【2026年】花粉症薬ガイド:処方薬・市販薬・点鼻薬・点眼薬など【医師監修】
<span id="h2-1">花粉症の薬の選び方:市販薬と病院の処方薬の違いは?</span>
花粉症は、季節性のアレルギー性鼻炎(鼻アレルギー/鼻炎)の一種です。同じ疾患でも、患者さんごとに個人差が大きいため、「眠い」だけでなく「なんとなくだるい」と感じることもあるかもしれません。
花粉が増える時期は、天気予報とあわせて花粉情報(花粉飛散・飛散状況)も確認し、早めに対策を始めると症状を抑えやすくなります。
花粉が飛び始めたら薬で対策しましょう。内服薬・点鼻薬・点眼薬に分類して考えると選びやすくなります。入手先はドラッグストアの「市販薬」か、医師の診察による「処方薬」です。
市販薬は手軽さが魅力で、医療用と同じ「スイッチOTC」も増えました。市販薬の中には要指導医薬品など購入時に説明が必要なものもあり、対象品はセルフメディケーション税制の対象になる場合があります。数種類の成分を混ぜた配合薬は即効性がある反面、眠気などの副作用が出やすい点に注意が必要です。
市販薬と処方薬、費用が安いのはどっち?
これは「使う期間」や「薬の数」によって異なります。数日だけ薬を飲むことで症状を抑えたいなら、市販薬の方が安く済むことが一般的です。診察料がかからない分、初期費用は抑えられます。
一方、スギ花粉症のように2〜3ヶ月間ずっと飲み続ける場合や、飲み薬に加えて点鼻薬・点眼薬なども併用する場合は、処方薬の方がトータルコストは安くなる傾向にあります(健康保険が適用されるため)。処方薬は先発薬だけではありません。generic(ジェネリック)を選べる場合があり、長期では差が出ることがあります。
※処方薬と同じ成分の市販薬がある場合の扱いなど、制度や運用は2024年以降も見直しがあり得ます。受診時は医療機関で最新情報を確認してください。
オンライン診療なら待ち時間や通院の手間が不要!
受診先は耳鼻科が基本ですが、症状や併存症によっては内科や皮膚科で相談することもあります。初診では、使っている薬や持病も含めて整理できるのがメリットです(医院の方針によります)。
処方薬が自分に合っているとわかっていても、「花粉シーズンの病院は混雑している」という現実が足を遠のかせるかもしれません。そこで活用したいのがオンライン診療です。
スマホのビデオ通話などで医師の診察が受けられるため、病院への移動時間や、待合室での感染リスクを減らせます。予約状況によっては待ち時間が発生したり、薬が配送されるまでに数日かかったりすることもありますが、通院の負担を大幅に減らせる有効な手段です。
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<span id="h2-2">花粉症の治療薬① 内服薬</span>
花粉症治療の中心となるのが飲み薬です。体の中でアレルギー反応が起きるのを抑えたり、すでに起きてしまった炎症を鎮めたりする働きがあります。
一言で「飲み薬」と言っても、さまざまです。作用の仕方や強さ、副作用のリスクによっていくつかのグループに分かれます。ここでは代表的な内服薬の種類と特徴を解説します。
抗ヒスタミン薬
くしゃみ、鼻水、かゆみの原因となるヒスタミンをブロックする薬です。現在は副作用の眠気が少ない「第2世代」が主流ですが、特徴は薬によって異なります。
花粉が鼻の粘膜に付着すると、体内の肥満細胞からヒスタミンなどの物質が放出され、目や鼻の受容体に作用して、くしゃみ・鼻水・かゆみを引き起こすことがあります。抗ヒスタミン薬は、この反応を「ブロック」して症状を緩和するのです。
たとえば、アレグラやクラリチンは眠気が少ない傾向で、添付文書上の注意喚起が比較的軽い薬として使われることがあります。一方、効果を強く感じる人が多いアレロックやルパフィンなどは、眠気が出る場合があるため運転には注意が必要です。運転する方は、添付文書の注意喚起を確認したうえで、医師・薬剤師に相談してください。
また、ビラノアのように空腹時の服用が必要な薬や、食事の影響を受けにくいデザレックス(ロラタジン系の進化版)など、ライフスタイルに合わせて選べます。
代表的な薬(例)を整理すると以下の通りです。同じ成分でも、錠剤・OD錠など剤形の違いで飲みやすさが変わることがあります。
| 製品名 | 成分名 | 運転への注意 | 特徴・注意点 |
| アレグラ | フェキソフェナジン | 記載なし | 眠気が出にくい傾向。1日2回。 |
| クラリチン | ロラタジン | 記載なし | 1日1回。眠気が少ない傾向。 |
| デザレックス | デスロラタジン | 記載なし | ロラタジン系の改良型。食事の影響を受けにくい。 |
