これって糖尿病?初期症状の見つけ方と受診のタイミング
こんなサインは要注意|糖尿病の初期症状チェック
糖尿病の初期症状は、少しずつ現れることが多く、風邪や疲れと勘違いしてしまうかもしれません。
のどの渇きと水分摂取の増加
血糖値が高い状態では、体は余分な糖を尿として排出しようとします。血糖値が高くなると血液が濃くなり、それを薄めようとして脳が「水分を摂れ」と指令を出すためです。この時に、水やお茶ではなく、ジュースやスポーツドリンクなど甘い飲み物ばかり飲んでしまうと更に血糖が上がってしまいます。
参考元
尿の回数・量の増加(夜間尿を含む)
水分を多く摂るようになると、当然、尿の回数や量も増えます。それだけでなく、血糖値が一定以上高くなると、腎臓がブドウ糖を処理しきれず、尿の中に糖が漏れ出します。「尿糖」は、排出されるときに水分も一緒に連れて行ってしまうため、さらに尿量が増える原因です。
参考元
食べているのに体重が落ちる
インスリンがうまく働かないと、糖をエネルギーとして使えず、筋肉や脂肪を分解して補います。結果として食欲はあるのに体重が落ちることがあります。
参考元
だるさ・眠気・集中力の低下
体に必要なブドウ糖がエネルギーとして使われないため、体全体が「ガス欠」のような状態になります。そのため、十分休んでも取れない全身のだるさ(倦怠感)や、強い眠気、集中力の低下といった症状が現れやすくなります。
参考元
かすみ目・見えにくさ
血糖値が急激に変動すると、目のレンズ(水晶体)の水分量も変化し、ピントが合いにくくなることがあります。一時的に「目がかゆい」「視界がぼやける」といった症状が出ることがあります。
参考元
傷や感染が治りにくい・皮膚のかゆみ
高血糖の状態が続くと、免疫細胞の働きが鈍くなり、細菌やウイルスへの抵抗力が落ちてしまいます。また、皮膚が乾燥しやすくなり、かゆみが出たり、感染症にかかりやすくなったりすることもあります。
参考元
手足のしびれ・チクチク感
高血糖は、全身に張り巡らされた神経にもダメージを与えます。足先や手先など、体の末端の神経が障害を受けやすいのが特徴です。
参考元『産業医科大学 内分泌代謝学講座 資料(糖尿病概説)』
口の渇きや口腔トラブル(歯周病・口内炎の悪化)
口が乾きやすく、唾液の自浄作用が落ちるため歯ぐきの腫れや出血、歯周病の悪化が起きやすくなります。
参考元
糖尿病の種類と「初期症状」の違い
糖尿病と言っても、いくつかのタイプがあり、原因や症状の出方も異なります。
1型:急に強い症状が出やすいタイプ
インスリンというホルモンが絶対的に不足することで、急に血糖値が上がります。子どもや若い方でも発症し、「のどの渇き」「多飲」「多尿」「急激な体重減少」といった症状が、数週間から数ヶ月といった比較的短い期間で出ることが特徴です。
2型:静かに進む“気づきにくい”タイプ
インスリンが出にくくなったり(分泌不全)、インスリンが効きにくくなったり(抵抗性)することが重なり、血糖値が上がります。日本人の糖尿病のほとんどがこのタイプです。血糖値の上昇が非常にゆっくりと進むため、初期段階ではほとんど自覚症状がありません。健康診断などで偶然見つかるケースが多いのが特徴です。2型が全糖尿病の約90〜95%を占めると報告されています。
参考元
二次性・妊娠糖尿病:背景の病気や妊娠が関わるタイプ
ほかの病気(膵臓・肝臓の病気、ホルモンの異常など)や薬の副作用で起こるのが二次性糖尿病です。原因の病気の治療を優先しましょう。
妊娠中に血糖値が上がる妊娠糖尿病もあります。出産後に血糖値は正常に戻ることもありますが、将来2型糖尿病になるリスクが高まるといわれています。
参考元
初期症状と紛らわしい病気との見分け方
「喉が渇く」「尿が多い」といった症状は、糖尿病だけに起こるわけではありません。
