インフルエンザの薬一覧|種類・効果・副作用を医師監修で解説
インフルエンザに効く薬とは?まず知っておきたい基本
インフルエンザの治療で中心となるのは、「抗インフルエンザウイルス薬」と呼ばれる薬です。これは、インフルエンザウイルスの増殖を抑える働きがあります。
薬はいつから使えばいい?検査との関係
薬を使うかどうかは、医師の診断に基づいて決まります。病院では、鼻や喉の粘膜を綿棒でこすって調べる「迅速検査キット」を使うのが一般的です。
熱が出たばかりの時期だと感染していても検査が陰性になることもあるため、症状や家族・学校での流行状況をもとに、検査が陰性でも薬が処方されることがあります。発熱から12時間程度経過してからの検査が推奨されています。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
薬で熱が下がるまでの目安は?
抗インフルエンザ薬を使うと、熱やだるさといった全身症状が1日程度早く改善されるといわれています。飲んだその日に熱が下がるわけではありません。
翌日以降に徐々に回復していく方が多いです。薬はウイルスの増殖を抑えるもので、解熱剤とは異なります。
参考元
『成人の新型インフルエンザ 治療ガイドライン 第2版』
「48時間以内に使うべき」の意味と例外
多くの抗インフルエンザ薬は、発熱や症状が出てから48時間以内の使用が効果的です。
これは、インフルエンザウイルスが体内で増殖するスピードが非常に速く、発症から48時間が経過するとウイルスの増殖がピークを越えてしまうためです。
ピークを過ぎてから薬を使っても、ウイルスの増殖を抑える効果が薄くなり、症状を軽くする効果が十分に得られなくなってしまいます。
ただし、持病のある方や、重症化リスクが高い高齢者、小さなお子さんでは、48時間を過ぎていても薬が処方されることがあります。迷ったら、すぐに医師に相談してください。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
『成人の新型インフルエンザ 治療ガイドライン 第2版』
気になる方はオンラインで検査キットの配送も可能
「高熱で病院に行くのがつらい」「まずは自宅で確認したい」という場合、オンラインで検査キットを取り寄せる方法も選択肢になります。
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主なインフルエンザ薬の種類と特徴を一覧で紹介
日本で主に使用されている抗インフルエンザウイルス薬には、飲み薬、吸入薬、点滴薬など、いくつかの種類があります。
ウイルスの増殖を抑えるという基本的な働きは同じですが、使い方や使用回数が異なります。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
代表的薬剤の早見表
これから解説する代表的なインフルエンザ薬の各特長を簡単に整理すると以下の表のようになります。
ここから順番に各薬剤のそれぞれの特徴を詳しく解説していきます。
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タミフル(オセルタミビル):内服5日間の定番薬
最もよく使われている飲み薬の抗インフルエンザ薬です。
【作用】
【この薬が適している方】
【服用・投与方法】
【使用上の注意点】
リレンザ(ザナミビル):吸入による治療
専用の吸入器を使って薬の粉末を直接、気道に送り込むタイプの薬です。
上述したタミフルに耐性を持ち、一方でリレンザに含まれる成分に反応を示すインフルエンザもあるため、作用方法を含めた使い分けがなされます。
【作用】
【この薬が適している方】
【服用・投与方法】
【使用上の注意点】
イナビル(ラニナミビル):1回の吸入で完結
イナビルも吸入薬ですが、特徴は「1回の吸入」で治療が完結することが大きな特徴です。一度の吸入で数日間効果が持続するとされています。
(※分量を調節するなどして2回に分ける場合もあります。)
その他、リレンザ同様にインフルエンザの主要増殖部位のひとつ、呼吸器に直接薬剤を届けることができる点も特徴です。
【作用】
【この薬が適している方】
【服用・投与方法】
【使用上の注意点】
ラピアクタ(ペラミビル):点滴で使う重症用薬
点滴で投与するタイプの抗ウイルス薬です。
【作用】
【この薬が適している方】
【服用・投与方法】
【使用上の注意点】
ゾフルーザ(バロキサビル):1回で済むが注意点も
たった1回の「内服(飲み薬)」で治療が完結する薬です。
【作用】
【この薬が適している方】
【服用・投与方法】
【使用上の注意点】
インフルエンザ治療薬の副作用と安全性
どんな薬にも、主たる作用(効果)と副作用(好ましくない作用)があります。
よくある副作用と対処法
代表的な副作用は、吐き気、腹痛、下痢などの消化器症状です。服用後しばらくしてから現れることが多く、症状が軽ければ水分補給を行いながら様子を見ることで自然に回復する場合がほとんどです。
