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頭皮のかゆみが発症したらどうしたらいい?考えられる原因や対処方法について解説

監修医師 松澤 宗範
更新日:2024年08月26日

更新日:2024年08月26日

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頭皮のかゆみは、多くの方が経験する一般的な症状です。しかし、頭皮のかゆみの原因や対処方法が分からない場合、悩むことも少なくありません。かゆみが続くと不快感が増し、日常生活にも影響を与えることがあります。

この記事では、頭皮のかゆみの原因や対処方法について詳しく説明します。適切なケアを知ることで、かゆみを和らげ健康な頭皮を保ちましょう。

なぜ頭皮はかゆくなるの?

頭皮を十分に洗わないと、皮脂や汗が溜まり、細菌が繁殖しやすくなります。この細菌が頭皮を刺激するため、かゆみを引き起こす原因となるのです。逆に、洗髪をし過ぎた場合では必要な皮脂まで取り除いてしまい、頭皮が乾燥します。乾燥した頭皮はバリア機能が低下し、外部からの刺激に敏感になり、かゆみを感じやすくなるため注意しましょう。

 

頭皮のかゆみは、洗髪の頻度や方法、皮脂や常在菌のバランス、紫外線やカラーリング剤など外部からの刺激など、さまざまな要因によって引き起こされます。頭皮のかゆみが続く場合や、他の症状(赤み、フケ、湿疹など)が見られる場合は、皮膚科を受診しましょう。以下の病気の可能性があります。

脂漏性皮膚炎

頭皮からフケが落ちたり、痒みが続いたりする場合、脂漏性皮膚炎の可能性があります。汗疹やシャンプーの洗い残しが原因であることも多いですが、症状が長引いたり再発を繰り返す場合には注意しましょう。

脂漏性皮膚炎とは

脂漏性皮膚炎は、頭皮や顔、特に鼻や頬、耳の後ろなど皮脂の分泌が多い部分に現れる皮膚の炎症です。フケや赤い発疹が特徴で、時には痒みを伴うこともあります。

 

この病気は男性に多く見られ、生後2週から12週の乳児や思春期から40歳くらいの人に多く発症することが特徴です。乳児の場合は自然に治ることが多いですが、大人の場合は慢性化しやすく、再発を繰り返すことがあります。

原因

脂漏性皮膚炎の原因は、皮膚に常在するマラセチアというカビ(真菌)が関与していると考えられています。マラセチアは皮脂を食べて、皮脂の成分を分解します。この分解された成分が皮膚を刺激して、炎症を引き起こします。

 

マラセチアは皮脂が多いと増えやすくなりますが、なぜ異常に増えるのかはまだはっきりしていません。大人の場合、男性ホルモンが皮脂の分泌を増やすため、脂漏性皮膚炎が起こりやすくなります。ただし、この病気は人にうつることはありません。

治療方法

治療は主に外用薬(塗り薬)です。弱いステロイド外用薬から始め、痒みが強い場合は強いステロイドに変更します。また、マラセチア菌が関与しているため、抗真菌薬も併用することがあります。症状が改善したら、ステロイドの使用を減らし抗真菌薬で様子を見ることが一般的です。

接触性皮膚炎

頭のかゆみの原因として接触性皮膚炎が考えられるのは、シャンプーや染毛剤、育毛剤、帽子などの使用後です。これらの製品や物質が頭皮に触れることで炎症を引き起こすことがあります。

接触性皮膚炎とは

接触性皮膚炎とは、皮膚に何らかの物質が触れ、それが刺激やアレルギー反応となって炎症を起こしたものです。「かぶれ」とも呼ばれ、湿疹や赤み、かゆみ、水ぶくれや腫れなどさまざまな症状を伴います。基本的には原因物質に触れた部分に症状が現れます。

原因

接触皮膚炎は、皮膚に触れる物質の刺激が強いために生じる「刺激性接触皮膚炎」、皮膚に触れる物質にアレルギーがある場合に生じる「アレルギー性皮膚炎」、紫外線が関わる「光接触皮膚炎」に大別され、炎症が起こる原因はそれぞれ異なります。

