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女性の頭皮の痒みはなぜ起こる?考えられる原因や対処方法について詳しく解説

監修医師 高藤 円香
更新日:2024年10月31日

更新日:2024年10月31日

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毎日シャンプーしているのに頭皮がかゆい、歳を重ねるごとにかゆみが増してきた、そんな悩みを抱える女性は少なくありません。頭皮のかゆみにはさまざまな原因があり、特に女性に多く見られるものも存在します。

この記事では特に女性の頭皮のかゆみに焦点を当て、その原因や対処法、日常のケア方法について詳しく解説します。頭皮のかゆみにお悩みの女性は、ぜひ参考にしてください。

女性の頭皮のかゆみの原因

頭皮がかゆくなると、「もしかして不潔だから?」と考える女性も多いかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。痒みの原因はいくつか考えられます。

皮脂や汗

頭皮には、皮脂や汗がたまりやすい場所です。普段から頭皮には、皮脂や汗を分解してくれる常在菌がいます。これらの菌は、頭皮を健康に保つために必要な存在です。しかし、皮脂や汗が増えすぎると、常在菌が増えすぎてしまい、頭皮にかゆみが生じることがあります。

 

特に夏場や運動中は、汗をかきやすくなるため、頭皮のかゆみが増えることがあります。これは、汗や皮脂が増えることで、かゆみの原因となる物質が増えることが理由です。

ホルモンバランス

女性の体内にはエストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンがあり、これらのホルモンの分泌量は月経周期に合わせて変動します。月経周期は「月経期→卵胞期→排卵期→月経前」というサイクルを繰り返します。

 

月経が終わった後から排卵までの期間(卵胞期)には、エストロゲンの分泌が増えるため、肌や髪が潤い、ツヤが出やすくなり、心身ともに調子が良くなることがほとんどです。しかし、排卵が終わるとエストロゲンの分泌が減少し、肌荒れや乾燥が起こりやすくなります。

 

エストロゲンが減少すると、頭皮の水分を保つ力が弱まり、皮膚の表面にある角質層のバリア機能が低下します。その結果、少しの刺激でもかゆみが生じやすくなるのです。

乾燥

私たちの肌には、角質層という水分を保つ層があり、その上に皮脂が膜を作って肌を守っています。このバリアがあることで、外からの刺激から肌を守ることが可能です。しかし、紫外線や年齢を重ねることで、この角質層の水分が減ってしまうことがあります。そうすると、頭皮が乾燥し肌のバリア機能が弱くなり、外からの刺激に対して敏感になるため、かゆみが生じやすくなるのです。

ストレス

日常生活で感じるストレスは、心と体のバランスを崩すことがあります。これにより、自律神経やホルモンのバランスが乱れ、体にさまざまな影響を及ぼします。ストレスが続くと、皮脂の分泌が増えたり、血行が悪くなったりして、頭皮の環境が悪化する原因となるかもしれません。

 

また、ストレスを感じると、無意識に頭をかいてしまうことがあります。これが続いた場合、頭皮に傷がつき、さらにかゆみが増してしまうという悪循環に陥ることがあります。

更年期障害

更年期障害は、主に40〜50代の女性に見られる症状で、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が原因です。このホルモンバランスの乱れが、発汗やほてり、気分の落ち込みやイライラなどの症状を引き起こします。これらの症状が重なることで、頭皮の環境が悪くなり、かゆみが生じることがあります。

頭皮の炎症

頭皮のかゆみは、炎症が原因で起こることがあります。頭皮が炎症を起こすと、かゆみが生じます。このため、炎症の原因となる物質を取り除くことが大切です。

頭皮がかゆい場合に考えられる病気

頭皮がかゆい場合に考えられる病気には、次のようなものがあります。

 

接触皮膚炎

接触皮膚炎は、皮膚が特定の物質に触れることで起こる炎症のことです。たとえば、ある物質が皮膚に触れると、それが刺激やアレルギー反応を引き起こし、湿疹や赤み、かゆみ、水ぶくれ、腫れなどの症状が現れます。これらの症状は、主にその物質が触れた部分に集中していることが特徴です。

