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【医師監修】ニキビを潰すと早く治るのは嘘?やってはいけない理由と正しい潰し方を紹介

監修医師 高藤 円香
更新日:2025年05月7日

更新日:2025年05月7日

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「ニキビって、潰したほうが早く治るのでは?」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。白や赤く盛り上がったニキビを見ると、つい指で押し出したくなるものです。しかし、自己流で潰すのは非常に危険で、症状の悪化やニキビ跡が残るリスクを高める恐れがあります。この記事では、ニキビを潰すことの危険性と、正しい対処法について、医師の監修のもと詳しくご紹介します。

ニキビを潰すと早く治る?

「潰せば早く治る」と思っていませんか?膿がたまったニキビを見て、つい指で押したくなる気持ちはわかります。ただし、自分で潰すのはリスクが高い行為です。

 

間違った方法で潰すと、炎症が悪化して治りが遅くなったり、跡が残ったりすることもあります。潰してもいいのは「医師の管理下で正しい方法を用いた場合」に限られます。自己判断ではなく、皮膚科での適切な処置を選びましょう。

ニキビを潰したときに出るかたまり

ニキビを潰したときに出てくる白や黄色のかたまりの正体は、毛穴の中にたまった皮脂や古い角質の塊です。通常なら肌のターンオーバーによって自然に排出されるはずのものですが、毛穴が詰まると外に出られず、ニキビとして表に出てきます。

 

ただし、白いかたまりが出る皮膚症状の中には、ニキビではなく稗粒腫や粉瘤など別の病気が隠れていることもあるので、自己判断は避けましょう。

ニキビの仕組み

ニキビは、いくつかの要因が重なってできる皮膚のトラブルになります。主な原因は「毛穴のつまり」「皮脂の過剰な分泌」「アクネ菌の増殖」の3つです。

 

皮膚では通常、古い角質が剥がれ落ちていきますが、ターンオーバーが乱れると角質が厚くなり、毛穴の出口が狭くなります。そこに皮脂がたまると、毛穴の中で皮脂と古い角質が混ざり、毛穴が詰まった状態になります。このたまったものが、潰したときにでてくる固まりです。

 

毛穴にはアクネ菌という常在菌がいますが、毛穴がふさがることで酸素が届きにくくなり、皮脂が栄養源となって菌が増えやすくなります。毛穴の詰まりと皮脂のたまり、菌の増殖が重なることで、ニキビができやすくなります。

ニキビの種類

ニキビにはいくつかの種類があり、肌の状態や進行具合によって見た目や特徴が異なります。それぞれの特徴を知ることで、自分の肌の状態をより正確に理解できます。

白ニキビ

白ニキビは、毛穴に皮脂や角質が詰まり、表面がわずかに盛り上がって見える状態です。炎症はまだ起きておらず、痛みや赤みもほとんどありません。初期段階のため目立ちにくく、見逃してしまうこともあります。

白ニキビについて詳しく解説

黒ニキビ

黒ニキビは、白ニキビの詰まりが空気に触れて酸化することで、毛穴の出口が黒く見えます。“毛穴の黒ずみ”と間違われることもありますが、これもニキビの一種です。

赤ニキビ

白ニキビや黒ニキビが悪化して炎症を起こすと、赤く腫れた赤ニキビになります。皮膚が赤く盛り上がり、触ると痛みを感じることもあります。炎症があるため、目立ちやすく、肌トラブルとして強く意識されるタイプです。

黄ニキビ

黄ニキビは、赤ニキビがさらに悪化して膿がたまった状態です。膿は細菌と免疫反応によってできたもので、見た目は黄色っぽくなることが多いです。この段階まで進行すると、肌への負担も大きくなります。

ニキビの皮脂や膿を押し出す面皰圧出とは

面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)とは、ニキビのもとになる「面皰(コメド)」という毛穴につまった皮脂や古い角質、細菌などを、専用の器具を使って皮膚の外に押し出す処置です。医療機関では、細い針やレーザーで小さな穴をあけたうえで、清潔な道具を使って中身を取り除くため、肌へのダメージが少なく、感染のリスクも抑えられます。

 

白ニキビのような初期の段階で行うと、悪化を防ぎやすく、ニキビの治りも早まるとされています。ただし、根本治療ではないため、生活習慣やスキンケアの見直しもあわせて行うことが大切です。

