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汗をかくたびにかゆい…コリン性蕁麻疹かも!原因と対策を紹介

監修医師 五藤 良将
更新日:2025年03月5日

更新日:2025年03月5日

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運動後や入浴時に突然かゆくなったり、赤い発疹が出たりしたことはありませんか? それは、汗が原因で起こる「コリン性蕁麻疹」かもしれません。この蕁麻疹は、汗をかくことで症状が引き起こされ、日常に影響を与えることがあります。この記事では、リン性蕁麻疹の原因や症状、対策について詳しく解説します。汗をかくたびにかゆみで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

運動、入浴で発疹がでるコリン性蕁麻疹とは

コリン性蕁麻疹は、発汗を促す神経伝達物質「アセチルコリン」が関与する蕁麻疹の一種です。入浴や運動、緊張などで体温が上がると、発汗の指令とともにアセチルコリンが分泌され、それにより皮膚の免疫細胞が刺激されて発疹やかゆみが生じます。症状は数分から数時間で消えますが、繰り返し発症することが多く、生活に支障をきたす場合もあります。

汗が敵になる?コリン性蕁麻疹の意外な原因

汗をかくのは、体温を一定に保つための大切な機能です。運動や入浴、緊張などで体温が上がると、脳が「汗を出して体を冷やすように」と指令を出し、その命令が自律神経を通じて全身に伝わります。その過程で、アセチルコリンが大量に分泌され、汗腺を刺激して汗が出るのが汗をかく仕組みです。

 

コリン性蕁麻疹の方は、このアセチルコリンが刺激となり、皮膚にかゆみを伴う膨らみ(膨疹)が現れることがあります。アセチルコリンがヒスタミンという物質の分泌を増やし、かゆみを引き起こすことが、症状が出る理由の一つです。また、原因にはアレルギーやアトピー体質、汗が出にくい状態(乏汗症)なども関係しています。

アトピー素因

アトピー素因とは、アレルギーを引き起こしやすい体質のことです。気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎といったアレルギーに関連する病気を、自分自身や家族が持っている場合、この体質があると考えられます。

 

アトピー素因は遺伝する傾向があり、親や子ども、きょうだい、祖父母も同じ体質であることがほとんどです。ただし、必ずしも同じ病気を発症するとは限りません。

 

体内には「IgE抗体」という、アレルギー反応を引き起こす働きをする抗体があります。アトピー素因のある方は、このIgE抗体を作りやすい傾向があり、そのため花粉やハウスダスト、食べ物などに対してアレルギー反応が出やすくなるのです。

特発性後天性全身性無汗症

後天的に全身の発汗ができなくなる病気です。通常、体は汗をかくことで体温を調節しますが、この病気の人は高温や湿気のある環境でもほとんど汗をかきません。そのため、体温調節が難しく、熱中症になりやすくなるため、夏場は外出が難しくなることが多く、日常生活に大きな影響を及ぼします。

 

この病気の特徴として、皮膚の乾燥です。時には痛みを伴い、コリン性蕁麻疹を発症することもあります。

 

原因は、はっきりと分かっていません。交感神経の異常や自己免疫疾患、薬の影響などが関係していると考えられています。治療法はまだ確立されていません。

コリン性蕁麻疹の種類

コリン性蕁麻疹は、アセチルコリン(Ach)が関係し、大きく2つのタイプに分けられます。

直接誘導性減汗型

Ach直接誘導性減汗型は、汗を出すエクリン汗腺のアセチルコリン受容体が減少しており、汗がほとんど出ません。本来なら汗腺で使われるはずのアセチルコリンが行き場を失い、汗腺の周りにある肥満細胞を直接刺激します。その結果、肥満細胞からヒスタミンが放出され、かゆみや膨疹が引き起こされます。

 

T細胞という免疫細胞が関係しており、皮膚にリンパ球が集まりやすいことが特徴です。汗をかけないことが原因で、汗によるアレルギー反応とは関係がありません。

間接誘導性汗アレルギー型

Ach間接誘導性汗アレルギー型は、汗が正常に出ても汗管が詰まったり、汗が皮膚の内側に漏れたりすることで、汗に含まれるアレルギー物質が肥満細胞を刺激します。その結果、ヒスタミンが放出され、かゆみや発疹が起こります。

 

こちらのタイプは、汗そのものに対するアレルギー反応が関係しています。

コリン性蕁麻疹はどんな症状が出る?