吸入薬では、喉の刺激感や咳き込みが出ることがありますが、吸入がうまくできていれば大きな問題になることは少ないとされています。どの薬でも、異変を感じたらまずは医師や薬剤師に相談し、自己判断で中止しないことが基本です。
すぐに受診すべき重い副作用
次のような症状が出た場合は、ただちに医療機関を受診してください。
飲み合わせ・ワクチンとの関係に注意
インフルエンザ治療薬の中には、他の薬との併用で作用が強まったり、副作用のリスクが上がったりするものがあります。
例えば、ワルファリン(血液をサラサラにする薬)とタミフルやゾフルーザの併用では、血液凝固に影響する可能性があるため、必ず医師に申告してください。
また、経鼻生ワクチンを接種した直後に抗インフルエンザ薬を使うと、ワクチンの効果が弱まる可能性があります。予防接種を予定している場合、医師に相談しておきましょう。
参考元
『オセルタミビルカプセル75mg|日経メディカル処方薬事典』
『ゾフルーザ錠10mgの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『イナビル吸入粉末剤 20mgの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『ラピアクタ点滴静注液バイアル150mgの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『リレンザの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
解熱剤の使い方にも注意が必要
インフルエンザで高熱が出ると、「すぐに解熱剤を飲んだ方がいいのでは」と思いがちですが、薬の種類や使い方によってはかえってリスクを高めてしまうこともあります。
アセトアミノフェンが第一選択の理由
インフルエンザの発熱に対しては、アセトアミノフェンが安全性の高い解熱薬とされています。作用が比較的おだやかで、インフルエンザの重い合併症である「インフルエンザ脳症」や「ライ症候群」のリスクを高めないとされており、子どもから大人まで安全に使いやすいとされています。
市販薬を選ぶときは、有効成分をよく確認し、「アセトアミノフェンのみを含む」製品を選ぶようにしましょう。
参考元
『インフルエンザ | 国立成育医療研究センター』
『インフルエンザ脳炎・脳症における解熱剤の影響について|日本小児科学会 』
『Q57:インフルエンザ脳症はどうしたら予防できますか?日本小児神経学会』
NSAIDs(イブプロフェンなど)に注意が必要な理由
イブプロフェン等の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は病状を悪化させる可能性があるため、自己判断での使用は避けましょう。熱を下げる効果が強い反面、体の炎症反応を不自然に抑え込んでしまうことがあるため、インフルエンザ脳症との関連が指摘されています。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
『インフルエンザ脳炎・脳症における解熱剤の影響について|日本小児科学会 』
解熱剤を使うタイミングと注意点
熱は、体がウイルスと戦っている証拠でもあります。無理に下げすぎる必要はなく、解熱剤は「熱が高くてつらい時」に限定して使うのが基本です。例えば、高熱で水分や食事がとれない、眠れないといった場合に、一時的に症状を和らげるために使います。
子どものインフルエンザ治療で気をつけたいこと
子どものインフルエンザは、高熱や咳だけでなく、けいれんや異常行動、急性脳症などの合併症につながるリスクもあります。保護者が注意深く見守ることが大切です。
オンライン診療ならインフルエンザも自宅で相談可能
インフルエンザのお子さん向け|薬の選び方
子どもの場合は年齢や飲み込み・吸入の能力に応じて使い分けが必要です。
重要なのが、市販薬(解熱剤など)の取り扱いです。子どもへの使用が禁忌(使用を避けるべき・もしくは使用禁止)とされている成分が含まれていることがあります。
熱性けいれんや咳・呼吸音の違和感(クループ)が出たときの対応
インフルエンザの高熱に伴い、「熱性けいれん」を起こすことがあります。
手足が突っ張り、白目をむくなどの症状が出ますが、慌てずにまずは安全な場所に寝かせ、衣服を緩めて様子を見ましょう。通常は数分で収まりますが、5分以上続く場合や、けいれんが止まっても意識が戻らない場合は、すぐに救急車を呼んでください。
犬が吠えるような咳(ケンケンという咳)や、呼吸時にヒューヒュー・ゼーゼーという音がする(これらはクループ症候群と呼ばれ主に生後6か月から3歳ごろの乳幼児にみられる喉の炎症による症状です)場合は、必要に応じてステロイドや吸入治療を受けましょう。
異常行動と見守りのポイント
インフルエンザにかかった子どもはタミフルの有無にかかわらず、異常行動を起こすことがあると報告されています。発熱から2日以内の10代男性に多いとされます。
原因が薬か高熱かに関わらず、命の危険につながる事故を防ぐことが最も重要です。小児・未成年が自宅療養する際には、転落防止のために窓やベランダの施錠など環境面の安全対策をとりましょう。
登園・登校の再開はいつから?
