産後の頭皮トラブルはいつまで続くの？原因や改善法について詳しく解説

産後の頭皮トラブルの原因

産後は肌が敏感になるだけでなく、頭皮にも変化が現れます。これは主にホルモンバランスの変化が原因です。出産後、ホルモンの分泌量が妊娠前の状態に戻るため、それまで抜けにくかった髪が一気に抜けることがあります。この抜け毛の量には個人差がありますが、これがいわゆる産後の抜け毛です。

女性ホルモンの低下

女性ホルモンには、プロゲステロン（黄体ホルモン）とエストロゲン（卵胞ホルモン）の2種類があります。プロゲステロンは妊娠を維持する役割です。エストロゲンは妊娠の準備や女性らしい体を作る役割を担っています。妊娠中はこれらのホルモンが増加しますが、出産後には急激に減少します。

脱毛と関係が深いのはエストロゲンです。エストロゲンは毛髪を維持する働きがあり、妊娠中はエストロゲンの分泌が盛んになるため、通常なら抜けるはずの毛が抜けずに維持されます。しかし、出産後にエストロゲンが急激に減少すると、ヘアサイクルが元に戻り脱毛が増えることになります。

夫婦間や育児面のストレス

出産は女性の身体に大きな影響を与えます。出産後すぐに育児が始まり、生活リズムが大きく変わるため、十分な栄養を摂ることや規則正しい睡眠をとるのは難しいでしょう。

育児が始まると、夜泣きや授乳で睡眠不足が続き、気持ちや考え方に余裕がなくなりがちです。夫の理解や協力が得られない場合、さらにストレスを強く感じるかもしれません。これらの身体的・心理的な変化が、抜け毛を引き起こす一因となることがあります。

ストレスが自律神経に影響を与えると、交感神経が優位になり血管が収縮し続けます。その結果、頭皮や髪の毛に必要な栄養が十分に届かずダメージを受けることになります。

洗浄力の強いシャンプーの使用

産後の女性は、ホルモンバランスの変化により肌質が変わりやすいといわれています。肌にあわないシャンプーを使い続けていると、肌を守る役割がある皮脂を過度に洗い流してしまい、頭皮の環境が悪化してしまいます。その結果、健康な髪の毛が成長しにくい状態になってしまう可能性があるでしょう。

一方で、育児の忙しさや疲れから髪を洗う頻度が減ると、頭皮に皮脂や汚れが貯まりやすくなり、毛穴のつまりが発生して髪の毛の健康な成長を妨げます。

産後の頭皮ケアを改善する方法

ここからは、産後の頭皮ケアの方法について説明します。食事や睡眠などの生活習慣が関係しているため、意識してみましょう。

ビタミンB2、ビタミンE、鉄を摂取する

頭皮の健康を保つためには、さまざまな栄養素が必要です。ビタミンB群は、髪の成長や健康維持に重要です。たとえば、ビタミンB1やB12は細胞分裂を促進し、髪の成長をサポートします。ビタミンB2は皮脂の分泌を調整し、頭皮を清潔に保つことが役割です。また、ビタミンB6は髪の主成分であるケラチンなどのたんぱく質の合成に関わっています。

ビタミンB2とB6は、育毛に関わるビタミンとして知られています。ビタミンB2は頭皮の健康を維持し、ビタミンB6は髪の成長に必要な栄養素を供給するため、これらのビタミンをバランスよく摂取することが大切です。にんにくには100gあたり約1.53mgのビタミンB6が含まれています。成人男性は1日約1.4mg、成人女性は約1.1mgのビタミンB6を摂取することが目安です。

ビタミンEは抗酸化作用があり、髪と頭皮の健康をサポートします。ほうれん草やナッツ類に多く含まれており、アーモンドには100gあたり約29mgのビタミンEが含まれています。

鉄分も髪の成長には欠かせません。鉄分は酸素や栄養素を運搬する役割を持ち、不足すると貧血を引き起こし、髪の健康に悪影響を及ぼします。あさりや鶏レバー、カツオなどに多く含まれており、鶏レバーには100gあたり約9.0mgの鉄分が含まれています。成人男性は1日約7.5mg、成人女性は約6.5〜10.5mgの鉄分を摂取しましょう。

質のいい睡眠をとる

産後の頭皮ケアには、質の良い睡眠を確保することが重要です。髪の毛も身体の細胞と同様に、睡眠中に細胞分裂を繰り返して成長します。そのため、十分な睡眠を取ることが髪の健康に直結します。

まず、睡眠の質を高めるためには、寝る前の習慣を見直しましょう。たとえば、スマートフォンやパソコンの使用を控えることが効果的です。これらのデバイスから発せられるブルーライトは、眠気を妨げることがあります。代わりに、温かい飲み物を飲んでリラックスする時間を持つと良いでしょう。

また、短時間の睡眠でも質を高めるためには、寝る場所も重要です。カーペットやソファで寝るのではなく、布団やベッドを利用することで、より深い睡眠を得られます。これにより、成長ホルモンの分泌が促進され、髪の毛の修復や頭皮の新陳代謝が活発になるでしょう。

子育て中は夜泣きや授乳でまとまった睡眠を取るのが難しいかもしれません。そのため、家族のサポートを得て、少しでも休息を取る時間を確保してください。昼寝を取り入れることも一つの方法です。家族と相談し、休息の時間を調整することで質の良い睡眠を確保しましょう。

睡眠前にはできるだけリラックスして過ごすことが重要です。ストレスを軽減することで、より良い睡眠が得られ、髪の健康にも良い影響を与えます。

家庭内のイライラを減らす

ストレスを減らすことは、健康な頭皮環境を維持するためにも大切です。ストレスが溜まるとホルモンバランスが崩れやすくなります。日常的にストレスを適度に発散し溜め込まないように心がけましょう。

産後は料理、洗濯、料理、育児などが思うように進まないかもしれません。そんな時、出来なかった自分を責めるのではなく、できたことに目を向けることが大切です。大変だったけど、洗濯はできたというふうに考え方を少し変えるだけで、気持ちが楽になります。

この考え方は夫に対しても同じです。夫が家事や育児をうまくできないからといってイライラするのではなく、手伝ってもらえるだけでも充分と考えるようにしましょう。妻にダメ出しされた夫の多くは家事に対するモチベーションが下がります。家事に積極的に参加してもらうには、褒めることが効果的です。お礼の言葉をかけられた夫は家事に対するモチベーションが上がるはずです。

医師に相談する

産後の脱毛は、多くの場合、時間が経つと自然に改善します。あまり心配せず、「こういうものだ」とリラックスして過ごしてください。ただし、髪の一部が大量に抜ける、頭皮に赤みや強いかゆみがある、または1年以上経っても改善しない場合は医療機関を受診しましょう。

なかなか症状がよくならない場合は医師に相談しましょう

産後の頭皮トラブルが長引く場合や悪化する場合には、我慢する必要はありません。一人で悩まず専門医に相談しましょう。

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まとめ

産後の頭皮トラブルの原因と改善法について詳しく解説しました。産後の体はホルモンバランスの変化やストレスなどで、身体にさまざまな変化が起こります。適切なケアを行うことで、産後でも頭皮の健康を保つことが期待できます。

無理のない範囲で自分に合った対策を実践し、頭皮と髪の健康を保ちましょう。この記事が参考になれば幸いです。