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おなかの調子が気になる時に!ビオスリーHI錠の効果や価格、ビオフェルミンとの違いを解説

監修医薬品登録販売者 村上菜美子
更新日:2024年02月29日

更新日:2024年02月29日

おなかの調子が気になる時に!ビオスリーHI錠の効果や価格、ビオフェルミンとの違いを解説のイメージ
「ビオスリーHi錠」は3種類の活性菌が配合された整腸剤に分類される市販の医薬品です。

薬には、医療機関を受診し、医師の診断に基づいて治療目的で処方される薬(医療用医薬品)と、ドラッグストアなどで購入できる市販の薬(一般用医薬品)に分ける事ができます。

ビオスリーHI錠とはどんな医薬品?

「ビオスリーHi錠」は3種類の活性菌が配合された整腸剤に分類される市販の医薬品です。

 

薬には、医療機関を受診し、医師の診断に基づいて治療目的で処方される薬(医療用医薬品)と、ドラッグストアなどで購入できる市販の薬(一般用医薬品)に分ける事ができます。

 

「ビオスリーHi錠」は販売元が武田コンシューマーヘルスケア株式会社で、指定医薬部外品に分類される整腸剤です。

錠剤タイプの整腸剤で、便秘や軟便、腹部膨満感などに効果のある整腸薬です。

 

ビンに内包されているタイプとシート状になっているPTP包装のタイプがあり、価格や内容量は以下の通りです(製品情報および価格は2020年10月現在のものです。)

180錠ビン包装 税抜2,280円(メーカー希望小売価格)

270錠ビン包装 税抜3,180円(メーカー希望小売価格)

42錠PTP包装(21錠×2)税抜980円(メーカー希望小売価格)

一方、処方薬でも、病院で抗生薬や抗菌薬などの薬の処方時に、「ビオスリー配合錠」や「ビオフェルミン」という商品名のお薬を一緒に処方された経験のある方は多いのではないでしょうか。

 

これらも市販のビオスリー同様、整腸剤に分類される医薬品で、抗生薬や抗菌薬が腸内細菌に与える悪影響の緩和を目的として処方されます。

 

抗生剤や抗菌剤は、体内で悪さをしている細菌等にダメージを与える治療薬ではありますが、同時に体にとって有用な菌も退治してしまいます。

 

その副作用として、バランスが乱れてしまう腸内細菌(特に善玉菌)のバランスの調整を治療目的として処方されるのがビオスリーほか、整腸作用のあるお薬です。

ビオスリーHI錠に含まれる成分は?

ビオスリーHi錠に配合されている腸内細菌類は、大まかに「乳酸菌」、「糖化菌」、「酪酸菌」の3種類です。「活性菌トリプル共生処方」というキャッチコピーで有名ですが、具体的に、腸内細菌とはどのような働きをしてくれているのでしょうか?

 

腸内細菌は、主に小腸から大腸に存在しており、食べ物から栄養物質を作り出したり、腸内の免疫細胞を活性化したり、病原菌などから身体を守る作用のある細菌です。1,000種1,000兆個以上もの種類に渡るとも言われており、その様子がお花畑のように腸内に群生していることから「腸内フローラ」(腸内菌叢)と呼ばれることもあります。

 

最近では「腸活」という言葉も頻繁にきかれるように、腸の環境は、私たちの健康に大きな役割を占めていることがわかってきました。

そして、健康を維持するための腸内フローラは、抗生剤の投与や、ウイルス感染等による胃腸炎など、体調を崩した後などに著しく乱れてしまう事があります。

 

小腸から大腸にかけてたくさんの菌が生息していて、これらの様々な細菌がバランスをとりながら腸内環境を良い状態にしようと頑張ってくれているのです。

 

ビオスリーHi錠に含まれている「乳酸菌」は主に小腸に多く生息し、糖を分解して乳酸を作り出してくれます。この乳酸が腸を整える作用をもたらしたり、腸内のPH値を酸性に傾ける作用で、悪玉菌や体外から入ってきた病原菌・ウィルスを抑制する働きをしてくれます。

 

また、乳酸菌が分解できない栄養素の分解・吸収を助けてくれるのが「糖化菌」で、乳酸菌が増殖する手助けをしてくれるものです。

 

もう一つ、「酪酸菌」は腸に届いた食物繊維を発酵・分解して大腸の粘膜代謝を促進・強化する作用のある「酪酸」を作る細菌の総称です。腸の表面の細胞を強化することにより、悪玉菌などが出す有害物質が体内に吸収されるのを防いでくれるのです。

 

そしてこの酪酸菌の増殖を助けるのは乳酸菌であり、腸内ではこの腸内細菌類がお互いに共生、協力しながら作用することによって、腸内有益菌の働きを高め、有害菌を抑制することができるのです。

ビオスリーHI錠はどんな症状に効果的?