| ビラノア | ビラスチン | 記載なし | 空腹時(食前)に服用。食後は避ける。 |
| アレジオン | エピナスチン | 注意すること | 1日1回。市販薬でも有名。 |
| タリオン | ベポタスチン | 注意すること | 1日2回。効き方が比較的早いと感じる人も。 |
| エバステル | エバスチン | 注意すること | 持続性があるタイプ。 |
| ザイザル | レボセチリジン | 従事させないよう注意 | 効果と眠気のバランス型。 |
| ジルテック | セチリジン | 従事させないよう注意 | 効果は強めだが眠気が出る人も。 |
| アレロック | オロパタジン | 従事させないよう注意 | 効く実感が強い一方、眠気が出やすい人も。 |
| ルパフィン | ルパタジン | 従事させないよう十分注意 | 効果が高いと感じる人もいるが注意喚起が強い。 |
市販薬では、フェキソフェナジン製剤が「アレグラFX(fx)」や「アレルビ」などの名称で並ぶことがあります。市販の抗ヒスタミン剤は製品ごとに成分や配合が異なるため、「ストナリニ」などを含め購入時は成分欄を確認し、眠気が心配なら薬剤師に相談してください。
なお、鼻づまりが強い場合はディレグラ(フェキソフェナジン+塩酸プソイドエフェドリン)のような内服薬が使われることもあります。ただし、血管に作用する成分を含むため、高血圧や緑内障などの持病がある人は自己判断で使わず、必ず医師・薬剤師に確認してください。
抗ロイコトリエン拮抗薬
抗ヒスタミン薬だけでは改善しない「頑固な鼻づまり」に悩んでいる人に処方されるのが、抗ロイコトリエン拮抗薬です。アレルギー反応で発生する「ロイコトリエン」という物質の働きを抑え、鼻粘膜の腫れや血管拡張を改善します。喘息の治療にも使われるため、咳を伴う場合にも有効です。
| 製品名 | 成分名 | 特徴・注意点 |
| オノン | プランルカスト | 1日2回。カプセルやドライシロップあり。 |
| シングレア | モンテルカスト | 1日1回(就寝前)。チュアブルあり。 |
| キプレス | モンテルカスト | シングレアと同成分。 |
※比較的安全な薬ですが、モンテルカストなどは稀に悪夢やイライラなどの精神神経症状が報告されています。気分の変化があれば医師に相談してください。
その他の内服薬(漢方薬、ステロイド内服薬など)
漢方
眠気が出にくい一方、体質や症状との相性があります。
例:小青竜湯(サラサラ鼻水向き)、辛夷清肺湯(鼻づまり向き)
セレスタミン:ステロイド+抗ヒスタミンの配合錠
重症時の短期使用が基本です。長期服用は副作用リスク(免疫低下、血糖上昇など)が高いため、必ず医師の指示の範囲で使ってください。
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<span id="h2-3">花粉症の治療薬② 点鼻薬</span>
飲み薬で改善しない頑固な鼻づまりには(鼻詰まり)、患部に直接作用する点鼻薬が効果があります。
市販薬に多い「血管収縮剤」は即効性がある反面、鼻粘膜の腫れやうっ血に関わる血流にも作用します。たとえば「ナザール」などに含まれるトラマゾリン等は鼻づまりに即効性がありますが、連用は避けましょう。
連用で起こりやすくなる「薬剤性鼻炎(リバウンド)」に注意してください。長く使い続けないのが原則で、目安として1〜2週間を超える使用は医師・薬剤師に相談してください。 病院の処方薬は、根本から炎症を鎮めるタイプが主流です。
ステロイド薬(鼻噴霧用ステロイド薬)
現在、花粉症治療の「主役」と言えるタイプです。即効性はありませんが、毎日決まった時間に噴霧することで、鼻の粘膜のアレルギー炎症を元から抑え込みます。
内服薬に比べて全身への副作用が少ないのがメリットですが、稀に眼圧上昇などが報告されているため、異常を感じたら医師へ相談してください。
| 製品名 | 一般名 | 特徴・注意点 |
| アラミスト | フルチカゾンフランカルボン酸エステル | 1日1回。霧が細かく液だれしにくい。 |
| ナゾネックス | モメタゾンフランカルボン酸エステル | 1日1回。小児適応もあり。 |
| エリザス | デキサメタゾンシペシル酸エステル | 1日1回。粉末で喉へ流れにくい。 |
| フルナーゼ | フルチカゾンプロピオン酸エステル | 1日2回。香りが気になる人も。 |
| リノコート | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル | 1日2回など。流通状況は薬局で確認。 |
抗ヒスタミン薬
