インフルエンザの症状|特徴や風邪との違いを解説
インフルエンザと風邪の違い
インフルエンザと風邪(風邪症候群)は、どちらもウイルスによる呼吸器感染症ですが、原因となるウイルスや症状の現れ方、重症度に大きな違いがあります。
普通の風邪はのどの痛みやくしゃみ、鼻水や咳などで止まるだけにとどまりやすいですが、インフルエンザは、一般的な風邪に比べて症状が急速に現れ、急速に高熱が出たり、体中の関節の痛みや倦怠感、など、症状が一気に重くなりやすい特徴があります。
「辛いくて動けない」|そんな時はオンライン診療
※ここでいうコロナウイルスは、一般的な風邪の原因となる従来のコロナウイルスを指し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は含みません。
※上記はあくまで一般的な傾向です。実際には重なることもあり、症状だけで確実に見分けることは困難です。疑わしいときは医療機関で評価を受けてください。
参考元
『インフルエンザの症状・原因|第一三共ヘルスケア』
『インフルエンザ|シオノギヘルスケア』
『インフルエンザ(詳細版)|国立健康危機管理研究機構』
インフルエンザの主な症状を詳細解説
のどや鼻の不調からゆっくり始まる風邪に対し、インフルエンザは「突然の高熱」と「強い全身症状(だるさ、体の痛み)」が特徴です。
ここでは、「初期症状」「体の痛み」「呼吸器の症状」の3つに分けて、それぞれを詳しく見ていきましょう。
インフルエンザの初期症状
初期は悪寒、急な発熱、続いて強い倦怠感・頭痛・関節痛・筋肉痛が現れる流れが一般的です。
上気道の症状(咳・鼻水・のどの痛み)はやや遅れて現れることが多く、ここが“最初からのど・鼻に来やすい”風邪との違いです。
突然の高熱
全身の倦怠感
悪寒・震え
体の痛み
インフルエンザにかかると、なぜ節々が痛むのでしょうか。
これは、ウイルスそのものが直接痛みや熱を引き起こしているのではなく、ウイルスに対抗しようとする体の免疫反応が原因です。
理化学研究所の研究によれば、免疫細胞だけでなく、筋肉や神経などの細胞もウイルスの侵入を感知し、炎症や痛みを引き起こす物質(プロスタグランジンなど)を放出することが分かっています。
参考元
『ウイルス感染に伴う疲労倦怠感は脳内炎症が引き金 | 理化学研究所』
『インフルエンザ (流感)| MSDマニュアル家庭版』
関節痛
筋肉痛
頭痛
呼吸器の症状
咳、鼻水・鼻づまり、のどの痛みなどの上気道症状も起こりますが、インフルエンザでは全身症状が強く、これら呼吸器系の症状はやや遅れて現れる傾向があります。
参考元
『インフルエンザの症状・原因|第一三共ヘルスケア』
『インフルエンザ|シオノギヘルスケア』
『インフルエンザ (流感)| MSDマニュアル家庭版』
咳(せき)
鼻水・鼻づまり
検査キットとオンライン診療の組み合わせで処方薬が自宅に届く⇒
症状と潜伏期間の関係
インフルエンザウイルスに感染しても、すぐに高熱が出るわけではありません。ウイルスが体内で増殖し、体が「戦い」を始めるまでには少し時間差があります。
感染から発症までの「潜伏期間」、症状が現れてからの一般的な経過、そして他人にうつしてしまう可能性が高い「感染力の強い期間」について見ていきましょう。
参考元
『冬に流行する感染症|神戸大学』
『感染症疫学の用語解説 |日本疫学会』
『インフルエンザ (流感)| MSDマニュアル家庭版』
『学校保健安全法施行規則 | e-Gov 法令検索』
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
『インフルエンザ|厚生労働省』
潜伏期間とは
潜伏期間は、ウイルスなどの病原体が体に侵入(感染)してから、最初の症状(発熱、だるさなど)が現れるまでの「準備期間」のことです。
インフルエンザの潜伏期間は通常1〜4日で、平均は約2日とされています。他の多くの感染症と比べて比較的短いのが特徴です。
症状の経過
インフルエンザの症状は、時間の経過とともに変化していきます。もちろん個人差はありますが、一般的な症状の経過目安は以下の通りです。
【潜伏期間】(感染日〜約1〜3日間)
【発症初期】(発症1日目〜)
【症状のピーク期】(発症2〜3日目頃)
【回復期】(発症4日目頃〜)
【回復】(約1週間〜)
感染力の強い期間
感染力は「発症の直前から発症後しばらく」が特に強いとされ、少なくとも発症後3日程度までは周囲への配慮(外出自粛・マスク・手指衛生)が重要です。感染力は発症してから3日間程度が最も強く、その後もしばらくはウイルスを排出し続けます。
学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています。
これは、熱が下がった後もまだ体内にウイルスが残っており、感染を広げるリスクがあるためです。
症状の経過
インフルエンザの症状は、時間の経過とともに変化していきます。もちろん個人差はありますが、一般的な症状の経過目安は以下の通りです。
【潜伏期間】(感染日〜約1〜3日間)