脱水・甲状腺機能亢進症・尿崩症・前立腺肥大などとの違い
脱水なら喉の渇きは水を飲めば改善しますが、糖尿病では続きます。甲状腺機能亢進症では喉が渇いたり、体重が減ったりしますが、動悸や手の震えが伴うことが一般的です。
尿崩症は極端な多尿がありつつも血糖は正常です。前立腺肥大では尿が出にくい・残尿感があるなど、排尿のトラブルが主になります。
参考元
『排尿回数の増加 – 05. 腎臓と尿路の病気 – MSDマニュアル家庭版』
季節や生活習慣による口渇・多尿との違い
夏の暑い時期や、スポーツなどで汗をかいたあとにのどが渇くのは自然です。また、カフェインやアルコールの摂りすぎも、一時的に尿の量が増えることがあります。糖尿病による初期症状を疑うポイントは、はっきりした原因がないのに、「のどの渇き」や「尿の多さ」が持続することです。
参考元
糖尿病で注意すべきポイント
糖尿病のサインを正しくキャッチするために、そもそも「血糖が高い」とはどういうことなのか、なぜ初期症状に気づきにくいのか、その基本を理解しておきましょう。
「血糖が高い」とはどういう状態か
血液の中に糖があふれ、エネルギーとして使われずに残っている状態です。血液が「濃いジュース」のようになっているイメージしてください。
参考元
初期症状が気づきにくい理由
2型糖尿病の場合、血糖値は「正常より少し高め」という状態から、何年もかけてゆっくりと上昇していきます。体は、その「少し高め」の状態に徐々に慣れてしまうため、糖尿病のサインとは気づきにくいのです。
参考元
『糖尿病をわかりやすく解説!種類や原因、症状を知ろう|北海道科学大学』
「初期で見つける」ことの意味とメリット
早く見つけて治療を始めることで、合併症(失明、腎不全、心筋梗塞など)を防げる可能性が高くなります。糖尿病の怖さは合併症にある、と言われるほどなので大きなメリットです。また、通院や薬が必要になっても、軽いうちのほうが選択肢が広く、費用面・生活のしやすさでもメリットがあります。
参考元
風邪やストレスと勘違いしやすい症状
「だるさ」「眠気」「集中力の低下」といった症状は、誰もが経験するものです。風邪のひきはじめや、テスト勉強での寝不足、部活動での疲れ、人間関係のストレスなどでも起こります。これが何日も続いたり、のどの渇きや体重減少などが重なる場合は、糖尿病の可能性も視野に入れましょう。
参考元
初期症状が出やすいタイミング
普段は症状がなくても、特定のタイミングで血糖値が上がりやすくなり、症状が出ることがあります。例えば、クリスマスやお正月などで暴飲暴食が続いた後、急激に体重が増加した時、あるいは強いストレスがかかった時などです。
参考元
いつ受診すべき?受診の目安
どのタイミングで病院に行くべきか。受診の目安と、病院で何を伝えればよいかを知っておきましょう。
すぐ受診が必要な危険サイン
・強いのどの渇き
・急激に(数日で数kg)痩せた
・意識がぼんやりする
・極端なだるさで動けない
・息苦しい、息が荒い(甘酸っぱい匂いがする)
これらは「糖尿病ケトアシドーシス」や「高血糖高浸透圧症候群」といった、命に関わる急性合併症の可能性があります。迷わず、すぐに内科(可能なら救急外来)を受診してください。
参考元
1〜2週間続く多飲・多尿・体重減少
そこまで激しくはなくても、「のどの渇き」「水分の多飲」「尿の回数・量の増加」「食べているのに体重が減る」「だるさが続く」といった症状が、一時的ではなく1〜2週間以上続いている場合は、早めに内科を受診しましょう。
参考元
傷や口内炎が治りにくい・感染が長引く
「治りにくさ」も、免疫力が低下しているサインかもしれません。他の症状と合わせて、医師に相談してみましょう。
参考元
家族歴・肥満・妊娠中などハイリスクの方
・家族(親や兄弟姉妹)に糖尿病の人がいる
・肥満気味である