治療方法

まずはかぶれの原因物質を特定し、それを取り除くことが必要です。もし原因となるような刺激物質に触れた場合は石鹸でよく洗い流してください。かゆみがひどくてもできるだけ掻いたり触ったりしないよう気をつけましょう。

 

治療法としては刺激性・アレルギー性にかかわらず、炎症やかゆみを抑えるためステロイド外用薬などを使用します。また炎症の範囲が狭い場合は、冷やしたガーゼを当てると症状を和らげられます。症状が軽い場合は数日で完治することもありますが、症状が改善しない場合や長期間続く場合は医療機関で相談してください。

ケジラミ症

ケジラミは主に陰毛に寄生することで知られていますが、まれに頭髪にも寄生することがあります。

ケジラミ症とは

ケジラミ症は、吸血性の昆虫であるケジラミが人間の体毛に寄生することで発症する性感染症です。ケジラミは陰毛、肛門周辺、腋毛、胸毛、ひげ、眉毛、まつ毛、そしてまれに頭髪にも寄生します。

 

ケジラミ症の主な症状は、寄生部位の激しいかゆみです。下着に茶色い粉(ケジラミの糞便)が付着することもあります。まつ毛に寄生した場合、目やにのように見えることもあります。

原因

ケジラミは、性行為や密接な接触を通じて感染します。また、寝具やタオルなどを共有することでも感染することがあります。ケジラミは1日に数回吸血し、その血液を栄養源として成長します。

治療方法

薬用シャンプーを使用してケジラミを駆除します。卵には効果が弱いため、1週間以上は使用しましょう。清潔なタオル、寝具、下着を使用してください。また、剃毛ではケジラミの寄生部位の毛を剃ることで、ケジラミの住処をなくします。ただし、自己判断では行わないでください。別の体毛に移動するリスクがあるからです。

頭部白癬

白癬菌は、広く存在するカビの一種で、通常は害を及ぼしません。しかし、免疫力が低下すると異常に繁殖することがあり、注意が必要です。

頭部白癬とは

頭部白癬(とうぶはくせん)は、白癬菌が頭皮や毛髪に感染することで発生する病気です。主な症状には、頭皮のかゆみ、赤み、フケ、炎症、脱毛などがあります。特に子どもたちの間で感染が広がりやすく、学校や幼稚園などで集団感染が起こることもあります。

原因

頭部白癬の原因は、白癬菌の感染です。通常、健康な人の頭皮にも白癬菌は存在しますが、免疫力の低下や過剰な皮脂分泌、汗や湿気などの要因で白癬菌が異常に増殖すると、症状が現れます。特に、ストレスや栄養不足が免疫力を低下させることが多いです。

 

頭部白癬は、感染者と直接触れることで感染します。感染者のヘアブラシやタオルなどを共有したり、公共のシャワールームやプールなどで感染することもあります。

治療方法

治療には、抗真菌薬を含むクリームやシャンプーを頭皮に塗布する外用薬や、重症の場合には内服薬を使用します。紫外線を照射して白癬菌の増殖を抑えるライト療法もあります。清潔なタオルやヘアブラシを使用し、共用品の共有を避けることが重要です。

頭皮のかゆみを予防するための正しいケア方法

髪は正しく洗わないと、頭皮のかゆみやフケ、赤みなどのトラブルも引き起こす可能性があるため、早めに洗い方を見直しましょう。髪は毎日洗うため、間違った方法で洗うとその影響がすぐに現れることがあります。

適度な洗浄力のあるシャンプーを使う

シャンプーは髪の汚れを洗い流すというよりは、頭皮の汚れを洗い流すことが目的です。頭皮の汚れは皮脂によるもので、シャンプーを使わなければ洗い流せません。適度な洗浄力のあるシャンプーを使うことで、頭皮を清潔に保ち、頭皮トラブルを防げます。ただし、過剰な洗浄力のシャンプーは、頭皮の必要な油分まで取り除いてしまい、乾燥やかゆみの原因になります。

