糖尿病は誰にでも起こる?知らないうちに進む“静かな病気”
糖尿病とはどんな病気?血糖とインスリンの関係
糖尿病とは、体を動かすエネルギー源であるブドウ糖(血糖)が、血液中にあふれてしまう病気です。
食事でとった糖質は消化吸収されて血糖となり、体のエネルギー源になります。このとき、血液中のブドウ糖を細胞の中に取り込むための「鍵」として働くのが、すい臓から分泌される内分泌ホルモン「インスリン」です。
インスリンはすい臓のβ細胞から分泌され、血糖値が上がるとそれを下げるように働きます。しかし糖尿病になると、このインスリンが十分に分泌されなかったり、出ていても体がうまく反応しなくなります。その結果、血糖値が高い状態が続いてしまうのです。
参考元
なぜ糖尿病になるのか?
糖尿病は生活習慣だけが原因ではありません。インスリンの分泌や働きの問題、体質や遺伝の影響など、さまざまな要因が関わって発症します。
インスリンが足りない場合と効きにくい場合
すい臓が疲弊してインスリンを作る力が弱まると、血糖値を下げるために必要な量のインスリンを分泌できなくなります(インスリン分泌低下)。
また、運動不足や肥満などが続くと、インスリンは分泌されていても、細胞がその「鍵」を受け付けにくくなります(インスリン抵抗性)。
糖尿病は「インスリンとのバランスが崩れた状態」と言えるでしょう。
参考元
食べすぎ・運動不足だけじゃない、体質と遺伝の影響
2型糖尿病は「生活習慣病」とも言われますが、実は体質や遺伝の影響も大きく関係しています。「食べすぎや運動不足を反省しろ」と一方的に責められるような病気ではないのです。
家族に糖尿病の人がいる場合、そうでない方に比べて発症リスクが高くなります。また、日本人は欧米人に比べてインスリンの分泌能力がもともと低いため、肥満でなくても糖尿病を発症しやすい傾向があります。
参考元
放置するとどうなる?糖尿病の合併症
高血糖の状態が長く続くと、ドロドロになった血液が全身の血管を傷めつけ、様々な合併症を引き起こします。最初は自覚症状がなくても、ある日突然、視力の低下や腎機能の悪化、神経の異常など、深刻な問題として現れてくることがあります。
参考
目・腎臓・神経を中心に全身へ広がる影響
糖尿病で特に注意すべきなのが「三大合併症」と呼ばれる網膜症・腎症・神経障害です。
(糖尿病網膜症)
網膜症は目の奥の細い血管が傷つき、視力が低下し、重症化すると失明することもあります。
(糖尿病腎症)
腎症が進行すると腎機能が落ちます。腎臓のフィルター機能が壊れると、最終的には人工透析が必要です。
(糖尿病神経障害)
神経障害では手足のしびれや感覚の低下が現れ、傷に気づきにくくなって感染を起こすことがあります。自律神経が障害されると、立ちくらみや胃の不調、排尿の異常など、生活に支障をきたすさまざまな症状が現れます。
参考元『糖尿病の慢性合併症について知っておきましょう|糖尿病情報センター』
動脈硬化や心筋梗塞など命に関わるリスクも
糖尿病は細い血管だけでなく、心臓や脳などの太い血管にも影響を及ぼします。脳梗塞や心筋梗塞といった、命に直結する重大な病気を引き起こすリスクが、糖尿病でない方に比べて数倍高くなってしまいます。
さらに足の血管が細くなると、安静時でも痛みが出現するようになり、最悪の場合は足の組織が死んでしまう“壊疽(えそ)”に至る危険性もあるのです。
参考元
「自覚なし」で進むことが多い糖尿病
糖尿病は「静かに進行する病気」と言われるほど、自覚症状が出にくいのが特徴です。多くの人が、健康診断などで偶然に見つかるまで、自分が糖尿病であることに気づきません。
症状が出にくいのに進行する
血糖値がやや高い状態では、目立った症状がないまま数年〜十数年かけて進行していきます。合併症はある日突然現れるのではなく、長い年月をかけて静かに進行し、症状が出たときにはすでに深刻な状態になっていることが多いのです。
参考元
のどの渇き、体重減少…それは体からのサイン
著しい高血糖が続くと、ようやく体はSOSのサインを出します。異常にのどが渇く、尿の回数や量が増える、食べているのに急にやせてくるといった変化です。さらに重症化すると、意識障害や昏睡(こんすい)に陥る危険もあります。
参考元
糖尿病の主なタイプを知っておこう