・健康診断で「血糖値が高め」「境界型」と指摘されたことがある
・妊娠中の女性(妊娠糖尿病のリスク)
これらに当てはまる方は、糖尿病になりやすい「ハイリスク群」と言えます。はっきりした症状がなくても定期的に検査を受けましょう。
参考元
受診先の選び方と伝えるべき情報は
まずは、お近くの内科や、かかりつけのクリニックで構いません。もし専門の科を選ぶなら、「糖尿病内科」や「内分泌・代謝内科」がベストです。
「いつから」
「どんな症状が」
「健康診断の結果(もしあれば持参)」
「家族に糖尿病の人がいるか」
「現在飲んでいる薬やサプリメント」
などを、メモにまとめておくとスムーズに伝わります。
参考元
検査の流れ|初期症状があるときの主な検査
主に血液検査や尿検査を行います。
空腹時血糖・随時血糖・HbA1c
基本となるのが血液検査です。
「空腹時血糖」は、朝食を食べる前(通常10時間以上絶食)の血糖値を測ります。
「随時血糖」は、食事の時間とは関係なく、受診した時点での血糖値を測るものです。
「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」は、過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均点を反映した数値になります。直前の食事などに左右されないため、普段の血糖コントロール状態を知るのに有用な検査です。
参考元
75gブドウ糖負荷試験(OGTT)
空腹の状態で採血し、次にブドウ糖75g(サイダーのような甘い検査用の液体)を飲みます。その後、30分後、1時間後、2時間後などに再び採血し、血糖値がどのように変動するか(糖を処理する能力がどれくらいあるか)を詳しく調べます。
参考元
尿糖・尿ケトン体
「尿糖」は、血糖値が一定以上高くなると、尿に糖が漏れ出してくるため、これをチェックします。ただし、これだけで診断はできません。
「尿ケトン体」は、体がエネルギー不足になり、脂肪を急激に分解した時に発生する物質です。陽性だと、インスリンが極端に不足している状態が疑われます。
参考元
放置するとどうなる?初期症状の先にあるリスク
糖尿病を放置すると、深刻な合併症に進む可能性があります。
慢性合併症(目・腎臓・神経・血管)への進行
高血糖が長く続くと、特に細い血管がダメージを受けます。これを「慢性合併症」と呼び、代表的なものに三大合併症があります。
糖尿病網膜症(目):目の奥にある網膜の血管が傷つき、視力低下や、最悪の場合は失明につながります。
糖尿病腎症(腎臓):腎臓のフィルター機能が壊れ、老廃物をろ過できなくなると、最終的には人工透析が必要になります。
糖尿病神経障害(神経):手足のしびれや痛みから始まり、感覚が鈍くなります。足の怪我や火傷に気づかず、壊疽を起こして足を切断しなければならなくなるケースもあります。
また、太い血管(動脈)の動脈硬化も進みやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞といった、命に直結する病気のリスクも高まります。
参考元
急性合併症(ケトアシドーシス・高血糖高浸透圧症候群)
血糖値が極端に高くなりすぎると、数時間から数日の単位で急激に体調が悪化する「急性合併症」を起こすことがあります。命に関わることがあり、吐き気や腹痛、深い速い呼吸、強い口渇は赤信号です。
参考元
就労・妊娠・歯周病など日常生活への影響
仕事中に血糖値が乱れると集中力が落ちたり、低血糖で体調を崩すことがあります。インスリン注射や血糖測定が必要な場合、勤務中に時間や場所の配慮が必要になるかもしれません。
また、妊娠を考えている女性や妊娠中の女性が血糖コントロールが悪いと、お母さん自身にも、お腹の赤ちゃんにも様々なリスクが生じます。歯周病と糖尿病は互いに悪化させ合うため、口の中の健康も損なわれやすくなります。
