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お風呂に入ると出る蕁麻疹(じんましん)。どうしたらいい?原因と対策について解説

監修医師 高藤 円香
更新日:2025年02月4日

更新日:2025年02月4日

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「入浴中に肌がかゆくなる」「お風呂上がりに赤い発疹が出る」そんな経験はありませんか?温かいお湯が刺激となり、蕁麻疹が引き起こされる場合があります。コリン性蕁麻疹や温熱蕁麻疹は、お風呂が要因となって出る可能性のある蕁麻疹です。この記事では、お風呂に入ると出る蕁麻疹の原因や特徴を詳しく解説し、日常生活や入浴時にできる対策についてもお伝えします。

お風呂に入ると出る蕁麻疹(じんましん)とは

お風呂に入ると出る蕁麻疹は、主に「コリン性蕁麻疹」と「温熱蕁麻疹」の2つのタイプが考えられます。体温が上昇した際に発生する皮膚の反応で、特に入浴や運動後に見られることが特徴です。コリン性蕁麻疹は、身体の深部体温が上昇し、発汗が刺激となって症状が引き起こされるのに対し、温熱蕁麻疹は深部体温の上昇や発汗刺激を伴わず、皮膚の一部分が温まる刺激だけで発症します。

コリン性蕁麻疹(じんましん)とは

コリン性蕁麻疹は、「刺激誘発型蕁麻疹」の一種で、汗をかくことなどが刺激となり発症する蕁麻疹です。入浴や運動、熱い食べ物を摂るなど、体温が上がって発汗が起こる状況でかゆみを伴う発疹が現れるのが特徴です。小児から20歳代にかけて発症のピークを迎えることが多く、年齢を重ねるにつれて症状が軽くなる傾向があります。汗をかきやすい季節には症状が悪化しやすいため注意しましょう。

原因

コリン性蕁麻疹の原因は、発汗時に分泌される神経伝達物質「アセチルコリン」にあります。アセチルコリンは、筋肉を収縮させたり血管を拡張させたりするなど、体内で重要な役割を果たす物質です。発汗が必要とされる状況で分泌されますが、このアセチルコリンが皮膚や体内のヒスタミンと反応することで、炎症やかゆみが引き起こされると考えられています。

 

また、発汗が必要な状況で汗をかく機能が弱い場合、アセチルコリンが過剰に分泌され、コリン性蕁麻疹の症状が現れることがあります。ストレスや疲労などの身体的・精神的なコンディションの悪化も、症状を悪化させる要因です。

特徴

コリン性蕁麻疹の症状は、汗をかく状況で出現しやすく、入浴中や運動中、または辛い食べ物を食べた後などに発症します。日中にたくさん寝ている間には、あまり発症しません。

 

主な症状としては、腕や体幹部に出る小さな発疹があり、強いかゆみやピリピリとした刺激を感じることがあります。症状は30分程度で消える場合が一般的で、手のひらや足の裏、脇の下には症状が現れないのが特徴です。

温熱蕁麻疹(じんましん)とは

温熱蕁麻疹は、体温より温かいものや温風に触れることで皮膚の温度が上昇し、その刺激が原因となって発症する蕁麻疹です。物理性蕁麻疹の一種で、皮膚に境界がはっきりとした膨疹が突然現れ、赤みやかゆみを伴うのが特徴です。この病気は比較的珍しく、特に20代から40代の女性に多く見られます。

原因

温熱刺激を受けることで皮膚内部にヒスタミンが大量に放出され、かゆみや赤み、皮膚の腫れといった症状が引き起こされます。日常生活での原因としては、熱いお風呂や温風、ホットタオル、ドライヤー、日光浴などです。また、温かい飲み物や食べ物が口腔内に症状を引き起こすこともあります。温熱蕁麻疹の発症には個人差がありますが、一般的に44℃以上の温度刺激がきっかけとなることが多いとされています。

特徴

温熱蕁麻疹は、温熱刺激を受けた直後から数分後に症状が現れることが一般的です。発疹は温熱刺激を受けた部位に現れる「局所性温熱蕁麻疹」が多いですが、稀に刺激を受けた部位とは異なる場所に症状が現れる「全身性温熱蕁麻疹」も見られます。通常、症状は数時間以内に消失しますが、重度の場合は呼吸困難や吐き気などの重篤な症状を伴うことがあります。