アレルギーの原因物質ヒスタミンの働きをブロックする点鼻薬です。ステロイドほどの強力な抗炎症作用はありませんが、鼻水やくしゃみに対して比較的早く効果が出ます。
「飲み薬は眠くなるから嫌だけど、鼻水は止めたい」という場合に使われます。
| 製品名 | 一般名 | 特徴・注意点 |
| ザジテン | ケトチフェンフマル酸塩 | 1日複数回。苦味を感じる人も。 |
| リボスチン | レボカバスチン塩酸塩 | 使用前によく振る(懸濁液)。 |
ケミカルメディエーター遊離抑制薬
アレルギー反応の「火種」である化学物質が放出されるのを防ぐ、予防的な薬です。副作用が非常に少ないため、妊娠中の方や小さなお子さんによく使われますが、1日の回数が多いのが難点です。
| 製品名 | 一般名 | 特徴・注意点 |
| インタール | クロモグリク酸ナトリウム | 1日4回。安全性が高い。 ※製品数が少なく、薬局により入手困難な場合あり。 |
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<span id="h2-4">花粉症の治療薬③ 点眼薬</span>
飲み薬を飲んでいても、我慢できないのが「目のかゆみ」です。かゆくて目をこすってしまうと、結膜や角膜を傷つけ、さらに症状が悪化する悪循環に陥ります。
そんな時は、患部に直接作用する点眼薬(目薬)が効果的です。市販の目薬(例:アルガードなど)を使う場合でも、コンタクト装用時の可否や用法は必ず説明書を確認してください。
目薬とコンタクトレンズの注意点
点眼薬に含まれる「防腐剤(ベンザルコニウム塩化物など)」は、ソフトコンタクトレンズに吸着し、レンズの変形や目のトラブルを招くことがあります。コンタクトレンズは外して点眼し、10分以上あけてから再装用するのが原則です。
※防腐剤フリーの製剤や、医師の判断で装用したまま使えるケースもあるため、必ず処方医の指示に従ってください。
抗ヒスタミン薬
花粉症の目薬として、最初に選ばれる最も一般的な薬です。ヒスタミンの働きをブロックし、すでに出ている「かゆみ」や「充血」をスピーディーに鎮めます。即効性があるため、症状がつらい時に頼りになります。
※便宜上分けていますが、多くの抗ヒスタミン薬は、後述する「遊離抑制」の作用も併せ持っています。
| 製品名 | 成分名 | 回数 | 特徴・注意点 |
| アレジオンLX | エピナスチン | 1日2回 | 回数が少なく続けやすい。 |
| アレジオン | エピナスチン | 1日4回 | 刺激が少なめ。 |
| パタノール | オロパタジン | 1日4回 | 定番。効果実感が強い人も。 |
| ザジテン | ケトチフェン | 1日4回 | しみる感じが出ることも。 |
| リボスチン | レボカバスチン | 1日4回 | 懸濁液なのでよく振る。 |
| アレジオン眼瞼クリーム | エピナスチン | 1日1回など | まぶたに塗るタイプ(点眼ではない)。 |
ステロイド薬
上記の薬を使っても、どうしてもかゆみや赤みが治まらない重症例に使われます。炎症を鎮める力は非常に強力ですが、長期間漫然と使い続けると「眼圧の上昇(緑内障)」や「感染症の悪化」を招くリスクがあります。
お子さんは眼圧が上がりやすい傾向があるため注意が必要です。使用中は定期的に眼科で眼圧検査を受けることが必須です。自己判断での長期使用は絶対に避けてください。
| 製品名 | 成分名 | 強さ | 注意点 |
| フルメトロン | フルオロメトロン | 弱〜中 | 懸濁液。振って使用。 |
| オドメール | フルオロメトロン | 弱〜中 | 同上。 |
| リンデロン | ベタメタゾン | 強 | 短期が原則。 |
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<span id="h2-5">花粉症のその他の治療</span>
薬を飲んでも症状が治まらない「重症」の方や、薬で抑えるだけはありません。「体質から変えたい」と考える方には、これまで紹介した薬とは異なる治療法もあります。
開始時に詳細な検査や指導が必要なため、原則として対面での受診が必要ですが、選択肢として知っておきましょう。
注射薬(ゾレア)
飲み薬や点鼻薬を使っても症状が治まらない「重症・最重症」のスギ花粉症に対する治療です。アレルギー反応の元凶であるIgE抗体をブロックする注射を打つことで、強力に症状を抑えます。
高い効果が期待できますが、誰でも打てるわけではありません。「12歳以上」で、「既存の治療を1週間以上行っても効果が不十分」なことに加え、以下の条件を満たす必要があります。