参考元
よくある質問(FAQ):糖尿病 初期症状の疑問に答えます
糖尿病の初期症状は分かりづらく、不安や疑問を感じるかもしれません。ここでは、よくある質問にわかりやすくお答えします。
「痩せていても糖尿病になりますか?」
1型糖尿病は、体型に関係なく発症します。また2型糖尿病でも、遺伝的にインスリンを出す力が弱い体質の方は、それほど太っていなくても発症することがあります。体型に関係なく、「のどの渇き」や「多尿」などの症状があれば注意が必要です。
参考元『産業医科大学 内分泌代謝学講座 資料(糖尿病概説)』
「甘いものを控えているのに喉が渇くのはなぜ?」
糖尿病による喉の渇き(口渇)は、「甘いものを食べたから」ではなく、「血糖値が高い」と起こります。主食として食べる、ご飯、パン、麺類、イモ類などに含まれる「炭水化物」も、体内で消化されるとブドウ糖に変わります。
参考元『糖尿病とは | 糖尿病情報センター』
「健診でHbA1cが6%台。これは初期症状のサイン?」
HbA1cが6.0%〜6.4%の範囲は、「糖尿病予備群(境界型)」が疑われるゾーンとされています。(※診断基準は医療機関で異なります)明確な症状がなくても、将来糖尿病になるリスクが高い状態です。放置せず、生活習慣の見直しや定期的な検査で進行を防ぎましょう。
参考元
「子どもや若年者にも初期症状は出ますか?」
1型糖尿病は、子どもや10代、20代といった若年層での発症が多いです。また、最近では食生活の欧米化や運動不足により、若年層で発症する2型糖尿病も増えています。「子どもだから糖尿病にはならない」とは限らないことを覚えておいてください。
参考元
初期症状に気づいた今が、いちばんの予防と治療のスタート
「自分にも当てはまるかも」と不安になったとしても、落ち込む必要は全くありません。気づいた「今」が、将来の健康を守るための、最良のスタートラインです。
今日からできる生活習慣
まずは、できることから始めてみましょう。
・毎日飲んでいる甘いジュースやカフェラテを、水やお茶に変えてみる。
・食事の時は、ご飯からかき込むのではなく、野菜やキノコ類から先に食べる。
・早食いをやめて、一口30回、よく噛んで味わって食べる。
・通学の時に、エスカレーターではなく階段を使ってみる。
小さな積み重ねが、血糖値の安定につながります。
自己判断せず、まずは受診
最も大切なのは「自己判断しないこと」です。「たぶん大丈夫だろう」「忙しいから」と先延ばしにしてしまうかもしれません。症状が続いたり、不安が消えなかったりする場合は、必ず医療機関を受診してください。
血液検査をすれば、今の状態がはっきりわかります。初期のうちに見つかれば、食事や生活の見直しだけで済むこともあります。迷う時間を減らし、まずは一度医師に相談してみましょう。
参考元
オンライン診療を活用する方法もある
忙しくてなかなか病院に行けないという方もいるかもしれません。糖尿病などの慢性疾患は、定期的に受診して継続的に管理していくことが重要です。通院のハードルを下げる手段として、オンラインを上手に活用することで、治療の継続もしやすくなります。
たとえば、アプリで医師の診察が受けられるオンライン診療サービス「SOKUYAKU」もおすすめです。「これって初期症状かも?」と一人で悩まず、まずは専門家につながる一歩を踏み出してみませんか。
「最近、やたら喉が渇く」「トイレの回数が増えた気がする」そんな変化、見逃していませんか?糖尿病は、血液中の糖(ブドウ糖)が異常に多くなる病気です。
初期にはほとんど症状がないことが多いため、気づいた時には合併症が始まっていた…ということがあります。しかし、体から出される小さなサインに気付ければ、早期の予防と治療につなげられるかもしれません。