皮膚に3〜5mm程度の小さな膨疹(皮膚の盛り上がり)や紅斑(赤み) が多数現れるのが特徴です。左右対称に出ることもあります。それぞれの膨疹はくっつくことはありますが、地図のような大きな形にはなりません。

 

夜間よりも日中の活動時に出やすく、かゆみだけでなく、ピリピリ・チクチクとした痛みを伴うことが多いのも特徴です。症状が出ても数分から2時間以内に自然に消えることがほとんどですが、再び発汗するとまた現れることがあります。

 

小児から20代の若者に多く、高齢者ではほとんど見られません。手のひらや足の裏、腋の下には出にくいですが、特に体の中心部(体幹)に発生しやすい傾向があります。

 

夏に症状が出やすいですが、冬でも運動や入浴などで発汗が促されると悪化することがあり、辛い食べ物や熱い食べ物が刺激になって発症することもあります。

コリン性蕁麻疹の対処方法

コリン性蕁麻疹を軽減するには、汗をかきにくい生活習慣を意識し、原因や悪化の要因を取り除くことが大切です。また、ストレスが症状を悪化させることがあるため、リラックスできる時間を作りましょう。

環境に注意する

室内の温度や湿度を調整し、発汗を抑えるよう心がけましょう。また、摩擦や圧迫などの刺激を避けることも重要です。特に、タイトな衣服や靴は皮膚に負担をかけるため、通気性が良く、ゆとりのある服装を選んでください。

皮膚を清潔に保つ

汗や汚れが皮膚に残ると刺激になりやすいため、清潔を保つことが重要です。熱いお湯や長時間の入浴は避けてください。ぬるめ(38〜40℃)のお湯に短時間(10〜15分)浸かるのがおすすめです。シャワーでさっと汗を流すのもよいでしょう。

 

過度な洗浄は皮膚を乾燥させるため、やさしく洗ってください。汗をかいたまま放置すると症状が悪化しやすいため、入浴後はタオルでやさしく拭き取り、しっかり保湿することも大切です。

食べ物に注意する

辛い食べ物や熱い食べ物は発汗を促し、症状を悪化させることがあります。刺激の強い食事はできるだけ避けると良いでしょう。

皮膚科を受診する

お風呂上がりに小さな赤いブツブツが出る場合、コリン性蕁麻疹の可能性があります。1ミリ〜4ミリ程度の小さな膨疹が現れ、通常30分〜1時間以内に自然に消えます。もし何日も続くようであれば、湿疹など別の皮膚疾患の可能性があるため、医師の診察を受けましょう。

蕁麻疹が辛いときは放置せず皮膚科を受診しよう

症状がつらいときは、放置せず皮膚科を受診しましょう。軽い症状なら対策を工夫することで和らぐこともありますが、繰り返し発症する、症状がひどい、日常生活に支障が出る場合は、適切な治療を受けてください。

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まとめ

コリン性蕁麻疹は、汗をかくことでかゆみや発疹が生じる皮膚のトラブルです。運動や入浴など、日常の行動が原因となるため、適切な対策が欠かせません。環境を整え、皮膚を清潔に保つことに加え、症状が強い場合は皮膚科を受診することが重要です。自己判断して放置せず、適切なケアを心がけましょう。

コメント コリン性蕁麻疹は、汗をかくことで生じるかゆみや発疹を特徴とする皮膚疾患で、特に若年層に多く見られます。発汗時に神経伝達物質アセチルコリンが関与し、皮膚の免疫細胞が刺激されることで症状が発生します。軽度の症状であれば、汗を拭き取る、環境調整を行うことで軽減できますが、頻繁に発症する場合は抗ヒスタミン薬などの治療が有効です。重症化することは稀ですが、日常生活に支障をきたす場合は、皮膚科医の診察を受けることをお勧めします。

監修医コメント

医師
五藤 良将

コリン性蕁麻疹は、汗をかくことで生じるかゆみや発疹を特徴とする皮膚疾患で、特に若年層に多く見られます。発汗時に神経伝達物質アセチルコリンが関与し、皮膚の免疫細胞が刺激されることで症状が発生します。軽度の症状であれば、汗を拭き取る、環境調整を行うことで軽減できますが、頻繁に発症する場合は抗ヒスタミン薬などの治療が有効です。重症化することは稀ですが、日常生活に支障をきたす場合は、皮膚科医の診察を受けることをお勧めします。

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監修医師 五藤 良将
経歴:千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。 免許・資格:医師免許、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医、日本医師会産業医、日本美容内科学会評議員 所属:医療法人社団五良会 竹内内科小児科医院 院長 医療法人社団五良会 理事長
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