● 血液検査でスギ花粉の特異的IgE抗体がクラス3以上
● 総IgE値と体重が、投与換算表の適応範囲内にあること
これらの条件に当てはまらない場合は投与できません。また、薬剤費が高額になるため、医師とよく相談する必要があります。
舌下免疫療法
アレルギーの原因物質(スギ花粉エキス)を少しずつ体に取り入れ、体を慣れさせていく「アレルゲン免疫療法」の一つです。
「シダキュア」などの錠剤を舌の下に含んで服用します。その場の症状を抑える対症療法とは異なり、長期的な症状の緩和(寛解)や、体質改善を目指せるのが特徴です。
ただし、治療期間は3〜5年と長く、毎日服用する必要があります。
開始時期
副作用のリスクを避けるため、一般的には花粉が飛んでいない時期(目安:6月〜12月頃)に開始します。
通院
初回は必ず医師の監督下(対面)で服用する必要があります。2回目以降の「継続処方」についてはオンライン診療に対応しているクリニックもありますが、増量期や定期検査の際は対面受診が必要になるなど、施設の運用ルールに従う必要があります。
運用ルールは医療機関ごとに異なるため、初回の説明は院長または担当医の指示に従ってください。
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<span id="h2-6">花粉症の薬についてのよくある質問</span>
ここでは、花粉症の薬についてよくある質問にお答えします。
花粉症の薬は種類によって「強さ」が違いますか?
「最強の薬」は人によって違います。一般に効果が強い薬ほど眠気などの副作用も出やすい傾向がありますが、体質による相性も大きいです。
市販薬でも処方薬と同じ成分のものは買えますが、処方薬は「選択肢」が圧倒的に豊富です。錠剤、点鼻、点眼を症状に合わせて細かく調整できるため、結果的に自分にとって「最も効く治療」が見つかりやすくなります。
まずは医師に相談し、自分に合う薬を見つけるのが近道です。
花粉症の薬で眠気や集中力の低下が起こると困るのですが?
花粉症の薬で脳の働きが鈍り、集中力が落ちることを「インペアード・パフォーマンス」と呼びます。自覚がないままミスが増えるので注意が必要です。
眠気を防ぐには、脳に影響しにくい「第2世代」の中でも「非鎮静性」と呼ばれる薬(アレグラ、クラリチン、ビラノアなど)を選びましょう。
同じ第2世代でも、薬の説明書にある運転の注意書きには「記載なし」「注意」「禁止(従事させない)」と明確なランク差があります。運転する人は必ず医師に伝えてください。
眠気がなくても「眠い感じがしないまま」ミスが増えたり、注意力や判断力が落ちたりすることがあるため注意が必要です。
花粉症の薬と風邪薬は併用できますか?
自己判断での併用は危険です。市販の風邪薬には、鼻水を止めるために花粉症薬と同じ「抗ヒスタミン成分」が入っていることが多く、知らずに成分が重複(過剰摂取)してしまう恐れがあります。
たとえば「コンタック」など市販の風邪薬には、クロルフェニラミンマレイン酸塩のような抗ヒスタミン成分が含まれることがあります。成分が重なると、強い眠気だけでなく、抗コリン作用による口の渇(渇き)、便秘、排尿困難などが出やすくなるため注意してください。
併用すると、強い眠気やだるさ、排尿困難などの副作用が出るリスクが高まります。風邪を引いた時は、飲み合わせに問題がない薬を医師や薬剤師に選んでもらってください。
花粉症の薬を妊娠中や授乳中に服用しても大丈夫ですか?
妊娠中や授乳中は慎重な判断が必要ですが、我慢しすぎて体調を崩すのもよくありません。 「絶対に飲めない」わけではなく、比較的安全とされる使用実績のある薬(ロラタジンやセチリジンなど)や、全身への影響が少ない点鼻薬・点眼薬を選ぶ方法があります。
ただし、妊娠週数や体調によってベストな選択は変わるため、自己判断せず産婦人科や耳鼻科の医師に相談し、リスクとメリットを考えて処方してもらいましょう。
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くしゃみ、鼻水、目のかゆみなど、つらい症状を緩和してくれる花粉症の薬。しかし、薬の選び方や使い方には多くの選択肢があります。この記事では、市販薬と病院の処方薬の違い、内服薬・点鼻薬・点眼薬の種類など、花粉症の薬について詳しく解説します。眠気などの副作用や使用上の注意に関する質問にもお答えし、あなたの症状に合った最適な治療法を見つけるお手伝いをします。通院の時間や手間が取れない人には、オンライン診療もおすすめです。花粉症の悩みを軽減し、快適な生活を送るための情報を、ぜひ最後までお読みください。
花粉症の薬の選び方:市販薬と病院の処方薬の違いは?