自分でニキビを潰すのがNGの理由

自己流で潰すと肌に深刻なダメージを与えかねません。皮膚の構造やニキビの状態を理解しないまま潰すと、炎症が広がったり、細菌が侵入したりして、かえって治りを遅くする結果となります。見た目を早く改善したい気持ちは分かりますが、自分でニキビを潰すのは大きなリスクを伴う行為です。

炎症が広がる

ニキビを押しつぶすことで毛穴周辺の組織が傷つき、炎症が周囲の皮膚にまで波及することがあります。爪などで強く潰した場合、炎症物質が皮膚内に広がってしまい、ニキビの赤みや腫れが悪化する原因です。炎症が広がると、それだけ皮膚の修復にも時間がかかり、回復が長引く恐れがあります。

感染のリスクがある

人の手指には常にさまざまな雑菌が存在しています。どれだけ手を洗っていても、完全に無菌とは言えません。潰した傷口から雑菌が入り込むと、ニキビはさらに化膿し、痛みや腫れを伴う炎症性の皮膚トラブルに発展する可能性があります。衛生管理の整っていない環境での処置は、感染リスクを高めてしまいます。

跡が残りやすくなる

自分で潰したニキビは、肌の深部まで損傷を与えてしまうことがあります。特に炎症が強かった場合、色素沈着やクレーター状の瘢痕(はんこん)として肌に残ることも少なくありません。これらのニキビ跡は一度できると自然に消えることが難しく、スキンケアだけでは改善が難しいケースもあります。

ニキビを潰さない対処方法

ニキビを潰すことなく肌を整える方法はいくつもあります。ここでは、悪化を防ぎながらニキビをケアするための基本的な対処法をご紹介します。

スキンケアを行う

ニキビのスキンケアについて

 

ニキビを潰さずに改善するためには、毎日のスキンケアが欠かせません。洗顔は、強くこすったり刺激の強い洗浄剤を使ったりせず、やさしく泡で包み込むように行いましょう。洗いすぎは逆効果で、肌が乾燥し、皮脂の過剰分泌を招いてしまいます。

 

洗顔後はすぐに保湿を行うのが鉄則です。肌が乾燥するとバリア機能が弱まり、毛穴が詰まりやすくなります。保湿には水分と油分のバランスが取れたアイテムを選び、特に乾燥しやすい部分には丁寧にケアをしてください。

 

手を洗わずに顔に触れたり、使いまわしたタオルで拭くと、雑菌が肌に付着してニキビを悪化させる原因になります。寝具やメイク道具も清潔に保ち、肌にふれるものすべてに注意が必要です。スキンケアはただの習慣ではなく、ニキビを予防し、肌を守るための大切な手段です。日々の積み重ねが、肌の調子を大きく左右するのです。

食事に注意する

バランスの取れた食事は、肌の調子を整える土台となります。脂っこい食べ物や甘いお菓子、スナック菓子、ジャンクフードなどを頻繁に食べていると、皮脂分泌が過剰になり、毛穴が詰まりやすくなるため控えましょう。また、アルコールや糖分の多い炭水化物の摂りすぎも、ホルモンバランスを乱したり、肌の代謝を悪化させる原因になります。

 

一方で、肌の調子を整えるビタミンB2、B6、ビタミンC、ビタミンEなどは、ニキビの予防・改善に効果がある栄養素です。牛乳、納豆、青魚、野菜、果物など、ビタミンやミネラルが豊富な食材を意識的に取り入れましょう。

 

偏った食生活は肌にすぐ現れます。毎日の食事を見直すことは、肌を内側から整えるためには欠かせません。

睡眠をしっかりとる

ニキビを潰さずに治すためには、質の良い睡眠をしっかりとることが大切です。寝不足が続くと、肌のターンオーバー(生まれ変わりのサイクル)が乱れ、毛穴が詰まりやすくなります。さらに、睡眠中に分泌される成長ホルモンが減ってしまうと、肌の修復力が落ち、ニキビができやすくなってしまいます。

 

自律神経の乱れはホルモンバランスも崩れ、皮脂が過剰に分泌される原因です。同じ時間に寝て同じ時間に起きるリズムを保ちましょう。6〜7時間は睡眠を確保してください。

 

寝る直前のスマホやパソコンの使用は睡眠の質を下げるため、リラックスして眠れる環境を整えましょう。よく眠ることは、肌だけでなく心身の健康にもつながります。毎日の睡眠を大切にすることが、ニキビ予防の基本です。

