ユーザー向け

巻き爪になったら何科にかかるべき?原因や対処方法についても詳しく解決

監修医師 松繁 治
更新日:2024年12月10日

更新日:2024年12月10日

巻き爪になったら何科にかかるべき?原因や対処方法についても詳しく解決のイメージ
https://wpstatic.sokuyaku.jp/media/verified_ChmypT0CF8UXxkji16bv-1.png
巻き爪は、爪が皮膚に食い込むことで痛みや炎症を引き起こす症状のことです。これにより歩いたり、普段の生活に支障が出ることもあるため、早めに治療することが大切です。この記事では、巻き爪が出来たときにどの診療科に行くべきか、巻き爪の原因や対処方法についても詳しく説明します。

巻き爪とは

 

巻き爪というのは、足の親指などの爪の両端が内側に曲がってしまう症状のことです。親指に起こりやすいですが、他の指にも起こることがあります。巻き爪が起こった場合、普段は痛くなくても、運動や長い時間歩くと痛みが出たり、爪が皮膚に食い込んで傷つけてしまい、痛みや炎症を引き起こすこともあります。

 

足の爪は歩くときに地面から指先にかかる力を受け止めることが役割の一つです。爪があるおかげで、足の指が地面をしっかりつかんで蹴り出せます。巻き爪は痛みを引き起こすだけでなく、足の指をしっかり使えていないという歩き方の問題も関わっていることがあります。

 

一生自分の足で歩き続けるためには、たとえ今は痛みがなくても、自分の巻き爪の原因を知り、放置せずに治療や改善することが大切です。巻き爪が出来た場合、日常生活に支障をきたすことがあるため、早めに対処することがおすすめです。

巻き爪になったら何科にかかるべき?

巻き爪になった場合、どの科にかかるべきか分かりにくいことがあるかもしれません。対応していない場合もあるため、調べてから受診することが大切です。

 

局所麻酔を使って部分的に爪を抜いたり、巻き爪の根治手術を行います。ただ皮膚科でも対応してくれるところはありますので、それぞれの病院で確認してみてください。

巻き爪が治療できる診療科目

症状 受診する科
軽い 皮膚科、フットケア外来
爪の変形が強い 形成外科
歩き方や足趾の変形が原因 整形外科

皮膚科

巻き爪が軽度な場合に保存療法を中心とした治療を行います。クリップやワイヤーを用いて爪の形を矯正したり、食い込んだ部分を部分的に切除することで痛みを緩和する方法があります。保険適用外の治療法も多いため、事前に確認しておきましょう。

 

形成外科

皮膚科での治療で改善が見られない場合は、形成外科での手術治療を検討することになります。形成外科では、根本的な外科的手術を行い、巻き爪の原因を取り除く治療を行います。

 

フットケア外来

フットケア外来は、足に関する専門的な診療を行うところで、皮膚科と同様に保存療法を中心に治療を行います。また、巻き爪以外の足の症状についても総合的なケアを受けられます。
整形外科

整形外科は、骨や関節、筋肉などの体の主要な部分に関連する問題を扱う専門分野です。例えば、足の爪のトラブルが、足や全身の関節の異常によって引き起こされることがあります。そのため、こういった場合には整形外科に行くことが推奨されることがあります。また整形外科の中で特に「足の外科」を標榜しており、足の診察を専門としている先生もおり、その中には巻き爪治療を得意としている医師もいます。

 

内科

内科は、内臓や体の内部の問題を専門とする分野です。巻き爪の原因が内科的な病気による場合もあります。たとえば、糖尿病の方は血液の循環が悪くなることで爪に十分な栄養が届かず、巻き爪になりやすいのです。内科的な問題が疑われる場合は、内科の受診が勧められることがあります。内科の医師の中には巻き爪の治療を行っている人もいます。

 

【巻き爪の原因】

 

巻き爪の原因は、不適切な爪のケアや靴の選び方、そして足にかかる圧力の不足です。一部の薬の副作用や遺伝的な要因も巻き爪のリスクを高めることがあると言われています。

 