【発症初期】(発症1日目〜)
【症状のピーク期】(発症2〜3日目頃)
【回復期】(発症4日目頃〜)
【回復】(約1週間〜)
感染力の強い期間
感染力は「発症の直前から発症後しばらく」が特に強いとされ、少なくとも発症後3日程度までは周囲への配慮(外出自粛・マスク・手指衛生)が重要です。
感染力は発症してから3日間程度が最も強く、その後もしばらくはウイルスを排出し続けます。
学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています。これは、熱が下がった後もまだ体内にウイルスが残っており、感染を広げるリスクがあるためです。
A型・B型の症状の違い
インフルエンザは、そのウイルスの性質によって大きく「A型」「B型」「C型」「D型」に分類されますが、ヒトの間で季節性に流行し、高熱や全身症状を引き起こすのは主にA型とB型です。
参考元
『インフルエンザ (流感)| MSDマニュアル家庭版』
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
『インフルエンザの症状・原因|第一三共ヘルスケア』
『インフルエンザ|シオノギヘルスケア』
A型インフルエンザの特徴
A型インフルエンザは、一般的に症状が重くなりやすい傾向があります。
感染すると、38℃を超えるような突然の高熱が出やすく、強い全身の倦怠感、関節痛、筋肉痛といった全身症状が顕著に現れるのが特徴です。
また、A型はウイルスの表面にあるタンパク質が変異しやすく、その性質を頻繁に変えるため、毎年のように世界的な流行を引き起こします。流行時期は、主に12月から2月頃がピークとなります。
B型インフルエンザの特徴
B型インフルエンザは、A型と比較すると全体的な症状が比較的軽度な傾向があると言われています。
高熱が出ずに微熱や中等度の発熱にとどまることもあり、A型で見られるような強い全身症状よりも、B型では下痢や嘔吐、腹痛といった消化器症状(おなかの症状)が出やすい点が特徴です。
流行時期はA型より遅れる傾向があり、日本ではA型のピークが過ぎた2月から春先にかけて流行することが多くなります。また、B型はA型に比べてウイルスの変異の速度が遅いことも知られています。
見分けることはできる?
症状だけでA型かB型かを正確に判断するのは困難です。B型でも高熱が出ることもありますし、A型で消化器症状が出る場合もあります。
どちらの型であっても、特に高齢者や基礎疾患のある方にとっては重症化のリスクがあります。正確な診断と適切な治療(抗インフルエンザ薬の使用など)を受けるためにも、インフルエンザが疑われる場合は必ず医療機関を受診しましょう。
重症化のサインや合併症
インフルエンザは多くの場合、自宅療養で回復しますが、中には症状が重くなったり、危険な合併症を引き起こしたりすることがあります。
どのような状態になったら注意すべきか、ここでしっかり確認しておきましょう。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
注意すべき重症化のサイン
インフルエンザの経過中に、以下のような症状が見られた場合は、単なるインフルエンザの症状ではなく、重症化や合併症が起きている可能性があります。
これらは緊急を要するサインですので、ためらわずに医療機関を受診するか、救急車を呼ぶことを検討してください。
呼吸の異常
意識の異常
小児の異常行動
その他のサイン
代表的な合併症
インフルエンザが引き金となり、別の深刻な病気を発症することがあります。
これを合併症と呼びます。特に注意が必要なのが「肺炎」と「脳症」です。
インフルエンザ肺炎
インフルエンザ脳症
重症化しやすい人
重症化リスクが高い・移動が困難|オンライン診療はコチラから⇒
症状が出たときの対処法
強い発熱や全身症状が急に出たら、まずは安静と水分補給を優先しつつ、受診の要否を判断しましょう。
参考元
『インフルエンザ (流感)| MSDマニュアル家庭版』
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
『インフルエンザの症状・原因|第一三共ヘルスケア』
『インフルエンザ|シオノギヘルスケア』
医療機関の受診タイミング
インフルエンザが疑われる高熱や強い倦怠感がある場合、発症から48時間以内を目安に医療機関を受診することが推奨されます。
インフルエンザの治療に用いられる「抗インフルエンザウイルス薬」(タミフルやリレンザなど)は、ウイルスの増殖を抑える薬であり、発症から48時間以内に服用を開始することで最も効果が期待できるためです。
適切なタイミングで服用することで、発熱期間の短縮や症状の緩和が期待できる場合があります。
ただし、先ほど説明した「重症化しやすい人」(高齢者、乳幼児、妊婦、持病のある方)や、「重症化のサイン」(呼吸困難、意識障害、異常行動など)が見られる場合は、48時間という時間にとらわれず、速やかに医療機関を受診してください。
自宅での療養方法