この記事では、糖尿病の初期症状の見つけ方、そして「おかしいな」と思ったらどう行動すべきか、受診のタイミングについてわかりやすく解説します。
こんなサインは要注意|糖尿病の初期症状チェック
糖尿病の初期症状は、少しずつ現れることが多く、風邪や疲れと勘違いしてしまうかもしれません。
のどの渇きと水分摂取の増加
血糖値が高い状態では、体は余分な糖を尿として排出しようとします。血糖値が高くなると血液が濃くなり、それを薄めようとして脳が「水分を摂れ」と指令を出すためです。この時に、水やお茶ではなく、ジュースやスポーツドリンクなど甘い飲み物ばかり飲んでしまうと更に血糖が上がってしまいます。
参考元
尿の回数・量の増加(夜間尿を含む)
水分を多く摂るようになると、当然、尿の回数や量も増えます。それだけでなく、血糖値が一定以上高くなると、腎臓がブドウ糖を処理しきれず、尿の中に糖が漏れ出します。「尿糖」は、排出されるときに水分も一緒に連れて行ってしまうため、さらに尿量が増える原因です。
参考元
食べているのに体重が落ちる
インスリンがうまく働かないと、糖をエネルギーとして使えず、筋肉や脂肪を分解して補います。結果として食欲はあるのに体重が落ちることがあります。
参考元
だるさ・眠気・集中力の低下
体に必要なブドウ糖がエネルギーとして使われないため、体全体が「ガス欠」のような状態になります。そのため、十分休んでも取れない全身のだるさ(倦怠感)や、強い眠気、集中力の低下といった症状が現れやすくなります。
参考元
かすみ目・見えにくさ
血糖値が急激に変動すると、目のレンズ(水晶体)の水分量も変化し、ピントが合いにくくなることがあります。一時的に「目がかゆい」「視界がぼやける」といった症状が出ることがあります。
参考元
傷や感染が治りにくい・皮膚のかゆみ
高血糖の状態が続くと、免疫細胞の働きが鈍くなり、細菌やウイルスへの抵抗力が落ちてしまいます。また、皮膚が乾燥しやすくなり、かゆみが出たり、感染症にかかりやすくなったりすることもあります。
参考元
手足のしびれ・チクチク感
口の渇きや口腔トラブル(歯周病・口内炎の悪化)
糖尿病の種類と「初期症状」の違い
糖尿病と言っても、いくつかのタイプがあり、原因や症状の出方も異なります。
1型:急に強い症状が出やすいタイプ
インスリンというホルモンが絶対的に不足することで、急に血糖値が上がります。子どもや若い方でも発症し、「のどの渇き」「多飲」「多尿」「急激な体重減少」といった症状が、数週間から数ヶ月といった比較的短い期間で出ることが特徴です。
2型:静かに進む“気づきにくい”タイプ
インスリンが出にくくなったり(分泌不全)、インスリンが効きにくくなったり(抵抗性)することが重なり、血糖値が上がります。日本人の糖尿病のほとんどがこのタイプです。血糖値の上昇が非常にゆっくりと進むため、初期段階ではほとんど自覚症状がありません。健康診断などで偶然見つかるケースが多いのが特徴です。2型が全糖尿病の約90〜95%を占めると報告されています。
参考元
二次性・妊娠糖尿病:背景の病気や妊娠が関わるタイプ
ほかの病気(膵臓・肝臓の病気、ホルモンの異常など)や薬の副作用で起こるのが二次性糖尿病です。原因の病気の治療を優先しましょう。
妊娠中に血糖値が上がる妊娠糖尿病もあります。出産後に血糖値は正常に戻ることもありますが、将来2型糖尿病になるリスクが高まるといわれています。
参考元
初期症状と紛らわしい病気との見分け方
「喉が渇く」「尿が多い」といった症状は、糖尿病だけに起こるわけではありません。
脱水・甲状腺機能亢進症・尿崩症・前立腺肥大などとの違い
脱水なら喉の渇きは水を飲めば改善しますが、糖尿病では続きます。甲状腺機能亢進症では喉が渇いたり、体重が減ったりしますが、動悸や手の震えが伴うことが一般的です。
