【医師監修】ニキビの芯の正体は何？潰す前に知っておこう！後悔しない対処法

ニキビの「芯」とは、毛穴に詰まった皮脂や古くなった角質、さらには炎症が進んだ場合の膿などが固まったものです。白く見える芯もあれば、黒く酸化したものや膿が混じったものもあり、見た目や中身はニキビの進行段階によって大きく変わります。

実はこの「芯」には、医学的な明確な定義はありません。私たちが目にする「ニキビの芯」は、多くの場合こうした皮脂や角質、あるいは膿などが詰まって固まったものだと考えて大丈夫です。

種類や状態によって正体が異なることを知ってきましょう。誤ったケアで悪化させないためにも、芯の正体を理解して正しく対応することが大切です。

白ニキビの芯は、毛穴に溜まった皮脂や古い角質が詰まってできたものです。毛穴の入り口が角質で塞がれているため、内部に白っぽい塊が透けて見えます。まだ炎症は起きておらず、痛みもありません。この段階で適切にケアすれば悪化を防げます。

芯の中身はやわらかく、皮脂が主成分なので、強く触ったり潰したりすると炎症の原因になります。清潔な肌環境を保ち、丁寧なスキンケアで早期に対処しましょう。

白ニキビについて詳しく解説

黒ニキビは、白ニキビが進行して毛穴が開き、中の皮脂や角質が空気に触れて酸化し、黒く変色した状態です。芯が黒く目立つのが特徴で、痛みはありませんが、放置すると炎症が起きて赤ニキビに進行するリスクがあります。

黒ニキビの芯は表面が酸化して黒いだけで、中身は白ニキビと同様、皮脂と角質の混ざったものです。見た目が気になるからといって潰すと、肌を傷つける原因になるため注意しましょう。

赤ニキビでは、毛穴に詰まった皮脂を餌にアクネ菌が増殖し、炎症を起こして赤く腫れた状態になります。この段階になると、芯のようなものは表面に見えにくくなり、皮膚の奥に存在することがほとんどです。

炎症のため痛みを感じる場合が多く、無理に潰したり押し出したりすると悪化してしまいます。赤ニキビには、皮脂や角質だけでなく炎症による膿も含まれていることがあり、正しい治療が必要です。

黄ニキビは、赤ニキビがさらに悪化し、毛穴に膿が溜まって黄色く腫れて見える状態です。中心に黄色い芯が見えることがあり、この芯は皮脂や角質に加えて、炎症によってつくられた膿が混ざっています。

痛みが強く炎症も激しいため、自己処理は厳禁です。無理に潰すと跡が残ったり、炎症が広がるリスクが高まるため、皮膚科を受診して適切なケアで再発や悪化を防ぎましょう。

しこりのように硬いのに芯が見えないニキビは、「しこりニキビ」と呼びます。これは皮脂や角質が深い層に詰まり、周囲の組織が炎症や繰り返しの刺激で線維化し、硬く盛り上がってしまった状態です。

明確な芯がなく、ほとんどが中身を押し出しても何も出てきません。ニキビ痕になりやすいので早めの対処を心がけましょう。

ニキビに見えて強い臭いがある場合、それは「粉瘤（ふんりゅう）」かもしれません。粉瘤は皮膚の下にできた袋に老廃物が溜まってできる良性の腫瘍で、内部にある角質や皮脂が腐敗したような強い臭いを放つことがあります。

芯は自然に「できる」のではなく、肌環境の乱れや皮脂の過剰、毛穴詰まりが重なった結果として、毛穴の中で作られてしまうものです。

ニキビに芯ができるのは、皮膚の生まれ変わり（ターンオーバー）が乱れ、毛穴の出口が狭くなったり塞がれたりすることが原因になります。そこに皮脂が過剰に分泌されると、行き場を失った皮脂や古い角質が毛穴の中に溜まりはじめます。これが芯の“もと”です。

空気に触れない毛穴の奥で皮脂と角質が混ざり合い、時間とともに塊となって芯のように育っていきます。これが肌の表面にまで盛り上がると、目に見える芯として認識されるようになります。

ニキビに芯ができたときに絶対に避けたいNG行動を4つご紹介します。知らずにやってしまっていないか、ぜひチェックしてみてください。

芯が見えると「これを出せば治るかも」と思ってしまいがちですが、自分の指や爪でニキビを潰すのは大きなリスクです。潰すことで皮膚が傷つくだけでなく、雑菌が入り込んで炎症を悪化させたり、化膿してしまうことも。治った後に赤みや凹み、シミといったニキビ跡として残る可能性もあるため、芯が見えても絶対に潰さないようにしましょう。

「清潔にすれば早く治る」と思って、何度も洗顔を繰り返していませんか？ 実はこれは逆効果。洗いすぎると、肌にとって必要な皮脂まで落としてしまい、乾燥やバリア機能の低下を引き起こします。その結果、皮脂が過剰に分泌され、ニキビがさらに悪化することもあります。

