【医師監修】思春期ニキビを治したい!原因と対処方法について徹底解説


更新日:2025年05月7日

思春期ニキビとは
思春期ニキビとは、成長期のホルモン分泌の変化によって、顔のTゾーン(額や鼻)を中心にできるニキビのことです。10代前半から中盤にかけて多くの人に見られるもので、皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖が重なって炎症を引き起こします。思春期の身体は急激に変化し、皮脂腺が活発になるためニキビができやすくなりますが、ホルモンバランスが安定する20歳前後には自然に軽快していく傾向があります。
出来やすい場所
思春期ニキビは皮脂の分泌が盛んな部位に集中します。特に目立つのが額や鼻まわりのTゾーンで、ここは皮脂腺が多いためテカリやすく、毛穴が詰まりやすいのが特徴です。また、思春期の後半には頬やあご、さらには首、胸、背中といった身体の部位にも広がることがあります。顔の中央にできるため見た目にも気になりやすく、思春期特有の悩みの一つとなっています。
思春期ニキビの経過
思春期ニキビは、小学校高学年から中学生のころに額を中心に始まり、高校生になると頬やあごへと範囲が広がり、悪化のピークを迎えます。その後、成長が落ち着くにつれて皮脂の分泌も緩やかになり、自然と治まっていくケースが多いのが一般的です。ただし、体質や生活習慣によっては20代以降もニキビが続く場合があり、なかにはそのまま「大人ニキビ」へと移行するケースもあります。
大人ニキビとの違い
思春期ニキビ | 大人ニキビ | |
年齢 | 10代(小学校高学年〜高校生) | 20代以降 |
原因 | ホルモンの急増による皮脂の過剰分泌 | ストレス・生活習慣の乱れ・スキンケアの影響 |
できやすい部位 | Tゾーン(額・鼻)・頬など皮脂が多い部位 | Uゾーン(口周り・あご・フェイスライン)・首など |
肌の状態 | 脂性肌(テカリ・ベタつき) | 乾燥しやすい混合肌・敏感肌 |
ケアのポイント | 皮脂を抑え清潔に保つスキンケア | 保湿・生活改善・刺激を避けたスキンケア |
思春期ニキビと大人ニキビは、見た目は似ていても原因と対処法が異なります。
思春期ニキビは成長期におけるホルモン分泌による皮脂の過剰分泌が主な原因で、皮脂が多いTゾーンにできやすいのが特徴です。
大人ニキビは、ストレスや睡眠不足、スキンケアの乱れなど複合的な要因で発生しやすく、Uゾーン(口周りやフェイスライン)に多く見られます。
予防や治療においても、思春期は皮脂と毛穴の管理が中心となるのに対し、大人ニキビは生活習慣や内側からのケアも重要になります。
思春期ニキビの種類は?
思春期ニキビには、肌の状態に応じていくつかの種類があります。最初は目立たない小さな白ニキビから始まり、放置や悪化によって赤ニキビや黄ニキビへと進行します。一人の肌にも複数のタイプのニキビが混在することが多く、それぞれに適したケアが必要です。症状の違いを知ることが、ニキビの悪化を防ぎ、肌をきれいに保つ第一歩です。
白ニキビ
白ニキビは、毛穴の出口がふさがり、皮脂が内側にたまった状態です。まだ炎症は起きていないため赤みや痛みはなく、小さな白い点として現れます。見た目は控えめですが、放置すると悪化して炎症を起こす可能性があります。皮脂や角質の詰まりをやさしく取り除くスキンケアが大切です。
黒ニキビ
黒ニキビは、白ニキビの毛穴が開き、皮脂が空気に触れて酸化し黒くなった状態です。毛穴の奥ではまだ炎症は起きていませんが、酸化による色の変化で目立ちやすく、不潔な印象を持たれやすい点が悩みの種になります。皮脂の酸化を防ぐ洗顔と、毛穴ケアが予防のポイントです。
赤ニキビ
赤ニキビは、毛穴に詰まった皮脂をエサにアクネ菌が増殖し、炎症を起こした状態です。腫れや赤みが生じ、触ると痛みを感じることもあります。炎症が進むと周囲の皮膚にも影響が及ぶため、早めのケアが重要です。市販薬や皮膚科での治療も視野に入れましょう。
黄ニキビ
黄ニキビは、赤ニキビがさらに悪化して膿がたまった状態です。皮膚の表面に黄色い膿が透けて見えることが多く、強い炎症が生じています。この段階まで進むと、肌の組織がダメージを受けやすく、ニキビ痕が残るリスクが高まります。無理に潰さず、専門的な治療が必要です。
思春期ニキビの原因は
