医療機関・薬局向け

デジタルによるコミュニケーション向上の1例
(Stream Deck)

監修医師 井手 武
更新日:2024年11月11日

更新日:2024年11月11日

デジタルによるコミュニケーション向上の1例<br>(Stream Deck)のイメージ

デジタルによるコミュニケーション向上の1例(Stream Deck)

先日 私個人的な医療機関におけるデジタル化について以前書かせていただきました。

https://sokuyaku.jp/column/tokyo_vision_04.html

【医療機関・薬局の共通点】

このSOKUYAKUさんのメディカルコラムでは、私は【医療機関・薬局向け】に執筆してまいります。

 

最近は世間的に賃上げの大きな流れがあり、それに伴い医療スタッフを募集する際にも給与を上げて募集をかけている状況です。

 

受付スタッフのように資格職ではない方の競合は、他の医療機関だけではなく、非医療業界も含めた競合になりますので、当院も大変苦労しております。

 

そこで、そのような状況でも医療業界にとどまってくれているスタッフに、より一層活躍し、満足して働いてもらえるよう【事務超・跳・蝶】プロジェクトを開始しようと準備しております(1)(2)

 

「小さなクリニックでは新規のスタッフ求人に対して募集がなかなか集まらない、現在いるスタッフさんに成長してもらいたい。一律ではなく成長に応じたインセンティブを渡したいが難しい」と思っておられませんか?私もまさにそんな院長の一人です。

【スタッフの皆様へ】

医療以外でも求人がたくさんある中で小さなクリニックで自分のキャリアを伸ばせるのか?事務長という重責は負いたくない。でも辞めた後も役立つマインドやスキルを身につけたい

 

そんなスタッフさんとプログラムを作ろうと妄想を始めております

 

ご興味のあるクリニックの院長先生とスタッフの皆様よろしくお願いします。

 

事前設計はまだまだ独りよがりなので、設計をお手伝いいただけるスタッフさんと院長先生以下から連絡お願いします。
メッセンジャーかメール tokyoeyeasagaya@hotmail.comで)

【患者さんの為に効率化】

このように少ないながらも頑張ってくれているスタッフの負担を減らし、デジタル化(Dx)の助けを得て患者さんとのコミュニケーションにおいて妥協しないために、当院の試みをAmazon Kindle「クリニック院長ドクターのためのコミュニケーションIT基礎講座」というシリーズで書き留め、出版しております。(3)

 

これは、当院のような Schreiber をつける人員やスペースの余裕のない小さなクリニックだけでなく、調剤や服薬指導や疑義照会などのマルチタスクをしている薬局の薬剤師さんにも役立つものだと信じております。

【目的はあくまで患者さんとのコミュニケーション向上】

医療機関におけるDx化というと、電子カルテを真っ先に思い浮かべることでしょう。しかし、Dx化とは、その先に患者さんとのコミュニケーションが増えることだと考えています。

 

しかし、電子カルテについては、「入力のために患者さんよりもモニターやキーボードに集中していることが多い。」と揶揄されることも多いと思います。その解決策として、Schreiber に診察補助をしてもらうということになります。

 

しかし、電子カルテによる Schreiber は、コミュニケーションを増やしているでしょうか? 例えば、Schreiber (診察補助)を付けて、電子カルテをするのは、多くの医療機関では…

①のフローを良くして、単位時間あたりに診れる患者さんの数を増やすことです。

 

これは、大病院や専門病院や地域の唯一の医療機関のようなところでは仕方ない面もあります。

 

しかし、当院のように、同じ駅周辺に眼科が4~5件ある中では、当院だけが地域の眼科医療を担っているわけではないので、当院のカラーを出す必要があります。

 

そういったときに、眼科診療の純粋な医療機能(ドライ機能と呼ぶことにします)だけでなく、人間的な繋がり(ウェット機能と呼ぶことにします)も大切なのではないかと「個人的には」感じます。これについては様々な意見があるのを承知で書いております(だから、反論は言わないでね)。

 

これは、マクドナルドのスマイル0円と同じく、別に金銭的なメリットを生み出すわけでもありません。しかし、それによって、その場ではなく今後のコミュニケーションコストを下げ、クリニックに対するロイヤルティを増やすと信じて、Schreiber もつけず、できるだけ会話を投げかけるように心がけております(しかし、カルテが溜まってきているときにはできていないこともあり、すみません)。

 

Schreiber がいると、言いたいことを躊躇してしまう患者さんもいるのでは?という仮説です。 改めて、大切なのは、Dx化することにより患者さんとのコミュニケーションが増えることだと「個人的には」考えております。

 

・Schreiber を付けない
・モニターやキーボードの方ばかり見ない

 

そんな状況で患者さんとお話していれば、1日に診られる患者さんが激減するじゃないか?と言われそうですが、解決策があるのです。 聞きたいですか?

【Stream DeckとStream Deck Pedal】

この2つのツールの導入でかなり楽になりました。

 

日常診療で行っていることは医学という専門性の有ることですが、専門性があることのメリットは何でしょうか?

