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【医師監修】気付かないうちに出来ている背中のニキビ、原因と対処方法は?

監修医師 山下 真理子
更新日:2025年04月9日

この記事を読み終えるのにかかる時間は目安:12分

更新日:2025年04月9日

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気づいたら背中にニキビがポツポツと現れていた、といった経験はありませんか?顔のニキビよりも発見しづらく、気づいたときには悪化してしまっていることもしばしばです。背中は皮脂腺が多く、さらに汗や衣類との摩擦による刺激を受けやすいため、ニキビができやすい部位とされています。この記事では、背中ニキビの主な原因、予防策、そして効果的な対処法について詳しくご紹介します。

背中にニキビができやすい理由

背中にニキビができやすいのは、皮脂腺が多く毛穴が詰まりやすいことが主な理由です。また、見えにくい場所というのも理由になります。

洗い残しがある

洗い残しは背中ニキビの原因のひとつです。背中は自分で確認しづらいため、シャンプーやボディソープをきちんと洗い流したつもりでも、実は残ってしまっていることがあります。このような洗い残しがニキビを引き起こす要因となるのです。

 

一方、汚れをしっかり落とそうと浴用タオルやボディブラシで力を入れて洗うと、逆に背中に強い刺激を与えることになります。この刺激がニキビを悪化させる恐れもあるため注意しましょう。

ケアがしづらい

背中は汗腺が多く、汗をかきやすい部位ですが、顔のようにこまめに洗ったり清潔に保つことが難しい場所です。背中は手が届きにくい部分のため、十分にケアできません。汚れや古い角質が毛穴に詰まりやすく、炎症が起こりやすい状態が続くと、ニキビ跡が残ってしまうこともあります。

見えにくい

背中は自分では確認しづらい部位のため、ケアが行き届かないことがあります。この「見えにくさ」が原因で、気づいたときにはニキビが悪化しているケースも少なくありません。

皮脂腺が多い

背中にニキビができやすい主な理由は、皮脂腺が密集していることです。皮脂腺が活発に働くことで皮脂の分泌が盛んになり、その結果、毛穴が詰まりやすくなります。詰まった毛穴により、アクネ菌が繁殖しやすくなり、これが背中ニキビの主な要因となるのです。

背中ニキビの種類

背中ニキビの種類には以下の種類があります。

赤い炎症ニキビ 赤い炎症ニキビが広範囲にできるタイプ
しこりニキビ おできのように大きく、しこりがあるニキビ
シミ化したニキビ シミのように色素沈着したニキビ跡
化膿ニキビ 赤くて中心に白い芯がある化膿ニキビ
痒みニキビ 痒みがありピリピリするニキビ
うなじ・首ニキビ うなじや首の後ろにできやすいニキビ

ニキビが出来やすくなる要因

背中は皮脂腺が多いため、もともとニキビができやすい部位です。さらに、ゴシゴシと力を入れて洗う摩擦や、刺激の強い洗浄剤の使用、衣服との接触が加わると、背中ニキビが悪化する原因となります。また、肌の乾燥に加え、睡眠不足や不規則な食事、ストレスなどの生活習慣も背中ニキビを引き起こす一因です。

肌への刺激

背中は普段から下着や衣服で覆われているため、通気性が悪く蒸れやすい場所です。汗をかいてもすぐにシャワーを浴びたり下着を替えたりするのが難しく、汗を吸ったままの状態で過ごす時間が長いと、アクネ菌が繁殖しやすい環境となります。

 

これに加えて、衣類や下着との摩擦が刺激となり、背中ニキビができやすくなるだけでなく、悪化しやすい原因にもなります。

ストレス

人は不安や怒りなどの心理的ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れやすくなります。自律神経が乱れると、体内の男性ホルモンの感受性が高まり、皮脂が過剰に分泌されることで毛穴が詰まりやすくなるため、ニキビが発生しやすくなるのです。職場や学校での人間関係のトラブル、仕事のプレッシャーなど、ストレスの多い環境ではホルモンバランスが乱れやすく、背中ニキビの悪化につながることがあります。

睡眠不足

成長ホルモンは睡眠中に最も多く分泌され、傷ついた細胞や組織を修復・再生する働きを持っています。睡眠不足や夜更かしが続くと成長ホルモンの分泌が減少し、肌の再生が滞るため、ニキビや肌荒れを引き起こしやすくなります。

食生活の乱れ

食べ物には肌の健康を保つために必要な栄養素が多く含まれています。無理に食事量を減らすとホルモンバランスが乱れたり、肌の再生に必要な栄養が不足したりして、肌の調子が悪くなることがあります。

 

また、脂質の多いジャンクフードや洋菓子、アルコールの過剰摂取は皮脂の分泌を増やし、ニキビを悪化させる原因です。特定の栄養素を完全に避けるのではなく、バランスよく摂りましょう。

 

