糖尿病の原因をわかりやすく解説!遺伝・環境・生活習慣から正しく理解しよう
糖尿病の「直接的な原因」はインスリンの作用不足
糖尿病は、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きが不足することで発症します。
血糖値とは?インスリンの基本的な役割
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度です。ブドウ糖は体を動かす大切なエネルギー源ですが、多すぎると体に悪影響を及ぼします。この血糖値をコントロールしているのが、膵臓から分泌される「インスリン」です。インスリンは、体の中で唯一、血糖値を下げるホルモンです。よく「細胞のドアを開ける鍵」に例えられます。
参考元
『やせていても「少食で運動不足」はハイリスク。|順天堂大学』
なぜ血糖が高いと問題なのか?
インスリンがうまく働かず、血液中にブドウ糖が溢れた状態が「高血糖」です。この状態が長く続くと、血液はまるで砂糖水のようにベタベタになり、全身の血管をじわじわと傷つけていきます。また、エネルギー源であるブドウ糖が細胞に入れないため、細胞としては体はエネルギー不足=飢餓状態となり、だるさや疲れやすさを感じることもあります。
参考元
原因①:インスリンの効きが弱い(インスリン抵抗性)
肥満や運動不足があると、インスリンが細胞にうまく作用しなくなります。この状態が「インスリン抵抗性」です。「鍵」であるインスリンはちゃんと膵臓から出ているのに、細胞側にある「鍵穴」が錆びついたり、反応が鈍くなったりして、ドア(細胞)がうまく開かないとイメージしてください。
参考元
原因②:インスリンの量が足りない(インスリン分泌低下)
膵臓の工場が、何らかの理由で壊れてしまったり、長年の酷使で疲弊してしまったりして、十分な量のインスリンを生産できなくなった状態です。必要なインスリン量に対して、相対的に足りないため、血液中のブドウ糖を細胞に送り込めず、血糖値が上がってしまいます。
参考元
『糖尿病の家族歴が患者の疾患認識に及ぼす影響について|糖尿病 55』
「糖尿病って何?」を原因から説明
糖尿病は、食事で取り込んだ糖がエネルギーとしてうまく利用できない病気です。
参考元
『やせていても「少食で運動不足」はハイリスク。|順天堂大学』
食べた糖の行き先と、インスリンの役割
ご飯やパンを食べると、それらは消化酵素によって小さな「ブドウ糖」に分解され、腸から吸収されて血液中に入ります。これが「血糖値が上がる」という現象です。
ブドウ糖は血液に乗って全身をめぐり、筋肉や脳などの細胞に届きます。そこへインスリンが作用し、糖を細胞に取り込ませてエネルギーとして使えるようにします。
細胞のドアが開かないと何が起こるのか
インスリンが効かなかったり足りなかったりすると、糖は細胞に入れません。その結果、血液中に糖があふれ、「高血糖」になります。細胞はエネルギー不足になり、体はだるさを感じたり、異常な喉の渇きや多尿といった症状が現れるようになります。
なぜインスリンに問題が?「タイプ別」の根本原因
糖尿病といっても、すべての人が同じ原因でなるわけではありません。タイプによって発症のきっかけや体の中で起きていることは大きく異なり、糖尿病はこの原因によって主にふたつのタイプに分けられます。
また、妊娠や他の病気・薬剤が原因となる、例外的なタイプの糖尿病もあります。
1型の原因:免疫が膵臓を攻撃する
1型糖尿病は、主に子どもや若い人に多く見られるタイプで、体の免疫が誤って自分の膵臓を攻撃してしまうことが主な原因と考えられていますです。この攻撃によって、インスリンを作る細胞が壊され、ほとんど分泌されなくなります。インスリン注射が生涯必要になります。
参考元
2型の原因:体質(遺伝)+生活習慣
日本人の糖尿病の9割以上を占めるのが2型糖尿病です。これは「もともとインスリンが出にくい体質」に、「食べすぎ・運動不足・ストレス」といった生活習慣の悪化が加わることで発症します。太っていなくても発症する人がいるのは、体質が影響していることが理由です。
参考元
『糖尿病の家族歴が患者の疾患認識に及ぼす影響について|糖尿病 55』
妊娠糖尿病の原因:胎盤ホルモンで一時的にインスリンが効きにくくなる