糖尿病と一口に言っても、実はその原因や特徴によっていくつかのタイプに分かれます。それぞれのタイプによって治療法や注意すべき点も異なるため、自分の糖尿病がどのタイプかを正しく理解することがとても大切です。
参考元
1型糖尿病:インスリンがほとんど出ないタイプ
型糖尿病は、自身の免疫システムが誤ってすい臓のβ細胞を破壊してしまうことなどで起こります。インスリンの分泌が絶対的に不足するため、生存のために毎日のインスリン注射が欠かせません。生活習慣とは関係なく、子供や若い世代にも突然発症するのが特徴です。
参考元
2型糖尿病:生活習慣や体質が関わるタイプ
糖尿病患者の約9割が2型糖尿病です。遺伝的に糖尿病になりやすい体質に加え、食べ過ぎ、運動不足、肥満、ストレスといった環境要因が重なって発症します。2型糖尿病では、インスリン分泌の低下や、インスリンの効きにくさが複合的に関係しています。
参考元
妊娠糖尿病:妊娠中に血糖が上がるタイプ
妊娠中は胎盤から分泌されるホルモンの影響でインスリンの効きが悪くなりやすく、血糖値が上がることがあります。これを「妊娠糖尿病」と呼び、妊婦さんの約10人に1人が発症すると言われています。妊娠前には糖尿病でなかった人でも起こることがあり、赤ちゃんへの影響もあるため、妊娠中の血糖管理はとても重要です。
多くの場合は出産後に自然と改善しますが、将来的に2型糖尿病に進行する可能性があるため、産後も定期的に検査を受けることがすすめられています。
参考元
病気や薬が原因の糖尿病もある
すい臓の病気や内分泌の異常、または特定の薬(たとえばステロイドなど)が原因で糖尿病になることもあります。これらは「二次性糖尿病」と呼ばれ、原因となっている病気や薬を特定し、それに応じた治療が必要です。
たとえば、副腎や甲状腺などの内分泌系の病気がインスリンの分泌や作用に影響を与えることがあります。糖尿病の診断を受けたときは、こうした背景疾患がないか医師がしっかり調べて判断します。
参考元
検査で早めに見つけよう
糖尿病は初期にはほとんど症状が出ないため、早期発見には検査がとても重要です。
参考元
『【糖尿病】 何より怖い合併症 | 健康サポート | 全国健康保険協会』
空腹時血糖と随時血糖
診断の基準となるのが血糖値です。空腹時に測定した血糖値が126mg/dL以上、あるいは食事の時間に関係なく測定した随時血糖値が200mg/dL以上の場合、糖尿病型と診断されます。ただし、一回の測定だけでは診断はつかないため、繰り返しの検査や他の指標と組み合わせて判断されます。
HbA1c—過去1~2か月の平均を数字で見る
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、過去1〜2か月の平均的な血糖の状態を示す検査値です。これは赤血球中のヘモグロビンとブドウ糖が結びついた割合を示しており、6.5%以上で糖尿病と診断されることが一般的です(※医師の総合判断による)。
この数値は日々の食事や運動、薬の効果を知る手がかりにもなり、治療の目標にもなります。血糖の変動に左右されにくく、生活習慣の改善効果も分かりやすく反映されるため、糖尿病の管理において非常に重要な指標です。
糖尿病の治療は「我慢」ではなく「個別に調整するもの」
糖尿病の治療というと「甘いものを一切食べてはいけない」「好きなことを全部あきらめなければいけない」といったイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし実際には、各自の生活状況に合わせて治療のバランス”を見つけて継続可能な治療を探るることが治療の基本です。
治療の目的は、血糖値を適切にコントロールし、健康な人と変わらない日常生活と寿命を確保することです。
1型はインスリンが治療の柱
1型糖尿病の患者さんにとって、インスリンは命綱です。不足したインスリンを注射やポンプで補うことで、血糖値を安定させます。適切なインスリン補充を行えば、食事や運動の制限も少なく、活発な社会生活を送れます。
参考元
2型は食事・運動・体重管理で血糖をコントロール
2型糖尿病の基本的な治療は、生活習慣の見直しです。特に、糖質・脂質をとりすぎない食事療法と、筋肉を動かして血糖を消費する運動療法が中心となります。