毛穴汚れや角質を取ろうと、スクラブやピーリングでゴシゴシ擦るのはNGです。ニキビがある肌はすでに敏感な状態になっており、物理的な刺激はさらに炎症を広げてしまうかもしれません。摩擦によって肌表面が傷つくと、治りが遅くなるだけでなく、色素沈着やクレーター状のニキビ跡が残るリスクもあります。

「いつか治るだろう」と放っておくのも大きな間違いです。ニキビは自然に治るケースもありますが、炎症が進行すると色素沈着や凹みなどの痕が残るリスクが高まります。症状が続くときは皮膚科の受診を検討しましょう。

ニキビに芯が出来た場合に、日常生活の中でできる正しい対処法を紹介します。

ニキビを悪化させないためには、洗顔と保湿がポイントです。まずは洗顔料をしっかり泡立てて、肌に直接手が触れないよう泡でやさしく洗いましょう。熱いお湯は避け、人肌程度のぬるま湯で洗い流すのがコツです。

保湿も欠かせません。皮脂が多くても、乾燥すれば肌はさらに皮脂を分泌します。化粧水で水分を与えた後、乳液やクリームでそのうるおいをしっかり閉じ込めてください。

肌の健康は内側からも整える必要があります。脂っこい食事や甘いお菓子ばかりでは、皮脂が過剰に分泌されニキビが悪化しやすくなります。肌に良いとされるビタミンB群やC、亜鉛などの栄養素を意識して取り入れましょう。

たとえば納豆や卵、キウイやレモン、牡蠣などはおすすめの食材です。忙しい日にはサプリメントやコンビニのサラダ、ヨーグルトなどを活用するのも良いかもしれません。

成長ホルモンが分泌される睡眠中は、肌の生まれ変わり（ターンオーバー）が進む時間です。入眠から3時間が重要とされており、22時〜2時は「肌のゴールデンタイム」とも呼ばれます。

質のよい睡眠を取るためには、日中に軽い運動をしたり、寝る前に湯船に浸かってリラックスするのも効果的です。睡眠不足はニキビの悪化にもつながるため、しっかり眠ることを心がけましょう。

ストレスが続くと自律神経が乱れ、ホルモンバランスにも影響します。その結果、皮脂分泌が過剰になりニキビができやすくなってしまいます。日々の生活の中でストレスを感じたら、意識的に発散しましょう。

軽い運動をしたり、好きな趣味に没頭する時間をつくるのがおすすめです。疲れを感じたら無理をせず、ゆっくり休息することも大切です。心が元気でいることが、肌の健康にもつながります。

セルフケアをしっかり続けていても、なかなかニキビが改善しないという方もいます。そのような場合は、皮膚科で専門的な治療を受けるのが改善の近道になります。

芯のあるニキビは無理に押し出すのではなく、医療機関での適切な治療を受けましょう。

専用の器具で毛穴につまった皮脂や角質を取り除く方法です。表面に小さな穴をあけて中身を排出するため、自己処理よりも肌への負担が少なく、清潔な環境で行えます。白ニキビや黒ニキビに対して行うことが多く、保険適用です。

過酸化ベンゾイル製剤は、アクネ菌を殺菌しつつ毛穴の詰まりも改善してくれる外用薬です。アダパレン製剤は、毛穴の詰まりを根本から解消し、芯ができにくい肌に整えてくれます。症状によっては抗菌剤を含む塗り薬も使用します。

塗り薬だけでは改善しないような、広範囲に赤く腫れたニキビには、飲み薬の抗生剤も使用されます。また、肌へのサポートとしてビタミン剤を使用したり、体質改善のため漢方薬を用いることもあります。

ケミカルピーリングは、古い角質を薬剤で取り除く治療法です。毛穴のつまりを改善し、ニキビの発生を抑える効果が期待できます。ただし、保険適用外で自費診療となります。継続して行うことで効果が出やすいとされていますが、敏感肌の方や日焼け直後の施術には注意が必要です。

自己流で処理すると、炎症や色素沈着などの跡が残る可能性があります。芯があるニキビは、原因となる毛穴のつまりや炎症に対して、適切なケアが重要です。ニキビが気になる場合は、早めに医師へ相談しましょう。

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ニキビの芯は、毛穴に詰まった皮脂や角質が固まりとなったものです。見た目や進行具合によって、いくつかのタイプに分類されます。無理に押し出すと炎症を悪化させたり、跡が残ったりする恐れがあるため、丁寧なケアが欠かせません。芯のあるニキビが気になるときは、自己処理を避け、皮膚科での適切な処置や治療を受けることが大切です。ニキビ跡を防ぐためにも、早めに専門医に相談しましょう。