高血圧と診断されたら?原因・症状・対策・治療まで知っておくべき基礎知識
そもそも「高血圧」とは?体の仕組みを
高血圧とは、簡単にいうと「血管の中の圧力が、ずっと高い状態が続いていること」を指します 。
血圧は誰でも一日の中で上下しますが、その変動とは別に、基準よりも高い状態が慢性的に続いている場合に診断されるのが「高血圧症」で、一般に“高血圧”と呼ばれます 。
血圧が高い状態が続くと、血管は常に強い力で押されることになり、少しずつ傷んで硬くなります 。その結果、脳や心臓、腎臓などに負担がかかり、将来的に脳卒中・心臓病・腎臓病・認知症などの病気を引き起こすリスクが上がることが分かっています。
血圧のしくみ(心臓・血管・血液の関係性)
血圧は、「心臓が血液を押し出す力」と「血管の硬さや太さ」で決まります。心臓はポンプのように、縮んだり(収縮)ゆるんだり(拡張)をくり返しています。
心臓がギュっと縮んで血液を送り出すとき、動脈の内側の圧力が一番高くなり、このときの値が「上の血圧(収縮期血圧)」です 。心臓が力を抜いて次の拍動の準備をしているときの圧力が「下の血圧(拡張期血圧)」になります 。
・心臓が血液を押し出すときの圧力
→ 上の血圧(収縮期血圧)
・心臓が力をゆるめているときの圧力
→ 下の血圧(拡張期血圧)
水道でイメージすると分かりやすいかもしれません 。蛇口(心臓)を強くひねれば水の勢い(血圧)は強くなり、ホース(血管)が細かったり硬くなっていると、ホースの中の圧力はさらに高くなります 。
高血圧は、ホース(血管)に常に強い負担がかかっている状態だと考えるとイメージしやすいでしょう 。
高血圧の大分類(原因が特定できないタイプと他の病気が原因のタイプ)
高血圧は、「原因がはっきりしているかどうか」で大きく二つに分けられます 。
「本態性高血圧(原因が特定できなず主に体質・生活習慣が関わる高血圧)」
「二次性高血圧(他の病気が原因で起こる高血圧)」
「高血圧」の診断基準(診察室血圧と家庭血圧)
高血圧かどうかを判断するには、明確な数値の基準があります 。ただし、測定する場所によって基準値が異なる点に注意が必要です。
診察室血圧
家庭血圧
目標とする血圧
高血圧の「症状」と恐ろしさ|気づかないうちに進行?
高血圧という言葉から、頭痛やめまいをイメージする人も多いですが、実は多くの人はかなり血圧が高くなっても自覚症状がありません。
そのため、「なんともないから大丈夫」と放置してしまいやすく、「気づいたときには脳卒中や心筋梗塞を起こしていた」というケースもあります。症状の有無ではなく、「測ってみること」が高血圧かどうかを知る唯一の方法です。
なぜ“サイレントキラー”と呼ばれるのか
高血圧が「サイレントキラー」と呼ばれる大きな理由は、症状がないまま、ゆっくりと血管や臓器を傷つけていくからです。
痛みやかゆみといった警告サイン(Symptom)がないまま、高血圧は静かに(Silent)全身の血管にダメージを与え続けます。そして、気づいた時には命に関わる病気(Killer)を引き起こしている、という恐ろしさから、このように呼ばれています。
放っておくとどうなる?命にかかわる合併症のリスク
血圧が高い状態が続くと、動脈の壁はいつも引き伸ばされているような状態です。これが長く続くと、血管は厚く硬くなり(弾力性が失われ、動脈硬化が進行)、内側が狭くなったり、もろく破れやすくなったりします。
ここでは高血圧がもたらす恐ろしい合併症の代表例を紹介します
脳
心臓
腎臓
頭痛・めまい・肩こり…本当に血圧のせい?
