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花粉症のおくすりの紹介 ~自分に合ったお薬を服用しましょう~

監修医師 郷 正憲
更新日:2024年05月31日

更新日:2024年05月31日

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花粉症の季節が到来すると、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど不快な症状に悩まされる方も多いのではないでしょうか。そうならないためには、花粉が舞い始める前、1月の終わりごろから予防策を講じることが重要です。

適切な治療薬を選び、早期に対応することで、花粉症の影響を最小限に抑えられます。そのためには、自分に合ったお薬を見つけることが重要です。ただし、市販薬から処方薬まで、薬にはさまざまな種類があるため、どれを選べば良いのか迷ってしまうかもしれません。

この記事では、花粉症に効果的なお薬の種類や選び方、服用時の注意点についてご紹介します。薬にはそれぞれ特徴があり、自分の症状やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。早めの準備と正しい知識が、花粉症と上手に付き合うカギとなります。

花粉症のおくすりの紹介 ~自分に合ったお薬を服用しましょう~

花粉症の薬とは

花粉症の治療薬には、主に第2世代抗ヒスタミン剤からなる内服薬と、点鼻薬(鼻スプレー)と点眼薬(目薬)による外用薬があります。一人ひとりの症状や健康状態、ライフスタイル(車の運転などの有無、受験など)に合わせて、相談しながら服用する薬を決めましょう。

花粉症で使う主な内服薬

花粉症で使う主な内服薬には抗アレルギー薬、ステロイド薬、漢方薬など多数あります。

第2世代抗ヒスタミン薬

花粉症の治療には、抗ヒスタミン薬がよく用いられます。私たちの体には、ヒスタミンという名前の化学物質が自然に存在しています。活性化されたヒスタミンが多くなりすぎると、体はアレルギー反応を起こし、目のかゆみや鼻水、皮膚の乾燥やかゆみなど、不快な症状として現れることがあります。

 

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンが体に及ぼす影響を抑えることで、アレルギーの症状を和らげる助けとなる薬です。第一世代と第二世代の2つのタイプがあり、第二世代は副作用が少なく、効果が持続しアレルギー反応の治療効果も優れています。

 

第二世代抗ヒスタミン薬には、アレジオン、エバステル、ジルテック、タリオン、アレグラ、アレロック、クラリチン、ザイザル、ディレグラ、デザレックス、ビラノアなどがあります。

第1世代抗ヒスタミン薬

第一世代は脳への影響が大きく、副作用として強い眠気や認知機能の低下が報告されています。ポララミン、アダラックス、レスタミンなどが第一世代ヒスタミン薬です。

抗ロイコトリエン拮抗薬など

アレルギーによって過剰に産生されるロイコトリエンという物質の作用を抑制することで、アレルギー症状を軽減する効果があります。ロイコトリエンは、体内で炎症反応やアレルギー反応に関与しており、特に気道の粘膜を腫れさせて鼻づまりや喘息の症状を引き起こすことがあります。抗ロイコトリエン拮抗薬は、これらの症状を和らげるために用いられる薬です。

経口ステロイド薬

ステロイド薬は、炎症を抑えたり免疫を抑制したりする薬になります。経口ステロイド薬は、鼻づまりに対して高い効果が期待できるステロイドの内服薬です。その一方で、血圧上昇、むくみ、骨粗鬆症など副作用に注意しないといけません。

 

経口ステロイド薬は、主に花粉症が重症な場合の治療に使用されています。

漢方薬

漢方薬は、アレルギー性鼻炎や花粉症などの症状に対して効果が期待できる自然由来の薬になります。これらの薬は、副作用が少なく優しい効果が特徴です。そのため、妊娠中や授乳中の方、副作用を避けたい方にも安心して使用できます。

 

ただし、効果には個人差があることと、継続して服用することに注意してください。そのためには、定期的な通院が必要です。

花粉症で使う主な点鼻薬の一覧

花粉症の治療には、主にステロイド点鼻薬が使用されます。一方、市販の点鼻薬の多くは血管収縮点鼻薬です。

 

市販されている点鼻薬の多くは、血管を収縮させる成分を含んでいる場合、使用するとすぐに効果を感じられます。しかし、鼻の血管にダメージを与える可能性があるため、長期間の使用は避けましょう。短期間であれば問題ありませんが、長く使い続けると鼻の健康を害する恐れがあります。

 

ステロイドを含む点鼻薬は、すぐに効果が出るわけではありません。使い始めてから効果を感じるまでには、通常3日から5日かかります。効果がすぐに感じられないからといって、すぐに使用をやめないようにしましょう。継続して使用することで、じわじわと効果が現れ、アレルギー性鼻炎などの症状を和らげてくれます。

鼻噴霧用ステロイド薬

鼻噴霧用ステロイド薬は、アレルギー性鼻炎の症状であるくしゃみや鼻水、鼻詰まりを緩和するために用いられる薬剤です。鼻の内部に直接作用するため、全身に影響を及ぼす副作用は非常に少ないとされています。花粉症治療では、軽度から重度の症状に対して幅広く処方されます。

第2世代抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬

市販されている点鼻薬は、この成分が使用されていることが一般的です。アレルギーが起こると、身体はヒスタミンを含むいくつかの化学物質を放出しアレルギーの症状を引き起こします。

 

抗ヒスタミン薬はアレルギーの「消火器」のようなもので、すでに発生した火事(ヒスタミンの放出)を抑える役割を果たします。一方、ケミカルメディエーター遊離抑制薬は、火事が起こる前に、火をつけるマッチ(化学物質の放出)を取り除くことで予防する薬です。

花粉症で使う目薬の一覧

花粉症による目のかゆみや充血を和らげるために、よく使われる薬には「第2世代抗ヒスタミン薬」という種類があります。また、ステロイドを含む点眼薬も効果的ですが、副作用に注意しないといけません。

