、転職、結婚、出産・子育てなど、生活の中心が仕事や家庭へと変化していきます。これらが、ライフステージによるストレスです。

 

仲間関係のトラブルが精神的ストレスの要因となり、心の不調を引き起こすことがあります。また、妊娠・出産やホルモンバランスの変化も影響を及ぼす要因となります。

化学物質や食品添加物

唾液、汗、髪の毛の接触、ウールなどの衣類の摩擦などの刺激、化粧品や香料、金属などの化学物質は、かゆみを悪化させる要因です。また、食品添加物や特定の食べ物、飲酒、風邪なども症状に影響を及ぼします。

子どものアトピー性皮膚炎性との違いは?

大人のアトピー性皮膚炎は、顔や首、手など露出部分に症状が出やすく、慢性化しやすい傾向があります。

湿疹の部位の違い

顔や首、胸、背中などの上半身が症状が出やすい部位です。顔から首にかけて皮疹がひどく出る「顔面型」や、体や腕、脚に強いかゆみを伴うぶつぶつとした皮疹が多発する「痒疹型」になる場合もあります。

慢性化しやすい

慢性的なストレスが免疫機能を低下させ、アトピーの症状が出やすくなります。また、仕事が忙しく継続的な受診や治療が難しくなることで、症状が悪化し慢性化することも少なくありません。

大人のアトピー性皮膚炎の治療

大人でも子どもでも、アトピー性皮膚炎の発症メカニズムに大きな違いはありません。悪化を防ぐためには、正しい治療と日頃のスキンケアが重要です。

スキンケア

皮膚の清潔を保ち、うるおいを維持することが重要です。適切な洗浄と保湿を行い、皮膚のバリア機能をサポートします。

薬物療法

皮膚の炎症を抑えるために、ステロイド外用薬や免疫抑制剤などを使用します。かゆみを軽減し、症状の悪化を防ぐことが目的です。

生活習慣の改善

悪化因子を特定し、できる限り除去します。生活習慣の見直しも必要です。

皮膚のバリア機能を回復するためのスキンケア

アトピー性皮膚炎の皮膚は乾燥しやすく、バリア機能が低下しています。炎症が治まっているときも油断せず、毎日のスキンケアを継続し、再燃を予防することが大切です。基本となるのは「清潔」と「保湿」になります。

保湿をしっかりおこなう

洗浄後はすぐに保湿剤を塗り、うるおいを補給することが重要です。保湿は入浴後だけでなく、外出の前後や皮膚の乾燥が気になるときにも行ってください。特に腰やすね、太ももは皮脂腺が少なく乾燥しやすい上に、衣類との摩擦によってかゆみが起こりやすいため、塗り忘れがないようにしましょう。

洗浄に注意する

皮膚には汗やほこり、雑菌などが付着しており、それらを放置すると炎症やかゆみが悪化することがあります。毎日の入浴やシャワーで皮膚表面の汚れをしっかり洗い流し、清潔を保つようにしましょう。

薬物療法の基本は外用薬による炎症の抑制

薬物療法は、炎症を抑える塗り薬が中心です。

外用薬

基本はステロイド外用薬です。他には免疫反応に作用して炎症を抑える免疫抑制薬のタクロリムス軟膏や、デルゴシチニブ軟膏、ジファミラストなどがあり、ステロイド薬で十分な効果が得られない場合や副作用でステロイド薬が使えない場合に使用する外用薬です。

内服薬

飲み薬では、症状が強い場合にかゆみを和らげる抗ヒスタミン薬や炎症を抑えるステロイド薬の飲み薬が処方されます。また、通常の治療法で効果が得られない最重症のケースでは、免疫反応に作用して炎症を抑える飲み薬もあります。

悪化させないために原因を避ける生活習慣を

症状を管理するためには、生活環境や外部要因に対する対策を行いましょう。

環境を整える

ダニやホコリにアレルギーがある場合、こまめに掃除をしてみましょう。また、花粉に反応する場合は、花粉の多い時期にマスクを着用したり、長袖の衣服を着ることで肌の露出を減らすことが効果的です。

原因となるものを避ける

肌に対する刺激も大きな要因となります。衣類との摩擦や肌に合わない化粧品、化学洗剤などが刺激となり、症状が悪化することがあります。スキンケア製品は低刺激で、自分の肌に合ったものを選んでください。

ストレスを解消する

大人の場合、仕事や生活のストレスが悪化させる要因になることがあります。ストレスを溜め込まないように、リラックスできる方法を見つけて、定期的にリフレッシュすることも予防に繋がります。

大人のアトピー性皮膚炎は忙しくても放置せず皮膚科を受診しよう

大人のアトピー性皮膚炎は、忙しい生活の中でも放置せずに皮膚科を受診しましょう。症状が悪化すると、治療に時間がかかることがあります。忙しい中でも自分の健康を優先し、サポートを受けることが症状をコントロールする鍵となります。

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まとめ

大人のアトピー性皮膚炎は、生活環境や習慣によって発症、悪化しやすく、慢性化しやすいことが特徴です。症状を和らげるには、適切なスキンケアや薬の使用に加え、ストレスを溜め込まないようにしましょう。肌のバリア機能を守るためには、保湿や洗浄方法を工夫し、適切なスキンケアを続けることが重要です。忙しくてもそのままにせず、皮膚科での治療を継続し、肌の状態を整えていきましょう。

コメント 成人型アトピー性皮膚炎の発症には、皮膚のバリア機能低下、生活習慣、ストレス、環境要因が関与しています。特に大人では、仕事や家庭のストレス、食生活の乱れ、睡眠不足などが影響し、慢性化しやすい傾向があります。治療の基本は、皮膚の保湿と適切な外用薬の使用、そして悪化因子の排除です。また、生活習慣の見直しやストレス管理も重要です。症状が長引く場合は、自己判断せず皮膚科医の診察を受けることをお勧めします。

監修医コメント

医師
五藤 良将

成人型アトピー性皮膚炎の発症には、皮膚のバリア機能低下、生活習慣、ストレス、環境要因が関与しています。特に大人では、仕事や家庭のストレス、食生活の乱れ、睡眠不足などが影響し、慢性化しやすい傾向があります。治療の基本は、皮膚の保湿と適切な外用薬の使用、そして悪化因子の排除です。また、生活習慣の見直しやストレス管理も重要です。症状が長引く場合は、自己判断せず皮膚科医の診察を受けることをお勧めします。

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監修医師 五藤 良将
経歴:千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。 免許・資格:医師免許、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医、日本医師会産業医、日本美容内科学会評議員 所属:医療法人社団五良会 竹内内科小児科医院 院長 医療法人社団五良会 理事長
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