「血圧が高いと頭が痛くなる」とよく言われますが、実際には、高血圧と頭痛などの症状の関係はそれほど単純ではありません。
軽度〜中度の高血圧では、頭痛・めまい・肩こりなどの症状は全くないことが多く、あっても血圧以外の原因(肩こり、眼精疲労、睡眠不足、ストレスなど)の方が多いと考えられます。
逆に、急激に血圧が高くなった場合(高血圧緊急症など)や、高血圧による合併症として起こりうる脳出血・くも膜下出血などの重大な病気が起こったときには、激しい頭痛・めまい・吐き気・しびれなど、明らかな症状が現れることがあります。
参考元
高血圧の主な「原因」|なぜ血圧は上がるのか?
「親も高血圧だから仕方ない」と思う方もいるかもしれませんが、高血圧の原因は遺伝だけではありません。体質に加えて、毎日の生活習慣が大きく関わっています。
遺伝だけじゃない!塩分・肥満・ストレスなどの生活習慣
日本人は世界的に見ても塩分摂取量が多く、一般の人で一日約10gほど、高血圧の人では6g未満にすることが推奨されています。塩分を取りすぎると体内の水分が増え、血液の量も増えるため血圧が上がりやすくなります。
その他にも、内臓脂肪が増える「肥満」、血流を悪くする「運動不足」、血管を収縮させる「喫煙」や「過度の飲酒」、そして精神的な「ストレス」も、血圧を上げる要因です。一つ一つは小さな習慣でも、長い時間をかけて積み重なることで、血圧に大きな差が出てきます。
他の病気が原因で起こる高血圧(二次性高血圧)
先にも触れた「二次性高血圧」は、生活習慣とは別に、特定の病気が原因で血圧が上がっている状態です。
原因となる病気には、腎臓そのものの病気(腎実質性高血圧)や、腎臓への血流が悪くなる病気(腎血管性高血圧)、副腎などからホルモンが過剰に分泌される病気(内分泌性高血圧)などがあります。これらの場合、原因となっている病気の治療を行うことが基本となります。
参考元
家で計測|正しい血圧の測り方とは
高血圧の診断や治療の効果を確認する上で、病院での測定と同じくらい、いえ、それ以上に重要なのが「家庭血圧」の測定です。病院では緊張して血圧が上がってしまう(白衣高血圧)方もいれば、逆に病院では正常なのに家では高い(仮面高血圧)方もいます。
朝・夜いつ測る?姿勢・カフの位置・回数の基本
家庭血圧は、朝と夜の二回測るのが基本です。
朝は、起きてから1時間以内で、トイレを済ませ、朝ごはんや薬を飲む前に測りましょう。夜は寝る前、少なくとも入浴や飲酒の直後は避けて、同じように座って落ち着いた状態で測ってください。
測る時は、背もたれのある椅子に足を組まずに座り、1〜2分安静にしてから測定します。腕帯(カフ)は、心臓の高さになるように調整し、測定は2回行い、その平均値を記録するのが望ましいです。
よくある測定ミスと数値がブレる原因
血圧はとてもデリケートで、ちょっとしたことで変動します。一回一回の数字に一喜一憂するのではなく、「何日か続けた平均がどうか」を見ていくことが大切です。
測定中におしゃべりをする、体を動かす、といったことはもちろん、測定直前の喫煙、飲酒、入浴、運動も数値に影響します。また、寒い部屋で測ると血管が縮んで血圧が上がりやすくなるため、室温にも気を配りましょう。毎日同じ条件で、リラックスして測ることが正確な測定のコツです。
家庭血圧の記録方法
測った血圧は、その場で忘れてしまうともったいないので、必ず記録に残しておきましょう。紙の血圧手帳に書いても良いですし、最近は血圧計と連動したアプリや、スマートフォンのメモ機能を使えます。この記録は、医師が治療方針を決めるための非常に重要な情報となりますので、受診の際には忘れずに持参してください。
参考元
『高血圧の10 のファクト~国民の皆さんへ|日本高血圧学会』
高血圧の「改善」や「対策」|自分でできることとは
高血圧と診断された、あるいは血圧が高めだと指摘された場合、まず最初に取り組むべきことは「生活習慣の修正」です。これは、薬による治療が始まった後も、治療の土台としてずっと続けていく必要がある、最も重要な対策になります。
今日の食事から始める「減塩」のコツと栄養バランス