インフルエンザは、熱が下がった後も体内にウイルスが残っており、他の人にうつす可能性があります。そのため、学校保健安全法という法律で、出席停止期間が定められています。
基準は「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」です。
この2つの条件を満たすまで、出席停止となります。ここでいう「発症日」や「解熱日」は0日目として数え、その翌日から1日目とカウントしてください。園や学校によっては登園許可証の提出が必要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
『患者さん・ご家族・周囲の方々へ |厚生労働省』
『成人の新型インフルエンザ 治療ガイドライン 第2版』
『オセルタミビルカプセル75mg|日経メディカル処方薬事典』
『ゾフルーザ錠10mgの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『イナビル吸入粉末剤 20mgの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『ラピアクタ点滴静注液バイアル150mgの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『リレンザの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『Q57:インフルエンザ脳症はどうしたら予防できますか?日本小児神経学会』
持病がある方や高齢の方の治療ポイント
慢性疾患を抱えている方や高齢の方は、インフルエンザにかかった場合、肺炎や心不全の悪化、脳症などの重篤な合併症につながる可能性が高くなります。予防・早期治療・家庭内感染対策の3つを意識しましょう。
慢性疾患を持つ方の薬の選び方
「予防内服」がすすめられるケース
抗インフルエンザウイルス薬は、治療だけでなく「予防」のために使われることもあります。これを「予防内服(予防投与)」と呼びます。これは、同居家族が感染した場合に「濃厚接触があったがまだ発症していない段階」で薬を飲み始めることで、発症や重症化を防ぐことを目的とした対策です。
ただし、すべての方に予防投与が必要なわけではありませんので、医師とよく相談して判断するようにしましょう。
家庭内での感染対策
インフルエンザにかかった方は、できるだけ個室で過ごし、家族とは別の部屋で休むようにしてください。
お世話をする方は限定し、部屋に入る際はマスクを着用し、出た後はしっかり手洗いとうがいをすることが基本です。
また、ウイルスはドアノブやテーブルなどにも付着するため、アルコールなどでこまめに消毒することも効果的です。
参考元
『インフルエンザの感染を防ぐポイント | 政府広報オンライン』
ワクチンと薬の関係
インフルエンザワクチンは、発病や重症化を未然に防ぐための手段です。役割が異なるため、「薬があるからワクチンは不要」とはなりません。
参考元
『成人の新型インフルエンザ 治療ガイドライン 第2版』
『インフルエンザワクチン(季節性)|厚生労働省』
不活化ワクチンと生ワクチンの違い
不活化ワクチンは、ウイルスを不活性化して注射で体内に入れるもので、年齢や体質を問わず広く使用されています。
生ワクチン(経鼻噴霧)は弱毒化した生きたウイルスを鼻にスプレーで投与します。痛みが少なく注射が苦手な子どもにも適していますが、使用には年齢制限や禁忌(使用を避けるべき・もしくは使用禁止)があるため注意が必要です。
ワクチンが持つ「重症化を防ぐ効果」
ワクチンを接種したからといって、インフルエンザにかからなくなるわけではありません。ワクチンの最大の目的は、「感染後の発症」や「発症した場合の重症化」を防ぐことです。
厚生労働省の平成11年の研究によると、65歳以上の高齢者福祉施設の入所者では、ワクチン接種により発病が34〜55%減り、死亡は最大82%防がれたと報告されています。また、平成28年の研究では、6歳未満の小児を対象に、ワクチンの発病予防効果が約60%あったとされています。
接種できない、慎重にすべき人とは
過去にインフルエンザワクチンで強いアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こしたことがある方は接種できません。そのほか、当日に熱がある方や、重い病気にかかっている方も接種は禁止または慎重投与が必要です。
インフルエンザの薬でよくある疑問
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検査が陰性でも薬を出すことはある?
迅速検査(抗原検査)は発熱から時間が経っていないと陰性になることがあるため、明らかな症状がある・周囲で流行している場合は、検査結果に関わらず臨床診断で薬を処方することがあります。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
『インフルエンザ | 国立成育医療研究センター』
熱が下がったら薬はやめてもいい?
自己判断で中断してはいけません。抗インフルエンザ薬は、症状が軽くなっても体内のウイルスが完全に消えていない可能性があります。
中途半端にやめると、再燃や周囲への感染拡大のリスクがあります。処方された期間をきちんと飲み切ることが重要です。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
発症から2日以上たってしまったら?
