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汗が原因で生じる肌トラブルとは?原因や対処方法について詳しく解説

監修医師 松澤 宗範
更新日:2024年07月29日

更新日:2024年07月29日

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汗による肌トラブルの原因

汗は私たちの体が自然に行う体温調節の一環で、健康を保つためにも重要な役割を果たしています。しかし、汗は肌のトラブルの原因です。汗はほとんどが水で、少量のミネラル(ナトリウムなど)、乳酸、タンパク質を含んでいます。肌にやさしい弱酸性で無色透明、ほとんど匂いはありません。

 

しかし、大量に汗をかくと汗が蒸発して水分が失われ、肌のpH値が上がります。肌にとって刺激の強いアルカリ性に変わり、炎症を起こしやすくなります。

汗の成分による刺激

汗の中には塩分やアンモニアなどの成分が含まれています。汗が乾いても、塩分やアンモニアは肌に残り続け刺激となり、かゆみの原因になります。肌の保護機能が弱まっている場合には、かゆみは広範囲にわたって現れやすくなるため注意が必要です。

あせも

あせもは、汗を外に出す道が詰まってしまうことで起こる肌のトラブルです。肌には小さな通路があり、これを通じて汗が排出されます。この通路が塞がれた場合、肌に小さな水泡や赤いポツポツが現れます。これが、あせもの症状です。

 

肌は、外側から内側に向かって、表皮、真皮、皮下組織の3つの層で構成されています。あせもは、この3つの層のどこに汗が溜まるかによって、その種類が分かれます。

 

外側の表皮の角質にできるあせもは、直径1〜3mmの小さな透明な水泡ができることが特徴です。これは炎症やかゆみがないため、気づかないかもしれません。見た目が白っぽいので、「白いあせも」とも呼ばれます。

 

一番多いタイプのあせもは、角質よりも少し深い場所に汗が溜まることで起こります。赤いポツポツが特徴で、かゆみを伴うことが一般的です。アトピー性皮膚炎の方は、この状態が悪化した場合に汗腺が膿んでしまうことがあります。

 

最も深い層である真皮に起こるあせもは、熱帯地方のような非常に暑い環境で長時間過ごすと起こりやすいため、熱中症も併発することがあります。

汗によるかゆみを抑える方法

汗によるかゆみを抑える方法はいくつかあります。かゆみが気になる場合は、以下の方法を試してみてください。

かゆくても掻かないようにする

かゆみを感じた時、爪で掻くのは避けましょう。爪で掻くことで肌に傷がつき、肌の保護機能が弱まる可能性があります。肌の保護機能が弱まった場合、肌は外からの刺激に敏感になり、かゆみがさらにひどくなったり、長引いたりすることがあります。

かゆみ止めを塗って肌を保湿する

かゆみが強い場合、肌を掻きむしらないようにすることが大切です。そのためには、抗炎症作用を持つステロイド成分が含まれた外用薬を使用するのも対策になります。ステロイド成分が含まれた外用薬は、炎症を抑え、かゆみを軽減できます。また、肌の乾燥を防ぐために、保湿剤を使用することも効果的です。

 

ステロイド成分が含まれた外用薬は副作用のリスクもあるため、自分に合った製品を選ぶ際には、薬剤師や登録販売者などの専門家に相談すると良いでしょう。

患部を冷やす

もし汗をかいた後で肌が痒くなったら、冷たいもので患部を冷やすと良いでしょう。汗による刺激で肌が炎症を起こし、熱を持つことがあります。そのため、冷やすことで熱を取り除き、痒みを軽減できます。冷やす際は、保冷剤をタオルやハンカチで包んで使用すると、直接肌に触れずに済むため安全です。

皮膚科に行く

汗による肌のトラブルは、自宅でのケアが可能です。ただし、症状が改善しない場合やひどい場合には我慢せず医師の診察を受けましょう。市販薬には炎症を抑えたりかゆみを和らげたりする成分が含まれていますが、全ての肌トラブルには効果ありません。

 

