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消化器内科では何を診てもらえるの?内科・胃腸科との違いとは

監修医師 中路 幸之助
更新日:2024年07月26日

更新日:2024年07月26日

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お腹の調子が悪い場合、消化器内科、内科、胃腸科のどこを受診すれば良いのでしょうか?適切な医療を受けるためには、それぞれの違いを理解することが大切です。そうすることで、自分の症状にあった治療を早期に受けられます。

この記事では、消化器内科で診療してもらえる症状や内科、胃腸科との違いについて詳しく解説します。お腹の症状で受診する科を迷っている場合は、ぜひ参考にしてください。

消化器内科について

消化器内科は、食べ物が通る道すべてを専門に扱う診療科です。つまり口から始まり肛門で終わる消化管(食道、胃、腸など)と、それを支える胆のう、膵臓、肝臓などの臓器が対象になります。

 

ここでは、血液検査や超音波検査、X線、CT検査、内視鏡検査など、多岐にわたる診断方法を用いて、病気の発見や治療を行います。消化器外科とは異なり、大きな手術は行いません。ただし、内視鏡を使ってポリープを取り除くことは可能です。

 

食べ物から栄養を取り込む消化器は、身体の健康を保つためには非常に重要です。症状が出る前に病気を発見することもあれば、病気が進行してから症状が現れることもあります。お腹の痛み、食欲不振、吐き気、胸焼け、便に血が混じる、便秘や下痢など、体に何か異変を感じたら、消化器内科を受診しましょう。

診察可能な対象疾患

消化器内科で扱う主な疾患には、以下のようなものがあります。

 

【食道】

逆流性食道炎
胃酸が食道に逆流して起こる炎症
食道炎
カンジダ菌による感染、放射線治療後の反応、薬剤による刺激などが原因の炎症
食道癌
食道の細胞が悪性に変化する病気
食道静脈瘤
食道の静脈が拡張し、コブのようになった状態

 

【胃・十二指腸】

胃炎
胃の内壁が炎症を起こした状態
十二指腸炎
十二指腸の内壁に炎症が生じた状態
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の壁にできた潰瘍
胃癌
胃の細胞が悪性に変化した病気

 

【小腸・大腸】

感染性腸炎
細菌やウイルスによる感染が原因の腸炎
虫垂炎
虫垂に炎症が生じた状態
クローン病
消化管に慢性的な炎症を起こす病気
潰瘍性大腸炎
大腸に慢性的な潰瘍ができる病気
腸閉塞(イレウス)
腸がふさがれて内容物が通過できなくなった状態
小腸悪性腫瘍・大腸ポリープ・大腸癌
小腸や大腸の細胞が悪性に変化した病気や、大腸内にできた良性の突起

 

【肝臓】

ウイルス性肝炎
A型、B型、C型のウイルスによる肝臓の炎症
アルコール性肝炎
アルコールの過剰摂取による肝臓の炎症
薬剤性肝炎
薬剤によって引き起こされる肝臓の炎症
自己免疫性肝炎
体の免疫系が肝臓を攻撃する病気
肝硬変
肝臓の組織が硬くなり、機能が低下する状態
原発性胆汁性肝硬変
肝臓の胆汁がうまく流れないことによる肝硬変
肝細胞癌
肝臓の細胞が悪性に変化する病気

 

【胆嚢・胆管】

胆嚢炎
胆嚢に炎症が生じた状態
胆石症
胆嚢や胆管に石ができる病気
胆嚢癌・胆管癌
胆嚢や胆管の細胞が悪性に変化する病気

 

【膵臓】

急性膵炎・慢性膵炎
膵臓に急激に炎症が生じた状態や、長期にわたる炎症
自己免疫性膵炎
体の免疫系が膵臓を攻撃する病気
膵嚢胞
膵臓に液体を含んだ袋ができた状態
膵臓癌
膵臓の細胞が悪性に変化した病気

内科・胃腸科との違い

内科は体全体の健康を見るところ、消化器内科はお腹の中の特定の臓器に焦点を当てた専門科、胃腸科は胃や腸の病気に特化しています。

 

内科は、身体のさまざまな部分に対応する「総合診療所」のようなものです。風邪やインフルエンザなど、日常的によく見られる症状の診断と治療を行います。内科医は、幅広い医学的知識を持っています。

 

胃腸科は、診る範囲を絞った「胃と腸の専門家」です。消化器内科は、消化管だけでなく、肝臓や胆のう、膵臓などの消化に関連する臓器の病気も診る「お腹の専門家」になります。何か体に不調を感じたら、まずは内科を訪れ、そこから必要に応じてより専門的な診療科に進むのが一般的な流れです。

内科

内科は、身体のさまざまな部分を扱う医療の分野です。心臓、肺、消化器系などの内臓、血液、そして神経系に関する健康問題を専門としています。そのため、風邪や腹痛、頭痛などの日常的な症状から、胃腸炎、喘息、アレルギーといったより専門的な病気まで、幅広く対応している診療科です。

 

また、内科では高血圧や糖尿病、コレステロールの問題など生活習慣に関連する病気の治療と予防も行います。薬を使った治療だけでなく、食事や運動などの日常生活の改善指導を通じて、一人ひとりに合わせた総合的なサポートを受けられます。

 