ストレスをためない

強いストレスや慢性的な緊張は、自律神経やホルモンバランスを乱し、皮脂の分泌が増える原因です。男性ホルモンが優位になると、皮脂腺が刺激されて毛穴が詰まりやすくなり、ニキビが悪化しやすくなります。また、ストレスによって免疫力も低下し、炎症が治りにくくなることもあります。気持ちが張り詰めた状態が続いていると、肌にもその影響が表れやすくなるのです。

 

リフレッシュの方法は人それぞれですが、ぬるめのお湯にゆっくり入浴したり、軽く体を動かしたり、趣味に没頭する時間をつくることで、心をゆるめる時間を意識して取り入れましょう。ストレスを上手に解消できれば、肌も穏やかに整っていきます。

病院を受診する

ニキビが繰り返しできる、痛みを伴う、治っても跡が残るなどの場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。市販薬やセルフケアだけで対応しきれないケースでも、医師の診察を受けることで、症状に合わせた治療が受けられます。自己判断を避け、正しい治療を受けることが、肌トラブルを長引かせない一番の近道です。

ニキビの治療方法

ニキビの状態によって、治療法が異なります。ここでは先ほど紹介した面皰圧出以外の代表的な3つの治療法「塗り薬」「飲み薬」「ケミカルピーリング」について紹介します。

塗り薬

基本となるのは塗り薬による治療です。過酸化ベンゾイルは皮脂の分泌を抑え、アクネ菌の増殖を抑える働きがあり、赤ニキビや膿を持ったニキビの治療に役立ちます。また、アダパレンは毛穴のつまりを改善し、白ニキビや黒ニキビの予防に効果的です。

 

抗菌薬は炎症を抑えると同時にニキビ菌を減少させ、赤ニキビや膿ニキビに効果があります。使用方法によって効果が大きく左右されるため、医師の指示に従い、適切な量とタイミングでの使用が大切です。

飲み薬

ニキビの範囲が広い場合や、炎症が強く外用薬だけでは不十分なケースでは、飲み薬が使われます。抗生物質は、ニキビの原因となるアクネ菌を抑制し、内側から炎症を鎮めます。漢方薬は体質改善を目的に使われ、長期間ニキビが繰り返しできる場合に有効です。また、ビタミン剤は皮脂分泌のコントロールを助け、ニキビ予防や治療をサポートします。

ケミカルピーリング

肌質改善やニキビ予防を目的とした自由診療の一つに、ケミカルピーリングがあります。薬剤で古い角質を除去し、毛穴の詰まりを改善する治療です。効果を実感するには3〜5回程度の施術が目安になります。施術後は一時的に赤みや乾燥を感じる場合があるため、アフターケアも重要です。

ニキビは自分で潰さず、まずは皮膚科を受診しよう

ニキビは無闇に潰すと炎症や色素沈着、瘢痕の原因になります。皮膚科では無菌環境での面皰圧出に加え、外用薬や内服薬を組み合わせて炎症を速やかに抑え、跡を最小限に治療できるため、自己処置より安全で確実です。症状が軽い段階で専門医を受診しましょう。

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まとめ

ニキビを自己流で潰すと、炎症が悪化したり跡が残る原因になります。膿を出したい場合は、皮膚科で行う「面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)」という安全な処置を検討しましょう。ニキビは焦らず、適切なスキンケアや生活習慣の改善、そして必要に応じた専門的な治療で対処することが重要です。無理に潰さず、まずは皮膚科に相談してみてください。

コメント ニキビはさまざまな原因によりでき、原因によっては繰り返しますよね。ニキビが出来やすい年齢や肌質など、自分ではなんともしにくいものもありますが、中でも食べ物によるものや睡眠の質によるもの、ストレスによるものは改善させることのできる要因のひとつです。まずは治療を行うことで治すこと、そして次に出来にくくする治療を行うとともに生活面での見直しもされると良いでしょう。

監修医コメント

医師
高藤 円香

ニキビはさまざまな原因によりでき、原因によっては繰り返しますよね。ニキビが出来やすい年齢や肌質など、自分ではなんともしにくいものもありますが、中でも食べ物によるものや睡眠の質によるもの、ストレスによるものは改善させることのできる要因のひとつです。まずは治療を行うことで治すこと、そして次に出来にくくする治療を行うとともに生活面での見直しもされると良いでしょう。

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監修医師 高藤 円香
経歴は防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科 保有免許・資格は皮膚科専門医
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