抗ウイルス薬は、48時間以内に使うのが最も効果的とされていますが、重症化リスクが高い方では、48時間を過ぎても投与が勧められることがあります。
症状が強い、長引いている、他の家族にうつしたくないなどの理由があれば、自己判断せず医療機関に相談してください。
妊娠中・授乳中でも薬は使える?
タミフルやリレンザは、妊娠中でも比較的安全に使用できるとされています。自己判断で薬を避けたり、無理をして我慢したりせず、必ず産婦人科または内科に相談するようにしましょう。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
薬を正しく使って早く回復するために
インフルエンザの治療では、薬そのものの効果だけでなく、「いつ・どの薬を・どのように使うか」が回復の早さに大きく関わります。
医師との相談で確認すべきポイント
診察を受ける際は、不安なことや疑問点をしっかり医師に伝えましょう。また、処方された薬について「いつまで飲むのか」「熱が下がっても続けるのか」「注意すべき副作用は何か」を確認しておくと、安心です。
オンライン診療も活用しよう
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※当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
2.当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
3.当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
4.前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。
※参考情報
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000190793.pdf
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/090217keikaku-06.pdf
https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/influenza.html
https://www.ims.riken.jp/poster_virus/virus/bacteria/
https://www.lab.toho-u.ac.jp/nurs/socio_epidemiology/blog/dqmvu90000000cnq.html
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sukoyaka/medicine/medicineworks/article7/
https://www.shizuyaku.or.jp/soudan/2422/
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/62/6250021M1035.html
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/62/6250047F1022.html
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/62/6250702G1028.html
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/62/6250703G1022.html
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/62/6250405A1032.html
https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/8947-472r06.html
https://www.childneuro.jp/general/6524/
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=201
この記事ではインフルエンザの治療に主に用いられる薬についてご紹介します。
本稿を読み終わることで以下を理解することができます。
・タミフルやゾフルーザなど、よく聞く薬の特徴
・いつ飲むべきか、48時間ルールの意味
・副作用と安全な使い方
・子どもや妊婦、持病のある方などが注意すべきこと
インフルエンザ治療薬についての心配を取り除く手助けを目指す記事です。
インフルエンザに効く薬とは?まず知っておきたい基本
インフルエンザの治療で中心となるのは、「抗インフルエンザウイルス薬」と呼ばれる薬です。これは、インフルエンザウイルスの増殖を抑える働きがあります。
薬はいつから使えばいい?検査との関係
薬を使うかどうかは、医師の診断に基づいて決まります。病院では、鼻や喉の粘膜を綿棒でこすって調べる「迅速検査キット」を使うのが一般的です。
熱が出たばかりの時期だと感染していても検査が陰性になることもあるため、症状や家族・学校での流行状況をもとに、検査が陰性でも薬が処方されることがあります。発熱から12時間程度経過してからの検査が推奨されています。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
薬で熱が下がるまでの目安は?
抗インフルエンザ薬を使うと、熱やだるさといった全身症状が1日程度早く改善されるといわれています。飲んだその日に熱が下がるわけではありません。
翌日以降に徐々に回復していく方が多いです。薬はウイルスの増殖を抑えるもので、解熱剤とは異なります。
「48時間以内に使うべき」の意味と例外
多くの抗インフルエンザ薬は、発熱や症状が出てから48時間以内の使用が効果的です。