妊娠糖尿病とは、妊娠に伴って胎盤から分泌されるホルモンが、インスリンの効きを悪くすることが主な原因です。お腹の赤ちゃんに効率よく栄養(ブドウ糖)を送るための仕組みとも言えますが、お母さんの血糖処理能力が追いつかない場合に発症します。
このメカニズムは妊娠に伴う生理的な変化であり、お母さんの膵臓が、この抵抗性に見合うだけの追加のインスリンを分泌できない場合に、血糖値が基準を超えてしまい「妊娠糖尿病」と診断されます。
ほとんどの場合、出産して胎盤が体の外に出ると、インスリン抵抗性の原因となっていたホルモンが減るため、血糖値は正常に戻ります。しかし、一度でも妊娠糖尿病になったということは、その人自身がもともとインスリンを出す力が弱かったり、インスリンが効きにくい体質を持っていたりする可能性が高いことを示しています。
参考元
薬や病気が原因になるケースもある
ステロイドなどの薬の副作用や、膵臓の病気、ホルモンの異常などが原因で発症する糖尿病もあります。これらは「二次性糖尿病」と呼ばれ、1型や2型とは違った対応が必要です。
参考元
【2型糖尿病】インスリンが効きにくくなる「生活習慣」の要因
2型糖尿病の大きな原因である「インスリン抵抗性(インスリンの効きが弱くなること)」は、なぜ起こるのでしょうか。その背景には、生活習慣が大きく関わっています。
参考元
内臓脂肪と慢性炎症
インスリン抵抗性を引き起こす最大の原因の一つが、肥満、特に「内臓脂肪」の蓄積です。脂肪から出る物質が体に炎症を起こし、インスリンの働きを妨げてしまいます。これが「インスリン抵抗性」の原因となり、糖尿病のリスクを高めます。
運動不足・筋量低下・睡眠不足
筋肉はもっとも糖を消費する大切な器官です。運動不足で筋肉を使わなかったり、加齢や栄養不足で筋肉量(筋量)が低下したりすると、ブドウ糖の行き場がなくなり、血糖値が上がりやすくなります。
睡眠不足も要注意です。睡眠が足りないと、食欲を増すホルモンが増え、インスリンの効きを悪くするストレスホルモンが分泌されやすくなります。
高脂肪・精製炭水化物の偏り
揚げ物や脂身の多い肉などの高脂肪食は、それ自体がインスリン抵抗性を強めることが知られています。また、砂糖の入ったお菓子やジュース、白米や白いパンといった精製された炭水化物の摂りすぎは、食後の血糖値を急激に上昇させます。
ストレス・喫煙・多量飲酒
ストレスがかかると、血糖値を上げるホルモンが分泌され、インスリンの効果が弱くなります。また、喫煙や過度の飲酒も、インスリンの働きを直接的に妨げたり、膵臓にダメージを与えたりする要因です。
【2型糖尿病】痩せていても発症する「体質(遺伝)」の要因
日本人は、体質や筋肉量、成長の過程によって、痩せ型でも血糖値が上がりやすい傾向があります。ここではその理由を見ていきましょう。
参考元
『糖尿病の家族歴が患者の疾患認識に及ぼす影響について|糖尿病 55』
『やせていても「少食で運動不足」はハイリスク。|順天堂大学』
分泌能が低い体質(日本人に多い特性)
アジア人は欧米人と比べて、インスリンを分泌する膵臓の能力が弱い傾向にあります。そのため、極端に太っていなくても、少しの肥満や生活習慣の乱れで膵臓が処理できるキャパシティを超えてしまい、インスリンが足りなくなりやすいのです。
筋量不足・“エネルギー低回転”タイプ
運動不足や食事制限をしている痩せた人に多いのが、筋肉量が少なく、エネルギーの消費量が少ない「エネルギー低回転タイプ」と呼ばれる状態です。こうした人は血糖を使いきれずにため込んでしまいやすく、糖尿病のリスクが高くなります。若い女性に多く見られます。
低出生体重・若年女性のやせ
生まれた時の体重が少なかった方は、成人後に糖尿病を含む生活習慣病になりやすいという研究結果があります。また、過度なダイエットで痩せている若い女性も、インスリンが効きにくくなることがあります。見た目は健康そうでも、体の中では血糖値が上がりやすい状態が進んでいるかもしれません。
糖尿病の原因でよくある誤解
糖尿病はよく知られた病気である一方、誤解されやすい病気でもあります。間違ったイメージを持っていると、予防も対策も誤ってしまうかもしれません。
参考元
「甘い物だけが原因」ではない
砂糖たっぷりのお菓子やジュースの摂りすぎは、血糖値を急上昇させ、肥満にもつながるため、大きなリスク要因です。しかし、原因はそれだけではありません。
