【皮膚科医師監修】ヘルペスの塗り薬はどれを選ぶ?市販薬と処方薬の違いと正しい使い方
ヘルペスってどんな病気?
ヘルペスは「単純ヘルペスウイルス(HSV)」が原因の感染症です。いったん体内に入ったウイルスは神経の中で静かに潜み、疲れやストレスなどで免疫が落ちたときに再び活動して、皮膚や粘膜に小さな水ぶくれやヒリヒリ感を引き起こします。
ヘルペスウイルスのタイプと感染の仕組み
HSVには大きく1型(HSV-1)と2型(HSV-2)があり、1型は口の周りなど上半身、2型は性器周辺に症状を起こしやすい傾向があります。ただし最近はオーラルセックスなどを介して、1型が性器に、2型が口周りに出るケースも珍しくありません。
ウイルスは水ぶくれ部分や唾液・分泌液に多く含まれるため、キスや性行為、共用タオル・食器などの接触でうつることがあります。
口唇ヘルペスと性器ヘルペス、症状の違い
口唇ヘルペスは、唇や口の周りに「ピリピリ・チクチク」といった違和感から始まり、小さな水ぶくれ→かさぶたへと進み、通常は1〜2週間で落ち着きます。
性器ヘルペスは、性器や肛門周囲に強い痛みをともなう水ぶくれやびらんが出やすく、発熱や倦怠感を伴うこともあります。初めての発症は重く出やすく、再発時は比較的軽く短期間で治まることが多いのが特徴です。
なぜヘルペスは再発しやすいのか
ヘルペスウイルスは、神経節に潜伏して免疫の監視をすり抜ける性質があります。疲労、睡眠不足、風邪や生理、強い紫外線やストレスなどで免疫が下がると再活性化し、同じ場所周辺に繰り返し症状が現れます。
ヘルペス治療における塗り薬の役割とは
ヘルペス治療の基本は「ウイルスが増える勢いを早く弱める」ことです。そのため治療は内服薬が基本で、塗り薬は患部でウイルスの増殖を抑え、痛みや広がりを和らげるサポートになります。
抗ヘルペスウイルス薬はどう効くのか
抗ヘルペス薬は、ウイルスが体内でコピーを増やす工程を邪魔します。「今あるウイルスを消し去る」のではなく、「これ以上増えないようにブレーキをかける」働きです。
市販の塗り薬と病院の処方薬はどう違う?
市販薬は主に再発した口唇ヘルペスに限定して使える外用薬です。処方薬は、口唇・性器いずれでも使われ、症状や体質などを踏まえて医師が選びます。初めての発症や重い症状、性器ヘルペスでは、全身に作用する飲み薬の方が適しています。
塗り薬だけで治せる場合とそうでない場合
再発の口唇ヘルペスで、範囲が狭く痛みも軽いときは外用のみで経過をみることがあります。一方、初感染で強い痛みや発熱があるとき、性器や広範囲に及ぶとき、目やまぶたに症状が疑われるときは、全身に作用する飲み薬(内服薬)や点滴が必要です。
ヘルペスに使われる塗り薬の種類と特徴
ヘルペスの外用薬には、ウイルスの増殖を抑える薬と、炎症や痛みをしずめて回復を助ける薬があります。
アシクロビル配合薬|症状の広がりを抑える働き
アシクロビルは抗ウイルス成分で、再発の口唇ヘルペスに用いられます。1日3〜5回など規定回数を守って、前兆を感じたらすぐに塗り始めるのがコツです。医療機関では飲み薬として処方されることもあり、塗り薬より広い効果が期待できます。
ビダラビン配合薬|少ない回数で使えるタイプ
ビダラビンは、体内での作用時間が比較的長いのが特徴です。市販の口唇ヘルペス外用薬として、1日1〜4回の範囲で使える製品があり、「回数を減らして続けたい」という人に選ばれることがあります。
かゆみや炎症を抑える補助的な塗り薬
アズレン(アズノール)など、炎症を鎮めて皮膚の保護を助ける外用薬が補助的に用いられることがあります。ウイルスそのものを抑える働きはないため、抗ウイルス薬の代わりにはなりませんが、しみる・ただれるといった不快感の軽減に役立つ場面があります。
市販で買えるヘルペス 塗り薬の条件と注意点