整腸作用のある薬を選ぶ背景として考えられるのが、「下痢・便秘・お腹が張るなどの胃腸に関する症状がある」という事が多いと思います。

 

整腸剤の効能効果としても、一般的に「下痢・軟便・便秘、腹部膨満感(おなかの張り)などの諸症状・整腸(おなかの働きを整える)」とされています。

下痢や軟便は、急に始まり、下腹部痛を伴うものや、食あたり、水あたりなど特定の食物を摂取後にお腹を下す場合、また、風邪がお腹に来たなどの胃腸炎の症状、あとは、食べすぎ、飲みすぎなど、暴飲暴食に伴い出現する症状です。

 

また、もともとの胃腸虚弱、下痢をしやすい体質などが気になる時に「お腹が弱いから整腸剤を試してみようかな?」と考える方もいるでしょう。

 

一時的な下痢自体は、体内に有害なものを出そうとする生体反応であることも多く、ウイルス感染時(ノロウイルスや、食中毒を起こすようなウイルス)などに、むやみに医薬品で下痢を止めてしまう事は病気の回復を遅らせてしまう可能性があり、推奨されていません。

 

どちらかというと下痢症状により、腸内フローラが乱れてしまう事を想定し、その回復を助ける効果や作用を期待して整腸剤を検討するのが良いとされています。

 

また、便秘の場合は、一時的な便秘と慢性的な便秘の2種類あり、一時的な便秘の場合、環境や生活パターンの変化、緊張、不規則な食生活などの原因が考えられるため、その原因に対処するとともに、整腸剤を服用するのが効果的です。一方、慢性便秘の場合は原因がたくさんあります。

 

例えばもともと胃腸が弱く、消化不良を起こしやすい人や、体力が弱っていて腸の蠕動運動が弱い場合、またデスクワークが多く慢性的に運動不足など生活習慣によるものもあるでしょう。

 

特に女性は月経周期やホルモンバランスにより便秘に悩まされている方も多いです。そのような方は、整腸作用+胃腸の諸症状を改善する成分や便通を促す成分を含む医薬品を検討する事が望ましいです。

ビオスリーHI錠の使い方のポイント

そもそも腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌(善玉菌にも悪玉菌にも分類できない菌)の大きく3種類に分けられます。善玉菌は腸に良い影響を及ぼしたり、逆に悪玉菌が増えると悪い影響を及ぼすこともあります。

 

腸を健康に保つためには、この善玉菌などの有用菌を増やして、悪玉菌による悪影響を抑制する事が効果的です。

 

腸内フローラを整えることは、健康に大きく影響するので、食事や運動、生活習慣を改善する事が最重要ですが、効率の良い方法として整腸剤やサプリメント等で善玉菌を取り入れるのがポイントです。

 

また、整腸作用を目的とした薬には「第3類医薬品」に分類されているものと「指定医薬部外品」に分類されているものがあります。「指定医薬部外品」とは、医薬品の販売規制緩和に伴い、一部の医薬品が指定医薬部外品に移行してきたもので、コンビニやスーパーなどでも販売が可能な医薬品です。

 

同じ整腸剤に分類される医薬品でリスク区分が違う理由は、生菌以外に含まれている医薬品成分(ビタミン類や消化酵素など)の配合成分の違いで、実際には効果に大きな差はありません。

 

また、整腸剤と一緒に摂取する事で高い効果を得られる食品もあり、オリゴ糖(きなこやハチミツなど自然な甘みを持つもの)や食物繊維を多く含むキノコ類、海藻類や豆類などは善玉菌のエサとなってくれると言われています。

 

おなかの悩みでも、人によって症状や原因はさまざまです。季節や体調によって症状が変化するという方も少なくないでしょう。ポイントは、自分の悩みに合わせて選ぶことです。

ビオスリーとビオフェルミンの違いは?

「ビオフェルミンS」シリーズは市販薬としては有名で昔からあるなじみの深いお薬です。

 

CMなどで見かける事も多いと思いますが、医療用医薬品(処方薬)にも「ビオフェルミン」などが保険薬局等で処方されるお薬で、病院など医療機関で医師が患者さんの状態に応じて、治療を目的として処方するお薬です。医療用と市販薬との成分に違いはありません。

 

市販の「ビオフェルミンS」もセルフメディケーションの範囲で整腸(腸の調子を整える)作用を目的として購入する事ができる指定医薬部外品です。

 

近年、各社が菌の研究開発を重ね、特色を持たせた製品を発売していて、腸の健康維持への需要が高いのがうかがえます。前述の「ビオスリーHi錠」と、「新ビオフェルミンS」との違いとしては、配合されている菌の働き方が違います。

ビオフェルミンSは、ビフィズス菌+フェーカリス菌+アシドフィルス菌という3種類の乳酸菌が産生する乳酸や酢酸によって、腸内のPH値が産生になることで他の善玉菌が活動しやすい状態にしてくれます。