爪の切り方が原因

巻き爪の主な原因の一つは、爪を適切に切らないことです。特に爪の先や角を切りすぎると、爪が短くなりすぎてしまいます。そうした場合、指先の皮膚が盛り上がり、爪が皮膚に埋もれ込むようになります。

通常、爪がきちんと皮膚を覆っている状態であれば、地面を踏む時にかかる力に対抗することが可能です。しかし、深爪をして爪が短くなった場合、この力に対抗できなくなり、結果として爪が皮膚の中に巻き込まれるように成長してしまいます。これが巻き爪の原因となります。

 

靴による圧迫

窮屈な靴を履いていると、足の両脇から圧力がかかり続けるため、巻き爪が起こりやすくなる要因です。特に、先のとがったデザインの靴などは、足に余計な負担をかけてしまいます。このような靴は、巻き爪だけでなく、外反母趾(足の親指が内側に曲がる状態)や浮き指(足の指が浮いてしまう状態)など、足の形状や健康に悪影響を及ぼすことがあります。

 

足趾の変形

足に痛みや変形(例えば、タコやウオノメ、扁平足、外反母趾など)がある場合、隣の指からも横や上から押されることになります。また、爪の病気(例えば、爪白癬や陥入爪など)があると、無意識に足の指を地面につけずに歩くことがあります。これは「浮き指」と呼ばれる状態です。この状態が続くと巻き爪が生じやすくなります。

 

荷重がかからない

爪には本来、巻いていく性質があり、足の爪は歩行中の地面からの圧力によって、巻きの力と広がる力のバランスを保っています。しかし、浮き指のように足の指が浮いている人や、寝たきりで歩かない人の場合、地面からの力がかからないため、このバランスが崩れやすくなります。その結果、爪が巻き爪になりやすくなるのです。

巻き爪の治療方法

 

巻き爪の治療は、変形した爪を元の形に戻すための矯正治療があります。この場合は、保険が適用されないため自費診療になります。治療方法や費用は医療機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

 

矯正治療は永久的に巻き爪を治すものではありません。治療をやめてからしばらくすると、再び巻き爪が戻ってくることがほとんどです。そのため、日々の生活で予防とケアを心がけ、巻き爪が悪化したら再び治療を受けることが必要です。

矯正具を装着する方法

特殊な金属で作られた器具を爪に取り付ける矯正方法です。これにより、少しずつ爪の形を元に戻していきます。

 

器具には2つのタイプがあります。1つは爪の先端に取り付けるタイプで、爪の幅に合わせて選べます。もう1つは、爪の縁にかけるタイプです。このタイプは、爪が根元近くから巻いている場合にも効果的になります。

 

処置時間は短く、爪へのダメージも少ないため、爪が割れやすい方にも向いています。それぞれの矯正具は、その方の爪の状態に応じて使い分けます。

ワイヤーを留置する方法

形状記憶合金で作られた超弾性ワイヤーを使う矯正方法です。この方法では、爪の先端に小さな穴を2か所開け、その穴にワイヤーを通します。ワイヤーは元の形に戻ろうとする特性を持っており、その力を利用して巻き爪を矯正します。

 

この方法は、爪の形状や硬さ、厚さに応じてワイヤーの太さや穴を開ける位置を調整することで、様々なタイプの巻き爪に対応できるのが特徴です。

プレートを接着する方法

巻き爪の矯正には、特殊な樹脂や形状記憶金属で作られた板状の矯正器具(プレート)を使う方法があります。この方法では、プレートを爪の表面に接着し、その力を利用して爪の変形を矯正します。

 

この方法は、矯正力がやや弱めですが、見た目があまり目立たず、爪をきれいに保つことが可能です。さらに、医療機関だけでなく、ネイルサロンでも行われることがあります。

外用薬を併用する方法

巻き爪の矯正治療に加えて、一時的に爪をやわらかくする専用の薬剤を使用する方法があります。この方法では、爪を柔らかくすることで矯正がしやすくなり、治療期間を短くすることが可能です。また、治療が終わった後も、爪の形を長く保つことが期待されます。

