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咳が止まらない時は何科に行けばいい?考えられる原因や対処方法について解説

監修医師 郷 正憲
更新日:2024年07月27日

更新日:2024年07月27日

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咳が長引く場合、どの医療機関を受診するか迷うかもしれません。一般的に、内科や耳鼻咽喉科が受診候補となりますが、どちらに行くべきかは症状や状況に応じて異なります。

この記事では、咳の原因と対処方法、そしてどの医療機関を受診すべきかについて解説していきます。受診する科に迷う場合は、ぜひ参考にしてください。

咳の原因

咳は、私たちの体が自己防衛するための自然な反応です。喉に入った不要なもの、例えばウイルスや細菌、ほこりなどを体外に排出しようとする時に起こります。食事を急いでいるときに食べ物が間違った道を行ってしまい、咳き込むことがありますが、これも体が異物を排出しようとしているからです。

 

咳がなければ、これらの異物が肺などの体の深部に入り込み、病気を引き起こす可能性があります。咳は時に不快な症状を伴いますが、実は私たちの健康を守る重要な役割を果たしているのです。

咳の種類と見分けるポイント

咳には様々なタイプがあり、それぞれが私たちの体について教えてくれる重要な情報を持っています。医師は、咳の音や期間を聞くことで、潜在的な病気を見つける手がかりとします。

 

乾性咳嗽は、空気が乾燥しているような「コン、コン」という音が特徴です。痰が絡まない咳です。これは、風邪の初期症状やアレルギー反応などでよく見られます。一方、湿性咳嗽は「ゴホン、ゴホン」という音で、痰が絡んでいることが多い咳です。これは、風邪が進行したり、肺炎などの感染症が考えられます。

 

また、犬吠様咳嗽と呼ばれる咳では、犬が吠えるような「ケン、ケン」という音が特徴です。これは、呼吸困難を伴う重い病気のサインかもしれません。

乾いた咳と湿った咳

咳には大きく分けて「乾いた咳」と「湿った咳」があります。

 

【乾いた咳】

乾いた咳とは痰を伴わない咳のことです。風邪を引いた際に多く見られますが、間質性肺炎や肺がんなどの深刻な病気の初期症状の場合があります。

 

咳が長く続く場合は、気管支炎が治った後の咳や百日咳やアトピー性咳嗽、夜から朝にかけて特にひどくなる咳喘息の可能性も考えられます。この場合レントゲンを撮っても肺に影が写りません。

 

【湿った咳】

湿った咳は、気管支の中で分泌される液体が多くなり、痰として咳と共に出る現象です。これは気管支に炎症があるときによく見られます。

 

痰が出る咳は、慢性的な肺の病気であるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)や気管支拡張症などで起こります。また、結核のような感染症の可能性もあるため高齢者は特に注意が必要です。

急性の咳と慢性の咳

咳は期間によって急性、遷延性、慢性と分類できます。

 

・急性咳

咳が始まってから3週間以内のものを指し、大抵は風邪や肺炎などの感染症が原因です。この段階では、体が感染に対抗しているサインと言えます。

 

遷延性咳
咳が3週間から8週間続く場合は、遷延性咳です。この時期になると、感染症以外の原因による咳が増えてきます。たとえば、アレルギーや喘息、さらには空気の汚れなどが原因で咳が長引くことがあります。

 

・慢性咳
咳が8週間以上続く場合は慢性咳と呼ばれ、この段階では感染症による咳はかなり少なくなります。慢性的な肺の疾患や、環境因子、時にはストレスなどが原因の場合があります。

咳が2週間以上続く場合

風邪は一般的には限定的な病気で、通常は7〜10日で回復します。しかし、2週間以上咳が続く場合は、他の病気の可能性があります。咳が2週間以上続く場合は、医師の診察を受けましょう。

 

咳が2週間以上続く場合に考えられる、代表的な病気は以下になります。

 

1.マイコプラズマ肺炎
細菌感染による呼吸器疾患で、主に子供に見られますが大人にも影響を及ぼすことがあります。症状には発熱や咳が起こり、咳は数週間続くことがあります。

 

2.アトピー性咳嗽
アレルギーに関連する病気で、長期にわたる乾いた咳が特徴です。喘息の薬は効果がなく、ヒスタミン拮抗薬やステロイド薬が治療に用いられます。

 

3.気管支喘息
炎症により気道が敏感になり、咳や呼吸困難を引き起こす病気です。夜間や早朝に症状が悪化することがあります。治療には吸入ステロイドが使用されます。

 