市販の抗ヘルペス外用薬は「医師に口唇ヘルペスと診断されたことがあり、同様の再発症状が出たとき」に限って使えます。初めての症状や、5日ほど使っても改善しない、広がっていく、強い痛みや発熱がある、といった場合は自己判断をやめ、受診してください。妊娠・授乳中や持病のある方は、使用前に必ず医師に相談しましょう。
ヘルペス 塗り薬を使うときに知っておきたいこと
外用薬は「いつ・どう塗るか」で手応えが変わります。清潔な手で患部をやさしく覆うようにのせ、こすり込まないのが基本です。食後や就寝前など、落ちにくいタイミングを工夫すると継続しやすくなります。
使い始めは「ピリピリ」したらすぐが鉄則
ウイルスは違和感の段階から増え始めています。水ぶくれが並んでからよりも、前兆の段階で始めるほうが、広がりや痛みを抑えやすく、回復までの期間も短くできます。
塗る回数や期間を守らないとどうなる?
回数を減らしたり、自己判断で途中中止すると、十分な効果が得られず症状が長引くことがあります。逆に塗りすぎや長期連用は、かぶれなどの肌トラブルの原因になります。表示や医師の指示に合わせて使い切ることが大切です。
ヘルペス塗り薬の注意点と副作用リスク
抗ヘルペス外用薬は安全性が高い一方で、まれに刺激感や赤み、かぶれが出ることがあります。異常を感じたら使用を中止し、受診のうえ評価してもらいましょう。
知っておきたい副作用のサイン
塗った部分の強いヒリヒリ、発疹やかゆみの悪化、広い範囲の赤みや腫れ、熱感が続くといった変化は要注意です。飲み薬を併用している場合、体調の変化(吐き気、頭痛、だるさなど)にも気を配り、心配なときは早めに相談してください。
他の薬と一緒に使うときの注意点
市販の風邪薬や胃薬、サプリとの併用で思わぬ影響が出ることがあります。とくに飲み薬の抗ヘルペス薬を処方されているときは、医師・薬剤師に必ず併用薬を伝えましょう。
ステロイド薬を使ってはいけない理由
ステロイド外用薬は炎症やかゆみを抑える薬ですが、ウイルス性のヘルペスには基本的に適しません。免疫の働きを弱め、かえってウイルスが増えやすくなるおそれがあるため、自己判断での使用は避けましょう。
塗り薬だけでは不十分なケースと他の治療法
塗り薬が向くのは限定的です。症状が広い、痛みが強い、発熱がある、顔以外の部位に出た、初めての発症、といった場合は、飲み薬や点滴による全身治療が優先されます。
飲み薬が必要になるヘルペスの症状
内服薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、再発時のアメナメビルなど)は血流に乗って全身で増えるウイルスの勢いを抑えます。とくに初感染や性器ヘルペス、範囲が広い口唇ヘルペスでは、外用より内服が早期改善に有利です。
性器ヘルペスは塗り薬だけでは治らない理由
性器ヘルペスは、皮膚表面だけでなく粘膜の奥や神経でウイルスが増えます。外用薬は届きにくく、十分な効果が期待できません。再発であっても受診し、内服中心の治療や、再発の頻度に応じた予防的な内服(再発抑制療法)を検討しましょう。
ヘルペスを繰り返さないための生活習慣
再発の引き金を減らすことが、薬と同じくらい大切です。体調の波を整え、ウイルスが活発になりにくい環境を日常的につくっていきます。
免疫力を保つ食事と睡眠
栄養バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動が基本です。体調を崩しやすい時期は無理を避け、早めの休息を心がけてください。アルコールの飲みすぎや夜更かしは、再発の引き金になりやすいので注意が必要です。
家族やパートナーにうつさない工夫
症状がある間は、キスや性行為を控え、タオルや食器の共用は避けましょう。患部に触れた手はすぐに石けんで洗い、目をこすらないなど“さわらない”意識を持つことが大切です。コンドームは感染リスク低減に役立ちますが、完全に防げるわけではありません。
