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ガスター錠(ファモチジン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 伊波 綾乃
更新日:2024年02月28日

更新日:2024年02月28日

ガスター錠(ファモチジン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
ガスター錠(ファモチジン)は1979年に山之内製薬(現・アステラス製薬)が開発・販売した医薬品で、約40年以上前から使用されている胃薬です。
最近ではドラッグストアでも同じ成分を購入でき、病院を受診しなくても手に取りやすくなりました。
ここではガスター錠(ファモチジン)について詳しく解説していきます。

ガスター錠(ファモチジン)とは

ガスター錠(ファモチジン)は胃酸の分泌を抑える作用のある医薬品です。
医療用医薬品として胃潰瘍や十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血、逆流性食道炎、急性胃炎、慢性胃炎に適応があります。

 

市販薬では、胃痛、胃もたれ、胸焼けなどの症状に使用します。
また、医療用医薬品には10mgと20mgの2規格の錠剤・D錠・注射薬があります。市販薬では10mgの1規格の錠剤、散剤、S錠が市販されています。

口腔内崩壊錠(D錠)との違い

口腔内崩壊錠というのは、唾液程度の水分で服用しても問題がないように設計された剤型の医薬品のことをいいます。手元に飲み物がなくてもサッと服用できるというメリットを持っており便利です。

しかし、水で服用した時と比べて効き目が出る時間に大差ないので、なるべく水で飲むようにしましょう。

ガスター錠の主成分、ファモチジンについて

まず、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、胃痛、胸焼けなどの胃腸症状の原因について説明します。

胃には胃の壁細胞から分泌される胃酸などの「攻撃因子」と胃粘膜などの「防御因子」が存在しており、両者のバランスが均衡になるような仕組みになっています。

 

ストレスや飲酒、食べ過ぎなどが原因でどちらかのバランスが崩れてしまうことで潰瘍や逆流性食道炎、胃痛、胸焼けと言った症状が現れることがあります。

 

胃酸は胃の壁細胞にあるH2受容体にヒスタミンという伝達物質がくっつくことで分泌されます。

 

ファモチジンはこのH2受容体にヒスタミンの代わりにくっつくことにより、ヒスタミンがH2受容体にくっつくのを阻害し、胃酸の分泌を抑制させます。

 

これにより攻撃因子が抑制され、症状が緩和されます。このことから、ファモチジンはH2受容体阻害薬(H2ブロッカー)といわれています。

ガスター錠(ファモチジン)はどんな症状に効果がある?

上記にも記載した通り、医療用医薬品のガスター錠(ファモチジン)は胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血、逆流性食道炎、急性胃炎、慢性胃炎に適応を持っています。

 

重症なケースには即効性のある注射薬が使用されることもあります。市販薬のガスター錠(ファモチジン)は胃痛、胸焼け、胃もたれ、胃のむかつきなどに効果があります。

 

症状が軽い、過去に市販薬で改善が見られた場合は市販薬を使用して経過を見てもいいかもしれません。ひどい胃痛や吐血、下血などの症状がある場合は重篤な症状になっていることがあるので早急に医療機関の受診をお勧めします。

ガスター錠(ファモチジン)の用法・用量は?

医療用医薬品におけるファモチジンの用法・用量は疾患によって異なります。
添付文書には下記の通り記載があります。

<胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群>
通常成人にはファモチジンとして1回20mgを1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。

また、1回40mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

ただし、上部消化管出血の場合には通常注射剤で治療を開始し、内服可能になった後は経口投与に切りかえる。

<下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善、急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期>
通常成人にはファモチジンとして1回10mgを1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。

また、1回20mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

では、市販薬の添付文書も見てみましょう。

<胃痛、もたれ、胸やけ、むかつき>
症状があらわれた時に、つぎの量を水又はお湯で服用してください。
15歳以上80歳未満 1回1錠、1日2回まで
小児(15歳未満)、高齢者(80歳以上)は服用しないでください。
なお、市販薬は現在のところ10mgのみの販売となっています。

腎機能によっては用量が異なる

ガスター錠(ファモチジン)は腎臓から排泄されるため、腎機能が悪い方に使用するには注意が必要な医薬品になります。

 