インフルエンザと診断されたら、医師の指示に従い、自宅でしっかりと休養をとることが回復への一番の近道です。
最も重要なのは安静です。熱が下がっても、体はウイルスと戦って疲弊しています。無理に学校や仕事に行こうとせず、睡眠を十分にとり、体を休ませてください。
次に大切なのが水分補給です。高熱で大量の汗をかくため、脱水症状を起こしやすくなっています。水や麦茶、経口補水液、スポーツドリンクなどをこまめに摂取しましょう。
また、空気が乾燥していると、のどや気管支の粘膜が傷つきやすくなります。加湿器を使用するなどして、室内の湿度を適切(50〜60%程度)に保つことも、咳などの症状緩和に有効です。
発熱やだるさが数日で軽くなることが多い一方、咳や疲れやすさはしばらく残ることがあります。悪化や“ぶり返し”を感じたら自己判断にこだわらず受診してください。
体が動かせないときにはオンライン診療
インフルエンザの症状がピークの時は、高熱や強烈なだるさで、医療機関へ移動すること自体が非常につらい場合もあるでしょう。また、病院の待合室で他の方に感染を広げてしまうリスクも心配です。
そんな場合には、オンライン診療サービスを利用して、自宅から医師に相談する方法もあります。ただし、呼吸困難や意識障害などの緊急症状がある場合は、すぐに救急医療機関を受診してください。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
2.当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
3.当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
4.前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。
参考情報まとめ
https://www.hus.ac.jp/hokukadai-jiten/detail/530cb7f4fda5cf8b95eb24ca3e43f5e777eeddb8-17676/
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
https://www.influ-news.info/influ/symptoms.html
https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/ls/column/ls_column_99_01/
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/27_influenza/#d02
https://wellness.shionogi.co.jp/infections/influenza.html
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/a/influenza/010/index.html?utm_source=chatgpt.com
http://www.josuikai.or.jp/pdf/newspaper/newspaper_201810.pdf
https://alinamin-kenko.jp/navi/navi_infuru.html
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000190793.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika1913/94/11/94_11_2281/_pdf/-char/ja
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2811908/?utm_source=chatgpt.com
https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/a/a-11.html?utm_source=chatgpt.com
突然の発熱で辛い状態でお読みの方もいらっしゃるかと思います。まずは楽な姿勢や休める場所でお読みいただければと思います。
この記事は以下のようなお悩みをお持ちの方に向けた記事です。
・「自分や家族がインフルエンザにかかったかもしれない」
・「インフルエンザだとしたら症状にどんな特徴があるか知りたい」
・「インフルエンザと風邪にはどんな違いがあるのか知りたい」
・「体調が辛すぎて病院にいけない場合はどうしたらよいか」
この記事が上記のお悩みの解決の一助になれば幸いです。
インフルエンザと風邪の違い
インフルエンザと風邪(風邪症候群)は、どちらもウイルスによる呼吸器感染症ですが、原因となるウイルスや症状の現れ方、重症度に大きな違いがあります。
普通の風邪はのどの痛みやくしゃみ、鼻水や咳などで止まるだけにとどまりやすいですが、インフルエンザは、一般的な風邪に比べて症状が急速に現れ、急速に高熱が出たり、体中の関節の痛みや倦怠感、など、症状が一気に重くなりやすい特徴があります。