症状が内科の範囲を超える場合には、より専門的な治療が必要な診療科への紹介も内科医の大切な役割の一つです。

胃腸科

胃腸科は、消化器系の一部である食道、胃、小腸、大腸を専門とします。そのため、胆のう、膵臓、肝臓などの他の消化器官は対象となりません。B型肝炎や肝硬変、急性膵炎などの疾患は胃腸科ではなく、他の専門科である消化器内科で治療されることが一般的です。ただし、病院によっては胃腸科でもこれらの疾患に対応している場合があります。

どの科を受診するか迷った場合

症状によって、どの科を受診するか迷うかもしれません。その場合、以下を参考にしてください。

 

【お腹の症状】

・肋間神経痛(胸や背中の痛み)➝ 整形外科

・胃痛➝胃腸科、消化器内科

・腹痛➝消化器内科、または総合内科、産婦人科(女性の場合)

・おりものの異常や生理不順➝産婦人科

・残尿感や血尿➝泌尿器科

・便秘➝消化器内科

 

【全身の症状】

・黄疸(肌や白目が黄色くなる)➝消化器内科

・嘔吐➝内科や消化器内科、妊娠の可能性がありば産婦人科

・肥満、体重減少➝内科

 

【その他】

・ピロリ菌検査➝胃腸科、消化器内科

・痔➝外科

 

お腹の痛みが胃や腸に関連していると思われる場合、または内視鏡検査(胃カメラや大腸カメラ)が必要な場合は、消化器内科や胃腸科を受診しましょう。

 

原因がはっきりしない場合、最初に内科を受診してください。内科の医師は、痛みの場所や種類、他に伴う症状などを詳しく聞いて、必要に応じて他の専門科への紹介を行います。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

お腹の症状が気になっても、忙しくて受診する時間がつくれない場合にはオンライン診療を活用しましょう。

オンライン診療とは

オンライン診療は、自宅などからスマートフォンやPCを利用して医師の診察を受けたり、処方箋をもらったりできる便利な医療サービスです。このサービスにより、遠出することなく、専門的な医療のサポートを受けられます。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、オンライン診療や服薬指導、そしてお薬の迅速な配送サービスを提供しています。利用者は、日時や地域、診療科目を選択することで、オンラインでの診療や服薬指導を手軽に予約が可能です。さらに、お気に入りのクリニックや薬局をアプリに登録しておくことで、次回からの予約がよりスムーズになります。

 

お薬手帳機能では、お薬を受け取った際のQRコードをスキャンするだけで、アプリ内に情報が登録されます。これにより、紙のお薬手帳を持ち歩く手間が省けます。お薬の配送サービスは全国対応で、当日または翌日にお薬を受け取ることが可能です。

まとめ

消化器系の疾患に対応する医療科は、その専門によって異なる診療範囲を持っています。消化器内科は消化器系全般にわたる病気を扱う診療科です。内科は身体の内部のさまざまな疾患に対応し、胃腸科は胃や腸に関連する問題に特化しています。これらの区別を把握することで、自身の症状に合った医療科を選び、効果的な治療を受けることが可能です。

 

もし時間がなくて病院に行けない場合は、オンライン診療を活用しましょう。これにより、自宅や職場からでも医師の診察を受けられます。

コメント 消化器内科におけるオンライン診療が特に有用な分野として「胸やけ」などの機能性胃腸症があげられると思います。食後しばらくして胃酸が上がってくる、胸やけなどの胃食道逆流症状がある場合は、オンライン診療で酸分泌抑制剤の投与を試すことが可能です。症状の改善が乏しい場合は他の食道疾患なども考え、内視鏡検査などを受けるために来院いただくなどのステップを踏めます。ただし、腹痛などの症状がある場合は生命にかかわる疾患(腸閉塞、腹膜炎など)がある場合があり、早めの受診が良いでしょう。

監修医コメント

医師
中路 幸之助

消化器内科におけるオンライン診療が特に有用な分野として「胸やけ」などの機能性胃腸症があげられると思います。食後しばらくして胃酸が上がってくる、胸やけなどの胃食道逆流症状がある場合は、オンライン診療で酸分泌抑制剤の投与を試すことが可能です。症状の改善が乏しい場合は他の食道疾患なども考え、内視鏡検査などを受けるために来院いただくなどのステップを踏めます。ただし、腹痛などの症状がある場合は生命にかかわる疾患(腸閉塞、腹膜炎など)がある場合があり、早めの受診が良いでしょう。

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監修医師 中路 幸之助
医療法人愛晋会中江病院 内視鏡治療センター 専門領域はアレルギー・膠原病内科, 神経内科, 消化器内科, 血液内科, 肝胆膵内科, 呼吸器内科, 総合内科, 感染症科, 循環器内科, 腎臓内科, 内分泌代謝科, 糖尿病内科, 内科 経歴:1991年に兵庫医科大学を卒業後、 兵庫医科大学、獨協医科大学を経て、1998年 医療法人協和会に所属。 2003年から現在まで、医療法人愛晋会中江病院の内視鏡治療センターで臨床に従事している。 専門分野はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。学会活動や論文執筆も積極的に行っており、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員、日本消化管学会代議員・近畿支部幹事、日本カプセル内視鏡学会認定医・指導医・代議員を務めているほか、 米国内科学会(ACP)の上席会員(Fellow)でもある。 主な研究内容・論文として、カプセル内視鏡 消化器内視鏡 消化器病 保有免許・資格は、米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医 日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医 日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医
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