これは、インフルエンザウイルスが体内で増殖するスピードが非常に速く、発症から48時間が経過するとウイルスの増殖がピークを越えてしまうためです。
ピークを過ぎてから薬を使っても、ウイルスの増殖を抑える効果が薄くなり、症状を軽くする効果が十分に得られなくなってしまいます。
ただし、持病のある方や、重症化リスクが高い高齢者、小さなお子さんでは、48時間を過ぎていても薬が処方されることがあります。迷ったら、すぐに医師に相談してください。
気になる方はオンラインで検査キットの配送も可能
「高熱で病院に行くのがつらい」「まずは自宅で確認したい」という場合、オンラインで検査キットを取り寄せる方法も選択肢になります。
例えば、SOKUYAKU(ソクヤク)というオンライン診療のサービスでは、アプリ版の”商品購入”からインフルエンザ検査キットの購入と発送も可能です。早ければその日に届く場合もあります。
こうしたサービスを利用し、陽性の場合にはオンライン診療などで医師の指示を仰ぐとスムーズです。
主なインフルエンザ薬の種類と特徴を一覧で紹介
日本で主に使用されている抗インフルエンザウイルス薬には、飲み薬、吸入薬、点滴薬など、いくつかの種類があります。
ウイルスの増殖を抑えるという基本的な働きは同じですが、使い方や使用回数が異なります。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
代表的薬剤の早見表
これから解説する代表的なインフルエンザ薬の各特長を簡単に整理すると以下の表のようになります。
ここから順番に各薬剤のそれぞれの特徴を詳しく解説していきます。
タミフル(オセルタミビル):内服5日間の定番薬
最もよく使われている飲み薬の抗インフルエンザ薬です。
【作用】
細胞内で増えたウイルスが、外に放出される(=感染が広がる)のを防ぎます。
【この薬が適している方】
錠剤やカプセルを確実に内服できる方。
【服用・投与方法】
朝と夜の1日2回、5日間内服します。 熱が下がった後も、体内に残ったウイルスを抑え込むため、処方された5日分を必ず飲み切ることが大切です。
【使用上の注意点】
副作用:吐き気や腹痛などが出ることがあります。
小児・未成年者:10代の患者さんでは、因果関係は不明ですが、服用後に異常行動が報告された例があるため、治療開始後2日間は、保護者の方は一人にしないよう注意が必要です。
高齢者・腎機能が低下している方:投与量の調整が必要な場合があります。
参考元
『オセルタミビルカプセル75mg|日経メディカル処方薬事典』
『抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン』
リレンザ(ザナミビル):吸入による治療
専用の吸入器を使って薬の粉末を直接、気道に送り込むタイプの薬です。
上述したタミフルに耐性を持ち、一方でリレンザに含まれる成分に反応を示すインフルエンザもあるため、作用方法を含めた使い分けがなされます。
【作用】
ウイルスが細胞から放出されるのを防ぎます。
また、インフルエンザが増殖しやすい部位のひとつである気管支をはじめとした呼吸器に直接成分を送り込むことができることも特徴です。
【この薬が適している方】
他の抗インフルエンザ薬による副作用が強く出る傾向の方。なお、基本的には5歳以上の方が対象となります。
【服用・投与方法】
1日2回、5日間吸入します。 うまく吸入できないと十分な効果が得られません。吸入が苦手な高齢者や小児には不向きです。
【使用上の注意点】
使用できない方:喘息(ぜんそく)やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など、呼吸器系の持病がある方は、吸入の刺激で発作を誘発する可能性があるため、原則として使用できません。
副作用:下痢、悪心、嘔吐などが現れることがあります。また、他の抗インフルエンザ薬同様、異常行動にも注意が必要です。
参考元
『リレンザの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
イナビル(ラニナミビル):1回の吸入で完結
イナビルも吸入薬ですが、特徴は「1回の吸入」で治療が完結することが大きな特徴です。一度の吸入で数日間効果が持続するとされています。
(※分量を調節するなどして2回に分ける場合もあります。)
その他、リレンザ同様にインフルエンザの主要増殖部位のひとつ、呼吸器に直接薬剤を届けることができる点も特徴です。
【作用】
ウイルスが細胞から放出されて増殖する仕組みを邪魔します。
とくに気管支などの呼吸器はインフルエンザの主な増殖部位のひとつであり、そこに増殖を妨げる成分を届けることができるので直接的な効果が期待できます。
【この薬が適している方】
気道に直接薬剤を届けることができる特性があり、加えて、原則は吸入を一度で完了させる必要があります。
言い換えれば、一度でしっかり吸い込む必要があるので、吸入操作がご自身でしっかり行える方が適しており、あまりに年齢の低い小児には向いていません。
【服用・投与方法】
1回で必要量をすべて吸入する必要があるため、確実な操作が求められます。よってうまく吸入できない小さなお子さんなどは不向きな場合があります。
【使用上の注意点】
使用できない方:リレンザと同様、喘息などの呼吸器系の持病がある方は、発作を誘発する可能性があるため注意が必要です。
副作用:下痢、悪心などが現れることがあります。また、ショック、アナフィラキシー、異常行動などが現れる可能性もゼロではないため、使用後の様子をしっかり観察してください。
ラピアクタ(ペラミビル):点滴で使う重症用薬
点滴で投与するタイプの抗ウイルス薬です。
【作用】
ウイルスが細胞から放出されるのを防ぎます。
【この薬が適している方】
重度の吐き気や下痢、意識障害などで、飲み薬や吸入薬の使用が難しい方。