脂質の多い揚げ物やスナック菓子はインスリン抵抗性を強め、白米、パン、うどんなどの炭水化物は体内で糖に変わり、血糖値を上げます。大切なのは、「糖質全体の量とバランス」です。
「痩せていれば安心」ではない
痩せている人でも糖尿病になることがあります。体重は標準でも筋肉量が少ない「隠れ肥満」もリスクが高いです。見た目の体型だけで「自分は大丈夫」と油断することはできません。
「遺伝だから無理」は誤り
2型糖尿病において「なりやすい体質」が遺伝することは事実ですが、それはあくまで「発症しやすい」という素因を持っているにすぎません。自分自身の生活習慣次第で予防は可能です。
「体質」は変えられなくても、「行動」は変えられます。正しい食事、運動、睡眠などの習慣でリスクを減らしましょう。
症状が出ないからこそ「検査」がカギ
「症状がないから大丈夫」と思い込むのは危険です。糖尿病かどうかは、検査を受けてはじめてわかります。
参考元
無症状が多いから“検査”が決め手
糖尿病は、発症してもしばらくは自覚症状がほとんどないため、「サイレント・キラー」とも呼ばれます。典型的な症状が現れた時には、すでに高血糖の状態がかなり長く続き、病状が進行しているケースが少なくありません。
空腹時血糖
朝食前など、何も食べていない状態で測る血糖値です。正常値は100mg/dL未満、110mg/dL以上になると糖尿病予備群、126mg/dL以上で糖尿病の可能性があります。
75gOGTT
「隠れ糖尿病」を見つけるのに有効な検査です。75gのブドウ糖が入った甘い液体を飲み、飲む前、30分後、1時間後、2時間後などの血糖値の変動を測定します。食後に血糖値がどれだけ急上昇し、それを下げるためにインスリンがどれだけ働いているかを詳しく調べられます。
HbA1c
過去1〜2ヶ月間の血糖値の「平均点」を示す数値です。血液中の赤血球(ヘモグロビン)が、どれだけブドウ糖と結合しているかを%で表します。直前の食事や運動の影響を受けにくいため、普段の血糖コントロール状態を知る上で非常に重要な指標となります。
糖尿病は定期健診で早期発見・早期対応を
糖尿病の原因は、遺伝的な体質という土台の上に、日々の生活習慣という要因が積み重なって発症することが多い病気です。
参考元
まずは自分の生活を見直すことから
毎日の食事、運動、睡眠など、生活の積み重ねが糖尿病の発症につながります。「ちょっとした改善」でリスクを大きく減らせるので、まずは自分の習慣を振り返ってみましょう。
早期発見が合併症リスクを下げる
糖尿病が本当に怖いのは、高血糖そのものよりも、それが引き起こす「合併症」です。症状がない早い段階で発見し、血糖値を良好な状態にコントロールし続ければ、合併症のリスクは最小限に抑えられ、健康な人と変わらない生活を送れます。
治療はオンライン診療も活用してみよう
通院が難しい方でも、継続的に診てもらえる手段もあります。スマホやパソコンを使って医師に相談できる「オンライン診療」を活用してみましょう。
たとえば「SOKUYAKU(ソクヤク)」というサービスでは、アプリをつかってスマホから簡単に医師に相談でき、自宅にいながら診療や薬の受け取りも可能です。自分の未来の健康のために、早め早めの行動を心がけましょう。
「糖尿病」という病名を聞いたことはありますか? おそらく多くの人が「知っている」と答えるでしょう。しかし、「では、なぜ糖尿病になるのか?」と聞かれると、正しく説明できる人は意外と少ないかもしれません。
糖尿病は、遺伝的な体質と、私たちが日々送っている生活習慣が複雑に絡み合って起こります。この記事では、糖尿病になる「本当の原因」を、タイプ別、要因別にできるだけわかりやすく解説していきます。
糖尿病の「直接的な原因」はインスリンの作用不足
糖尿病は、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きが不足することで発症します。
血糖値とは?インスリンの基本的な役割
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度です。ブドウ糖は体を動かす大切なエネルギー源ですが、多すぎると体に悪影響を及ぼします。この血糖値をコントロールしているのが、膵臓から分泌される「インスリン」です。インスリンは、体の中で唯一、血糖値を下げるホルモンです。よく「細胞のドアを開ける鍵」に例えられます。
参考元
なぜ血糖が高いと問題なのか?