ストレス・紫外線から身を守る
仕事や学業の繁忙期は、短時間でもリラックスの時間を作ることが再発予防につながります。屋外活動では強い紫外線が引き金になることがあるため、日差しの強い時間帯を避け、帽子や日焼け止めなどで対策をしましょう。
再発予防と早めの対応でヘルペスと上手につき合う
「出そうだな」と感じた瞬間に正しく対応できると、治療期間やつらさがぐっと減ります。ふだんから再発のパターンを把握し、医師と“次に備える”計画を立てておくと安心です。
PIT療法で“出る前”に抑える方法
再発を繰り返す方に対して、あらかじめ処方された飲み薬を手元に持ち、前兆を感じたら自分の判断ですぐ服用する治療です。対象や使い方には条件があるため、医師に相談して適応を確認しましょう。
再発抑制療法という選択肢
年に何度も再発する性器ヘルペスでは、一定期間、少量の抗ウイルス薬を毎日内服して再発頻度を下げる「再発抑制療法」が行われます。症状のつらさや生活の質、パートナーへの感染リスクの低減にもつながるため、再発が負担になっている方は検討する価値があります。
免疫力を保つ生活習慣のコツ
治療の効果を長持ちさせるには、睡眠・栄養・ストレス管理の基本を丁寧に積み重ねることが近道です。前兆が出た日や誘因になった出来事をメモしておくと、自分に合った予防策が見つかりやすくなります。
自己判断は危険!迷ったら皮膚科で診察を受けよう
ヘルペスは見た目や痛みが似た皮膚疾患と見分けがつきにくいことがあり、ステロイドなど不適切な薬で悪化させるリスクもあります。放置せず、早めに皮膚科を受診しましょう。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
「病院に行きたいけれど、仕事や育児で時間がとれない…」という方には、オンライン診療を活用しましょう。移動や待ち時間の負担を抑えられるため、再発しやすいヘルペスの“いざという時”にも素早く対応しやすいのがメリットです。
オンライン診療とは
オンライン診療は、インターネットにつながるスマートフォンやタブレット、パソコンを使って、自宅などから医師の診察を受けられる医療サービスです。予約から問診、診断、会計、処方箋の受け渡しまでを原則オンラインで完結でき、ビデオチャットで医師と直接対話しながら症状の経過や治療方針を確認します。
SOKUYAKUとは
「SOKUYAKU(ソクヤク)」は、オンライン診療をアプリ上でスムーズに受けられるサービスです。予約から診察、処方までの流れをアプリで完結でき、よく使うクリニックや薬局の登録、デジタルお薬手帳の管理など、継続治療に便利な機能が用意されています。地域によっては当日または翌日の薬受け取りに対応している点も利便性の一つです。
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まとめ
ヘルペスの塗り薬は、市販品と処方薬で有効成分や作用の強さ、適応できる症状の範囲が異なります。症状の程度や出現部位によっては外用だけでは足りず、内服薬が必要になることもあります。
「とりあえず塗る」は避け、ピリピリする前兆や水ぶくれを認めた段階で皮膚科を受診することが、早期改善と再発予防への近道です。適切な診断にもとづく薬の選び方に、日常生活の見直しを組み合わせて、ヘルペスと上手に付き合っていきましょう。
「ヘルペスが出たら、とりあえず薬局で塗り薬を買えばいいの?」
そう考える方は少なくありません。しかし、ヘルペスの外用薬には市販薬と処方薬があり、含まれる成分や効き方、適応できる症状の範囲が異なります。自己判断で選ぶと治りが遅れたり、再発を繰り返す原因になるかもしれません。
本記事では、ヘルペス治療に用いられる塗り薬の種類と特徴、市販薬と処方薬の違い、そして正しい使い方のポイントを、皮膚科医師の監修のもとで分かりやすく解説します。
ヘルペスってどんな病気?