重症化のリスクが非常に高い、あるいはすでに重症化している方。
【服用・投与方法】
原則は1回の点滴(15分以上)で治療が完了します。ただし、症状や体質、年齢などの状況に応じて数日に伸びるケースもあります。
【使用上の注意点】
腎機能が低下している方:投与量を厳密に調整する必要があるため、医師が慎重に判断します。
副作用:下痢、悪心、嘔吐などが報告されています。また、重大な副作用としてショック、アナフィラキシー、白血球・好中球減少、異常行動などが現れる可能性があります。
ゾフルーザ(バロキサビル):1回で済むが注意点も
たった1回の「内服(飲み薬)」で治療が完結する薬です。
【作用】
これまでの薬と異なり、ウイルスが細胞内で増殖する(コピーを作る)こと自体を妨げます。
【この薬が適している方】
1回の内服で、手軽に治療を終えたい方。
【服用・投与方法】
1回だけ内服します。
【使用上の注意点】
耐性ウイルス:ウイルスがこの薬に耐性(薬が効きにくくなること)を持ちやすいことが報告されています。
小児への使用:耐性の問題から、12歳未満の子どもへの使用は慎重に検討すべきとされています。
免疫不全の方や重症例:単独での使用が推奨されていません。
使用の判断::使用するかどうかは医師とよく相談することが大切です。
副作用:主なものとして下痢、悪心などが報告されています。まれに、アナフィラキシーや異常行動などの重大な副作用が現れる可能性もあります。
インフルエンザ治療薬の副作用と安全性
どんな薬にも、主たる作用(効果)と副作用(好ましくない作用)があります。
よくある副作用と対処法
代表的な副作用は、吐き気、腹痛、下痢などの消化器症状です。服用後しばらくしてから現れることが多く、症状が軽ければ水分補給を行いながら様子を見ることで自然に回復する場合がほとんどです。
吸入薬では、喉の刺激感や咳き込みが出ることがありますが、吸入がうまくできていれば大きな問題になることは少ないとされています。どの薬でも、異変を感じたらまずは医師や薬剤師に相談し、自己判断で中止しないことが基本です。
すぐに受診すべき重い副作用
次のような症状が出た場合は、ただちに医療機関を受診してください。
- 呼吸困難、喉や顔の腫れ、発疹や全身のかゆみ(アナフィラキシーの疑い)
- 意識がもうろうとする、幻覚や錯乱(精神・神経症状)
- 強い腹痛や下痢、血便(大腸炎の可能性)
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、尿の色が濃い(肝機能障害の可能性)
- 血尿やむくみ(腎機能障害の可能性)
飲み合わせ・ワクチンとの関係に注意
インフルエンザ治療薬の中には、他の薬との併用で作用が強まったり、副作用のリスクが上がったりするものがあります。
例えば、ワルファリン(血液をサラサラにする薬)とタミフルやゾフルーザの併用では、血液凝固に影響する可能性があるため、必ず医師に申告してください。
また、経鼻生ワクチンを接種した直後に抗インフルエンザ薬を使うと、ワクチンの効果が弱まる可能性があります。予防接種を予定している場合、医師に相談しておきましょう。
参考元
『オセルタミビルカプセル75mg|日経メディカル処方薬事典』
『ゾフルーザ錠10mgの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『イナビル吸入粉末剤 20mgの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『ラピアクタ点滴静注液バイアル150mgの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『リレンザの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
解熱剤の使い方にも注意が必要
インフルエンザで高熱が出ると、「すぐに解熱剤を飲んだ方がいいのでは」と思いがちですが、薬の種類や使い方によってはかえってリスクを高めてしまうこともあります。
アセトアミノフェンが第一選択の理由
インフルエンザの発熱に対しては、アセトアミノフェンが安全性の高い解熱薬とされています。作用が比較的おだやかで、インフルエンザの重い合併症である「インフルエンザ脳症」や「ライ症候群」のリスクを高めないとされており、子どもから大人まで安全に使いやすいとされています。
市販薬を選ぶときは、有効成分をよく確認し、「アセトアミノフェンのみを含む」製品を選ぶようにしましょう。
参考元
『インフルエンザ | 国立成育医療研究センター』
『インフルエンザ脳炎・脳症における解熱剤の影響について|日本小児科学会 』
『Q57:インフルエンザ脳症はどうしたら予防できますか?日本小児神経学会』
NSAIDs(イブプロフェンなど)に注意が必要な理由
イブプロフェン等の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は病状を悪化させる可能性があるため、自己判断での使用は避けましょう。熱を下げる効果が強い反面、体の炎症反応を不自然に抑え込んでしまうことがあるため、インフルエンザ脳症との関連が指摘されています。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
『インフルエンザ脳炎・脳症における解熱剤の影響について|日本小児科学会 』
解熱剤を使うタイミングと注意点
熱は、体がウイルスと戦っている証拠でもあります。無理に下げすぎる必要はなく、解熱剤は「熱が高くてつらい時」に限定して使うのが基本です。例えば、高熱で水分や食事がとれない、眠れないといった場合に、一時的に症状を和らげるために使います。
子どものインフルエンザ治療で気をつけたいこと