食事の時間にも気をつける必要があります。寝る直前に大量に食べると、消化活動が続いて睡眠の質が低下し、肌の再生に悪影響を及ぼします。

背中にニキビが出来た場合の注意点

背中は皮脂腺が多く汗をかきやすいことに加え、顔に比べて皮膚が厚いため、毛穴が詰まりやすいのです。また、背中ニキビは見えにくい場所にできるため、痛みを感じるまで気づかないことも少なくありません。その間に炎症が進んでしまうことがあり、症状が長引くケースもあります。

 

そのため、一度できてしまった背中ニキビは治りづらく、非常に厄介なものと言えるでしょう。

背中ニキビの予防法、改善方法

背中ニキビを予防するには、清潔に保つこと、刺激を与えないこと、規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。

お風呂に入り方に注意する

背中ニキビを防ぐためには、お風呂での洗い方が重要です。髪、顔、上半身、下半身の順に洗うことで、シャンプーやリンスの成分が背中に残るのを防げます。髪は前に垂らして洗い、流れた泡が背中に付着しないようにしましょう。

 

背中はゴシゴシこすらず、泡でなでるように洗うのがポイントです。ナイロンタオルやブラシの使用は避けてください。お湯の温度は38〜39度が適切で、熱すぎると皮脂が落ちすぎて乾燥し、余分な皮脂の分泌を促します。入浴後は顔と同じように化粧水や保湿クリームでうるおいを保ち、ニキビを予防しましょう。

刺激を避ける

肌に触れる衣類や寝具は、背中ニキビの原因になることがあります。不衛生な状態や汗によるムレは菌の繁殖を助け、ニキビを悪化させます。吸湿性が高く肌触りの良い綿素材の衣類や寝具を選び、こまめに洗濯して清潔に保ちましょう。また、汗をかいたらすぐに拭き取ることで、余分な皮脂や汚れが肌に残るのを防げます。

バランスの良い食事を心がける

栄養バランスの取れた食事が重要です。甘いものや脂っこい食べ物は控えましょう。ビタミンBやビタミンC、ミネラルを積極的に摂ることで、脂肪の代謝を促し肌の調子を整えられます。また、ビタミンAやビタミンEには抗酸化作用があり、皮膚の機能を維持するのに役立ちます。

ストレスをためない

ストレスはホルモンバランスを乱し、男性ホルモンが過剰になることで皮脂の分泌が増え、ニキビができやすくなります。過剰な皮脂は毛穴を詰まらせ、炎症を引き起こす原因です。そのため、自分に合ったストレス解消法を見つけ、リラックスする時間を確保することが大切になります。趣味の時間を持つ、適度に運動をする、深呼吸をするなど、できるだけ穏やかな気持ちで過ごせる工夫をしましょう。

休息をしっかりとる

睡眠不足は肌の新陳代謝を遅らせ、ターンオーバーを乱す原因になります。特に午後10時から午前2時は新陳代謝が活発になる時間帯とされているため、できるだけ早めに就寝し、十分な睡眠を確保しましょう。

なかなか治らない場合はニキビじゃない場合も

背中ニキビには、一般的なニキビである尋常性痤瘡や毛のう炎が多く見られます。これらは混在することもあり、見分けが難しいかもしれません。さらに、おでき、とびひ、あせも、虫刺されなど、背中に現れる皮膚症状にはさまざまあり、それぞれの鑑別が必要です。

毛包炎

皮膚感染症の一種で、毛嚢炎とも呼ばれます。毛穴の奥で毛根を包む「毛包」の浅い部分に発生する細菌感染症で、主に黄色ブドウ球菌が原因です。ただし、緑膿菌やその他の菌が引き起こす場合もあります。

 

症状としては、毛穴の位置に膿を持つ小さな皮膚の盛り上がり(丘疹)が現れ、さらに広がって周囲に白から赤く腫れた膿を持つ発疹(膿疱)ができることが特徴です。

おでき

毛包炎で出来た膿疱が硬いしこりへと変化し、不快なズキズキとした痛みを伴う状態になったものです。「せつ」とも呼ばれます。腫れは初期段階から厚みがあり、しこりのように感じられる場合があります。

 

ニキビと異なり、最初からしこり状の厚みがあること、そして治癒に時間がかかる点が特徴です。腫れが発生してから3〜5日ほど経過すると、多くの場合、中心部から膿が出始めます。炎症が強いと、膿の量が増加し、悪化すると複数箇所から膿がにじみ出ることもあります。

とびひ

とびひは、細菌感染によって水ぶくれや厚いかさぶたができる皮膚の病気です。医学的には「伝染性膿痂疹」と呼ばれ、接触によって感染が広がる特徴があります。かきむしることで他の部位に素早く広がるため、「飛び火」のように感染が拡大することから「とびひ」と名付けられました。

 

とびひの症状は水ぶくれを伴うものとかさぶたができるものの二種類です。水ぶくれができるタイプは水疱性膿痂疹と呼ばれ、主に黄色ブドウ球菌が原因となります。発熱を伴わず、鼻や口の周りにできやすく、特に夏場に多く見られます。