インスリンがうまく働かず、血液中にブドウ糖が溢れた状態が「高血糖」です。この状態が長く続くと、血液はまるで砂糖水のようにベタベタになり、全身の血管をじわじわと傷つけていきます。また、エネルギー源であるブドウ糖が細胞に入れないため、細胞としては体はエネルギー不足=飢餓状態となり、だるさや疲れやすさを感じることもあります。
参考元
原因①:インスリンの効きが弱い(インスリン抵抗性)
肥満や運動不足があると、インスリンが細胞にうまく作用しなくなります。この状態が「インスリン抵抗性」です。「鍵」であるインスリンはちゃんと膵臓から出ているのに、細胞側にある「鍵穴」が錆びついたり、反応が鈍くなったりして、ドア(細胞)がうまく開かないとイメージしてください。
参考元
原因②:インスリンの量が足りない(インスリン分泌低下)
膵臓の工場が、何らかの理由で壊れてしまったり、長年の酷使で疲弊してしまったりして、十分な量のインスリンを生産できなくなった状態です。必要なインスリン量に対して、相対的に足りないため、血液中のブドウ糖を細胞に送り込めず、血糖値が上がってしまいます。
参考元
「糖尿病って何?」を原因から説明
食べた糖の行き先と、インスリンの役割
ご飯やパンを食べると、それらは消化酵素によって小さな「ブドウ糖」に分解され、腸から吸収されて血液中に入ります。これが「血糖値が上がる」という現象です。
ブドウ糖は血液に乗って全身をめぐり、筋肉や脳などの細胞に届きます。そこへインスリンが作用し、糖を細胞に取り込ませてエネルギーとして使えるようにします。
細胞のドアが開かないと何が起こるのか
インスリンが効かなかったり足りなかったりすると、糖は細胞に入れません。その結果、血液中に糖があふれ、「高血糖」になります。細胞はエネルギー不足になり、体はだるさを感じたり、異常な喉の渇きや多尿といった症状が現れるようになります。
なぜインスリンに問題が?「タイプ別」の根本原因
糖尿病といっても、すべての人が同じ原因でなるわけではありません。タイプによって発症のきっかけや体の中で起きていることは大きく異なり、糖尿病はこの原因によって主にふたつのタイプに分けられます。
また、妊娠や他の病気・薬剤が原因となる、例外的なタイプの糖尿病もあります。
1型の原因:免疫が膵臓を攻撃する
1型糖尿病は、主に子どもや若い人に多く見られるタイプで、体の免疫が誤って自分の膵臓を攻撃してしまうことが主な原因と考えられていますです。この攻撃によって、インスリンを作る細胞が壊され、ほとんど分泌されなくなります。インスリン注射が生涯必要になります。
参考元
2型の原因:体質(遺伝)+生活習慣
日本人の糖尿病の9割以上を占めるのが2型糖尿病です。これは「もともとインスリンが出にくい体質」に、「食べすぎ・運動不足・ストレス」といった生活習慣の悪化が加わることで発症します。太っていなくても発症する人がいるのは、体質が影響していることが理由です。
参考元
妊娠糖尿病の原因:胎盤ホルモンで一時的にインスリンが効きにくくなる
妊娠糖尿病とは、妊娠に伴って胎盤から分泌されるホルモンが、インスリンの効きを悪くすることが主な原因です。お腹の赤ちゃんに効率よく栄養(ブドウ糖)を送るための仕組みとも言えますが、お母さんの血糖処理能力が追いつかない場合に発症します。
このメカニズムは妊娠に伴う生理的な変化であり、お母さんの膵臓が、この抵抗性に見合うだけの追加のインスリンを分泌できない場合に、血糖値が基準を超えてしまい「妊娠糖尿病」と診断されます。
ほとんどの場合、出産して胎盤が体の外に出ると、インスリン抵抗性の原因となっていたホルモンが減るため、血糖値は正常に戻ります。しかし、一度でも妊娠糖尿病になったということは、その人自身がもともとインスリンを出す力が弱かったり、インスリンが効きにくい体質を持っていたりする可能性が高いことを示しています。