子どものインフルエンザは、高熱や咳だけでなく、けいれんや異常行動、急性脳症などの合併症につながるリスクもあります。保護者が注意深く見守ることが大切です。
インフルエンザのお子さん向け|薬の選び方
子どもの場合は年齢や飲み込み・吸入の能力に応じて使い分けが必要です。
- タミフル(内服薬)は、生後2週以降から使用可能
- イナビル(吸入薬)は吸入が難しい年齢では不適
- ゾフルーザ(内服薬)は12歳未満への使用は慎重に検討
重要なのが、市販薬(解熱剤など)の取り扱いです。子どもへの使用が禁忌(使用を避けるべき・もしくは使用禁止)とされている成分が含まれていることがあります。
- ジクロフェナクナトリウム
- メフェナム酸
- アスピリン(サリチル酸系)
これらはインフルエンザ脳症やライ症候群などの重篤な副作用リスクがあるため、絶対に自己判断で使ってはいけません。アセトアミノフェンが基本です。
熱性けいれんや咳・呼吸音の違和感(クループ)が出たときの対応
インフルエンザの高熱に伴い、「熱性けいれん」を起こすことがあります。
手足が突っ張り、白目をむくなどの症状が出ますが、慌てずにまずは安全な場所に寝かせ、衣服を緩めて様子を見ましょう。通常は数分で収まりますが、5分以上続く場合や、けいれんが止まっても意識が戻らない場合は、すぐに救急車を呼んでください。
犬が吠えるような咳(ケンケンという咳)や、呼吸時にヒューヒュー・ゼーゼーという音がする(これらはクループ症候群と呼ばれ主に生後6か月から3歳ごろの乳幼児にみられる喉の炎症による症状です)場合は、必要に応じてステロイドや吸入治療を受けましょう。
異常行動と見守りのポイント
インフルエンザにかかった子どもはタミフルの有無にかかわらず、異常行動を起こすことがあると報告されています。発熱から2日以内の10代男性に多いとされます。
原因が薬か高熱かに関わらず、命の危険につながる事故を防ぐことが最も重要です。小児・未成年が自宅療養する際には、転落防止のために窓やベランダの施錠など環境面の安全対策をとりましょう。
登園・登校の再開はいつから?
インフルエンザは、熱が下がった後も体内にウイルスが残っており、他の人にうつす可能性があります。そのため、学校保健安全法という法律で、出席停止期間が定められています。
基準は「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」です。
この2つの条件を満たすまで、出席停止となります。ここでいう「発症日」や「解熱日」は0日目として数え、その翌日から1日目とカウントしてください。園や学校によっては登園許可証の提出が必要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
『患者さん・ご家族・周囲の方々へ |厚生労働省』
『成人の新型インフルエンザ 治療ガイドライン 第2版』
『オセルタミビルカプセル75mg|日経メディカル処方薬事典』
『ゾフルーザ錠10mgの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『イナビル吸入粉末剤 20mgの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『ラピアクタ点滴静注液バイアル150mgの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『リレンザの基本情報|日経メディカル処方薬事典』
『Q57:インフルエンザ脳症はどうしたら予防できますか?日本小児神経学会』
持病がある方や高齢の方の治療ポイント
慢性疾患を抱えている方や高齢の方は、インフルエンザにかかった場合、肺炎や心不全の悪化、脳症などの重篤な合併症につながる可能性が高くなります。予防・早期治療・家庭内感染対策の3つを意識しましょう。
慢性疾患を持つ方の薬の選び方
- タミフル(オセルタミビル):腎機能に応じて投与量の調整が必要
- リレンザ・イナビル(吸入薬):喘息やCOPDのある方では使用に注意
- ラピアクタ(点滴薬):経口・吸入が困難な場合。腎機能によって投与量調整
主治医に持病や現在使っている薬を伝え、適切な薬を選んでもらうことが重要です。
「予防内服」がすすめられるケース
抗インフルエンザウイルス薬は、治療だけでなく「予防」のために使われることもあります。これを「予防内服(予防投与)」と呼びます。これは、同居家族が感染した場合に「濃厚接触があったがまだ発症していない段階」で薬を飲み始めることで、発症や重症化を防ぐことを目的とした対策です。
ただし、すべての方に予防投与が必要なわけではありませんので、医師とよく相談して判断するようにしましょう。
参考元
『抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン』
家庭内での感染対策
インフルエンザにかかった方は、できるだけ個室で過ごし、家族とは別の部屋で休むようにしてください。
お世話をする方は限定し、部屋に入る際はマスクを着用し、出た後はしっかり手洗いとうがいをすることが基本です。
また、ウイルスはドアノブやテーブルなどにも付着するため、アルコールなどでこまめに消毒することも効果的です。
ワクチンと薬の関係
インフルエンザワクチンは、発病や重症化を未然に防ぐための手段です。役割が異なるため、「薬があるからワクチンは不要」とはなりません。
不活化ワクチンと生ワクチンの違い
不活化ワクチンは、ウイルスを不活性化して注射で体内に入れるもので、年齢や体質を問わず広く使用されています。
生ワクチン(経鼻噴霧)は弱毒化した生きたウイルスを鼻にスプレーで投与します。痛みが少なく注射が苦手な子どもにも適していますが、使用には年齢制限や禁忌(使用を避けるべき・もしくは使用禁止)があるため注意が必要です。
ワクチンが持つ「重症化を防ぐ効果」