花粉症は、季節性のアレルギー性鼻炎(鼻アレルギー/鼻炎)の一種です。同じ疾患でも、患者さんごとに個人差が大きいため、「眠い」だけでなく「なんとなくだるい」と感じることもあるかもしれません。
花粉が増える時期は、天気予報とあわせて花粉情報(花粉飛散・飛散状況)も確認し、早めに対策を始めると症状を抑えやすくなります。
花粉が飛び始めたら薬で対策しましょう。内服薬・点鼻薬・点眼薬に分類して考えると選びやすくなります。入手先はドラッグストアの「市販薬」か、医師の診察による「処方薬」です。
市販薬は手軽さが魅力で、医療用と同じ「スイッチOTC」も増えました。市販薬の中には要指導医薬品など購入時に説明が必要なものもあり、対象品はセルフメディケーション税制の対象になる場合があります。数種類の成分を混ぜた配合薬は即効性がある反面、眠気などの副作用が出やすい点に注意が必要です。
市販薬と処方薬、費用が安いのはどっち?
これは「使う期間」や「薬の数」によって異なります。数日だけ薬を飲むことで症状を抑えたいなら、市販薬の方が安く済むことが一般的です。診察料がかからない分、初期費用は抑えられます。
一方、スギ花粉症のように2〜3ヶ月間ずっと飲み続ける場合や、飲み薬に加えて点鼻薬・点眼薬なども併用する場合は、処方薬の方がトータルコストは安くなる傾向にあります(健康保険が適用されるため)。処方薬は先発薬だけではありません。generic(ジェネリック)を選べる場合があり、長期では差が出ることがあります。
※処方薬と同じ成分の市販薬がある場合の扱いなど、制度や運用は2024年以降も見直しがあり得ます。受診時は医療機関で最新情報を確認してください。
オンライン診療なら待ち時間や通院の手間が不要!
受診先は耳鼻科が基本ですが、症状や併存症によっては内科や皮膚科で相談することもあります。初診では、使っている薬や持病も含めて整理できるのがメリットです(医院の方針によります)。
処方薬が自分に合っているとわかっていても、「花粉シーズンの病院は混雑している」という現実が足を遠のかせるかもしれません。そこで活用したいのがオンライン診療です。
スマホのビデオ通話などで医師の診察が受けられるため、病院への移動時間や、待合室での感染リスクを減らせます。予約状況によっては待ち時間が発生したり、薬が配送されるまでに数日かかったりすることもありますが、通院の負担を大幅に減らせる有効な手段です。
たとえば、「SOKUYAKU(ソクヤク)」なら、全国の病院から自分に合った予約枠を探せます。
花粉症の治療薬① 内服薬
花粉症治療の中心となるのが飲み薬です。体の中でアレルギー反応が起きるのを抑えたり、すでに起きてしまった炎症を鎮めたりする働きがあります。
一言で「飲み薬」と言っても、さまざまです。作用の仕方や強さ、副作用のリスクによっていくつかのグループに分かれます。ここでは代表的な内服薬の種類と特徴を解説します。
抗ヒスタミン薬
くしゃみ、鼻水、かゆみの原因となるヒスタミンをブロックする薬です。現在は副作用の眠気が少ない「第2世代」が主流ですが、特徴は薬によって異なります。
花粉が鼻の粘膜に付着すると、体内の肥満細胞からヒスタミンなどの物質が放出され、目や鼻の受容体に作用して、くしゃみ・鼻水・かゆみを引き起こすことがあります。抗ヒスタミン薬は、この反応を「ブロック」して症状を緩和するのです。
たとえば、アレグラやクラリチンは眠気が少ない傾向で、添付文書上の注意喚起が比較的軽い薬として使われることがあります。一方、効果を強く感じる人が多いアレロックやルパフィンなどは、眠気が出る場合があるため運転には注意が必要です。運転する方は、添付文書の注意喚起を確認したうえで、医師・薬剤師に相談してください。
また、ビラノアのように空腹時の服用が必要な薬や、食事の影響を受けにくいデザレックス(ロラタジン系の進化版)など、ライフスタイルに合わせて選べます。
代表的な薬(例)を整理すると以下の通りです。同じ成分でも、錠剤・OD錠など剤形の違いで飲みやすさが変わることがあります。
| 製品名 | 成分名 | 運転への注意 | 特徴・注意点 |
| アレグラ | フェキソフェナジン | 記載なし | 眠気が出にくい傾向。1日2回。 |
| クラリチン | ロラタジン | 記載なし | 1日1回。眠気が少ない傾向。 |