 

かさぶたができるタイプは痂皮性膿痂疹と呼ばれ、溶血性レンサ球菌が主な原因ですが、多くは黄色ブドウ球菌との混合感染です。発熱やのどの痛み、リンパの腫れを伴うことがあり、夏以外の季節でも発症する可能性があります。

あせも

あせも(汗疹)は、大量の汗をかくことで汗管が詰まり、炎症を引き起こす皮膚トラブルです。高温多湿の環境にいる方や、汗をかきやすい体質の方、敏感肌や乾燥肌の方に起こりやすいため注意しましょう。

 

あせもには3つの種類があります。水晶様汗疹は赤みやかゆみがなく、小水疱ができる軽度のものです。紅色汗疹は赤みとかゆみを伴い、最も一般的なタイプで、かきむしると細菌感染を引き起こし「とびひ」になることもあります。深在性汗疹は真皮内で炎症が起こり、赤い丘疹ができるもので、日本ではあまり多くありません。

 

あせもは首、胸、わきの下、肘の内側、脚の付け根、膝の裏など、汗が溜まりやすい部位にできやすい特徴があります。

虫刺され

虫刺されは、屋外や室内を問わず誰にでも起こり得る皮膚トラブルです。刺された部位にかゆみや痛みが生じるだけでなく、アレルギー反応や感染症を引き起こすこともあります。虫刺されの原因となる虫は、血を吸う蚊やダニ、刺すハチやアリ、かむムカデなどに分類され、蛾の幼虫やクラゲによる皮膚炎も含まれます。症状は、かゆみや痛みのほか、アレルギー反応による腫れや発疹です。

背中ニキビは放置せず悪化する前に皮膚科を受診しよう

背中は汗をかきやすく衣類との摩擦も多いため、炎症が悪化しやすく、色素沈着や瘢痕が残ることもあります。痛みや膿を伴う場合は、細菌感染を引き起こしている可能性があり、早めの対処が必要です。改善しない場合や悪化する場合は、皮膚科を受診しましょう。

忙しくて受診できない場合にはオンライン診療がおすすめ

忙しくて病院を受診する時間が取れない場合は、オンライン診療の利用が便利です。背中ニキビのような慢性的な皮膚トラブルでは、通院の手間を省きながら適切な治療を続けられます。症状が悪化する前に、オンライン診療を活用して早めに対処しましょう。

オンライン診療とは

オンライン診療について

 

オンライン診療は、病院やクリニックに直接足を運ぶことなく、医師の診察を受けられる医療サービスです。スマートフォンやパソコンを使用し、ビデオ通話を通じて診察を受けられます。診察の流れは、予約から問診、診断、処方箋の発行、薬の受け取り、支払いまでオンラインで完結できます。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、オンライン診療をよりスムーズに受けられるサービスです。アプリを通じて診療予約を行い医師の診察を受けた後、処方された薬を自宅など希望の場所で受け取ることが可能です。お気に入りのクリニックや薬局の登録機能があり、デジタルお薬手帳としても利用できます。全国どこでも当日または翌日に薬を受け取れるのが特徴です。

まとめ

背中のニキビは、洗い残しや摩擦、生活習慣の乱れが原因でできやすくなります。予防には、正しいスキンケアと生活習慣の改善が欠かせません。しかし、なかなか治らない場合は、別の皮膚トラブルの可能性も考えられます。症状が続くようなら放置せず、早めに皮膚科を受診してください。適切なケアを続けて、清潔で健やかな背中を目指しましょう。

コメント 背中にニキビができやすい時期は、汗をかきやすい時期が多いと言われていますが、寒い季節でも、ヒートテックなどの肌着で着込んでいると部屋の中で汗をかいて、背中ニキビの原因になってしまうことがあります。背中ニキビは、体を洗う時に背中まで十分に目が行き届かずに毛穴がつまりやすくなってしまうことの他、真菌類(カビの一種)が原因で背中ニキビになってしまう事があります。この場合は早めに皮膚科を受診して適切な治療を受ける必要があります。悪化を防ぐには、身につける衣類や肌着に気をつけることと、背中の洗い残しに気をつけること、十分な保湿です。

監修医コメント

医師
山下 真理子

背中にニキビができやすい時期は、汗をかきやすい時期が多いと言われていますが、寒い季節でも、ヒートテックなどの肌着で着込んでいると部屋の中で汗をかいて、背中ニキビの原因になってしまうことがあります。背中ニキビは、体を洗う時に背中まで十分に目が行き届かずに毛穴がつまりやすくなってしまうことの他、真菌類(カビの一種)が原因で背中ニキビになってしまう事があります。この場合は早めに皮膚科を受診して適切な治療を受ける必要があります。悪化を防ぐには、身につける衣類や肌着に気をつけることと、背中の洗い残しに気をつけること、十分な保湿です。

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監修医師 山下 真理子
くみこクリニック京都駅前院所属 専門領域分類は美容皮膚科。 京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。
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