病院以外で巻き爪が治療できる場所

規制が緩和され、陥入爪(巻き爪)を治すための施術が、医療行為とみなされずに予防ケアとして扱われるようになりました。これにより、病院以外の場所でも巻き爪のケアを受けることが可能です。

 

ただし、病院以外の施設では医療行為ができないため、炎症や化膿、出血、痛みなどに対する治療は行えません。これらの症状がある場合は、病院で診てもらう必要があります。

巻き爪治療院

巻き爪の治療に特化した「巻き爪治療院」や「巻き爪矯正院」という施設が増えています。これらの施設では、爪をゆっくりと矯正するためのプレートやワイヤーを使った治療が行われ、軽度の巻き爪に対して効果的です。

 

ただし、症状が重い巻き爪の場合は、かえって悪化することがあります。重度の巻き爪の場合は、巻き爪治療院ではなく、病院での治療を受けることをお勧めします。

ネイルサロン

ネイルサロンでは、巻き爪や皮膚に刺さった爪のケアも行っています。爪を削って厚みを調整する方法が行われます。ネイルサロンに通っている方は、巻き爪の悩みを相談してみると良いでしょう。

 

ただし、爪を削りすぎたり、正しくない形に整えたりすると、かえって巻き爪が悪化することがあります。そのため、信頼できるネイリストに相談し、適切なケアを受けることが大切です。

整骨院(接骨院)

整骨院(接骨院)でも、巻き爪や陥入爪の予防ケアを提供していることがあります。内容は、爪の矯正器具やテーピングを使った緩やかな矯正などです。ただし、整骨院(接骨院)は、医師が在籍していないため、医療行為を行うことはできません。

巻き爪を治療する際の注意点

巻き爪の治療を行う際には、爪の状態をしっかりと確認してから、適切な治療法を選ぶことが重要です。費用や通いやすさだけで病院やサロンを選んでしまうと、かえって爪の状態が悪化したり、期待した効果が得られなかったりするかもしれません。以下のポイントに注意して治療を受けるようにしましょう。

巻き爪を放置すると肉芽や化膿のリスクが高まるので早めに処置する

巻き爪は放置すると、爪が皮膚に食い込んでしまうかもしれません。その場合、皮膚が炎症を起こし、細菌が入って化膿するリスクが高まります。炎症や化膿が進行すると、単なる薬や洗浄だけでは治まらず、外科手術が必要になることがあります。

 

そのため、症状が悪化する前に、早めに治療を始めることが重要です。炎症や化膿が発生すると、爪の矯正ができなくなるため、初期の段階で対処しましょう。

病院とサロンではできることが異なる

病院とサロンでは、それぞれ役割が違います。病院には皮膚科や形成外科の医師がいて、必要な医療行為を行えますが、サロンでは医師がいないため医療行為はできません。また、サロンでは、痛みや腫れへの対処は難しいのです。

患部の状態に合わせて病院を選ぶ

巻き爪の治療は、症状や原因に応じて適切な病院を選ぶことが大切です。たとえば、水虫が原因で爪が弱くなっている場合は、皮膚科で水虫の治療を行いながら爪のケアを受けられます。また、強い痛みを感じている場合は、形成外科で手術することも選択肢の一つです。

再発する可能性がある

巻き爪が治ったとしても、適切に管理しないと再び発生するかもしれません。再発を防ぐためには、治療後の日常生活で注意が必要です。特に、歩き方や靴選びに気をつけることが重要です。

 

つま先が狭い靴やヒールの高い靴は巻き爪の原因となりやすいため、避けるようにしましょう。快適で足に合った靴を選び、定期的に爪をチェックすることも大切です。

巻き爪になったら早めに医師に相談しましょう。

巻き爪は放置すると悪化しやすく、感染や炎症が進むリスクが高まります。そのため、できるだけ早く治療を開始しましょう。初期段階では、自分でケアすることも可能ですが、適切な知識がないと逆効果になるかもしれません。自己治療をするよりも、病院で専門的な治療を受ける方が良いでしょう。専門医の治療を受けることで、より確実かつ安全に巻き爪を治せます。