尿崩症は極端な多尿がありつつも血糖は正常です。前立腺肥大では尿が出にくい・残尿感があるなど、排尿のトラブルが主になります。
参考元
季節や生活習慣による口渇・多尿との違い
夏の暑い時期や、スポーツなどで汗をかいたあとにのどが渇くのは自然です。また、カフェインやアルコールの摂りすぎも、一時的に尿の量が増えることがあります。糖尿病による初期症状を疑うポイントは、はっきりした原因がないのに、「のどの渇き」や「尿の多さ」が持続することです。
参考元
糖尿病で注意すべきポイント
糖尿病のサインを正しくキャッチするために、そもそも「血糖が高い」とはどういうことなのか、なぜ初期症状に気づきにくいのか、その基本を理解しておきましょう。
「血糖が高い」とはどういう状態か
血液の中に糖があふれ、エネルギーとして使われずに残っている状態です。血液が「濃いジュース」のようになっているイメージしてください。
参考元
初期症状が気づきにくい理由
2型糖尿病の場合、血糖値は「正常より少し高め」という状態から、何年もかけてゆっくりと上昇していきます。体は、その「少し高め」の状態に徐々に慣れてしまうため、糖尿病のサインとは気づきにくいのです。
参考元
「初期で見つける」ことの意味とメリット
早く見つけて治療を始めることで、合併症(失明、腎不全、心筋梗塞など)を防げる可能性が高くなります。糖尿病の怖さは合併症にある、と言われるほどなので大きなメリットです。また、通院や薬が必要になっても、軽いうちのほうが選択肢が広く、費用面・生活のしやすさでもメリットがあります。
参考元
風邪やストレスと勘違いしやすい症状
「だるさ」「眠気」「集中力の低下」といった症状は、誰もが経験するものです。風邪のひきはじめや、テスト勉強での寝不足、部活動での疲れ、人間関係のストレスなどでも起こります。これが何日も続いたり、のどの渇きや体重減少などが重なる場合は、糖尿病の可能性も視野に入れましょう。
参考元
初期症状が出やすいタイミング
普段は症状がなくても、特定のタイミングで血糖値が上がりやすくなり、症状が出ることがあります。例えば、クリスマスやお正月などで暴飲暴食が続いた後、急激に体重が増加した時、あるいは強いストレスがかかった時などです。
参考元
いつ受診すべき?受診の目安
どのタイミングで病院に行くべきか。受診の目安と、病院で何を伝えればよいかを知っておきましょう。
すぐ受診が必要な危険サイン
・強いのどの渇き
・急激に(数日で数kg)痩せた
・意識がぼんやりする
・極端なだるさで動けない
・息苦しい、息が荒い(甘酸っぱい匂いがする)
これらは「糖尿病ケトアシドーシス」や「高血糖高浸透圧症候群」といった、命に関わる急性合併症の可能性があります。迷わず、すぐに内科(可能なら救急外来)を受診してください。
参考元
1〜2週間続く多飲・多尿・体重減少
そこまで激しくはなくても、「のどの渇き」「水分の多飲」「尿の回数・量の増加」「食べているのに体重が減る」「だるさが続く」といった症状が、一時的ではなく1〜2週間以上続いている場合は、早めに内科を受診しましょう。
参考元
傷や口内炎が治りにくい・感染が長引く
家族歴・肥満・妊娠中などハイリスクの方
・家族(親や兄弟姉妹)に糖尿病の人がいる
・肥満気味である
・健康診断で「血糖値が高め」「境界型」と指摘されたことがある
・妊娠中の女性(妊娠糖尿病のリスク)
これらに当てはまる方は、糖尿病になりやすい「ハイリスク群」と言えます。はっきりした症状がなくても定期的に検査を受けましょう。
参考元
受診先の選び方と伝えるべき情報は
まずは、お近くの内科や、かかりつけのクリニックで構いません。もし専門の科を選ぶなら、「糖尿病内科」や「内分泌・代謝内科」がベストです。
「いつから」
「どんな症状が」
「健康診断の結果(もしあれば持参)」