入浴する場合の対策

蕁麻疹が出やすい方は、入浴の際に以下のポイントに注意することで、症状の悪化を防げます。

シャワーにするか短めにする

浴室に長時間いると体が温まりすぎて症状が悪化することがあります。ぬるめのシャワーを利用して、短時間で入浴を終えるよう心がけましょう。

やさしく洗う

ゴシゴシこすると肌が傷つき、蕁麻疹が悪化することがあります。肌への負担を減らすため、やさしく洗いましょう。洗い終わったら柔らかいタオルで水分をそっと押さえるように拭き取るのがポイントです。

刺激の少ない洗浄剤を使用する

石鹸やボディーソープなどの洗浄剤は、肌への負担を減らすために、刺激が少ない弱酸性、無香料、無着色のものを選んでみましょう。また、実際に使ってみて肌に合うものを見つけるのも重要です。

保湿する

肌が乾燥しているとバリア機能が低下し、蕁麻疹が悪化しやすくなります。入浴後は保湿剤を使い、肌の水分を補いましょう。

蕁麻疹(じんましん)への対策

入浴すると蕁麻疹が出る場合、生活習慣を見直してみましょう。

汗をかいたらすぐに拭きとる

汗が皮膚に長時間残ると症状が悪化しやすいため、汗をかいたら速やかに柔らかいタオルで拭き取りましょう。

環境に注意する

蒸し暑い場所や温度が高い環境を避け、体温が急激に上がらないよう工夫しましょう。適切な室温を保つことも重要です。

通勤・通学は走らないようにする

急激な運動は体温上昇を招き、症状を引き起こす原因になります。時間に余裕を持ち、ゆったりと移動するよう心がけてください。

辛い食べ物を控える

辛い食べ物や熱い食べ物は発汗を促すため、摂取を控えることで症状を予防しやすくなります。

体調を整える

ストレスや疲労が症状を悪化させることがあるため、十分な睡眠を取り、栄養バランスの良い食事を心がけるなど、日頃から体調を整えることが大切です。

病院を受診する

自分では温熱蕁麻疹だと思っていても、発汗が原因となるコリン性蕁麻疹や、一度体が温まった後に冷えることで起きる寒冷蕁麻疹かもしれません。それぞれ異なる治療が必要になるため、症状が続く場合や自己判断が難しい場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

蕁麻疹(じんましん)が辛い場合は皮膚科を受診しよう

症状には個人差があり、軽度の場合は気づかないうちに治ることもあります。しかし、症状が強く出たり、長期間続いたりするケースもあります。日常生活に支障が出るほどのかゆみや不快感がある場合は、早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

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まとめ

お風呂に入ることで現れる蕁麻疹は、主にコリン性蕁麻疹や温熱蕁麻疹が原因となることが多く、温度変化や刺激が引き金となります。入浴時には、シャワーを利用したり短時間で済ませたりすることで、体が温まりすぎるのを防ぎましょう。日常生活では汗の管理や体調の維持を心がけ、症状を悪化させないようにしてください。もし症状が続いたり悪化したりする場合は、早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けましょう。健康的な生活を意識することで、肌トラブルの予防に繋げられます。

コメント コリン性蕁麻疹はアセチルコリンが関係して出来る蕁麻疹で、ピリピリとする小さな膨疹が特徴的です。一方で温熱蕁麻疹はいわゆる蕁麻疹と見た目が似ていることが多く、そもそも発症する原因から違います。コリン性蕁麻疹は蕁麻疹であることに気づきにくいこともあるといわれています。どちらも状況は似ていてもメカニズムや治療経過が異なりますので、しっかりと受診され診断をお受けになられることをおすすめします。

監修医コメント

医師
高藤 円香

コリン性蕁麻疹はアセチルコリンが関係して出来る蕁麻疹で、ピリピリとする小さな膨疹が特徴的です。一方で温熱蕁麻疹はいわゆる蕁麻疹と見た目が似ていることが多く、そもそも発症する原因から違います。コリン性蕁麻疹は蕁麻疹であることに気づきにくいこともあるといわれています。どちらも状況は似ていてもメカニズムや治療経過が異なりますので、しっかりと受診され診断をお受けになられることをおすすめします。

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監修医師 高藤 円香
経歴は防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科 保有免許・資格は皮膚科専門医
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