首のイボはどうしてできる?原因や対処方法について詳しく解説
更新日:2024年12月9日
首にできるイボとは?
いぼには色々な種類や原因があります。首にできるいぼは特に悩みの種になることが多いですが、実際にはいぼではなくホクロやシミかもしれません。
「いぼ」という言葉は医学用語ではなく、皮膚が盛り上がってできる小さなできもののことです。皮膚科で扱われるいぼには、ウイルス感染によるものと、そうでないものがあります。たとえば、「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」はウイルス感染によるいぼの代表例で、手や足にできることが多いですが、首にはあまり見られません。
首にできるイボの種類と原因
首にできるいぼにはいくつかの種類があり、それぞれ形や大きさが異なります。首イボは一般的な呼び方で、医学的には軟性線維腫(アクロコルドン)と呼ばれることがほとんどです。似た症状として「脂漏性角化症」や「ウイルス性のいぼ」もありますが、これらは発症の仕組みや見た目、治療方法が異なります。
イボができる主な原因は、皮膚の老化や個人の体質です。特に首は衣類で覆われていないため、紫外線の影響を受けやすく皮膚のダメージを引き起こします。また、衣類の襟やマフラー、アクセサリーなどによる摩擦も刺激となり、イボの原因の一つです。イボは30代頃からでき始めることがほとんどですが、人によっては20代からできます。
さらに、イボは首以外にも皮膚が薄く柔らかい部分にできやすく、脇の下や胸、わき腹、鼠径部にも多く見られることが特徴です。これらのいぼは良性の腫瘍であり、特に問題はありませんが、首は目立ちやすいため気になることがあります。また、普段は痛みや痒みがなくても、摩擦によって不快に感じるかもしれません。
スキンタッグ・軟性線維腫(アクロコルドン)
首にできるいぼの大半は「アクロコルドン」「スキンタッグ」「軟性繊維腫」という名前の良性の皮膚腫瘍です。これらは中高年になると特に目立ちやすくなります。また、首以外の皮膚が薄い部分にも現れることがあり、炎症を引き起こすこともあります。
たとえば、「アクロコルドン」は1〜2ミリ程度の小さいものです。アクロコルドンは、首全体にたくさんできることがあります。一方、「スキンタッグ」はそれより少し大きく、1〜数ミリ程度で、少し飛び出して見えることがあります。そして、「軟性繊維腫」はさらに大きくなる場合があり、1〜5ミリほどのサイズで、皮膚から飛び出しているのが特徴です。
脂漏性角化症(老人性イボ)
脂漏性角化症とは「老人性イボ」とも呼ばれる、皮膚にできる褐色から黒色の良性のしこりです。40歳以上の方に多く見られますが、日焼けをよくする方やアウトドア好きの方は、若いときからでも見られることがあります。
老人性色素斑(シミ)とは異なり、少し盛り上がっているのが特徴です。このしこりは、数ミリから数センチまでの大きさで、まれに5センチほどになることもあります。よく日光に当たる顔、頭、首、手足などにできやすい部位です。痛みやかゆみがほとんどなく、放っておいても問題はありませんが、一度できると自然には消えません。
ウイルス性のイボ(尋常性疣贅)
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することでできるイボのことです。このウイルスは、皮膚に小さな傷があるときに感染しやすく、その部分に侵入して皮膚の細胞に影響を与えます。その結果、細胞の成長が早まり、表皮が厚くなってイボができます。
尋常性疣贅を引き起こすHPVは、子宮頸がんの原因となるHPVとは異なる種類のため、心配する必要はありません。感染しやすい場所としては、プールサイドや公衆浴場の脱衣所など、多くの人が裸足で行動する場所です。また、家庭内でも直接皮膚が触れたり、タオルや風呂場の足拭きなどを共有することで感染することがあります。
首イボは自分で取っていいの?
首イボを自分で取るのはおすすめできません。自然に取れてしまった場合は、出血や痛みがなければそのままでも問題ありません。しかし、本当に首イボであるかどうかの診断も含めて、除去したい場合は医療機関に相談するのが良いでしょう。
首イボの治療方法
首イボ自体はほとんどが良性のため、放っておいても悪性になることはありません。ただし、見た目が気になる場合には液体窒素による凍結療法や、切除、CO2レーザーなどの治療方法が医療機関で利用できます。
液体窒素による冷凍凝固術(保険診療)
冷凍凝固術とは液体窒素という非常に冷たい物質を使って、皮膚の細胞を凍らせて取り除く治療法です。良性のイボ(軟性線維腫)を治療するために行われることが多く、液体窒素を綿棒や綿球に染み込ませて患部に当てたり、先端を液体窒素に浸したピンセットでイボを摘んだりして凍らせます。
治療は痛みを伴わないことがほとんどですが、時には少しだけ出血することもあります。一度で全てのイボを除去できないことが多く、何回か通院が必要です。この治療の後、皮膚にしみが残ることがありますが、これは通常半年から1年で消えることが一般的です。ただし、人によっては残ってしまうかもしれません。
手術による切除療法(保険診療)
イボを根元からメスやハサミで切り取って、切り取った部分を縫う治療法です。1センチ以上の大きなイボの場合は、液体窒素やレーザー治療に比べて傷跡が少なくて済むことがほとんどです。
液体窒素ではなかなか取れない部分や、大きなイボで治療回数が多くなりそうな場合は、手術による治療が適しています。顔や手など、見える部分にできたイボを手術する場合は、溶ける糸を使って縫うことで、見た目に配慮することが可能です。
CO2レーザーを用いる方(自費診療)
CO2(炭酸ガス)レーザーは、水分を含むものに吸収される性質をもます。皮膚には水分が多く含まれるため、照射すると一瞬にして熱エネルギーに転換して組織を蒸散させることが可能です。
短時間に高エネルギーをピンポイントで照射できるため、治療時間が短く、皮膚組織の損傷を最小限にします。また、レーザーを照射した周辺の血管は熱凝固作用で瞬時に固まるため、メスで切除するよりも出血が少ないのが特長です。
ラジオ波メス法(自費診療)
高周波ラジオ波メスというのは、細胞の中にある水分にだけ作用する特別な手術用具です。これにより、体の中で必要以上に熱を発生させたり、組織を傷つけたりするリスクを抑えられます。一般的な電気メスよりも、細かい波を使って切開するため、より精密に手術を行えます。そして、手術中に出血を効果的に止めながら治療を進められる点が特徴です。
高周波ラジオ波のエネルギーは、レーザーとは違って、水分子にのみ作用します。体の他の部分に与える影響が少なく、結果として治療期間を短くできるというメリットがあります。
症状が改善しない場合は医師に相談を
首にできるイボには、色々な原因があります。見た目だけで判断するのが難しい場合には、皮膚の一部をとって顕微鏡で調べることもできます。別の病気である可能性も考えられるため。自己判断は危険です。症状が改善しない場合には、医師に相談しましょう。
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まとめ
首にできるイボは、日常的なケアや専門的な治療によって改善が見込めます。放置するとイボの数が増えたり、悪化するかもしれません。そのため、気になる場合には早めに皮膚科で相談し、適切な治療を受けることが重要です。この記事を参考に、イボの原因を理解し、予防と対策を通じて首元の肌を清潔に保ちましょう。
医師
松澤 宗範
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
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皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療
2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
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