思春期ニキビの原因は一つではなく、主にホルモンバランスの変化と生活習慣の影響が関係しています。成長期に起こる身体の変化によって皮脂が過剰に分泌され、それが毛穴に詰まることでアクネ菌が繁殖し、炎症を引き起こします。さらに、日々の生活環境やストレス、遺伝的な体質もニキビの発生を後押しする要因です。
ホルモンバランスの変化
思春期になると、男性ホルモンや女性ホルモンの分泌が急激に増え、皮脂腺が活発になります。ホルモンの変動が、思春期特有のニキビの根本原因です。
男性ホルモンは皮脂の分泌を促し、毛穴の角質を厚くする作用があるため、毛穴が詰まりやすくなります。女性も黄体ホルモンの影響で皮脂が増え、生理前にはホルモンバランスが不安定になることでニキビができやすくなります。
生活習慣
10代は勉強、部活動、人間関係など日常生活が大きく変化する時期です。睡眠不足やストレスはホルモンバランスを乱し、ニキビを悪化させる原因となります。皮脂が分泌されやすい体質や、ニキビができやすい家系などの遺伝的要因も無視できません。加えて、洗顔不足や過剰な洗顔、油っぽい食事の偏りも肌環境を悪化させる要因となります。肌に合ったスキンケアと健康的な生活習慣がニキビ予防の鍵です。
思春期ニキビが出来た時の注意点
思春期ニキビは、早期に正しい対応をしないと悪化しやすく、将来的にニキビ跡が残る原因にもなります。ここでは、ニキビを悪化させないために避けるべき4つのポイントを紹介します。
触らない
ニキビができると気になって手で触れてしまうことがありますが、これは大きなNG行動です。手には多くの雑菌がついており、無意識のうちに肌へ菌を移してしまうことになります。これにより炎症が悪化し、赤ニキビや膿を伴う黄ニキビへと進行してしまうおそれがあります。無意識のクセでも、意識してやめるように心がけましょう。
自分で潰さない
ニキビを潰して膿を出せば早く治ると思いがちですが、逆効果です。無理に潰すことで皮膚に傷がつき、そこから細菌が侵入し炎症が広がります。また、潰したあとが色素沈着や凹凸となって残りやすくなり、きれいに治らなくなるリスクが高まります。どうしても気になる場合は、皮膚科での処置を受けるのが安全です。
化粧で隠さない
思春期でもメイクを始める人は増えていますが、ニキビができている肌にファンデーションやコンシーラーを塗り込むと、毛穴をふさぎ症状が悪化します。とくに油分を多く含む化粧品はアクネ菌のエサにもなるため注意が必要です。ニキビがある間は、肌への負担を減らすために、極力ノーメイクか、肌に優しいアイテムを選びましょう。
放置しない
思春期ニキビは自然に治ると思って放置しがちですが、放っておくと悪化してニキビ跡を残すリスクが高まります。特に赤みや膿を伴う場合、早めの対処が重要です。皮膚科での治療を含め、正しいスキンケアを行うことで、ニキビの進行を防ぎ、きれいな肌を保てます。長引くようなら医師に相談するのが安心です。
思春期ニキビの対処方法
思春期ニキビは、肌の状態と生活習慣の両方に気を配ることで悪化を防ぎ、きれいに治せます。間違った対処はニキビ跡を残す原因になるため、正しいケアを継続して行うことが大切です。ここでは、思春期ニキビに対する基本的な対処法を紹介します。
スキンケアを行う
洗顔は1日2回が基本で、ゴシゴシ洗わず泡で優しく洗うことが重要です。強い摩擦や刺激のあるアイテム(スクラブやピーリング)は避け、低刺激で抗菌作用のある洗顔料を選びましょう。また、洗顔後はしっかりと保湿を行うことで、肌の乾燥による皮脂の過剰分泌を防げます。日焼け止めやクレンジングもニキビに影響するため、肌に負担をかけない製品を選ぶようにしてください。
食事はバランスよく摂る
脂っこいものや甘いお菓子の摂りすぎは皮脂分泌を増やし、ニキビの原因になる可能性があります。たんぱく質やビタミンB2・B6・C・Eなど、肌の再生や炎症を抑える栄養素を意識して取り入れましょう。無理なダイエットは栄養不足を招き、肌トラブルを引き起こす原因になるため、成長期の栄養バランスを第一に考えることが重要です。
睡眠をしっかりとる
思春期は心身ともに負担が大きく、睡眠不足がホルモンバランスの乱れに直結します。肌のターンオーバーは主に睡眠中に行われるため、毎日しっかり眠ることがニキビの改善にもつながります。夜更かしの習慣がある場合は、スマホやゲームの使用を控えるなど、睡眠環境を整える工夫が必要です。
ストレスをためない