食塩を減らすことは、日本人の高血圧対策の中でも特に重要です。目標は「高血圧の人は1日6g未満」とされていますが、急に厳しい減塩をしようとすると長続きしません。
まずは、漬け物や汁物の回数や量を減らす、ラーメンやうどんのスープは全部飲まない、しょうゆやソースは「かける」より「少しだけつける」にする、といったところから始めると取り組みやすくなります。だしやハーブ、レモンや酢などを上手に使うと、塩分を減らしても「薄くて物足りない」と感じにくくなります。
適度な運動と生活リズムの見直しがカギ
有酸素運動(早歩き、軽いジョギング、自転車、水泳など)を、無理のない範囲で毎日30分程度行うことは、血圧低下に有効であるとされています。
いきなり激しい運動を始める必要はありません。まずは「エスカレーターより階段を選ぶ」「一駅分歩いてみる」「少し早めのスピードで散歩する」といったところからでも十分意味があります。
持病がある方や、運動中に胸の痛み・強い息切れ・めまいなどが出る方は、自己判断で無理をせず、事前に医師に相談しましょう。
睡眠不足や不規則な生活は、交感神経が緊張して血圧を上げやすくなります。夜更かしを控えて、なるべく同じ時間帯に寝起きする、寝る前のスマホを控えるなど、生活リズムを整えることも高血圧対策の一部です。
ストレスとの付き合い方
精神的なストレスは、交感神経を刺激して一時的に血圧を上げます。ストレスを完全になくすことは難しいですが、ため込みすぎない工夫はできます。
深呼吸やストレッチ、軽い運動、趣味の時間を意識的にとる、仕事のオン・オフをはっきり分けるなど、小さな習慣の積み重ねが大切です。
参考元
『高血圧の10 のファクト~国民の皆さんへ|日本高血圧学会』
それでも下がらない?病院での治療はどうする?
生活習慣を一生懸命改善しても、血圧が目標値まで下がらない場合や、診断された時点で血圧が非常に高い場合、あるいはすでに合併症のリスクが高い場合には、医療機関での「治療」が必要となります。
病院ではどんな検査をするの?受診から診断までの流れ
高血圧と診断された場合、それが本態性高血圧なのか、二次性高血圧の可能性はないか、また動脈硬化や合併症がどの程度進んでいるかを調べるために、血液検査、尿検査、心電図、胸部X線検査などが行われるのが一般的です。
「薬は一生飲み続けるの?」薬物療法の開始とやめ時
治療には、生活習慣の修正と並行して「降圧薬(血圧を下げる薬)」による薬物療法が行われることがあります。
「一度飲み始めたら、一生やめられないのでは?」と不安に思う方も多いですが、生活習慣の改善がうまくいき、血圧が安定して下がれば、医師の判断で薬を減らしたり、中止が検討できる場合もあります。
ただし、自己判断での中断は非常に危険ですので、絶対にやめてください。
飲み忘れちゃったらどうする?薬とうまく付き合うコツ
高血圧の薬は、血圧を安定させるために毎日決まった時間に飲むことが基本です。
もし飲み忘れた場合は、薬の種類や飲むタイミングによって対処法が異なります。基本的には、気づいた時点ですぐに飲むことが多いですが、次の服用時間が近い場合は1回分飛ばすなど、ルールがあります。
飲み忘れた場合の対処法は、必ず事前に医師や薬剤師に確認しておき、自己判断で2回分を一度に飲むようなことはしないでください。
通院が大変なら「オンライン診療」という手段も
高血圧は、長期にわたって血圧をコントロールし続ける「継続的な管理」が不可欠です。しかし、仕事や家事で忙しく、定期的な通院が難しいという方もいらっしゃるでしょう。最近では治療継続をサポート可能な「オンライン診療」という選択肢も増えています。
オンライン診療に対応した医療機関をまとめて探せるサービスとして、SOKUYAKU(ソクヤク)のようなプラットフォームもあります。ご自身の生活スタイルに合った受診方法を選ぶことで、無理なく高血圧の治療を続けましょう。
参考元
まとめ:未来の健康のために、まずは自分の血圧を知ろう
高血圧は、すぐに症状が出ないことも多く、「見えにくい病気」です。しかし、放っておくと、脳卒中・心臓病・腎臓病・認知症など、生活を大きく変えてしまう病気につながる可能性が高くなります。
大切なのは、「まずご自身の血圧を知る」ことです。もし血圧が高いことがわかったら、早めに医療機関に相談しましょう。