腎機能の指標にはクレアチニンクリアランス(Ccr)を用います。数値が低ければそれだけ腎機能が悪いということです。

 

また、高齢者では腎機能が落ちている場合が多いため80歳以上の方は市販薬ではなく医師の診断のもと薬を処方してもらってください。

 

医療用医薬品のガスター錠(ファモチジン)の腎機能障害患者に対する用法用量は下記の通りになります。ご参考にしてください。

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ガスター錠(ファモチジン)の副作用

重篤な副作用として、アナフィラキシー、ショック、再生不良性貧血、無顆粒球症、汎血球症、血小板減少症などが挙げられます。いずれも0.1%以下の発現頻度があります。

頻度の高い副作用として、白血球減少や便秘、肝機能上昇が挙げられますが、こちらも頻度は5%以下となっています。

ガスター錠(ファモチジン)に関する注意点

ガスター錠(ファモチジン)は併用禁忌の医薬品はありませんが、併用を避けたほうがいい薬があります。例を挙げると、イトラコナゾールというアゾール系抗真菌薬があります。

 

ガスター錠(ファモチジン)と併用することで、イトラコナゾールの薬の効果を下げてしまうので「併用注意」となっています。その他にも定期的に服用している薬がある方は医師、薬剤師へご相談ください。

腎機能が低下している人

腎機能が低下している方、透析を受けている方は特に注意が必要です。医師から「腎機能に問題あり」と指摘された方で胃痛や胸やけなどの症状が出現した場合、市販薬の購入は控えて病院・クリニックを受診し、医師の指示を仰いでください。

PPI製剤との併用

PPI製剤とはプロトンポンプ阻害薬(Proton Pomp Inhibitor)と呼ばれる医薬品で、胃の壁細胞にあるプロトンポンプと呼ばれる部分に作用して胃酸の分泌を抑える医薬品です。

 

H2阻害薬より強力で、長時間作用が続くのが特徴です。PPI製剤はH2阻害薬と同じような作用をする医薬品なので、基本的に併用することはありません。

 

稀に別々のクリニックでPPI製剤とH2阻害薬が処方されることがあるので注意が必要です。このような事態を未然に防ぐためにも、病院・クリニックを受診される際、薬局に来局される際はお薬手帳の持参を推奨します。

ガスター錠(ファモチジン)と同じ成分の市販薬はある?

ガスター錠(ファモチジン)は第一類医薬品として薬剤師のいるドラッグストア・薬局で販売されています。

「ガスター10錠」「ガスター10散」「ガスター10S錠(水なしで服用できるタイプ)」の3種類の剤型があり、ご自身にとって飲みやすい剤型を選ぶことができます。薬剤師にご相談の上、購入を検討してください。

その他市販の胃薬を紹介

市販の胃薬には胃酸の分泌を抑える「ファモチジン」の他にも、抗コリン作用を持っている「ロートエキス」や胃粘膜を保護する「スクラルファート」、胃痙攣の緩和をする「ブチルスコポラミン」といった有効成分を含む医薬品も多数販売しています。

 

ロートエキスは抗コリン作用を持っており、多くの医薬品に入っています。緑内障や前立腺疾患を悪化させる可能性があるためこれらの症状をお持ちの患者さんには使用できないので注意が必要です。

 

また、乳汁分泌を抑制させることから授乳中は避けていただきたい医薬品になります。胃薬選びに迷いましたら、薬剤師・登録販売者にご相談ください。

 

参考文献
医療用医薬品/ガスター錠10mg/ガスター錠20mg添付文書
ガスター10 製品情報/ 第一三共ヘルスケア
タケプロンOD錠 添付文書/武田テバ
【症状別】胃薬の選び方|株式会社ナチュラルファーマシー

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監修薬剤師 伊波 綾乃
総合病院で4年、保険薬局で3年勤務。がん治療期~緩和ケア領域、小児科、耳鼻科、透析、心療内科を経験。現在はフリーランス。 症状に適したお薬選びができるよう、読者の皆様の手助けができればと思います。
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