| デザレックス | デスロラタジン | 記載なし | ロラタジン系の改良型。食事の影響を受けにくい。 |
| ビラノア | ビラスチン | 記載なし | 空腹時(食前)に服用。食後は避ける。 |
| アレジオン | エピナスチン | 注意すること | 1日1回。市販薬でも有名。 |
| タリオン | ベポタスチン | 注意すること | 1日2回。効き方が比較的早いと感じる人も。 |
| エバステル | エバスチン | 注意すること | 持続性があるタイプ。 |
| ザイザル | レボセチリジン | 従事させないよう注意 | 効果と眠気のバランス型。 |
| ジルテック | セチリジン | 従事させないよう注意 | 効果は強めだが眠気が出る人も。 |
| アレロック | オロパタジン | 従事させないよう注意 | 効く実感が強い一方、眠気が出やすい人も。 |
| ルパフィン | ルパタジン | 従事させないよう十分注意 | 効果が高いと感じる人もいるが注意喚起が強い。 |
市販薬では、フェキソフェナジン製剤が「アレグラFX(fx)」や「アレルビ」などの名称で並ぶことがあります。市販の抗ヒスタミン剤は製品ごとに成分や配合が異なるため、「ストナリニ」などを含め購入時は成分欄を確認し、眠気が心配なら薬剤師に相談してください。
なお、鼻づまりが強い場合はディレグラ(フェキソフェナジン+塩酸プソイドエフェドリン)のような内服薬が使われることもあります。ただし、血管に作用する成分を含むため、高血圧や緑内障などの持病がある人は自己判断で使わず、必ず医師・薬剤師に確認してください。
抗ロイコトリエン拮抗薬
抗ヒスタミン薬だけでは改善しない「頑固な鼻づまり」に悩んでいる人に処方されるのが、抗ロイコトリエン拮抗薬です。アレルギー反応で発生する「ロイコトリエン」という物質の働きを抑え、鼻粘膜の腫れや血管拡張を改善します。喘息の治療にも使われるため、咳を伴う場合にも有効です。
| 製品名 | 成分名 | 特徴・注意点 |
| オノン | プランルカスト | 1日2回。カプセルやドライシロップあり。 |
| シングレア | モンテルカスト | 1日1回(就寝前)。チュアブルあり。 |
| キプレス | モンテルカスト | シングレアと同成分。 |
※比較的安全な薬ですが、モンテルカストなどは稀に悪夢やイライラなどの精神神経症状が報告されています。気分の変化があれば医師に相談してください。
その他の内服薬(漢方薬、ステロイド内服薬など)
漢方
眠気が出にくい一方、体質や症状との相性があります。
例:小青竜湯(サラサラ鼻水向き)、辛夷清肺湯(鼻づまり向き)
セレスタミン:ステロイド+抗ヒスタミンの配合錠
重症時の短期使用が基本です。長期服用は副作用リスク(免疫低下、血糖上昇など)が高いため、必ず医師の指示の範囲で使ってください。
花粉症の治療薬② 点鼻薬
飲み薬で改善しない頑固な鼻づまりには(鼻詰まり)、患部に直接作用する点鼻薬が効果があります。
市販薬に多い「血管収縮剤」は即効性がある反面、鼻粘膜の腫れやうっ血に関わる血流にも作用します。たとえば「ナザール」などに含まれるトラマゾリン等は鼻づまりに即効性がありますが、連用は避けましょう。
連用で起こりやすくなる「薬剤性鼻炎(リバウンド)」に注意してください。長く使い続けないのが原則で、目安として1〜2週間を超える使用は医師・薬剤師に相談してください。 病院の処方薬は、根本から炎症を鎮めるタイプが主流です。
ステロイド薬(鼻噴霧用ステロイド薬)
現在、花粉症治療の「主役」と言えるタイプです。即効性はありませんが、毎日決まった時間に噴霧することで、鼻の粘膜のアレルギー炎症を元から抑え込みます。
内服薬に比べて全身への副作用が少ないのがメリットですが、稀に眼圧上昇などが報告されているため、異常を感じたら医師へ相談してください。
| 製品名 | 一般名 | 特徴・注意点 |
| アラミスト | フルチカゾンフランカルボン酸エステル | 1日1回。霧が細かく液だれしにくい。 |
| ナゾネックス | モメタゾンフランカルボン酸エステル | 1日1回。小児適応もあり。 |
| エリザス | デキサメタゾンシペシル酸エステル | 1日1回。粉末で喉へ流れにくい。 |