 

接触皮膚炎にはいくつかの種類があります。「刺激性接触皮膚炎」は皮膚に強い刺激を与える物質が原因です。また、特定の物質に対してアレルギー反応を起こす場合もあり、これは「アレルギー性皮膚炎」と呼ばれます。さらに、「光接触皮膚炎」は紫外線が関与するタイプです。それぞれのタイプによって、炎症の原因や症状の現れ方が異なります。

 

皮脂欠乏性湿疹(乾燥湿疹・乾皮症)

乾皮症は、簡単に言うと肌が乾燥している状態です。これが進行して湿疹ができると、皮脂欠乏性湿疹と呼ばれます。この湿疹は強いかゆみを伴うことがほとんどです。皮膚の最外層である角層は、天然の保湿成分を含んでおり皮膚の水分を保つことが役割になります。また、角層の表面は皮脂の膜で覆われており、水分の蒸発を防いでいます。しかし、何らかの理由で水分が過剰に蒸発した場合、これが皮膚が乾燥する原因となるのです。

 

乾燥肌になると、皮膚が柔軟性を失い、ひび割れや皮むけが起こります。さらに進行すると、かゆみを伴う赤い発疹が現れ、最悪の場合、湿った湿疹になります。

 

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が特徴の病気で、良くなったり悪くなったりを繰り返します。この病気では、皮膚の内部で炎症が起こり、皮膚のバリア機能が低下してうことがかゆみの原因です。強いかゆみが生じた場合、かきむしることでさらに皮膚が傷つき、悪循環に陥ります。

 

アトピー性皮膚炎は、赤くなったり、赤いブツブツができたり、ジクジクと液が出たり、皮がボロボロむけたりすることが症状です。これが長引くと、皮膚が硬くゴワゴワしてきます。皮膚の表面が一時的にきれいになっても、炎症が皮膚の奥に残っていることがあり、再び症状が悪化することがあります。

 

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、特に梅雨時から夏にかけての高温多湿な気候や強い紫外線の影響を受けやすい皮膚のトラブルです。顔や頭皮など、皮脂の分泌が多い場所に発生しやすく、炎症や湿疹を引き起こします。

 

皮脂の分泌が多すぎた場合、皮脂に含まれる脂肪酸が酸化して臭いを発したり、吹き出物ができたりすることがあります。脂漏性皮膚炎の場合、地肌が赤くなり、かゆみを伴い、皮膚が荒れてかさつき、細かく剥がれ落ちることが特徴です。

 

乾癬(かんせん)

乾癬(かんせん)は、皮膚に赤い斑点やかゆみを引き起こす慢性の皮膚疾患になります。最も一般的なタイプは尋常性乾癬で、乾癬患者の約90%がこのタイプです。

 

尋常性乾癬の主な症状には、皮膚に現れる赤い斑点(紅斑)や、皮膚が厚くなる(肥厚)ことがあります。また、皮膚が鱗のように剥がれ落ちる(鱗屑)ことも特徴です。これらの症状は、頭部やひじ、膝などに最初に現れることが多くみられます。

 

伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)

伝染性膿痂疹は「とびひ」とも呼ばれる皮膚の感染症です。これは、ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)といった細菌が原因で起こります。「とびひ」と呼ばれる由来は、接触によって簡単に広がり、火事の飛び火のように急速に広がることが理由です。

 

たとえば、あせもや虫刺され、湿疹などをかきむしったり、転んでできた傷に細菌が入り込むことで感染が広がります。また、幼児や小児が鼻を触る癖があると、鼻の周りから感染が始まり、その手で他の部分をかきむしることでさらに広がることがあります。

 

頭部白癬(とうぶはくせん)

頭部白癬はシラクモとも呼ばれ、髪の毛に寄生する白癬菌というカビが原因で起こる皮膚病です。昔はよく見られましたが、今では柔道などのコンタクトスポーツなどでの感染がみられます。この病気の主な症状は、髪の毛が楕円形に抜けてしまうことです。抜けた部分の皮膚には、フケのような細かいかさぶたが見られますが、かゆみなどの症状はあまり感じません。