さらに、体重を減らすことでインスリンの効きが改善し、血糖値が自然と下がることもあります。肥満のある方は、体重を適正に近づけることでインスリン抵抗性が改善し、血糖値が劇的に良くなることも少なくありません。
参考元
それでも下がらないときは薬やインスリン治療
生活習慣を改善しても血糖が下がらない場合は、飲み薬(経口血糖降下薬)や注射薬を使います。また、2型糖尿病でも、必要に応じてインスリン治療を行うことがあります。インスリンを使うことは「重症」という意味ではなく、あくまで適切な治療の一環です。
参考元
糖尿病と向き合うために
糖尿病は生活習慣だけでなく、体質や遺伝、加齢、ストレスなど複数の要因が重なって起こる病気です。「我慢」ではなく「選択と調整」を意識して、自分の生活に合った管理法を見つけましょう。
治療や検査は、将来の自分を守るための手段です。糖尿病は「治る」病気ではありません。しかし、「管理できる」病気です。
生活習慣だけが原因ではない
糖尿病、とくに2型糖尿病は「生活習慣病」として知られていますが、実際には遺伝的な体質の影響も非常に大きい病気です。家族に糖尿病患者がいる場合、そうでない人に比べて発症リスクが高くなります。
日本人は欧米人よりもインスリンを分泌する力が弱いため、肥満でなくても糖尿病になる人も少なくありません。「運動していれば大丈夫」「甘いものを控えれば安心」という単純な話ではなく、誰でも発症し得る病気であることを理解しておくことが大切です。
定期的な受診で合併症を防ぐ
糖尿病は、早期発見・早期治療によって、合併症の発症や進行を防げます。とくに注意が必要なのが、目・腎臓・神経などの「三大合併症」です。
これらは症状が出にくく、気づかないまま進行してしまうことが多いため、定期的な検査が非常に重要です。また、糖尿病は歯周病や皮膚感染症、心血管疾患など他の病気とも関連しているため、全身の健康管理のためにも継続的な受診が欠かせません。
治療やインスリンに対する誤解をなくす
「インスリンを使うようになったら終わり」「薬に頼るのは甘え」など、糖尿病治療には根強い誤解がつきまといます。しかし、こうした誤解こそが治療を遅らせ、合併症を進行させてしまう原因になります。
インスリンも薬も「悪者」ではなく、合併症から体を守るための道具です。正しい理解と前向きな姿勢が、治療の質を大きく左右します。
オンライン診療を活用する
忙しくて通院が難しい、体調がすぐれず外出しづらいといった場合は、オンライン診療の活用も検討してみましょう。状態が安定していれば、スマートフォンなどを使って医師の診察を受けられる場合があります。
例えばSOKUYAKU(ソクヤク)などのサービスを使えば、アプリでより柔軟で継続的な治療が可能になります。「通院できないから治療が止まる」のではなく、「通院が難しいからこそオンラインで支える」という選択も、今の時代に合った糖尿病との付き合い方の一つです。
糖尿病と聞くと、「中高年がなる病気」というイメージが強いかもしれません。実は、日本の成人の約6人に1人が糖尿病、またはその予備群と言われるほど、私たちにとって非常に身近な国民病です。
「甘いものの食べ過ぎ」だけが原因ではなく、体質や遺伝も深く関わっているため、若い方や痩せている方も決して無関係ではありません。糖尿病という病気を正しく知ることから始めましょう。
参考元『平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要』
糖尿病とはどんな病気?血糖とインスリンの関係
糖尿病とは、体を動かすエネルギー源であるブドウ糖(血糖)が、血液中にあふれてしまう病気です。
食事でとった糖質は消化吸収されて血糖となり、体のエネルギー源になります。このとき、血液中のブドウ糖を細胞の中に取り込むための「鍵」として働くのが、すい臓から分泌される内分泌ホルモン「インスリン」です。
インスリンはすい臓のβ細胞から分泌され、血糖値が上がるとそれを下げるように働きます。しかし糖尿病になると、このインスリンが十分に分泌されなかったり、出ていても体がうまく反応しなくなります。その結果、血糖値が高い状態が続いてしまうのです。
参考元
なぜ糖尿病になるのか?