※ここでいうコロナウイルスは、一般的な風邪の原因となる従来のコロナウイルスを指し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は含みません。
※上記はあくまで一般的な傾向です。実際には重なることもあり、症状だけで確実に見分けることは困難です。疑わしいときは医療機関で評価を受けてください。
参考元
『インフルエンザの症状・原因|第一三共ヘルスケア』
『インフルエンザ|シオノギヘルスケア』
『インフルエンザ(詳細版)|国立健康危機管理研究機構』
インフルエンザの主な症状を詳細解説
のどや鼻の不調からゆっくり始まる風邪に対し、インフルエンザは「突然の高熱」と「強い全身症状(だるさ、体の痛み)」が特徴です。
ここでは、「初期症状」「体の痛み」「呼吸器の症状」の3つに分けて、それぞれを詳しく見ていきましょう。
インフルエンザの初期症状
初期は悪寒、急な発熱、続いて強い倦怠感・頭痛・関節痛・筋肉痛が現れる流れが一般的です。
上気道の症状(咳・鼻水・のどの痛み)はやや遅れて現れることが多く、ここが“最初からのど・鼻に来やすい”風邪との違いです。
突然の高熱
インフルエンザの最も代表的な初期症状が、突然の38℃以上の高熱です。
ウイルスが体内に侵入すると、私たちの体は免疫システムを作動させます。このとき、ウイルスと戦うために「プロスタグランジン」という物質が体内で作られます。
このプロスタグランジンは、脳の体温調節中枢に働きかけて体温を急激に上昇させ、ウイルスが増殖しにくい環境を作ろうとします。
これが、インフルエンザで高熱が出るメカニズムです。
参考元
『生理学研究所|体温調節ハンドブック』
全身の倦怠感
全身の倦怠感は「体力がないから」ではなく、体がウイルスと戦うために省エネモードに切り替わったサインとも考えられています。
ウイルスを見つけた体は「休んで回復に集中して」と脳にメッセージを送ります。すると筋肉を動かす元気が出にくくなり、関節や筋肉の痛みも手伝って、強いだるさとして感じます。
単なる疲れとは明らかに異なる強い消耗感です。熱が下がっても、メッセージの影響が残ると数日だるさが続くことがあります。
悪寒・震え
高熱が出る直前や、熱がさらに上がろうとするときに、ガタガタと体が震えるような強い寒気(悪寒)を感じることがあります。
これは、体温を急激に上げるために筋肉を震わせ、熱を産生しようとする体の正常な反応です。この強い悪寒は、これから高熱が出るという前兆でもあります。
参考元
『体温調節の中枢機構|日本生化学会』
『体温調節の仕組み|名古屋大学・中村研究室』
体の痛み
インフルエンザにかかると、なぜ節々が痛むのでしょうか。
これは、ウイルスそのものが直接痛みや熱を引き起こしているのではなく、ウイルスに対抗しようとする体の免疫反応が原因です。
理化学研究所の研究によれば、免疫細胞だけでなく、筋肉や神経などの細胞もウイルスの侵入を感知し、炎症や痛みを引き起こす物質(プロスタグランジンなど)を放出することが分かっています。
参考元
『ウイルス感染に伴う疲労倦怠感は脳内炎症が引き金 | 理化学研究所』
『インフルエンザ (流感)| MSDマニュアル家庭版』
関節痛
膝、肘、腰といった関節がギシギシと痛むことがあります。
熱による炎症反応が関節周辺に及ぶことで、動かすたびに痛みを感じやすくなります。
筋肉痛
インフルエンザの筋肉痛は、運動後とは異なる、全身の筋肉が広範囲にわたって痛むのが特徴です。
免疫反応によって放出される物質が、筋肉の線維を刺激することで痛みが生じます。
頭痛
高熱に伴い、ズキズキとした強い頭痛もよく見られます。
これは、発熱や炎症を引き起こす物質が脳の血管や神経を刺激することで起こると考えられています。
呼吸器の症状
咳、鼻水・鼻づまり、のどの痛みなどの上気道症状も起こりますが、インフルエンザでは全身症状が強く、これら呼吸器系の症状はやや遅れて現れる傾向があります。
参考元
『インフルエンザの症状・原因|第一三共ヘルスケア』
『インフルエンザ|シオノギヘルスケア』
『インフルエンザ (流感)| MSDマニュアル家庭版』
咳(せき)
はじめは乾いた「コンコン」という咳が出ることが多いですが、次第に痰(たん)が絡んだ咳に変わっていくこともあります。咳は、ウイルスによって気道が炎症を起こしているサインです。
咳は数日から数週間続くこともあり、体力を消耗させるため水分と休養が重要です。
鼻水・鼻づまり
鼻水や鼻づまりは風邪でも見られますが、インフルエンザでは高熱や強い倦怠感、筋肉痛などの全身症状が前面に出る点が異なります。
症状と潜伏期間の関係
インフルエンザウイルスに感染しても、すぐに高熱が出るわけではありません。ウイルスが体内で増殖し、体が「戦い」を始めるまでには少し時間差があります。
感染から発症までの「潜伏期間」、症状が現れてからの一般的な経過、そして他人にうつしてしまう可能性が高い「感染力の強い期間」について見ていきましょう。
参考元
『冬に流行する感染症|神戸大学』