あらかじめ手でよく泡立ててから泡でやさしく包み込むように洗う

シャンプーを使うときは、まず手のひらで泡立ててから髪と頭皮に塗るのがポイントです。シャンプー液を直接頭皮につけると、洗浄力が強すぎて頭皮が乾燥してしまうことがあるため避けてください。シャンプー液を手のひらにとり、少量のぬるま湯を加えると泡立ちやすくなります。

 

シャンプーの量は髪の量や頭皮の面積、製品によって異なるので、自分に合った適量を見つけましょう。洗うときは、髪ではなく頭皮を指の腹で優しく洗ってください。爪を立てると頭皮が傷つき、トラブルの原因になります。また、髪同士を強くこすり合わせるのも避けましょう。

洗い残しのないようにすすぐ

シャンプーを使った後は、しっかりと洗い流すことが大切です。シャンプーが髪に残ると、髪がパサついたり、頭皮に刺激を与える原因になります。目安として、30〜40回程度すすぐと良いでしょう。すすぐ際には同じ場所ばかりを洗うのではなく、前髪の生え際や耳の後ろ、首の側面なども忘れずに、まんべんなくすすぐことがポイントです。

洗髪後はタオルで水気をとり、すぐに乾かす

タオルで髪の水分を取る「タオルドライ」をしましょう。これにより、ドライヤーを使う時間を短縮できます。タオルでゴシゴシこすらないように注意してください。髪のキューティクルが開いている状態で摩擦を加えると、髪が傷んでしまいます。柔らかいタオルで髪を包み込むようにして、水分を優しく吸い取るのがポイントです。

 

次に、ドライヤーで髪を乾かします。髪が半乾きのままだと、湿気を好む雑菌が増えて頭皮トラブルの原因になることがあります。ドライヤーはできるだけ手早く使い、髪や頭皮に熱ダメージを与えないように、常にドライヤーを動かしながら乾かしましょう。

頭皮のかゆみがつらい場合は、医師に相談を

頭のかゆみが長い期間続く場合や繰り返す場合には、自己判断せず医療機関を受診しましょう。

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忙しくて病院に行く時間が取れない場合、オンライン診療を利用するのも一つの方法です。

オンライン診療とは

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まとめ

頭皮のかゆみはさまざまな要因で引き起こされることがあり、適切な対策を知ることが大切です。日常のケアや生活習慣の見直し、そして必要に応じて専門医の診察を受けることで、かゆみを効果的に和らげられます。この記事が、頭皮のかゆみに悩む方々のお役に立てれば幸いです。正しい知識とケアを実践し、健康で快適な頭皮環境を保ちましょう。

コメント かゆみが発生した際、オンライン診療は非常に便利です。まず、診療の予約や待ち時間が短縮され、迅速に医師のアドバイスを受けることができます。また、かゆみの原因は多岐にわたるため、初期段階で専門医と相談することで、適切な対処法や薬の処方を早期に受けることが可能です。さらに、必要に応じて適切な皮膚科への受診をスムーズに進めることができます。忙しい日常の中で、症状の悪化を防ぐ手段としてオンライン診療は有効です。

監修医コメント

医師
松澤 宗範

かゆみが発生した際、オンライン診療は非常に便利です。まず、診療の予約や待ち時間が短縮され、迅速に医師のアドバイスを受けることができます。また、かゆみの原因は多岐にわたるため、初期段階で専門医と相談することで、適切な対処法や薬の処方を早期に受けることが可能です。さらに、必要に応じて適切な皮膚科への受診をスムーズに進めることができます。忙しい日常の中で、症状の悪化を防ぐ手段としてオンライン診療は有効です。

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監修医師 松澤 宗範
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科

皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科 皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療 2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
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