糖尿病は生活習慣だけが原因ではありません。インスリンの分泌や働きの問題、体質や遺伝の影響など、さまざまな要因が関わって発症します。
インスリンが足りない場合と効きにくい場合
すい臓が疲弊してインスリンを作る力が弱まると、血糖値を下げるために必要な量のインスリンを分泌できなくなります(インスリン分泌低下)。
また、運動不足や肥満などが続くと、インスリンは分泌されていても、細胞がその「鍵」を受け付けにくくなります(インスリン抵抗性)。
糖尿病は「インスリンとのバランスが崩れた状態」と言えるでしょう。
参考元
食べすぎ・運動不足だけじゃない、体質と遺伝の影響
2型糖尿病は「生活習慣病」とも言われますが、実は体質や遺伝の影響も大きく関係しています。「食べすぎや運動不足を反省しろ」と一方的に責められるような病気ではないのです。
家族に糖尿病の人がいる場合、そうでない方に比べて発症リスクが高くなります。また、日本人は欧米人に比べてインスリンの分泌能力がもともと低いため、肥満でなくても糖尿病を発症しやすい傾向があります。
参考元
放置するとどうなる?糖尿病の合併症
高血糖の状態が長く続くと、ドロドロになった血液が全身の血管を傷めつけ、様々な合併症を引き起こします。最初は自覚症状がなくても、ある日突然、視力の低下や腎機能の悪化、神経の異常など、深刻な問題として現れてくることがあります。
参考
目・腎臓・神経を中心に全身へ広がる影響
糖尿病で特に注意すべきなのが「三大合併症」と呼ばれる網膜症・腎症・神経障害です。
(糖尿病網膜症)
網膜症は目の奥の細い血管が傷つき、視力が低下し、重症化すると失明することもあります。
(糖尿病腎症)
腎症が進行すると腎機能が落ちます。腎臓のフィルター機能が壊れると、最終的には人工透析が必要です。
(糖尿病神経障害)
神経障害では手足のしびれや感覚の低下が現れ、傷に気づきにくくなって感染を起こすことがあります。自律神経が障害されると、立ちくらみや胃の不調、排尿の異常など、生活に支障をきたすさまざまな症状が現れます。
動脈硬化や心筋梗塞など命に関わるリスクも
糖尿病は細い血管だけでなく、心臓や脳などの太い血管にも影響を及ぼします。脳梗塞や心筋梗塞といった、命に直結する重大な病気を引き起こすリスクが、糖尿病でない方に比べて数倍高くなってしまいます。
さらに足の血管が細くなると、安静時でも痛みが出現するようになり、最悪の場合は足の組織が死んでしまう“壊疽(えそ)”に至る危険性もあるのです。
参考元
「自覚なし」で進むことが多い糖尿病
糖尿病は「静かに進行する病気」と言われるほど、自覚症状が出にくいのが特徴です。多くの人が、健康診断などで偶然に見つかるまで、自分が糖尿病であることに気づきません。
症状が出にくいのに進行する
血糖値がやや高い状態では、目立った症状がないまま数年〜十数年かけて進行していきます。合併症はある日突然現れるのではなく、長い年月をかけて静かに進行し、症状が出たときにはすでに深刻な状態になっていることが多いのです。
参考元
のどの渇き、体重減少…それは体からのサイン
著しい高血糖が続くと、ようやく体はSOSのサインを出します。異常にのどが渇く、尿の回数や量が増える、食べているのに急にやせてくるといった変化です。さらに重症化すると、意識障害や昏睡(こんすい)に陥る危険もあります。
参考元
糖尿病の主なタイプを知っておこう
糖尿病と一口に言っても、実はその原因や特徴によっていくつかのタイプに分かれます。それぞれのタイプによって治療法や注意すべき点も異なるため、自分の糖尿病がどのタイプかを正しく理解することがとても大切です。
参考元
1型糖尿病:インスリンがほとんど出ないタイプ