最近では、通院の負担を減らす「オンライン診療」(「SOKUYAKU(ソクヤク)」などのサービス)も活用しながら、無理なく治療を続けていくことが可能です。ご自身の体を守るために、今日からできる一歩を踏み出しましょう。
健診や病院で「血圧が高いですね」と言われると、多くの方がドキッとします 。けれど、その場では特に痛いところも苦しいところもなく、「本当に治療が必要なのか?」「放っておいても大丈夫なのでは?」と感じる方も少なくありません 。
高血圧は、まさにそう思ってしまいやすい病気です 。自覚症状がほとんどないまま、少しずつ血管や臓器に負担をかけていき、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気として現れることがあります 。
この記事では、最新のガイドラインや信頼できるデータに基づき、高血圧とはそもそもどんな状態なのか、原因や症状、ご自身でできる対策、そして病院での治療法まで、幅広く解説します。
そもそも「高血圧」とは?体の仕組みを
高血圧とは、簡単にいうと「血管の中の圧力が、ずっと高い状態が続いていること」を指します 。
血圧は誰でも一日の中で上下しますが、その変動とは別に、基準よりも高い状態が慢性的に続いている場合に診断されるのが「高血圧症」で、一般に“高血圧”と呼ばれます 。
血圧が高い状態が続くと、血管は常に強い力で押されることになり、少しずつ傷んで硬くなります 。その結果、脳や心臓、腎臓などに負担がかかり、将来的に脳卒中・心臓病・腎臓病・認知症などの病気を引き起こすリスクが上がることが分かっています。
血圧のしくみ(心臓・血管・血液の関係性)
血圧は、「心臓が血液を押し出す力」と「血管の硬さや太さ」で決まります。心臓はポンプのように、縮んだり(収縮)ゆるんだり(拡張)をくり返しています。
心臓がギュっと縮んで血液を送り出すとき、動脈の内側の圧力が一番高くなり、このときの値が「上の血圧(収縮期血圧)」です 。心臓が力を抜いて次の拍動の準備をしているときの圧力が「下の血圧(拡張期血圧)」になります 。
・心臓が血液を押し出すときの圧力
→ 上の血圧(収縮期血圧)
・心臓が力をゆるめているときの圧力
→ 下の血圧(拡張期血圧)
水道でイメージすると分かりやすいかもしれません 。蛇口(心臓)を強くひねれば水の勢い(血圧)は強くなり、ホース(血管)が細かったり硬くなっていると、ホースの中の圧力はさらに高くなります 。
高血圧は、ホース(血管)に常に強い負担がかかっている状態だと考えるとイメージしやすいでしょう 。
高血圧の大分類(原因が特定できないタイプと他の病気が原因のタイプ)
高血圧は、「原因がはっきりしているかどうか」で大きく二つに分けられます 。
「本態性高血圧(原因が特定できなず主に体質・生活習慣が関わる高血圧)」
特定の一つの病気が原因というより、遺伝的な体質に、塩分のとりすぎ、肥満、運動不足、過度の飲酒、ストレス、喫煙などの生活習慣が重なって血圧が上がっているタイプです 。日本人の高血圧の多く(およそ9割)はこの本態性高血圧と言われています 。
「二次性高血圧(他の病気が原因で起こる高血圧)」
腎臓の病気、ホルモンの病気、睡眠時無呼吸症候群、薬の副作用など、血圧が上がっている原因が明らかな場合を指します 。原因となっている病気を治療することで、血圧も改善する可能性があります 。
「高血圧」の診断基準(診察室血圧と家庭血圧)
高血圧かどうかを判断するには、明確な数値の基準があります 。ただし、測定する場所によって基準値が異なる点に注意が必要です。
診察室血圧
・上:140mmHg以上
・下:90mmHg以上
家庭血圧
・上:135mmHg以上
・下:85mmHg以上
目標とする血圧
「診察室血圧は130/80mmHg未満、家庭血圧は125/75mmHg未満」を目指すことが推奨されています 。ただし、年齢や他の病気、体調などによって個別に調整が必要なため、高血圧と診断を出すに当たっては対面で医師に診察を受ける必要があります。
参考元
高血圧の「症状」と恐ろしさ|気づかないうちに進行?