参考元
薬や病気が原因になるケースもある
ステロイドなどの薬の副作用や、膵臓の病気、ホルモンの異常などが原因で発症する糖尿病もあります。これらは「二次性糖尿病」と呼ばれ、1型や2型とは違った対応が必要です。
参考元
【2型糖尿病】インスリンが効きにくくなる「生活習慣」の要因
2型糖尿病の大きな原因である「インスリン抵抗性(インスリンの効きが弱くなること)」は、なぜ起こるのでしょうか。その背景には、生活習慣が大きく関わっています。
参考元
内臓脂肪と慢性炎症
インスリン抵抗性を引き起こす最大の原因の一つが、肥満、特に「内臓脂肪」の蓄積です。脂肪から出る物質が体に炎症を起こし、インスリンの働きを妨げてしまいます。これが「インスリン抵抗性」の原因となり、糖尿病のリスクを高めます。
運動不足・筋量低下・睡眠不足
筋肉はもっとも糖を消費する大切な器官です。運動不足で筋肉を使わなかったり、加齢や栄養不足で筋肉量(筋量)が低下したりすると、ブドウ糖の行き場がなくなり、血糖値が上がりやすくなります。
睡眠不足も要注意です。睡眠が足りないと、食欲を増すホルモンが増え、インスリンの効きを悪くするストレスホルモンが分泌されやすくなります。
高脂肪・精製炭水化物の偏り
揚げ物や脂身の多い肉などの高脂肪食は、それ自体がインスリン抵抗性を強めることが知られています。また、砂糖の入ったお菓子やジュース、白米や白いパンといった精製された炭水化物の摂りすぎは、食後の血糖値を急激に上昇させます。
ストレス・喫煙・多量飲酒
ストレスがかかると、血糖値を上げるホルモンが分泌され、インスリンの効果が弱くなります。また、喫煙や過度の飲酒も、インスリンの働きを直接的に妨げたり、膵臓にダメージを与えたりする要因です。
【2型糖尿病】痩せていても発症する「体質(遺伝)」の要因
日本人は、体質や筋肉量、成長の過程によって、痩せ型でも血糖値が上がりやすい傾向があります。ここではその理由を見ていきましょう。
参考元
分泌能が低い体質(日本人に多い特性)
アジア人は欧米人と比べて、インスリンを分泌する膵臓の能力が弱い傾向にあります。そのため、極端に太っていなくても、少しの肥満や生活習慣の乱れで膵臓が処理できるキャパシティを超えてしまい、インスリンが足りなくなりやすいのです。
筋量不足・“エネルギー低回転”タイプ
運動不足や食事制限をしている痩せた人に多いのが、筋肉量が少なく、エネルギーの消費量が少ない「エネルギー低回転タイプ」と呼ばれる状態です。こうした人は血糖を使いきれずにため込んでしまいやすく、糖尿病のリスクが高くなります。若い女性に多く見られます。
低出生体重・若年女性のやせ
生まれた時の体重が少なかった方は、成人後に糖尿病を含む生活習慣病になりやすいという研究結果があります。また、過度なダイエットで痩せている若い女性も、インスリンが効きにくくなることがあります。見た目は健康そうでも、体の中では血糖値が上がりやすい状態が進んでいるかもしれません。
糖尿病の原因でよくある誤解
糖尿病はよく知られた病気である一方、誤解されやすい病気でもあります。間違ったイメージを持っていると、予防も対策も誤ってしまうかもしれません。
参考元
「甘い物だけが原因」ではない
砂糖たっぷりのお菓子やジュースの摂りすぎは、血糖値を急上昇させ、肥満にもつながるため、大きなリスク要因です。しかし、原因はそれだけではありません。
脂質の多い揚げ物やスナック菓子はインスリン抵抗性を強め、白米、パン、うどんなどの炭水化物は体内で糖に変わり、血糖値を上げます。大切なのは、「糖質全体の量とバランス」です。
「痩せていれば安心」ではない