 

菌類の活動土台を作るというようなイメージですね。ビオスリーHi錠には乳酸菌+糖化菌(ラクトミン)+酪酸菌3種類の善玉菌が入っていますが、腸内の善玉菌を住みやすい環境にしてくれる乳酸菌(これはビオフェルミンと同じ)に加えて、「糖化菌」という菌が配合されています。

 

糖化菌は、乳酸菌が分解できないデンプンを分解・吸収する事で乳酸菌がより多く産出されやすい環境を作ってくれる役割を担ってくれます。乳酸菌が増えてくれることで、「酪酸菌」が増えやすくなります。

 

この酪酸菌がポイントで、大腸の上皮粘膜を強化し、大腸のエネルギー源となる「酪酸」という物質を生成する菌です。ビオスリーHi錠は、この酪酸菌を強化しているのが特徴で、3つの菌がうまく循環・共生し合う事で、腸内環境を整えてくれるメカニズムとなっています。

 

また、ビオスリーに配合している活性菌のうち、糖化菌と酪酸菌は胃酸の影響を受けません。一見ビオスリーを選ぶ方が効果がありそうな気になってきますね。

 

確かに3種類の働き方の異なる菌が配合されている事で、カバー範囲が広い事がメリットだと言えます。ただ、ビオスリーHi錠に強化されて配合されている酪酸菌を増やすために、一番大切なのは「食物繊維」です。

 

食物繊維は、穀類 、豆類、芋類 、野菜、青菜類や果物、きのこ類、海藻類などたくさんの食品に含まれていますので、普段の食事や食品などで強化する事も十分可能です。

 

ただし、慢性的に症状があるので改善していきたいなど、継続して摂る必要がある人や、もともと胃腸が虚弱で消化吸収能力自体が落ちている人、ライフスタイルなどによりどうしても食事や食生活の改善だけでは摂取が追い付かない場合などに、酪酸菌も配合されている整腸薬を試してみてはいかがでしょうか。

服用方法と注意点は?副作用はある?

ビオスリーHi錠など、整腸剤に分類される医薬品は、大きな副作用などはほとんどありません。

 

服用し始めて一時的にお通じの状態が変わったりする場合があるようですが、基本的に毎日服用しても問題なく、妊婦さんや授乳中の女性、高齢者の方も幅広く使用できる医薬品です。

 

ビオスリーHi錠は、5歳以上から服用する事ができますので、年齢ごとの用法や用量にしたがって、食後に水などで服用してください。

 

15歳以上の成人は1回2錠を1日3回。5歳以上15歳未満は、1回1錠を1日3回となっています。(添付文書 用法用量から抜粋)

 

ちなみに、タケダブランドから、「ビオスリーH」という粉薬タイプの商品もあり(散剤といいます。)こちらは3ヵ月の赤ちゃんから服用することができます。(服用させる際は保護者の監督のもと、服用するようにしましょう。)

 

保管方法は、直射日光のあたらない湿気の少ない涼しい所で、小児の手の届かない所に保管してください。

 

また、誤用や品質維持のため、錠剤や散剤を他の容器に入れ替えないようにしましょう。

 

使用期限のすぎた製品を服用することはやめ、PTP包装の場合は、一度内袋(アルミの袋)を開封した後、ビン包装の商品は、ビンのフタをしっかり閉めて保管、使用するようにしましょう。

どうすれば購入できる?

指定医薬部外品や医薬部外品は薬局や薬店でしか販売できない薬とは異なり、コンビニやスーパーでも販売が可能なお薬です。街のドラッグストア店などで比較的手軽に購入することができます。

 

また、すべての一般用医薬品は、一定の条件の下、インターネットや電話などで販売できるようになりました。

 

ただし、使用に特に注意が必要な「要指導医薬品」に分類される商品は対面販売に限ります。※商品や製品の購入時に専門家からの情報提供を受ける必要がある場合があります。店頭および各ショップ、または健康日本堂調剤薬局までお問い合わせください。

最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。

 

オンライン診療は、
・受付や会計の待ち時間が短縮される。
・自宅や外出先で診療が受けられる。
・院内処方の場合くすりが自宅に届く。
・院内感染・二次感染のリスクがない。
などのメリットがあり、非常に便利なサービスです。

 

SOKUYAKUでは、多数の診療科目や全国から病院を探すことができます。

 

また、新型コロナウイルス感染症の検査は、医療機関以外の自宅でも実施が可能です。

 

SOKUYAKUで、ビデオ通話にて診療をご受診頂き、PCR検査をご希望の場合は、SOKUYAKUからご自宅で唾液採取して頂く検査キットをご注文頂けます。

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周辺への感染の可能性を配慮して外出を控えたいやその他事情により、病院に行くことが難しい場合は、オンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。

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