4.咳喘息
喘息の一種で、咳が主な症状です。気管支拡張薬で改善が見られる場合があります。

 

5.COPD(慢性閉塞性肺疾患)

喫煙が主な原因で、呼吸困難や咳、痰が特徴です。進行性の病気で、治療には気管支拡張薬や酸素療法を行います。

 

6.アレルギー性鼻炎
花粉やダニなどのアレルゲンに反応して起こる病気で、くしゃみや鼻水が特徴です。咳や喉の不快感を引き起こすこともあります。

 

7.副鼻腔炎
鼻の周りの空間の炎症で、鼻汁や鼻づまり、顔の痛みなどがあります。咳や微熱が伴うこともあります。

咳が止まらない時は何科に行けばいい?

もし咳が長く続いて、市販薬や病院で処方された薬を使っても改善しない場合は、「呼吸器内科」で診てもらいましょう。風邪やインフルエンザによる咳は、通常数週間で治りますが、3週間を超えても咳が続く場合は注意が必要です。特に、8週間以上咳が止まらない場合は、他の病気が潜んでいる可能性があるため、早めに医師の診断を受けてください。

内科と耳鼻科で診察する範囲の違い

咳の症状で医療機関を受診する場合には、迷うかもしれません。内科と耳鼻科で受診する際には、症状の位置や特徴に基づいて受診してください。

 

内科は主に喉から下の気道(気管、気管支)の診察を得意としており、耳鼻科は喉から上の部分(鼻、喉頭)の診察を専門としています。

内科の場合

・咳が主な症状である場合、または風邪から回復して咳だけが残る場合

・咳が激しく、夜間の睡眠を妨げる、夜中に咳で目が覚める、咳が止まらない、または咳をするたびに胸が痛む場合

・呼吸が苦しく、息を吸うのが困難、息を吐く際にヒューヒューと音がする、または息を吸うときに胸が痛む場合

・以前に咳のために病院やクリニックを受診し、処方された薬を服用しても改善が見られない場合

耳鼻科の場合

・鼻水や鼻詰まり、喉の痛み、声がれが咳よりも辛い場合

・鼻水や鼻詰まりに加えて、顔の頬部分に重さを感じる、顔を下に向けると頬や眉間が痛む場合

・喉が痛くて食べ物を飲み込めない、水も飲めない、喉の痛みが徐々に悪化していく場合

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さらに、処方された薬をその日のうちに受け取れます。特にバイク便を利用すれば、最短30分でお薬が届くため、急いでいる時にも安心です。

まとめ

もし咳が続く場合は、最初に内科を受診しましょう。診察の結果、専門的な治療が必要な場合は、専門の科を紹介してもらえます。咳の原因には、風邪、インフルエンザ、アレルギー反応、喘息、逆流性食道炎などが考えられます。長引く咳には注意しないといけません。市販薬を自己判断で使用する前に、専門家の診断を受けることが大切です。

 

症状が持続したり、悪化したりする場合は、早めに医師の診察を受けてください。時間がなくて病院に行けない場合には、オンライン診療を活用しましょう。

コメント 咳は一般的な症状の中でもよく見られる症状です。そのため、少し咳が出ただけではなかなか病院を受診しようという気にはならないと思います。しかし咳が2週間以上続いてくると体調的にもかなりしんどくなってきますし、何らかの病気のサインであるかもしれませんから、受診をした方が良いと思われます。内科か耳鼻科で迷うかもしれませんが、最初はどちらでもいいでしょう。必要に応じて紹介してくれるはずです。

監修医コメント

医師
郷 正憲

咳は一般的な症状の中でもよく見られる症状です。そのため、少し咳が出ただけではなかなか病院を受診しようという気にはならないと思います。しかし咳が2週間以上続いてくると体調的にもかなりしんどくなってきますし、何らかの病気のサインであるかもしれませんから、受診をした方が良いと思われます。内科か耳鼻科で迷うかもしれませんが、最初はどちらでもいいでしょう。必要に応じて紹介してくれるはずです。

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監修医師 郷 正憲
徳島赤十字病院 専門領域は、麻酔科(ペインクリニック), 感染症科 経歴:2011年3月香川大学医学部医学科卒。同年4月より徳島赤十字病院で初期臨床研修、2013年4月からは徳島赤十字病院麻酔科に所属。 保有資格に日本救急医学会ICLSコース認定ディレクター、日本麻酔科学会認定医・専門医 著書として、看護師と研修医のための全身管理の本 保有免許・資格は、日本麻酔科学会専門医、ICLSコースディレクター、JB-POT
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