型糖尿病は、自身の免疫システムが誤ってすい臓のβ細胞を破壊してしまうことなどで起こります。インスリンの分泌が絶対的に不足するため、生存のために毎日のインスリン注射が欠かせません。生活習慣とは関係なく、子供や若い世代にも突然発症するのが特徴です。
参考元
2型糖尿病:生活習慣や体質が関わるタイプ
糖尿病患者の約9割が2型糖尿病です。遺伝的に糖尿病になりやすい体質に加え、食べ過ぎ、運動不足、肥満、ストレスといった環境要因が重なって発症します。2型糖尿病では、インスリン分泌の低下や、インスリンの効きにくさが複合的に関係しています。
参考元
妊娠糖尿病:妊娠中に血糖が上がるタイプ
妊娠中は胎盤から分泌されるホルモンの影響でインスリンの効きが悪くなりやすく、血糖値が上がることがあります。これを「妊娠糖尿病」と呼び、妊婦さんの約10人に1人が発症すると言われています。妊娠前には糖尿病でなかった人でも起こることがあり、赤ちゃんへの影響もあるため、妊娠中の血糖管理はとても重要です。
多くの場合は出産後に自然と改善しますが、将来的に2型糖尿病に進行する可能性があるため、産後も定期的に検査を受けることがすすめられています。
参考元
病気や薬が原因の糖尿病もある
すい臓の病気や内分泌の異常、または特定の薬(たとえばステロイドなど)が原因で糖尿病になることもあります。これらは「二次性糖尿病」と呼ばれ、原因となっている病気や薬を特定し、それに応じた治療が必要です。
たとえば、副腎や甲状腺などの内分泌系の病気がインスリンの分泌や作用に影響を与えることがあります。糖尿病の診断を受けたときは、こうした背景疾患がないか医師がしっかり調べて判断します。
参考元
検査で早めに見つけよう
空腹時血糖と随時血糖
診断の基準となるのが血糖値です。空腹時に測定した血糖値が126mg/dL以上、あるいは食事の時間に関係なく測定した随時血糖値が200mg/dL以上の場合、糖尿病型と診断されます。ただし、一回の測定だけでは診断はつかないため、繰り返しの検査や他の指標と組み合わせて判断されます。
HbA1c—過去1~2か月の平均を数字で見る
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、過去1〜2か月の平均的な血糖の状態を示す検査値です。これは赤血球中のヘモグロビンとブドウ糖が結びついた割合を示しており、6.5%以上で糖尿病と診断されることが一般的です(※医師の総合判断による)。
この数値は日々の食事や運動、薬の効果を知る手がかりにもなり、治療の目標にもなります。血糖の変動に左右されにくく、生活習慣の改善効果も分かりやすく反映されるため、糖尿病の管理において非常に重要な指標です。
糖尿病の治療は「我慢」ではなく「個別に調整するもの」
糖尿病の治療というと「甘いものを一切食べてはいけない」「好きなことを全部あきらめなければいけない」といったイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし実際には、各自の生活状況に合わせて治療のバランス”を見つけて継続可能な治療を探るることが治療の基本です。
治療の目的は、血糖値を適切にコントロールし、健康な人と変わらない日常生活と寿命を確保することです。
1型はインスリンが治療の柱
1型糖尿病の患者さんにとって、インスリンは命綱です。不足したインスリンを注射やポンプで補うことで、血糖値を安定させます。適切なインスリン補充を行えば、食事や運動の制限も少なく、活発な社会生活を送れます。
参考元
2型は食事・運動・体重管理で血糖をコントロール
2型糖尿病の基本的な治療は、生活習慣の見直しです。特に、糖質・脂質をとりすぎない食事療法と、筋肉を動かして血糖を消費する運動療法が中心となります。