ヘルペスは「単純ヘルペスウイルス(HSV)」が原因の感染症です。いったん体内に入ったウイルスは神経の中で静かに潜み、疲れやストレスなどで免疫が落ちたときに再び活動して、皮膚や粘膜に小さな水ぶくれやヒリヒリ感を引き起こします。
ヘルペスウイルスのタイプと感染の仕組み
HSVには大きく1型(HSV-1)と2型(HSV-2)があり、1型は口の周りなど上半身、2型は性器周辺に症状を起こしやすい傾向があります。ただし最近はオーラルセックスなどを介して、1型が性器に、2型が口周りに出るケースも珍しくありません。
ウイルスは水ぶくれ部分や唾液・分泌液に多く含まれるため、キスや性行為、共用タオル・食器などの接触でうつることがあります。
口唇ヘルペスと性器ヘルペス、症状の違い
口唇ヘルペスは、唇や口の周りに「ピリピリ・チクチク」といった違和感から始まり、小さな水ぶくれ→かさぶたへと進み、通常は1〜2週間で落ち着きます。
性器ヘルペスは、性器や肛門周囲に強い痛みをともなう水ぶくれやびらんが出やすく、発熱や倦怠感を伴うこともあります。初めての発症は重く出やすく、再発時は比較的軽く短期間で治まることが多いのが特徴です。
なぜヘルペスは再発しやすいのか
ヘルペスウイルスは、神経節に潜伏して免疫の監視をすり抜ける性質があります。疲労、睡眠不足、風邪や生理、強い紫外線やストレスなどで免疫が下がると再活性化し、同じ場所周辺に繰り返し症状が現れます。
ヘルペス治療における塗り薬の役割とは
ヘルペス治療の基本は「ウイルスが増える勢いを早く弱める」ことです。そのため治療は内服薬が基本で、塗り薬は患部でウイルスの増殖を抑え、痛みや広がりを和らげるサポートになります。
抗ヘルペスウイルス薬はどう効くのか
抗ヘルペス薬は、ウイルスが体内でコピーを増やす工程を邪魔します。「今あるウイルスを消し去る」のではなく、「これ以上増えないようにブレーキをかける」働きです。
市販の塗り薬と病院の処方薬はどう違う?
市販薬は主に再発した口唇ヘルペスに限定して使える外用薬です。処方薬は、口唇・性器いずれでも使われ、症状や体質などを踏まえて医師が選びます。初めての発症や重い症状、性器ヘルペスでは、全身に作用する飲み薬の方が適しています。
塗り薬だけで治せる場合とそうでない場合
再発の口唇ヘルペスで、範囲が狭く痛みも軽いときは外用のみで経過をみることがあります。一方、初感染で強い痛みや発熱があるとき、性器や広範囲に及ぶとき、目やまぶたに症状が疑われるときは、全身に作用する飲み薬(内服薬)や点滴が必要です。
ヘルペスに使われる塗り薬の種類と特徴
ヘルペスの外用薬には、ウイルスの増殖を抑える薬と、炎症や痛みをしずめて回復を助ける薬があります。
アシクロビル配合薬|症状の広がりを抑える働き
アシクロビルは抗ウイルス成分で、再発の口唇ヘルペスに用いられます。1日3〜5回など規定回数を守って、前兆を感じたらすぐに塗り始めるのがコツです。医療機関では飲み薬として処方されることもあり、塗り薬より広い効果が期待できます。
ビダラビン配合薬|少ない回数で使えるタイプ
ビダラビンは、体内での作用時間が比較的長いのが特徴です。市販の口唇ヘルペス外用薬として、1日1〜4回の範囲で使える製品があり、「回数を減らして続けたい」という人に選ばれることがあります。
かゆみや炎症を抑える補助的な塗り薬
アズレン(アズノール)など、炎症を鎮めて皮膚の保護を助ける外用薬が補助的に用いられることがあります。ウイルスそのものを抑える働きはないため、抗ウイルス薬の代わりにはなりませんが、しみる・ただれるといった不快感の軽減に役立つ場面があります。
市販で買えるヘルペス 塗り薬の条件と注意点