| フルナーゼ | フルチカゾンプロピオン酸エステル | 1日2回。香りが気になる人も。 |
| リノコート | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル | 1日2回など。流通状況は薬局で確認。 |
抗ヒスタミン薬
アレルギーの原因物質ヒスタミンの働きをブロックする点鼻薬です。ステロイドほどの強力な抗炎症作用はありませんが、鼻水やくしゃみに対して比較的早く効果が出ます。
「飲み薬は眠くなるから嫌だけど、鼻水は止めたい」という場合に使われます。
| 製品名 | 一般名 | 特徴・注意点 |
| ザジテン | ケトチフェンフマル酸塩 | 1日複数回。苦味を感じる人も。 |
| リボスチン | レボカバスチン塩酸塩 | 使用前によく振る(懸濁液)。 |
ケミカルメディエーター遊離抑制薬
アレルギー反応の「火種」である化学物質が放出されるのを防ぐ、予防的な薬です。副作用が非常に少ないため、妊娠中の方や小さなお子さんによく使われますが、1日の回数が多いのが難点です。
| 製品名 | 一般名 | 特徴・注意点 |
| インタール | クロモグリク酸ナトリウム | 1日4回。安全性が高い。 ※製品数が少なく、薬局により入手困難な場合あり。 |
花粉症の治療薬③ 点眼薬
飲み薬を飲んでいても、我慢できないのが「目のかゆみ」です。かゆくて目をこすってしまうと、結膜や角膜を傷つけ、さらに症状が悪化する悪循環に陥ります。
そんな時は、患部に直接作用する点眼薬(目薬)が効果的です。市販の目薬(例:アルガードなど)を使う場合でも、コンタクト装用時の可否や用法は必ず説明書を確認してください。
目薬とコンタクトレンズの注意点
点眼薬に含まれる「防腐剤(ベンザルコニウム塩化物など)」は、ソフトコンタクトレンズに吸着し、レンズの変形や目のトラブルを招くことがあります。コンタクトレンズは外して点眼し、10分以上あけてから再装用するのが原則です。
※防腐剤フリーの製剤や、医師の判断で装用したまま使えるケースもあるため、必ず処方医の指示に従ってください。
抗ヒスタミン薬
花粉症の目薬として、最初に選ばれる最も一般的な薬です。ヒスタミンの働きをブロックし、すでに出ている「かゆみ」や「充血」をスピーディーに鎮めます。即効性があるため、症状がつらい時に頼りになります。
※便宜上分けていますが、多くの抗ヒスタミン薬は、後述する「遊離抑制」の作用も併せ持っています。
| 製品名 | 成分名 | 回数 | 特徴・注意点 |
| アレジオンLX | エピナスチン | 1日2回 | 回数が少なく続けやすい。 |
| アレジオン | エピナスチン | 1日4回 | 刺激が少なめ。 |
| パタノール | オロパタジン | 1日4回 | 定番。効果実感が強い人も。 |
| ザジテン | ケトチフェン | 1日4回 | しみる感じが出ることも。 |
| リボスチン | レボカバスチン | 1日4回 | 懸濁液なのでよく振る。 |
| アレジオン眼瞼クリーム | エピナスチン | 1日1回など | まぶたに塗るタイプ(点眼ではない)。 |
ステロイド薬
上記の薬を使っても、どうしてもかゆみや赤みが治まらない重症例に使われます。炎症を鎮める力は非常に強力ですが、長期間漫然と使い続けると「眼圧の上昇(緑内障)」や「感染症の悪化」を招くリスクがあります。
お子さんは眼圧が上がりやすい傾向があるため注意が必要です。使用中は定期的に眼科で眼圧検査を受けることが必須です。自己判断での長期使用は絶対に避けてください。
| 製品名 | 成分名 | 強さ | 注意点 |
| フルメトロン | フルオロメトロン | 弱〜中 | 懸濁液。振って使用。 |
| オドメール | フルオロメトロン | 弱〜中 | 同上。 |
| リンデロン | ベタメタゾン | 強 | 短期が原則。 |
花粉症のその他の治療
薬を飲んでも症状が治まらない「重症」の方や、薬で抑えるだけはありません。「体質から変えたい」と考える方には、これまで紹介した薬とは異なる治療法もあります。
開始時に詳細な検査や指導が必要なため、原則として対面での受診が必要ですが、選択肢として知っておきましょう。
注射薬(ゾレア)