「家族に糖尿病の人がいるか」
「現在飲んでいる薬やサプリメント」
などを、メモにまとめておくとスムーズに伝わります。
参考元
検査の流れ|初期症状があるときの主な検査
主に血液検査や尿検査を行います。
空腹時血糖・随時血糖・HbA1c
基本となるのが血液検査です。
「空腹時血糖」は、朝食を食べる前(通常10時間以上絶食)の血糖値を測ります。
「随時血糖」は、食事の時間とは関係なく、受診した時点での血糖値を測るものです。
「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」は、過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均点を反映した数値になります。直前の食事などに左右されないため、普段の血糖コントロール状態を知るのに有用な検査です。
参考元
75gブドウ糖負荷試験(OGTT)
空腹の状態で採血し、次にブドウ糖75g(サイダーのような甘い検査用の液体)を飲みます。その後、30分後、1時間後、2時間後などに再び採血し、血糖値がどのように変動するか(糖を処理する能力がどれくらいあるか)を詳しく調べます。
参考元
尿糖・尿ケトン体
「尿糖」は、血糖値が一定以上高くなると、尿に糖が漏れ出してくるため、これをチェックします。ただし、これだけで診断はできません。
「尿ケトン体」は、体がエネルギー不足になり、脂肪を急激に分解した時に発生する物質です。陽性だと、インスリンが極端に不足している状態が疑われます。
参考元
放置するとどうなる?初期症状の先にあるリスク
糖尿病を放置すると、深刻な合併症に進む可能性があります。
慢性合併症(目・腎臓・神経・血管)への進行
高血糖が長く続くと、特に細い血管がダメージを受けます。これを「慢性合併症」と呼び、代表的なものに三大合併症があります。
糖尿病網膜症(目):目の奥にある網膜の血管が傷つき、視力低下や、最悪の場合は失明につながります。
糖尿病腎症(腎臓):腎臓のフィルター機能が壊れ、老廃物をろ過できなくなると、最終的には人工透析が必要になります。
糖尿病神経障害(神経):手足のしびれや痛みから始まり、感覚が鈍くなります。足の怪我や火傷に気づかず、壊疽を起こして足を切断しなければならなくなるケースもあります。
また、太い血管(動脈)の動脈硬化も進みやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞といった、命に直結する病気のリスクも高まります。
参考元
急性合併症(ケトアシドーシス・高血糖高浸透圧症候群)
血糖値が極端に高くなりすぎると、数時間から数日の単位で急激に体調が悪化する「急性合併症」を起こすことがあります。命に関わることがあり、吐き気や腹痛、深い速い呼吸、強い口渇は赤信号です。
参考元
就労・妊娠・歯周病など日常生活への影響
仕事中に血糖値が乱れると集中力が落ちたり、低血糖で体調を崩すことがあります。インスリン注射や血糖測定が必要な場合、勤務中に時間や場所の配慮が必要になるかもしれません。
また、妊娠を考えている女性や妊娠中の女性が血糖コントロールが悪いと、お母さん自身にも、お腹の赤ちゃんにも様々なリスクが生じます。歯周病と糖尿病は互いに悪化させ合うため、口の中の健康も損なわれやすくなります。
参考元
よくある質問(FAQ):糖尿病 初期症状の疑問に答えます
糖尿病の初期症状は分かりづらく、不安や疑問を感じるかもしれません。ここでは、よくある質問にわかりやすくお答えします。
「痩せていても糖尿病になりますか?」
1型糖尿病は、体型に関係なく発症します。また2型糖尿病でも、遺伝的にインスリンを出す力が弱い体質の方は、それほど太っていなくても発症することがあります。体型に関係なく、「のどの渇き」や「多尿」などの症状があれば注意が必要です。