さらに、体重を減らすことでインスリンの効きが改善し、血糖値が自然と下がることもあります。肥満のある方は、体重を適正に近づけることでインスリン抵抗性が改善し、血糖値が劇的に良くなることも少なくありません。
参考元
それでも下がらないときは薬やインスリン治療
生活習慣を改善しても血糖が下がらない場合は、飲み薬(経口血糖降下薬)や注射薬を使います。また、2型糖尿病でも、必要に応じてインスリン治療を行うことがあります。インスリンを使うことは「重症」という意味ではなく、あくまで適切な治療の一環です。
参考元
糖尿病と向き合うために
糖尿病は生活習慣だけでなく、体質や遺伝、加齢、ストレスなど複数の要因が重なって起こる病気です。「我慢」ではなく「選択と調整」を意識して、自分の生活に合った管理法を見つけましょう。
治療や検査は、将来の自分を守るための手段です。糖尿病は「治る」病気ではありません。しかし、「管理できる」病気です。
生活習慣だけが原因ではない
糖尿病、とくに2型糖尿病は「生活習慣病」として知られていますが、実際には遺伝的な体質の影響も非常に大きい病気です。家族に糖尿病患者がいる場合、そうでない人に比べて発症リスクが高くなります。
日本人は欧米人よりもインスリンを分泌する力が弱いため、肥満でなくても糖尿病になる人も少なくありません。「運動していれば大丈夫」「甘いものを控えれば安心」という単純な話ではなく、誰でも発症し得る病気であることを理解しておくことが大切です。
定期的な受診で合併症を防ぐ
糖尿病は、早期発見・早期治療によって、合併症の発症や進行を防げます。とくに注意が必要なのが、目・腎臓・神経などの「三大合併症」です。
これらは症状が出にくく、気づかないまま進行してしまうことが多いため、定期的な検査が非常に重要です。また、糖尿病は歯周病や皮膚感染症、心血管疾患など他の病気とも関連しているため、全身の健康管理のためにも継続的な受診が欠かせません。
治療やインスリンに対する誤解をなくす
「インスリンを使うようになったら終わり」「薬に頼るのは甘え」など、糖尿病治療には根強い誤解がつきまといます。しかし、こうした誤解こそが治療を遅らせ、合併症を進行させてしまう原因になります。
インスリンも薬も「悪者」ではなく、合併症から体を守るための道具です。正しい理解と前向きな姿勢が、治療の質を大きく左右します。
オンライン診療を活用する
忙しくて通院が難しい、体調がすぐれず外出しづらいといった場合は、オンライン診療の活用も検討してみましょう。状態が安定していれば、スマートフォンなどを使って医師の診察を受けられる場合があります。
例えばSOKUYAKU(ソクヤク)などのサービスを使えば、アプリでより柔軟で継続的な治療が可能になります。「通院できないから治療が止まる」のではなく、「通院が難しいからこそオンラインで支える」という選択も、今の時代に合った糖尿病との付き合い方の一つです。
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.
当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
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3.
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4.
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専門領域分類:内分泌代謝科, 総合内科, 糖尿病内科, 産業医, 疫学, 救急科
経歴:琉球大学医学部医学科卒業 / 琉球大学病院勤務 / 専門は内分泌代謝・糖尿病内科、総合内科