痩せている人でも糖尿病になることがあります。体重は標準でも筋肉量が少ない「隠れ肥満」もリスクが高いです。見た目の体型だけで「自分は大丈夫」と油断することはできません。
「遺伝だから無理」は誤り
2型糖尿病において「なりやすい体質」が遺伝することは事実ですが、それはあくまで「発症しやすい」という素因を持っているにすぎません。自分自身の生活習慣次第で予防は可能です。
「体質」は変えられなくても、「行動」は変えられます。正しい食事、運動、睡眠などの習慣でリスクを減らしましょう。
症状が出ないからこそ「検査」がカギ
「症状がないから大丈夫」と思い込むのは危険です。糖尿病かどうかは、検査を受けてはじめてわかります。
参考元
無症状が多いから“検査”が決め手
糖尿病は、発症してもしばらくは自覚症状がほとんどないため、「サイレント・キラー」とも呼ばれます。典型的な症状が現れた時には、すでに高血糖の状態がかなり長く続き、病状が進行しているケースが少なくありません。
空腹時血糖
朝食前など、何も食べていない状態で測る血糖値です。正常値は100mg/dL未満、110mg/dL以上になると糖尿病予備群、126mg/dL以上で糖尿病の可能性があります。
75gOGTT
「隠れ糖尿病」を見つけるのに有効な検査です。75gのブドウ糖が入った甘い液体を飲み、飲む前、30分後、1時間後、2時間後などの血糖値の変動を測定します。食後に血糖値がどれだけ急上昇し、それを下げるためにインスリンがどれだけ働いているかを詳しく調べられます。
HbA1c
過去1〜2ヶ月間の血糖値の「平均点」を示す数値です。血液中の赤血球(ヘモグロビン)が、どれだけブドウ糖と結合しているかを%で表します。直前の食事や運動の影響を受けにくいため、普段の血糖コントロール状態を知る上で非常に重要な指標となります。
糖尿病は定期健診で早期発見・早期対応を
まずは自分の生活を見直すことから
毎日の食事、運動、睡眠など、生活の積み重ねが糖尿病の発症につながります。「ちょっとした改善」でリスクを大きく減らせるので、まずは自分の習慣を振り返ってみましょう。
早期発見が合併症リスクを下げる
糖尿病が本当に怖いのは、高血糖そのものよりも、それが引き起こす「合併症」です。症状がない早い段階で発見し、血糖値を良好な状態にコントロールし続ければ、合併症のリスクは最小限に抑えられ、健康な人と変わらない生活を送れます。
治療はオンライン診療も活用してみよう
通院が難しい方でも、継続的に診てもらえる手段もあります。スマホやパソコンを使って医師に相談できる「オンライン診療」を活用してみましょう。
たとえば「SOKUYAKU(ソクヤク)」というサービスでは、アプリをつかってスマホから簡単に医師に相談でき、自宅にいながら診療や薬の受け取りも可能です。自分の未来の健康のために、早め早めの行動を心がけましょう。
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当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.
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2.
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3.
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4.
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専門領域分類:内分泌代謝科, 総合内科, 糖尿病内科, 産業医, 疫学, 救急科
経歴:琉球大学医学部医学科卒業 / 琉球大学病院勤務 / 専門は内分泌代謝・糖尿病内科、総合内科