 

国内または世界中で専門性が流布するためには何が必要でしょうか?ガイドラインという言語化です。つまり、小説などのような個性が求められるのではなく、ある用語に対しての認識のSDが少ないことです。そういった意味では、カルテの入力も名作ではなく、誰が見返してもわかる用語の羅列の方が良いのです。そういった意味で医療を行うという意味の医師は、REPLACEABLEなものなのです。医師の代診が緊急でも可能なのはそういった意味です。もちろん、先生によって経験や知識のレベル差はありますが、基本的な知識については共有化されています。

 

しかし、個々の医師や薬剤師のコミュニケーションのクセはREPLACE出来ないのです。そのクセというウェットな部分を思いっきり発揮するためにも、REPLACEABLEな部分の入力はテンプレートで代用できるという発想で採用したのが、Stream Deck と Stream Deck Pedal です。

【作業そのものに価値?タスク完了に価値?】

コロナ禍やオンライン診療が認められる大分前に出版された石黒浩さん(お顔を見れば皆さん 「あーあの方か」とわかると思います)の著書【アンドロイドは人間になれるか】(https://amzn.to/3AyZAfk)の中でのある記述を思い出しました。

 

「所轄官庁であるXX省は「アンドロイドを使った仕事に対しては労働費を払わない」と言ってきた。「僕個人の生身の体がそこに物理的に移動したかどうかが問題の本質なのだろうか?」そうではなく、「タスクが処理されたかどうか」を基準にするのが筋だろう」

 

これと同じく、電子カルテは一生懸命キーボードに入力したという努力に対して評価されるのではなく、自分の指や手の労力を減らしてでも患者さんの診療につながるデータを記録するというタスクをより省力化できるのが大切だと思います。そのためのツールが Stream Deck と Stream Deck Pedal です。

【Stream Deck】

これは一見ボタンが並んでいるように見えますが、一つ一つのボタンが液晶になっていて階層や別ページを作れるのです。色々なビデオで紹介しております(4)

これで患者さんとお話しながら入力の手間をかなり削減できます。

 

最初の基礎はKindleの38,39巻で紹介しております(5)(6)

 

Kindleで足りない部分はNote で補足しております(7)(8)

 

これで左手はStream deck 右手はマウスでキーボードを極力使わないでやっております。

 

当院では2台体制で行っています。

【両手はふさがっていますが】

この左手デバイスである Stream Deck で、かなり診療のときに患者さんと触れ合う時間を作り出すことができました。

 

しかし、何かもっと患者さんに向き合い、入力やページ移動をもっと簡単にできないかと考えていました。「そうだ、私は眼科医だったんだ」と。マウスのクリックと眼科医は何が関連するの?と思われるかもしれませんが、眼科医は手術をする際に両手両足を使うのです。

 

・両手で手術器具を保持
・片足で顕微鏡の位置調整
・もう片足で手術機械の出力コントロール

 

しかし、手術中と異なり、診察中はほとんど足を使っておらず遊んでいるのです。この足を使わない手はない!足を使って操作をしようと思い立ちました。

 

Stream Deck Pedal には液晶がありませんが、Stream Deck と同機能を割り当て可能です。

 

わざわざマウスでカーソルを動かしてクリックというのを手で行っているかと思いますが、電子カルテでは決ま った位置にボタンがあるものがあるので、それをフットスイッチ一発で位置移動も含めてできるので、その間に患者さんとのコミュニケーションや手を使った作業ができます。

【改めて】

このブログでの要点ですが、あくまで「個人的には」、

 

医療を行うという意味の医師は replaceable なものなのです。医師の代診が緊急でも可能なのはそういった意味です。もちろん先生によって経験や知識のレベル差はありますが、基本的な知識については共有化されています。

 

しかし、個々の医師や薬剤師のコミュニケーションのクセは replace 出来ないのです。そのクセを思いっきり発揮するためにも、replaceable な部分の入力はテンプレートで代用できるという発想で採用したのがStream Deck と Stream Deck Pedal です。

 

 

(1) クリニックのスタッフさんと院長先生へ。【事務超・跳・蝶】
https://note.com/teyede1972/m/m47143b8d12eb
(2) 【(行動編)事務超・跳・蝶】クリニックスタッフさんと院長先生
https://note.com/teyede1972/m/mf56e1183ca36
(3) クリニック院長ドクターのためのコミュニケーションIT基礎講座

https://amzn.to/4fzEPz1
(4) Stream Deckについて

https://www.youtube.com/playlist?list=PLwtOWKBwpp-fuzLRyZVsB6ScrVW7g4heC
(5) Stream Deckについて(38巻)

https://amzn.to/40EIbfL
(6) Stream Deckについて(39巻)

https://amzn.to/4fj6QLl
(7) STREAMDECK いつものフレーズワンボタンで入力
https://note.com/teyede1972/m/me83ec71ff608
(8) Stream Deckの基本的パーツの練習
https://note.com/teyede1972/m/mcab5a431f8cd
(9) 診療中にフットスイッチ①

https://amzn.to/3YVZGa9
(10) 診療中にフットスイッチ②

https://amzn.to/3O0bPEJ
(11) 診療中にフットスイッチ③

https://amzn.to/4enE6QD

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東京ビジョンアイクリニック 阿佐ヶ谷 院長
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