飲み薬や点鼻薬を使っても症状が治まらない「重症・最重症」のスギ花粉症に対する治療です。アレルギー反応の元凶であるIgE抗体をブロックする注射を打つことで、強力に症状を抑えます。
高い効果が期待できますが、誰でも打てるわけではありません。「12歳以上」で、「既存の治療を1週間以上行っても効果が不十分」なことに加え、以下の条件を満たす必要があります。
● 血液検査でスギ花粉の特異的IgE抗体がクラス3以上
● 総IgE値と体重が、投与換算表の適応範囲内にあること
これらの条件に当てはまらない場合は投与できません。また、薬剤費が高額になるため、医師とよく相談する必要があります。
舌下免疫療法
アレルギーの原因物質(スギ花粉エキス)を少しずつ体に取り入れ、体を慣れさせていく「アレルゲン免疫療法」の一つです。
「シダキュア」などの錠剤を舌の下に含んで服用します。その場の症状を抑える対症療法とは異なり、長期的な症状の緩和(寛解)や、体質改善を目指せるのが特徴です。
ただし、治療期間は3〜5年と長く、毎日服用する必要があります。
開始時期
副作用のリスクを避けるため、一般的には花粉が飛んでいない時期(目安:6月〜12月頃)に開始します。
通院
初回は必ず医師の監督下(対面)で服用する必要があります。2回目以降の「継続処方」についてはオンライン診療に対応しているクリニックもありますが、増量期や定期検査の際は対面受診が必要になるなど、施設の運用ルールに従う必要があります。
運用ルールは医療機関ごとに異なるため、初回の説明は院長または担当医の指示に従ってください。
花粉症の薬についてのよくある質問
ここでは、花粉症の薬についてよくある質問にお答えします。
花粉症の薬は種類によって「強さ」が違いますか?
「最強の薬」は人によって違います。一般に効果が強い薬ほど眠気などの副作用も出やすい傾向がありますが、体質による相性も大きいです。
市販薬でも処方薬と同じ成分のものは買えますが、処方薬は「選択肢」が圧倒的に豊富です。錠剤、点鼻、点眼を症状に合わせて細かく調整できるため、結果的に自分にとって「最も効く治療」が見つかりやすくなります。
まずは医師に相談し、自分に合う薬を見つけるのが近道です。
花粉症の薬で眠気や集中力の低下が起こると困るのですが?
花粉症の薬で脳の働きが鈍り、集中力が落ちることを「インペアード・パフォーマンス」と呼びます。自覚がないままミスが増えるので注意が必要です。
眠気を防ぐには、脳に影響しにくい「第2世代」の中でも「非鎮静性」と呼ばれる薬(アレグラ、クラリチン、ビラノアなど)を選びましょう。
同じ第2世代でも、薬の説明書にある運転の注意書きには「記載なし」「注意」「禁止(従事させない)」と明確なランク差があります。運転する人は必ず医師に伝えてください。
眠気がなくても「眠い感じがしないまま」ミスが増えたり、注意力や判断力が落ちたりすることがあるため注意が必要です。
花粉症の薬と風邪薬は併用できますか?
自己判断での併用は危険です。市販の風邪薬には、鼻水を止めるために花粉症薬と同じ「抗ヒスタミン成分」が入っていることが多く、知らずに成分が重複(過剰摂取)してしまう恐れがあります。
たとえば「コンタック」など市販の風邪薬には、クロルフェニラミンマレイン酸塩のような抗ヒスタミン成分が含まれることがあります。成分が重なると、強い眠気だけでなく、抗コリン作用による口の渇(渇き)、便秘、排尿困難などが出やすくなるため注意してください。
併用すると、強い眠気やだるさ、排尿困難などの副作用が出るリスクが高まります。風邪を引いた時は、飲み合わせに問題がない薬を医師や薬剤師に選んでもらってください。
花粉症の薬を妊娠中や授乳中に服用しても大丈夫ですか?
妊娠中や授乳中は慎重な判断が必要ですが、我慢しすぎて体調を崩すのもよくありません。 「絶対に飲めない」わけではなく、比較的安全とされる使用実績のある薬(ロラタジンやセチリジンなど)や、全身への影響が少ない点鼻薬・点眼薬を選ぶ方法があります。
ただし、妊娠週数や体調によってベストな選択は変わるため、自己判断せず産婦人科や耳鼻科の医師に相談し、リスクとメリットを考えて処方してもらいましょう。
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