「甘いものを控えているのに喉が渇くのはなぜ?」
糖尿病による喉の渇き(口渇)は、「甘いものを食べたから」ではなく、「血糖値が高い」と起こります。主食として食べる、ご飯、パン、麺類、イモ類などに含まれる「炭水化物」も、体内で消化されるとブドウ糖に変わります。
参考元『糖尿病とは | 糖尿病情報センター』
「健診でHbA1cが6%台。これは初期症状のサイン?」
HbA1cが6.0%〜6.4%の範囲は、「糖尿病予備群(境界型)」が疑われるゾーンとされています。(※診断基準は医療機関で異なります)明確な症状がなくても、将来糖尿病になるリスクが高い状態です。放置せず、生活習慣の見直しや定期的な検査で進行を防ぎましょう。
参考元
「子どもや若年者にも初期症状は出ますか?」
1型糖尿病は、子どもや10代、20代といった若年層での発症が多いです。また、最近では食生活の欧米化や運動不足により、若年層で発症する2型糖尿病も増えています。「子どもだから糖尿病にはならない」とは限らないことを覚えておいてください。
参考元
初期症状に気づいた今が、いちばんの予防と治療のスタート
「自分にも当てはまるかも」と不安になったとしても、落ち込む必要は全くありません。気づいた「今」が、将来の健康を守るための、最良のスタートラインです。
今日からできる生活習慣
まずは、できることから始めてみましょう。
・毎日飲んでいる甘いジュースやカフェラテを、水やお茶に変えてみる。
・食事の時は、ご飯からかき込むのではなく、野菜やキノコ類から先に食べる。
・早食いをやめて、一口30回、よく噛んで味わって食べる。
・通学の時に、エスカレーターではなく階段を使ってみる。
小さな積み重ねが、血糖値の安定につながります。
自己判断せず、まずは受診
最も大切なのは「自己判断しないこと」です。「たぶん大丈夫だろう」「忙しいから」と先延ばしにしてしまうかもしれません。症状が続いたり、不安が消えなかったりする場合は、必ず医療機関を受診してください。
血液検査をすれば、今の状態がはっきりわかります。初期のうちに見つかれば、食事や生活の見直しだけで済むこともあります。迷う時間を減らし、まずは一度医師に相談してみましょう。
参考元
オンライン診療を活用する方法もある
忙しくてなかなか病院に行けないという方もいるかもしれません。糖尿病などの慢性疾患は、定期的に受診して継続的に管理していくことが重要です。通院のハードルを下げる手段として、オンラインを上手に活用することで、治療の継続もしやすくなります。
たとえば、アプリで医師の診察が受けられるオンライン診療サービス「SOKUYAKU」もおすすめです。「これって初期症状かも?」と一人で悩まず、まずは専門家につながる一歩を踏み出してみませんか。
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当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.
当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
2.
当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
3.
当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
4.
前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。

専門領域分類:内分泌代謝科, 総合内科, 糖尿病内科, 産業医, 疫学, 救急科
経歴:琉球大学医学部医学科卒業 / 琉球大学病院勤務 / 専門は内分泌代謝・糖尿病内科、総合内科