高血圧という言葉から、頭痛やめまいをイメージする人も多いですが、実は多くの人はかなり血圧が高くなっても自覚症状がありません。
そのため、「なんともないから大丈夫」と放置してしまいやすく、「気づいたときには脳卒中や心筋梗塞を起こしていた」というケースもあります。症状の有無ではなく、「測ってみること」が高血圧かどうかを知る唯一の方法です。
なぜ“サイレントキラー”と呼ばれるのか
高血圧が「サイレントキラー」と呼ばれる大きな理由は、症状がないまま、ゆっくりと血管や臓器を傷つけていくからです。
痛みやかゆみといった警告サイン(Symptom)がないまま、高血圧は静かに(Silent)全身の血管にダメージを与え続けます。そして、気づいた時には命に関わる病気(Killer)を引き起こしている、という恐ろしさから、このように呼ばれています。
放っておくとどうなる?命にかかわる合併症のリスク
血圧が高い状態が続くと、動脈の壁はいつも引き伸ばされているような状態です。これが長く続くと、血管は厚く硬くなり(弾力性が失われ、動脈硬化が進行)、内側が狭くなったり、もろく破れやすくなったりします。
ここでは高血圧がもたらす恐ろしい合併症の代表例を紹介します
脳
高血圧は、脳出血や脳梗塞、くも膜下出血などの原因となり、とつぜんに脳卒中として重い症状が現れるリスクが上がります 。後遺症として麻痺や言葉の障害が残ることも少なくありません 。
加えて、血圧が高い人は、認知症のリスクも高くなることが分かってきています。
心臓
心臓に影響を与える高血圧の合併症としては、心筋梗塞や狭心症、心不全などが挙げられます。
腎臓
腎臓では、細かい血管が傷ついて腎機能が低下し、最終的には透析が必要になることもあります。
日本高血圧学会のデータでは、高血圧が関係する脳や心臓の病気で、1年間に十数万人が亡くなっているとされています。血圧を適切にコントロールすることで脳卒中や心臓病のリスクを大きく減らせることも分かっています。
頭痛・めまい・肩こり…本当に血圧のせい?
「血圧が高いと頭が痛くなる」とよく言われますが、実際には、高血圧と頭痛などの症状の関係はそれほど単純ではありません。
軽度〜中度の高血圧では、頭痛・めまい・肩こりなどの症状は全くないことが多く、あっても血圧以外の原因(肩こり、眼精疲労、睡眠不足、ストレスなど)の方が多いと考えられます。
逆に、急激に血圧が高くなった場合(高血圧緊急症など)や、高血圧による合併症として起こりうる脳出血・くも膜下出血などの重大な病気が起こったときには、激しい頭痛・めまい・吐き気・しびれなど、明らかな症状が現れることがあります。
参考元
高血圧の主な「原因」|なぜ血圧は上がるのか?