第2世代抗ヒスタミン薬

花粉症の症状を和らげるために、アレルギー反応を引き起こす物質であるヒスタミンの働きをブロックし、目のかゆみや赤みを軽減する効果があります。

ケミカルメディエーター遊離抑制薬

アレルギー反応が始まる前に使うと効果的です。ただし、花粉症の場合では、症状が現れた後から使用した場合でも効果が期待できます。

ステロイド点眼液

ステロイドは、体内で起こる炎症反応を抑える強い力を持っている薬剤です。アレルギーや炎症の原因となる化学物質の働きを減らすことで、症状を和らげる効果があります。急激な症状の改善が必要な場合に、使用されることが一般的です。

花粉症の対策を始めるタイミング

花粉症対策を、症状が出る前、症状が出てから、改善がみられない場合のタイミングに分けて紹介します。

花粉症の症状が出る前の対策

花粉症のシーズンが近づく前に対策を立てることは、症状を軽減する対策の一つです。なぜなら、花粉が大量に飛び始める前にも、微量の花粉が既に空中に存在していることがあるからです。この微量の花粉によって、鼻の粘膜が徐々に刺激されると炎症を起こしやすい状態になります。この状態で、花粉の本格的な飛散が始まった場合、アレルギー症状が強く出るかもしれません。

 

そのため、花粉が多く飛び始める直前からアレルギー用の薬を服用することがおすすめです。これを初期治療と呼びます。

 

初期治療により、症状の発現を遅らせたり、ピーク時の症状を和らげたりする効果が期待できます。薬をいつ服用するかは、花粉カレンダーを参照し、予測される花粉飛散日を基準に決めると良いでしょう。

花粉症の症状が出てからの対策

花粉症に対する治療法は多様で、最近では多くの薬が薬局で手軽に購入できるようになりました。しかし、症状がひどい時だけ市販の薬を使うという一時的な対処法は、長期的に見ると症状を悪化させる恐れがあります。このため、専門医の診察を受け、適切な薬を処方してもらうことが大切です。

花粉症の症状改善がみられない場合

花粉症の症状が辛くて日々の生活や仕事、勉強に支障をきたすようであれば、早めに医者の診察を受けましょう。

 

風邪と花粉症は似ているようで異なります。風邪を引くと最初は透明な鼻水が出ますが、時間が経つにつれて粘り気が出たり、色が黄色く変わることがあります。花粉症の場合は、鼻水は透明でサラサラしており熱は出ません。

 

この違いを知っておくと、自分の症状が風邪なのか花粉症なのかを見極めやすくなります。

自分に合うお薬が分からない場合は、医師に相談を

市販の薬を試しても症状が改善しない場合や、花粉症ではなく風邪の可能性がある場合は、医師の診察を受けましょう。市販薬は種類が多く選ぶのが難しいかもしれません。そんな場合でも、医師なら症状に合わせた最適な薬を選んでくれます。

 

妊娠中や授乳中の方は、特に注意してください。薬が母体や赤ちゃんに影響を与えないよう、医師のアドバイスを仰ぐことが大切です。

 

忙しくて病院に行く時間が取れない方は、オンライン診療が便利です。自宅やオフィスからでも予約や診察ができるので、時間を有効に使えます。医師のアドバイスが必要な場合は、ぜひオンライン診療を検討してみてください。

まとめ

花粉症の対策として市販薬を利用するのは一つの方法です。市販薬には、処方薬と同じ成分が含まれているものも多く、適切に選べば症状を和らげることが期待できます。市販薬にはさまざまな種類があるため、自分の症状に合ったものを選びましょう。

 

どの薬を選べば良いかわからない、または処方薬を希望する場合は、医師の診察が必要です。ただし、忙しい場合は、病院に行く時間を取るのは難しいかもしれません。

 

SOKUYAKUでは、オンラインで花粉症の治療を受けられます。自宅からでも、インターネットを利用して医師の診察を受けられることがメリットです。

ぜひ活用してください。

コメント 花粉症の薬は一昔前は眠くなるのが当然の飲み薬、といった印象でした。
しかし近年は抗ヒスタミン薬も第二世代になり、また抗ヒスタミン薬以外の花粉症の薬も多く開発されることによって眠くなりにくく治療をすることが可能になってきています。
また市販の薬も充実してきました。処方薬でなければ手に入れることができなかったような薬も市販されるようになっています。
用法用量も多岐にわたるため選ぶことに悩まれるかもしれませんが、いろいろ試して自分に合った薬を探してみてください。

監修医コメント

医師
郷 正憲

花粉症の薬は一昔前は眠くなるのが当然の飲み薬、といった印象でした。
しかし近年は抗ヒスタミン薬も第二世代になり、また抗ヒスタミン薬以外の花粉症の薬も多く開発されることによって眠くなりにくく治療をすることが可能になってきています。
また市販の薬も充実してきました。処方薬でなければ手に入れることができなかったような薬も市販されるようになっています。
用法用量も多岐にわたるため選ぶことに悩まれるかもしれませんが、いろいろ試して自分に合った薬を探してみてください。

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監修医師 郷 正憲
徳島赤十字病院 専門領域は、麻酔科(ペインクリニック), 感染症科 経歴:2011年3月香川大学医学部医学科卒。同年4月より徳島赤十字病院で初期臨床研修、2013年4月からは徳島赤十字病院麻酔科に所属。 保有資格に日本救急医学会ICLSコース認定ディレクター、日本麻酔科学会認定医・専門医 著書として、看護師と研修医のための全身管理の本 保有免許・資格は、日本麻酔科学会専門医、ICLSコースディレクター、JB-POT
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