進路、友人関係、部活など思春期にはストレスの種が多く、これがホルモンの乱れや免疫力の低下を引き起こします。ストレスは無意識にニキビを触る癖にもつながるため、悪化の原因になりがちです。自分なりのストレス発散法(音楽、運動、趣味)を見つけ、心のリズムを整えることがニキビ対策にも効果的です。
皮膚科を受診する
ニキビは「尋常性ざ瘡」という皮膚疾患であり、皮膚科での治療が可能です。軽度であっても、早期に専門医の診断を受けることで、悪化を防ぎニキビ跡を残しにくくなります。塗り薬や内服薬、ピーリングなど治療法も多様なので、自分に合った方法を選べます。とくに赤ニキビや黄ニキビに進行している場合は、早めの受診が重要です。
思春期ニキビが気になる場合は我慢せず皮膚科を受診しよう
思春期ニキビは「そのうち治る」と軽く考えられがちですが、放置すると炎症が進み、跡が残ってしまうこともあります。特に赤く腫れたり、膿を持った黄ニキビに進行している場合、自己流のケアでは改善が難しく、かえって悪化するリスクもあります。少しでも「治りにくい」「目立ってつらい」と感じたら、早めに皮膚科を受診することが大切です。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
学校や部活、塾などで毎日忙しく、なかなか皮膚科に通う時間が取れないという方には、オンライン診療という選択肢もあります。スマートフォンやパソコンを使って自宅から医師の診察を受けられるため、移動の負担がありません。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンなどの端末を使い、医師の診察を自宅から受けられる医療サービスです。インターネットを通じてビデオ通話で医師と顔を合わせて話すことができ、通院せずに診療を受けられるのが特徴です。予約から問診、診察、薬の処方、支払いまでの流れがすべてオンライン上で完結するため、思春期ニキビなどの肌の悩みも、自宅で相談しながら治療を始められます。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKU(ソクヤク)は、オンライン診療をアプリで簡単に受けられるサービスです。スマートフォンで診察予約から薬の受け取りまでのすべての手続きをスムーズに行えるため、忙しい方でも手軽に医療を受けられます。
お気に入りのクリニックや薬局を登録できる機能に加え、薬の情報を管理できるデジタルお薬手帳も利用可能です。さらに、処方された薬は全国どこでも当日または翌日に受け取れるため、通院の手間を減らしライフスタイルに合わせて健康をサポートします。
まとめ
思春期ニキビは、誰もが成長期に起こりやすい代表的な肌トラブルです。自己流のケアがかえって悪化を招き、ニキビ跡が残る原因になることもあるため、正しいスキンケアと生活習慣の見直しが重要になります。もし症状がなかなか改善しなかったり、セルフケアに不安がある場合は、皮膚科で相談しましょう。早めに適切な対処をすることで、肌への負担を減らし、清潔で健やかな肌を守ることにつながります。

医師
松澤 宗範

この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
- 当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
- 当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
- 当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
- 前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。


皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療
2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
SOKUYAKUの使い方
-
STEP1
診療予約
-
STEP2
オンライン問診
-
STEP3
オンライン診療
-
STEP4
オンライン服薬指導
-
STEP5
おくすり配達
※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。