「親も高血圧だから仕方ない」と思う方もいるかもしれませんが、高血圧の原因は遺伝だけではありません。体質に加えて、毎日の生活習慣が大きく関わっています。
遺伝だけじゃない!塩分・肥満・ストレスなどの生活習慣
日本人は世界的に見ても塩分摂取量が多く、一般の人で一日約10gほど、高血圧の人では6g未満にすることが推奨されています。塩分を取りすぎると体内の水分が増え、血液の量も増えるため血圧が上がりやすくなります。
その他にも、内臓脂肪が増える「肥満」、血流を悪くする「運動不足」、血管を収縮させる「喫煙」や「過度の飲酒」、そして精神的な「ストレス」も、血圧を上げる要因です。一つ一つは小さな習慣でも、長い時間をかけて積み重なることで、血圧に大きな差が出てきます。
他の病気が原因で起こる高血圧(二次性高血圧)
先にも触れた「二次性高血圧」は、生活習慣とは別に、特定の病気が原因で血圧が上がっている状態です。
原因となる病気には、腎臓そのものの病気(腎実質性高血圧)や、腎臓への血流が悪くなる病気(腎血管性高血圧)、副腎などからホルモンが過剰に分泌される病気(内分泌性高血圧)などがあります。これらの場合、原因となっている病気の治療を行うことが基本となります。
参考元
家で計測|正しい血圧の測り方とは
高血圧の診断や治療の効果を確認する上で、病院での測定と同じくらい、いえ、それ以上に重要なのが「家庭血圧」の測定です。病院では緊張して血圧が上がってしまう(白衣高血圧)方もいれば、逆に病院では正常なのに家では高い(仮面高血圧)方もいます。
朝・夜いつ測る?姿勢・カフの位置・回数の基本
家庭血圧は、朝と夜の二回測るのが基本です。
朝は、起きてから1時間以内で、トイレを済ませ、朝ごはんや薬を飲む前に測りましょう。夜は寝る前、少なくとも入浴や飲酒の直後は避けて、同じように座って落ち着いた状態で測ってください。
測る時は、背もたれのある椅子に足を組まずに座り、1〜2分安静にしてから測定します。腕帯(カフ)は、心臓の高さになるように調整し、測定は2回行い、その平均値を記録するのが望ましいです。
よくある測定ミスと数値がブレる原因
血圧はとてもデリケートで、ちょっとしたことで変動します。一回一回の数字に一喜一憂するのではなく、「何日か続けた平均がどうか」を見ていくことが大切です。
測定中におしゃべりをする、体を動かす、といったことはもちろん、測定直前の喫煙、飲酒、入浴、運動も数値に影響します。また、寒い部屋で測ると血管が縮んで血圧が上がりやすくなるため、室温にも気を配りましょう。毎日同じ条件で、リラックスして測ることが正確な測定のコツです。
家庭血圧の記録方法
測った血圧は、その場で忘れてしまうともったいないので、必ず記録に残しておきましょう。紙の血圧手帳に書いても良いですし、最近は血圧計と連動したアプリや、スマートフォンのメモ機能を使えます。この記録は、医師が治療方針を決めるための非常に重要な情報となりますので、受診の際には忘れずに持参してください。
参考元
高血圧の「改善」や「対策」|自分でできることとは
高血圧と診断された、あるいは血圧が高めだと指摘された場合、まず最初に取り組むべきことは「生活習慣の修正」です。これは、薬による治療が始まった後も、治療の土台としてずっと続けていく必要がある、最も重要な対策になります。
今日の食事から始める「減塩」のコツと栄養バランス
食塩を減らすことは、日本人の高血圧対策の中でも特に重要です。目標は「高血圧の人は1日6g未満」とされていますが、急に厳しい減塩をしようとすると長続きしません。
まずは、漬け物や汁物の回数や量を減らす、ラーメンやうどんのスープは全部飲まない、しょうゆやソースは「かける」より「少しだけつける」にする、といったところから始めると取り組みやすくなります。だしやハーブ、レモンや酢などを上手に使うと、塩分を減らしても「薄くて物足りない」と感じにくくなります。
適度な運動と生活リズムの見直しがカギ
有酸素運動(早歩き、軽いジョギング、自転車、水泳など)を、無理のない範囲で毎日30分程度行うことは、血圧低下に有効であるとされています。
いきなり激しい運動を始める必要はありません。まずは「エスカレーターより階段を選ぶ」「一駅分歩いてみる」「少し早めのスピードで散歩する」といったところからでも十分意味があります。
持病がある方や、運動中に胸の痛み・強い息切れ・めまいなどが出る方は、自己判断で無理をせず、事前に医師に相談しましょう。
睡眠不足や不規則な生活は、交感神経が緊張して血圧を上げやすくなります。夜更かしを控えて、なるべく同じ時間帯に寝起きする、寝る前のスマホを控えるなど、生活リズムを整えることも高血圧対策の一部です。
ストレスとの付き合い方
精神的なストレスは、交感神経を刺激して一時的に血圧を上げます。ストレスを完全になくすことは難しいですが、ため込みすぎない工夫はできます。
深呼吸やストレッチ、軽い運動、趣味の時間を意識的にとる、仕事のオン・オフをはっきり分けるなど、小さな習慣の積み重ねが大切です。
参考元
それでも下がらない?病院での治療はどうする?