通院が難しい場合はオンライン診療もおすすめ

巻き爪が気になっていても、通院が難しい場合があるかもしれません。そんな場合には、オンライン診療がおすすめです。

オンライン診療とは

オンライン診療について

 

オンライン診療は、忙しい方や遠方に住んでいる方にとって便利なサービスです。インターネットを利用して自宅にいながら医師の診察を受けられます。スマートフォンやタブレット、パソコンなどを使用して、ビデオチャットで医師と直接対話せることが特徴です。このサービスでは、診察の予約、問診、診断、処方箋の発行、支払いまでをオンラインで完結できます。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、オンライン診療をアプリでスムーズに行えるサービスです。予約からお薬の受け取りまでの全てのステップを簡単に行えるのが特徴になります。

 

専門スタッフによるサポートや、お気に入りのクリニックや薬局の登録機能もあり、お薬手帳をデジタル化することも可能です。また、全国どこでも当日または翌日にお薬を受け取れます。

まとめ

巻き爪の治療は、皮膚科や形成外科、整形外科で受けるのが一般的になります。巻き爪が悪化する前に、適切な対処を受けましょう。巻き爪の原因は、爪の切り方や履物の選び方も関係しています。そのため、普段から正しいケアをすることが大切です。

 

巻き爪が気になる方は、この記事を参考にして、適切な対処を行い、快適な足元を保ってください。

コメント 巻き爪で悩んでいる方はたくさんいらっしゃると思います。爪は手の指にも足の指にもありますが、実は手と足ではその機能が大きく違っています。足の爪は、足先の保護はもちろんですが、体重をかけて歩く時に足の力を受け止める働きがあります。手の指の爪のように短く切りすぎてしまうと、力を受け止めることができなくなってしまい、巻き爪になってしまうのです。まず簡単な対策として、「短く切りすぎない」、「丸く切らずに真っ直ぐ切る」の2点を心がけるようにしましょう。

監修医コメント

医師
松繁 治

巻き爪で悩んでいる方はたくさんいらっしゃると思います。爪は手の指にも足の指にもありますが、実は手と足ではその機能が大きく違っています。足の爪は、足先の保護はもちろんですが、体重をかけて歩く時に足の力を受け止める働きがあります。手の指の爪のように短く切りすぎてしまうと、力を受け止めることができなくなってしまい、巻き爪になってしまうのです。まず簡単な対策として、「短く切りすぎない」、「丸く切らずに真っ直ぐ切る」の2点を心がけるようにしましょう。

この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。

当コラムの掲載記事に関するご注意点

  • 当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
  • 当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
  • 当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
  • 前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。
巻き爪になったら何科にかかるべき?原因や対処方法についても詳しく解決のイメージ
この記事が気に入ったら
いいねしよう!
最新記事をお届けします。
監修医師 松繁 治
免許・資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医、日本脊椎脊髄病学会認定 脊椎脊髄外科指導医、日本整形外科学会認定 脊椎内視鏡下手術・技術認定医 所属:新東京病院 経歴:岡山大学医学部卒業 / 現在は新東京病院勤務 / 専門は整形外科、脊椎外科
オンライン診療アプリ
SOKUYAKUの使い方
  • STEP1

    診療予約

    SOKUYAKUの使い方STEP1
  • STEP2

    オンライン問診

    SOKUYAKUの使い方STEP2
  • STEP3

    オンライン診療

    SOKUYAKUの使い方STEP3 SOKUYAKUの使い方STEP3
  • STEP4

    オンライン服薬指導

    SOKUYAKUの使い方STEP4 SOKUYAKUの使い方STEP4
  • STEP5

    おくすり配達

    SOKUYAKUの使い方STEP5

    ※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。

SOKUYAKUメディカルコラム