市販薬を使用しても5日から6日間で肌の状態が良くならない、または悪化した場合は、自己判断せずに皮膚科の受診を検討してください。

汗による肌トラブルの予防方法

ここでは、汗が原因による肌のトラブルを予防する方法を紹介します。

通気性の良い衣類を選ぶ

汗によるトラブルを避けるためには、通気性が良く、汗を吸収しやすい衣類を選びましょう。綿100%の素材は、自然な吸湿性で汗をしっかりと吸い取り、肌にも優しいためおすすめです。リネンも同様に、涼しさを保ちつつ、汗を効率的に吸収してくれる素材になります。

 

ドライ機能のある肌着を選ぶことで、汗を素早く外に逃がし肌をさらさらに保てます。服の色は、暗い色よりも白やベージュなどの明るい色がおすすめです。明るい色は、夏の日差しを反射して涼しさを保つのに適しています。身体に密着する服は避け、風が通りやすいゆったりとしたデザインの服を選ぶことがコツです。

汗をかいたらすぐ拭き取る

暑い日や運動した後は、汗を早めに拭き取りましょう。汗を肌に残しておくと、かゆみやかぶれなどの肌トラブルを引き起こす可能性があります。汗を拭くために使うハンカチやタオルは、いつも清潔なものを使い、使用後はこまめに洗濯してください。

除湿や換気を行う

暑さと湿度は体内に熱を溜め込み、かゆみを引き起こします。そのため、汗をなるべくかかないように心がけてください。

 

快適な室内環境を作るためには、エアコンや除湿機を上手に使い、室温を約28℃に保ちましょう。定期的な換気も重要です。新鮮な空気を取り入れることで、室内の湿度を適切に管理するのに役立ちます。

汗による肌トラブルに気づいたら早めに皮膚科を受診しましょう

肌に赤い発疹が広範囲に出たり、強いかゆみを伴う場合、または皮膚が赤く腫れ上がり膿を伴う場合は、我慢せず早めに皮膚科を受診しましょう。

 

診察は、環境や汗をかいた状況について確認し、肌の状態を観察をします。もし肌が化膿している場合は、細菌の種類を特定するための検査が必要になるかもしれません。

 

治療方法は、塗り薬が一般的です。炎症が強い場合はステロイド剤を、そうでない場合はフェノール亜鉛華リニメントなどを使用します。自然に治るタイプの場合は、特に治療を必要としないこともあります。皮膚が細菌に感染している場合には、抗生剤を用いた治療が必要です。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

肌がかゆくて辛くても、忙しい場合には病院を受診するのは簡単ではありません。そんな場合には、オンライン診療を活用しましょう。

オンライン診療とは

オンライン診療は、インターネットを利用して自宅などから医師の診察を受けられるサービスです。スマートフォンやパソコンなどのデバイスを通じて、ビデオ通話で医師と直接対話することが可能です。診察の予約、問診、診断、処方箋の発行、支払いまでをオンラインで行えます。そのため、時間や場所に縛られず、より便利に医療サービスを受けることが可能です。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、オンライン診療をスムーズに行うためのサービスです。このサービスではアプリを使用し、診療の予約から薬の受け取りまで簡単に行えます。

 

専門のスタッフがサポートを提供し、利用者は自分の好きなクリニックや薬局を登録しておけます。また、お薬手帳をデジタル化し、全国どこからでも薬を当日または翌日に受け取ることが可能です。SOKUYAKUを利用することにより、医療へのアクセスがより便利になります。

まとめ

汗が引き起こす肌のかゆみは、汗が皮膚表面に長く留まったり、汗に含まれる塩分や老廃物が肌を刺激したりすることで生じることがあります。これを防ぐためには、汗をかいた後は放置せずシャワーで洗い流すか、清潔なタオルで拭いてください。通気性のよい衣類を選び、湿度を避けるために除湿や換気も行いましょう。忙しくて医療機関を受診する時間が取れない場合には、オンライン診療を活用するのも一つの方法です。

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監修医師 松澤 宗範
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科

皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科 皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療 2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
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