『感染症疫学の用語解説 |日本疫学会』
『インフルエンザ (流感)| MSDマニュアル家庭版』
『学校保健安全法施行規則 | e-Gov 法令検索』
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
『インフルエンザ|厚生労働省』
潜伏期間とは
潜伏期間は、ウイルスなどの病原体が体に侵入(感染)してから、最初の症状(発熱、だるさなど)が現れるまでの「準備期間」のことです。
インフルエンザの潜伏期間は通常1〜4日で、平均は約2日とされています。他の多くの感染症と比べて比較的短いのが特徴です。
症状の経過
インフルエンザの症状は、時間の経過とともに変化していきます。もちろん個人差はありますが、一般的な症状の経過目安は以下の通りです。
【潜伏期間】(感染日〜約1〜3日間)
ウイルスが体内に侵入し、のどや気管支の細胞で増殖を始めます。
この時点では、まだ自覚症状はほとんどありません。
【発症初期】(発症1日目〜)
潜伏期間を経て、ウイルスが一定量まで増えると発症します。
突然の38℃以上の高熱、強い悪寒、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛といった「全身症状」が急速に現れます。
【症状のピーク期】(発症2〜3日目頃)
高熱や全身の痛み、だるさが最も強くなる時期は2~3日経過後です。
この頃から、遅れて咳(せき)、のどの痛み、鼻水といった「呼吸器症状」が目立ち始めることが多くなります。
【回復期】(発症4日目頃〜)
抗インフルエンザ薬の服用や、自身の免疫の働きによってウイルスの増殖が抑えられ、高熱や強い全身症状は峠を越えて徐々に和らいできます。
【回復】(約1週間〜)
多くの場合、約1週間で主な症状は治まります。ただし、咳や倦怠感だけがしばらく残り、体力が完全に戻るまでにはもう少し時間がかかることもあります。
感染力の強い期間
感染力は「発症の直前から発症後しばらく」が特に強いとされ、少なくとも発症後3日程度までは周囲への配慮(外出自粛・マスク・手指衛生)が重要です。感染力は発症してから3日間程度が最も強く、その後もしばらくはウイルスを排出し続けます。
学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています。
これは、熱が下がった後もまだ体内にウイルスが残っており、感染を広げるリスクがあるためです。
症状の経過
インフルエンザの症状は、時間の経過とともに変化していきます。もちろん個人差はありますが、一般的な症状の経過目安は以下の通りです。
【潜伏期間】(感染日〜約1〜3日間)
ウイルスが体内に侵入し、のどや気管支の細胞で増殖を始めます。
この時点では、まだ自覚症状はほとんどありません。
【発症初期】(発症1日目〜)
潜伏期間を経て、ウイルスが一定量まで増えると発症します。
突然の38℃以上の高熱、強い悪寒、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛といった「全身症状」が急速に現れます。
【症状のピーク期】(発症2〜3日目頃)
高熱や全身の痛み、だるさが最も強くなる時期です。
この頃から、遅れて咳(せき)、のどの痛み、鼻水といった「呼吸器症状」が目立ち始めることが多くなります。
【回復期】(発症4日目頃〜)
抗インフルエンザ薬の服用や、自身の免疫の働きによってウイルスの増殖が抑えられ、高熱や強い全身症状は峠を越えて徐々に和らいできます。
【回復】(約1週間〜)
多くの場合、約1週間で主な症状は治まります。ただし、咳や倦怠感だけがしばらく残り、体力が完全に戻るまでにはもう少し時間がかかることもあります。
感染力の強い期間
感染力は「発症の直前から発症後しばらく」が特に強いとされ、少なくとも発症後3日程度までは周囲への配慮(外出自粛・マスク・手指衛生)が重要です。
感染力は発症してから3日間程度が最も強く、その後もしばらくはウイルスを排出し続けます。
学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています。これは、熱が下がった後もまだ体内にウイルスが残っており、感染を広げるリスクがあるためです。
A型・B型の症状の違い
インフルエンザは、そのウイルスの性質によって大きく「A型」「B型」「C型」「D型」に分類されますが、ヒトの間で季節性に流行し、高熱や全身症状を引き起こすのは主にA型とB型です。
参考元
『インフルエンザ (流感)| MSDマニュアル家庭版』
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
『インフルエンザの症状・原因|第一三共ヘルスケア』
『インフルエンザ|シオノギヘルスケア』
A型インフルエンザの特徴
A型インフルエンザは、一般的に症状が重くなりやすい傾向があります。
感染すると、38℃を超えるような突然の高熱が出やすく、強い全身の倦怠感、関節痛、筋肉痛といった全身症状が顕著に現れるのが特徴です。