市販の抗ヘルペス外用薬は「医師に口唇ヘルペスと診断されたことがあり、同様の再発症状が出たとき」に限って使えます。初めての症状や、5日ほど使っても改善しない、広がっていく、強い痛みや発熱がある、といった場合は自己判断をやめ、受診してください。妊娠・授乳中や持病のある方は、使用前に必ず医師に相談しましょう。
ヘルペス 塗り薬を使うときに知っておきたいこと
外用薬は「いつ・どう塗るか」で手応えが変わります。清潔な手で患部をやさしく覆うようにのせ、こすり込まないのが基本です。食後や就寝前など、落ちにくいタイミングを工夫すると継続しやすくなります。
使い始めは「ピリピリ」したらすぐが鉄則
ウイルスは違和感の段階から増え始めています。水ぶくれが並んでからよりも、前兆の段階で始めるほうが、広がりや痛みを抑えやすく、回復までの期間も短くできます。
塗る回数や期間を守らないとどうなる?
回数を減らしたり、自己判断で途中中止すると、十分な効果が得られず症状が長引くことがあります。逆に塗りすぎや長期連用は、かぶれなどの肌トラブルの原因になります。表示や医師の指示に合わせて使い切ることが大切です。
ヘルペス塗り薬の注意点と副作用リスク
抗ヘルペス外用薬は安全性が高い一方で、まれに刺激感や赤み、かぶれが出ることがあります。異常を感じたら使用を中止し、受診のうえ評価してもらいましょう。
知っておきたい副作用のサイン
塗った部分の強いヒリヒリ、発疹やかゆみの悪化、広い範囲の赤みや腫れ、熱感が続くといった変化は要注意です。飲み薬を併用している場合、体調の変化(吐き気、頭痛、だるさなど)にも気を配り、心配なときは早めに相談してください。
他の薬と一緒に使うときの注意点
市販の風邪薬や胃薬、サプリとの併用で思わぬ影響が出ることがあります。とくに飲み薬の抗ヘルペス薬を処方されているときは、医師・薬剤師に必ず併用薬を伝えましょう。
ステロイド薬を使ってはいけない理由
ステロイド外用薬は炎症やかゆみを抑える薬ですが、ウイルス性のヘルペスには基本的に適しません。免疫の働きを弱め、かえってウイルスが増えやすくなるおそれがあるため、自己判断での使用は避けましょう。
塗り薬だけでは不十分なケースと他の治療法
塗り薬が向くのは限定的です。症状が広い、痛みが強い、発熱がある、顔以外の部位に出た、初めての発症、といった場合は、飲み薬や点滴による全身治療が優先されます。
飲み薬が必要になるヘルペスの症状
内服薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、再発時のアメナメビルなど)は血流に乗って全身で増えるウイルスの勢いを抑えます。とくに初感染や性器ヘルペス、範囲が広い口唇ヘルペスでは、外用より内服が早期改善に有利です。
性器ヘルペスは塗り薬だけでは治らない理由
性器ヘルペスは、皮膚表面だけでなく粘膜の奥や神経でウイルスが増えます。外用薬は届きにくく、十分な効果が期待できません。再発であっても受診し、内服中心の治療や、再発の頻度に応じた予防的な内服(再発抑制療法)を検討しましょう。
ヘルペスを繰り返さないための生活習慣
再発の引き金を減らすことが、薬と同じくらい大切です。体調の波を整え、ウイルスが活発になりにくい環境を日常的につくっていきます。
免疫力を保つ食事と睡眠
栄養バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動が基本です。体調を崩しやすい時期は無理を避け、早めの休息を心がけてください。アルコールの飲みすぎや夜更かしは、再発の引き金になりやすいので注意が必要です。
家族やパートナーにうつさない工夫
症状がある間は、キスや性行為を控え、タオルや食器の共用は避けましょう。患部に触れた手はすぐに石けんで洗い、目をこすらないなど“さわらない”意識を持つことが大切です。コンドームは感染リスク低減に役立ちますが、完全に防げるわけではありません。