 

感染した髪の毛は、皮膚の表面で折れやすくなり、簡単に抜けてしまいます。脱毛した部分では、毛穴に残った毛が黒い点のように見えることがあります。この症状は、円形脱毛症やフケ症と間違えられることがあり、誤ってステロイドの薬を使うと、膿がたまって痛みを伴うおできのような状態になることがあります。

女性の頭皮の痒みの対処方法

頭皮のかゆみには乾燥、皮脂の過剰分泌、血行不良、ストレスなど、様々な要因が関わっています。日常的な頭皮ケアに加えて、心身の健康を整えることが、頭皮の健康を保つために重要です。自分にとって「快適」と感じるケアや予防法を選びましょう。

バランスの取れた食事を心がける

皮脂の分泌量が多いと、症状が悪化しやすくなります。そこで、皮脂の分泌を抑えるために、食事に気をつけることが大切です。脂質が多く含まれる食べ物は、皮脂の分泌を増やす原因となります。たとえば、お菓子やケーキ、落花生、ベーコン、ソーセージ、カルビ、バター、マーガリン、マヨネーズなどです。就寝前にこれらの食材を摂取すると、吸収率が高まりやすいので注意が必要です。

 

次に、摂取したほうが良い食材はビタミンA、ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6になります。ビタミンAは上皮細胞の正常化に関与しており、牛や豚の肝臓、ウナギなどに多く含まれます。ビタミンCは抗酸化作用があり、ブロッコリーやパセリなどに豊富です。ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持を助け、卵や納豆、乳製品に多く含まれます。ビタミンB6は皮膚炎の予防に役立ち、カツオやマグロなどの魚類で摂れます。

十分な睡眠をとる

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、体のさまざまな機能を調整する重要な役割を果たしています。しかし、睡眠不足になると、このホルモンの分泌がうまくいかず、その結果、かゆみが生じることがあります。したがって、十分な睡眠時間を確保することが大切です。

 

また、質の良い睡眠を取るためには、就寝前にカフェインやアルコールを控えましょう。これにより、より深い眠りに入りやすくなり、成長ホルモンの分泌が促進されます。

ストレスをため込まない

ストレスが頭皮のかゆみの原因になることがあります。これを防ぐためには、十分な睡眠をとることが重要です。睡眠不足になると、体が本来持っている回復力が低下し、頭皮の健康にも悪影響を及ぼします。しっかりと休むことで、体全体のバランスが整い、ストレスも軽減されます。

 

次に、適度な運動を取り入れることも効果的です。運動をすると、体内で「幸せホルモン」と呼ばれるエンドルフィンが分泌され、気分が良くなります。これがストレスの解消につながります。

 

さらに、自分の好きなことをする時間を作ることも大切です。例えば、読書や映画鑑賞などの趣味に時間を割くことで、リラックスでき、ストレスが軽減されます。

正しい頭皮ケアを心がける

使用するヘアケア製品を見直してみましょう。シャンプーや整髪料を変えることで、かゆみが軽減されることがあります。ただし、どの製品が効果的かは人それぞれなので、自分に合ったものを選ぶことが重要です。たとえば、洗浄力が強すぎるシャンプーは頭皮を乾燥させることがあるので、刺激が少ないものを試してみると良いでしょう。

 

次に、正しい方法で髪を洗うことも大切です。洗髪の頻度や方法が頭皮の状態に影響を与えることがあります。毎日1回を目安に、爪を立てずに指の腹でやさしく洗うようにしましょう。これにより、頭皮を傷つけずに清潔を保てます。

頭皮を保湿する

頭皮の乾燥が進むと、ふけやかゆみが出てくることがあります。これは、頭皮が炎症を起こし、硬くなった皮膚が剥がれ落ちるためです。こうならないように、頭皮の水分をしっかり保ちましょう。

 

乾燥が気になる場合は、ローションや美容液、オイルなどを試してください。ただし、アルコールや殺菌成分が入っている製品は、肌に刺激を与えることがあるため、避けましょう。アルコールや殺菌成分が含まれていない製品を選ぶと安心です。