また、A型はウイルスの表面にあるタンパク質が変異しやすく、その性質を頻繁に変えるため、毎年のように世界的な流行を引き起こします。流行時期は、主に12月から2月頃がピークとなります。
B型インフルエンザの特徴
B型インフルエンザは、A型と比較すると全体的な症状が比較的軽度な傾向があると言われています。
高熱が出ずに微熱や中等度の発熱にとどまることもあり、A型で見られるような強い全身症状よりも、B型では下痢や嘔吐、腹痛といった消化器症状(おなかの症状)が出やすい点が特徴です。
流行時期はA型より遅れる傾向があり、日本ではA型のピークが過ぎた2月から春先にかけて流行することが多くなります。また、B型はA型に比べてウイルスの変異の速度が遅いことも知られています。
見分けることはできる?
症状だけでA型かB型かを正確に判断するのは困難です。B型でも高熱が出ることもありますし、A型で消化器症状が出る場合もあります。
どちらの型であっても、特に高齢者や基礎疾患のある方にとっては重症化のリスクがあります。正確な診断と適切な治療(抗インフルエンザ薬の使用など)を受けるためにも、インフルエンザが疑われる場合は必ず医療機関を受診しましょう。
重症化のサインや合併症
インフルエンザは多くの場合、自宅療養で回復しますが、中には症状が重くなったり、危険な合併症を引き起こしたりすることがあります。
どのような状態になったら注意すべきか、ここでしっかり確認しておきましょう。
参考元
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
注意すべき重症化のサイン
インフルエンザの経過中に、以下のような症状が見られた場合は、単なるインフルエンザの症状ではなく、重症化や合併症が起きている可能性があります。
これらは緊急を要するサインですので、ためらわずに医療機関を受診するか、救急車を呼ぶことを検討してください。
呼吸の異常
呼吸が苦しそう、息切れがする、ゼーゼーする、顔色が悪い(青白い)
意識の異常
呼びかけに反応しない、ぼーっとしている、意味不明な言動がある、けいれんを起こす
小児の異常行動
(突然)走り出す、部屋を飛び出そうとする、幻覚が見えているような言動をとる
その他のサイン
嘔吐や下痢が続いて水分がとれない、症状が一旦よくなったように見えた後に再び高熱や咳が出始めた
代表的な合併症
インフルエンザが引き金となり、別の深刻な病気を発症することがあります。
これを合併症と呼びます。特に注意が必要なのが「肺炎」と「脳症」です。
インフルエンザ肺炎
インフルエンザによる合併症として最も多いものの一つが肺炎です。発熱の持続や息苦しさ、胸痛、増悪する咳、血が混じる痰などは受診の目安です。
インフルエンザ肺炎は2種類あります。
一つはインフルエンザウイルス自体が直接肺で増殖して起こる「ウイルス性肺炎」、もう一つはインフルエンザで気道が弱ったところに細菌が感染して起こる「二次性細菌性肺炎」です。
参考元
『A-11 ウイルス性肺炎|日本呼吸器学会』
『Clinical review: Primary influenza viral pneumonia – PMC』
『肺炎:診 断と治療の進歩|日本内科 学会雑 誌 第94巻 第11号』
インフルエンザ脳症
インフルエンザ脳症は、ウイルスの感染に反応して免疫系が過剰に働き、脳が急激にむくんで(浮腫)、脳の機能に深刻な障害を引き起こす合併症です。
乳幼児(主に5歳以下)に多く見られます。発熱と共に、意識障害、けいれん、意味不明な言動や行動(異常行動)といった神経症状が急速に現れるのが特徴で、命に関わる非常に危険な状態です。
参考元
『インフルエンザ脳症ガイドライン 【改訂版】』
重症化しやすい人
- 高齢者(特に65歳以上の方)
- 乳幼児(特に5歳未満、中でも2歳未満の方)
- 妊婦(妊娠中の方)
- 持病のある方(慢性呼吸器疾患・心疾患・糖尿病・慢性腎臓病など)
- 免疫不全や免疫抑制治療中の方
これらに当てはまる場合は、症状が出た時点で早めの受診を検討してください。
症状が出たときの対処法
強い発熱や全身症状が急に出たら、まずは安静と水分補給を優先しつつ、受診の要否を判断しましょう。
参考元
『インフルエンザ (流感)| MSDマニュアル家庭版』
『インフルエンザQ&A|厚生労働省』
『インフルエンザの症状・原因|第一三共ヘルスケア』
『インフルエンザ|シオノギヘルスケア』
医療機関の受診タイミング
インフルエンザが疑われる高熱や強い倦怠感がある場合、発症から48時間以内を目安に医療機関を受診することが推奨されます。
インフルエンザの治療に用いられる「抗インフルエンザウイルス薬」(タミフルやリレンザなど)は、ウイルスの増殖を抑える薬であり、発症から48時間以内に服用を開始することで最も効果が期待できるためです。
適切なタイミングで服用することで、発熱期間の短縮や症状の緩和が期待できる場合があります。