生活習慣を一生懸命改善しても、血圧が目標値まで下がらない場合や、診断された時点で血圧が非常に高い場合、あるいはすでに合併症のリスクが高い場合には、医療機関での「治療」が必要となります。
病院ではどんな検査をするの?受診から診断までの流れ
高血圧と診断された場合、それが本態性高血圧なのか、二次性高血圧の可能性はないか、また動脈硬化や合併症がどの程度進んでいるかを調べるために、血液検査、尿検査、心電図、胸部X線検査などが行われるのが一般的です。
「薬は一生飲み続けるの?」薬物療法の開始とやめ時
治療には、生活習慣の修正と並行して「降圧薬(血圧を下げる薬)」による薬物療法が行われることがあります。
「一度飲み始めたら、一生やめられないのでは?」と不安に思う方も多いですが、生活習慣の改善がうまくいき、血圧が安定して下がれば、医師の判断で薬を減らしたり、中止が検討できる場合もあります。
ただし、自己判断での中断は非常に危険ですので、絶対にやめてください。
飲み忘れちゃったらどうする?薬とうまく付き合うコツ
高血圧の薬は、血圧を安定させるために毎日決まった時間に飲むことが基本です。
もし飲み忘れた場合は、薬の種類や飲むタイミングによって対処法が異なります。基本的には、気づいた時点ですぐに飲むことが多いですが、次の服用時間が近い場合は1回分飛ばすなど、ルールがあります。
飲み忘れた場合の対処法は、必ず事前に医師や薬剤師に確認しておき、自己判断で2回分を一度に飲むようなことはしないでください。
通院が大変なら「オンライン診療」という手段も
高血圧は、長期にわたって血圧をコントロールし続ける「継続的な管理」が不可欠です。しかし、仕事や家事で忙しく、定期的な通院が難しいという方もいらっしゃるでしょう。最近では治療継続をサポート可能な「オンライン診療」という選択肢も増えています。
オンライン診療に対応した医療機関をまとめて探せるサービスとして、SOKUYAKU(ソクヤク)のようなプラットフォームもあります。ご自身の生活スタイルに合った受診方法を選ぶことで、無理なく高血圧の治療を続けましょう。
参考元
まとめ:未来の健康のために、まずは自分の血圧を知ろう
高血圧は、すぐに症状が出ないことも多く、「見えにくい病気」です。しかし、放っておくと、脳卒中・心臓病・腎臓病・認知症など、生活を大きく変えてしまう病気につながる可能性が高くなります。
大切なのは、「まずご自身の血圧を知る」ことです。もし血圧が高いことがわかったら、早めに医療機関に相談しましょう。
最近では、通院の負担を減らす「オンライン診療」(「SOKUYAKU(ソクヤク)」などのサービス)も活用しながら、無理なく治療を続けていくことが可能です。ご自身の体を守るために、今日からできる一歩を踏み出しましょう。
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
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当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
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3.
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4.
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関連病院、ワシントン(DC)ホスピタルセンター循環器内科、豊橋ハートセンター、名古屋市立東部医療センター(現名古屋市立大学付属東部医療センター)等を経て医療法人三九会 三九朗病院循環器内科勤務中
免許・資格:
・日本内科学会総合内科専門医
・日本循環器学会専門医
・日本心血管インターインターベンション治療学会名誉専門医
・日本心臓リハビリテーション学会認定指導士
・日本心臓病学会正会員
・麻酔科標榜医
・日本医師会認定スポーツ医
専門領域:医療 > 内科 > 循環器内科