ストレス・紫外線から身を守る
仕事や学業の繁忙期は、短時間でもリラックスの時間を作ることが再発予防につながります。屋外活動では強い紫外線が引き金になることがあるため、日差しの強い時間帯を避け、帽子や日焼け止めなどで対策をしましょう。
再発予防と早めの対応でヘルペスと上手につき合う
「出そうだな」と感じた瞬間に正しく対応できると、治療期間やつらさがぐっと減ります。ふだんから再発のパターンを把握し、医師と“次に備える”計画を立てておくと安心です。
PIT療法で“出る前”に抑える方法
再発を繰り返す方に対して、あらかじめ処方された飲み薬を手元に持ち、前兆を感じたら自分の判断ですぐ服用する治療です。対象や使い方には条件があるため、医師に相談して適応を確認しましょう。
再発抑制療法という選択肢
年に何度も再発する性器ヘルペスでは、一定期間、少量の抗ウイルス薬を毎日内服して再発頻度を下げる「再発抑制療法」が行われます。症状のつらさや生活の質、パートナーへの感染リスクの低減にもつながるため、再発が負担になっている方は検討する価値があります。
免疫力を保つ生活習慣のコツ
治療の効果を長持ちさせるには、睡眠・栄養・ストレス管理の基本を丁寧に積み重ねることが近道です。前兆が出た日や誘因になった出来事をメモしておくと、自分に合った予防策が見つかりやすくなります。
自己判断は危険!迷ったら皮膚科で診察を受けよう
ヘルペスは見た目や痛みが似た皮膚疾患と見分けがつきにくいことがあり、ステロイドなど不適切な薬で悪化させるリスクもあります。放置せず、早めに皮膚科を受診しましょう。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
「病院に行きたいけれど、仕事や育児で時間がとれない…」という方には、オンライン診療を活用しましょう。移動や待ち時間の負担を抑えられるため、再発しやすいヘルペスの“いざという時”にも素早く対応しやすいのがメリットです。
オンライン診療とは
オンライン診療は、インターネットにつながるスマートフォンやタブレット、パソコンを使って、自宅などから医師の診察を受けられる医療サービスです。予約から問診、診断、会計、処方箋の受け渡しまでを原則オンラインで完結でき、ビデオチャットで医師と直接対話しながら症状の経過や治療方針を確認します。
SOKUYAKUとは
「SOKUYAKU(ソクヤク)」は、オンライン診療をアプリ上でスムーズに受けられるサービスです。予約から診察、処方までの流れをアプリで完結でき、よく使うクリニックや薬局の登録、デジタルお薬手帳の管理など、継続治療に便利な機能が用意されています。地域によっては当日または翌日の薬受け取りに対応している点も利便性の一つです。
まとめ
ヘルペスの塗り薬は、市販品と処方薬で有効成分や作用の強さ、適応できる症状の範囲が異なります。症状の程度や出現部位によっては外用だけでは足りず、内服薬が必要になることもあります。
「とりあえず塗る」は避け、ピリピリする前兆や水ぶくれを認めた段階で皮膚科を受診することが、早期改善と再発予防への近道です。適切な診断にもとづく薬の選び方に、日常生活の見直しを組み合わせて、ヘルペスと上手に付き合っていきましょう。
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当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.
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