ただし、先ほど説明した「重症化しやすい人」(高齢者、乳幼児、妊婦、持病のある方)や、「重症化のサイン」(呼吸困難、意識障害、異常行動など)が見られる場合は、48時間という時間にとらわれず、速やかに医療機関を受診してください。
自宅での療養方法
インフルエンザと診断されたら、医師の指示に従い、自宅でしっかりと休養をとることが回復への一番の近道です。
最も重要なのは安静です。熱が下がっても、体はウイルスと戦って疲弊しています。無理に学校や仕事に行こうとせず、睡眠を十分にとり、体を休ませてください。
次に大切なのが水分補給です。高熱で大量の汗をかくため、脱水症状を起こしやすくなっています。水や麦茶、経口補水液、スポーツドリンクなどをこまめに摂取しましょう。
また、空気が乾燥していると、のどや気管支の粘膜が傷つきやすくなります。加湿器を使用するなどして、室内の湿度を適切(50〜60%程度)に保つことも、咳などの症状緩和に有効です。
発熱やだるさが数日で軽くなることが多い一方、咳や疲れやすさはしばらく残ることがあります。悪化や“ぶり返し”を感じたら自己判断にこだわらず受診してください。
体が動かせないときにはオンライン診療
インフルエンザの症状がピークの時は、高熱や強烈なだるさで、医療機関へ移動すること自体が非常につらい場合もあるでしょう。また、病院の待合室で他の方に感染を広げてしまうリスクも心配です。
そんな場合には、オンライン診療サービスを利用して、自宅から医師に相談する方法もあります。ただし、呼吸困難や意識障害などの緊急症状がある場合は、すぐに救急医療機関を受診してください。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
2.当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
3.当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
4.前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。
参考情報まとめ
https://www.hus.ac.jp/hokukadai-jiten/detail/530cb7f4fda5cf8b95eb24ca3e43f5e777eeddb8-17676/
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
https://www.influ-news.info/influ/symptoms.html
https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/ls/column/ls_column_99_01/
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/27_influenza/#d02
https://wellness.shionogi.co.jp/infections/influenza.html
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/a/influenza/010/index.html?utm_source=chatgpt.com
http://www.josuikai.or.jp/pdf/newspaper/newspaper_201810.pdf
https://alinamin-kenko.jp/navi/navi_infuru.html
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000190793.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika1913/94/11/94_11_2281/_pdf/-char/ja
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2811908/?utm_source=chatgpt.com
https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/a/a-11.html?utm_source=chatgpt.com
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.
当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
2.
当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
3.
当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
4.
前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。




















