ワクチンを接種したからといって、インフルエンザにかからなくなるわけではありません。ワクチンの最大の目的は、「感染後の発症」や「発症した場合の重症化」を防ぐことです。
厚生労働省の平成11年の研究によると、65歳以上の高齢者福祉施設の入所者では、ワクチン接種により発病が34〜55%減り、死亡は最大82%防がれたと報告されています。また、平成28年の研究では、6歳未満の小児を対象に、ワクチンの発病予防効果が約60%あったとされています。
参考元
『インフルエンザワクチン(季節性)|厚生労働省』
接種できない、慎重にすべき人とは
過去にインフルエンザワクチンで強いアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こしたことがある方は接種できません。そのほか、当日に熱がある方や、重い病気にかかっている方も接種は禁止または慎重投与が必要です。
インフルエンザの薬でよくある疑問
検査が陰性でも薬を出すことはある?
迅速検査(抗原検査)は発熱から時間が経っていないと陰性になることがあるため、明らかな症状がある・周囲で流行している場合は、検査結果に関わらず臨床診断で薬を処方することがあります。
熱が下がったら薬はやめてもいい?
自己判断で中断してはいけません。抗インフルエンザ薬は、症状が軽くなっても体内のウイルスが完全に消えていない可能性があります。
中途半端にやめると、再燃や周囲への感染拡大のリスクがあります。処方された期間をきちんと飲み切ることが重要です。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
発症から2日以上たってしまったら?
抗ウイルス薬は、48時間以内に使うのが最も効果的とされていますが、重症化リスクが高い方では、48時間を過ぎても投与が勧められることがあります。
症状が強い、長引いている、他の家族にうつしたくないなどの理由があれば、自己判断せず医療機関に相談してください。
妊娠中・授乳中でも薬は使える?
タミフルやリレンザは、妊娠中でも比較的安全に使用できるとされています。自己判断で薬を避けたり、無理をして我慢したりせず、必ず産婦人科または内科に相談するようにしましょう。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
薬を正しく使って早く回復するために
インフルエンザの治療では、薬そのものの効果だけでなく、「いつ・どの薬を・どのように使うか」が回復の早さに大きく関わります。
医師との相談で確認すべきポイント
診察を受ける際は、不安なことや疑問点をしっかり医師に伝えましょう。また、処方された薬について「いつまで飲むのか」「熱が下がっても続けるのか」「注意すべき副作用は何か」を確認しておくと、安心です。
オンライン診療も活用しよう
高熱で外出が難しいときはオンライン診療が役立ちます。例えばSOKUYAKU(ソクヤク)では、WEBやアプリからインフルエンザ検査キットを購入し、自宅で検査も可能です。自宅にいながら検査から診察、薬の受け取りまでスムーズに進めることが可能です。
こうした「ワンストップ(すべてが一つで完結する)」サービスを活用することもご検討ください。
※当コラムの掲載記事に関するご注意点
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※参考情報
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000190793.pdf
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/090217keikaku-06.pdf
https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/influenza.html
https://www.ims.riken.jp/poster_virus/virus/bacteria/
https://www.lab.toho-u.ac.jp/nurs/socio_epidemiology/blog/dqmvu90000000cnq.html
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sukoyaka/medicine/medicineworks/article7/
https://www.shizuyaku.or.jp/soudan/2422/
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/62/6250021M1035.html
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/62/6250047F1022.html
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/62/6250702G1028.html
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/62/6250703G1022.html
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/62/6250405A1032.html
https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/8947-472r06.html
https://www.childneuro.jp/general/6524/
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=201
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