生活習慣を見直す

髪の健康を保つためには、ヘアケアだけでなく、日常生活の見直しも重要です。日常生活のちょっとした工夫で、髪と頭皮の健康を守れます。

 

まず、規則正しい生活リズムを保つことが大切です。十分な休養と睡眠を取ることで、体全体の健康が保たれ、頭皮の状態も良くなります。次に、バランスの取れた食事を一日三回、決まった時間に摂るようにしましょう。栄養が偏ると、髪や頭皮に必要な栄養素が不足してしまいます。

 

また、頭皮を紫外線から守ることも忘れないでください。帽子をかぶるなどして、直射日光を避ける工夫をしましょう。さらに、喫煙や過度のアルコール摂取、辛い食べ物などの刺激物は控えましょう。

かゆみがひどい場合は病院へ

頭皮のかゆみがひどい場合、病院を受診しましょう。セルフケアで改善しない場合、接触性皮膚炎や頭皮湿疹などの病気が原因かもしれません。自己判断で悪化させる前に、早めに医師に診てもらうことをおすすめします。

症状が改善しない場合は医師に相談しましょう

かゆみがひどくなったり、フケや脱毛が見られる場合は、医師に相談しましょう。特に女性の更年期障害による乾燥は、皮膚だけでなく目や口の中など、体のいろいろな部分に影響を及ぼし、強いかゆみを引き起こすことがあります。かきむしることで傷ができ、その傷から細菌感染が起こる可能性もあるため、早めに医師に相談することが重要です。

通院が難しい場合はオンライン診療もおすすめ

忙しい場合には、病院を受診するのが難しいかもしれません。そんな場合でも我慢せず、オンライン診療を活用してみましょう。

オンライン診療とは

オンライン診療とは、インターネットを使って自宅などから医師の診察を受けられるサービスです。スマートフォンやパソコンを使って、ビデオ通話で医師と直接話せます。このサービスは、診察の予約から問診、診断、薬の処方箋の発行、そして支払いまで、すべてオンラインで完結します。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、オンラインで診療を受けられる便利なサービスです。スマートフォンのアプリを使って、診察の予約から薬の受け取りまで、すべての手続きを簡単に行えます。操作に困った場合でも、専門のスタッフがサポートしてくれるので安心です。

 

よく利用するクリニックや薬局を登録できるため、再診時にも困りません。また、薬の情報をデジタルで管理できます。さらに、全国どこでも当日または翌日に薬を受け取れるため、忙しい方にもぴったりです。

まとめ

女性の頭皮のかゆみは、いろいろな原因が考えられます。たとえば、生活習慣や環境の変化、ホルモンバランスの乱れなどです。これらの要因が重なることで、頭皮がかゆくなることがあります。

 

かゆみを和らげるためには、まず自分に合ったシャンプーを選びましょう。また、ストレスを減らすことや、頭皮をしっかり保湿することも効果的です。もし、これらの対策を試してもかゆみが続く場合は、専門の医師に相談することをおすすめします。頭皮の健康を保つためには、日常的なケアが大切です。自分に合った方法を見つけて、快適な頭皮の健康を維持しましょう。

コメント 頭皮のかゆみは原因がいくつかあることはお読みいただけるとわかっていただけるかと思います。ただし、では原因はなにか、といったときに絶対にこれだ、と一つにしぼれないこともあると思います。白癬の場合には検査での確認が必要です。オンラインなどの限界も確かに存在することを知っておいてくださいね。また、当てはまるものがあれば、少し違うかなと思っても試されてみてくださいね。

監修医コメント

医師
高藤 円香

頭皮のかゆみは原因がいくつかあることはお読みいただけるとわかっていただけるかと思います。ただし、では原因はなにか、といったときに絶対にこれだ、と一つにしぼれないこともあると思います。白癬の場合には検査での確認が必要です。オンラインなどの限界も確かに存在することを知っておいてくださいね。また、当てはまるものがあれば、少し違うかなと思っても試されてみてくださいね。

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監修医師 高藤 円香
経歴は防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科 保有免許・資格は皮膚科専門医
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