頬や鼻がピリピリ・チクチク…口唇だけじゃない!顔にできるヘルペスとは
顔に突然できた水ぶくれ…もしかして顔面ヘルペスかも
顔に小さな水ぶくれがいきなり現れると、多くの人は「ニキビ?」「かぶれ?」と考えるかもしれません。しかし、「顔面ヘルペス」であることも少なくないのです。
原因は「単純ヘルペスウイルス」
顔面ヘルペスの主な原因は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)です。多くの方が幼少期に初感染し、そのとき症状が軽くて気づかないこともあります。
ヘルペスウイルスが潜伏する場所
ウイルスは、顔の感覚をつかさどる三叉神経節に潜みます。ふだんは静かに潜んでいても、免疫が落ちたタイミングで再び活性化し、神経に沿って皮膚の表面に戻ってきます。これが「再発」です。
なぜ顔にヘルペスが出るの?発症のしくみ
顔の皮膚は三叉神経が広く分布し、そこに潜伏したHSV-1が再活性化すると、支配領域にそって鼻のまわり、唇の外側、頬、あご、まぶたや額などに水ぶくれが生じます。
どのように感染するのか
感染は主に「接触」で広がります。水ぶくれの中や唾液、涙にウイルスが多く含まれるため、キスやほおずり、タオルや食器の共用などでうつることがあります。症状が目立たない時期でもウイルスが出ていることがあり、注意が必要です。
ストレスや疲労、免疫力の低下が発症のきっかけ
再発の前には、忙しさや寝不足、強い紫外線、風邪や発熱、月経、ケガやスキンケアのこすり過ぎなどが重なって免疫が落ちていることが少なくありません。こうしたきっかけがあると、潜伏ウイルスが活動を再開し、数時間〜数日のうちに症状が出てきます。
ヘルペスのできやすい部位は
もっとも多いのは唇やその周囲です。1982年から2002年までに1,690例を集計したデータでは、口唇ヘルペスが最も多く469例、次いで再発型性器ヘルペスが319例、顔面のヘルペスが230例、カポジ水痘様発疹症が197例という結果でした。その他にも殿部136例、手指に生じるヘルペス性ひょう疸69例、下肢38例など、多彩な部位に発症することが確認されています。
参考元:『公益社団法人日本皮膚科学会 Q3単純疱疹の好発部位はありますか?』
顔に限っても、唇やその周囲、鼻の入口や小鼻、頬、あご、まぶた・目の周囲、額の生え際などに現れることがあります。
顔のヘルペスの症状と経過を詳しく知ろう
顔面ヘルペスは、小さな水ぶくれが群れて出るのが特徴です。触れるとチクチク、ピリピリする痛みや違和感を伴い、やがてただれてかさぶたになり、自然経過で治ります。
初めて感染したときの症状は
幼少期の初感染は気づかないほど軽いこともありますが、成人の初感染では、赤みと腫れのあとに多数の水ぶくれが出て、リンパ節の腫れ、発熱、だるさ、頭痛を伴うことがあります。
水ぶくれからかさぶたになるまでの流れ
前兆の違和感ののち半日〜1日で赤く腫れ、小さな水ぶくれが集まって出現します。数日で破れてびらん(ただれ)になり、1週間前後でかさぶた化、さらに数日〜1週間で落ち着くのが典型的な経過です。
再発した場合はどう違う?ピリピリ・かゆみがサインかも
再発は初感染より軽いことが多く、発疹の前に「ピリピリ」「ムズムズ」「ほてり」といったサインが現れます。この前兆段階で適切に対処すると、悪化や拡大を抑えやすくなります。
無症状の場合もあるため注意が必要
目立つ発疹がなくても、軽いひりつきだけで終わることがあります。無症状やごく軽い症状でもウイルスが出ている可能性があるため、家族への接触やタオルの共用には配慮しましょう。
ヘルペスが顔にできたときの正しい対処法
自己判断でこすったりつぶしたりすると、広がったり二次感染の原因になります。適切なケアと受診タイミングを押さえましょう。
顔のヘルペスが出たときは早めの受診が大切
・目の周囲・まぶたに症状がある
・発熱や強い痛みがある
・広範囲に増えている
・初めてで診断がついていない
・乳幼児や高齢者・基礎疾患がある
こうした場合は皮膚科(目の症状は眼科も)を早めに受診してください。抗ウイルス薬は、早期に始めるほど効果的です。
触れない・こすらない・清潔を保つが基本
水ぶくれには大量のウイルスが含まれているため、触ったりつぶしたりしないことが重要です。患部は清潔に保ち、メイクやシェービングは刺激を最小限にしてください。水ぶくれはつぶさないようにし、触れた手はすぐ洗いましょう。
市販薬でも対応できる?
過去に医療機関で「口唇ヘルペスの再発」と診断され、同様の軽い再発であれば、抗ウイルス成分の外用薬を薬剤師の説明のもとで選べる場合があります。ただし、顔の広い範囲や目の周囲、初感染が疑われるケース、5日たっても改善しないケースは自己治療にこだわらず受診してください。
顔にヘルペスが出たときに注意したいこと
症状がある時期は感染力が高くなります。自分の他の部位や家族にうつさない工夫が大切です。
人にうつさないためにできることとは
・水ぶくれや分泌物に触れない
・触れたらすぐ手洗いをする
・タオルや食器、リップクリームを共用しない
・キスやオーラルセックスは治るまで控える
こうした基本が最も効果的です。マスクは患部を不用意に触る回数を減らす助けになります。
子どもや高齢者など抵抗力が弱い方への注意点
免疫力が低い方にうつると、症状が重く出ることがあります。乳幼児や高齢者、アトピー性皮膚炎がある方は注意が必要です。
ヘルペスの再発を防ぐために日常生活でできる予防策
再発の“引き金”をできるだけ避け、皮膚のバリアと免疫を守る生活が大切です。完全にゼロにするのは難しくても、頻度や重さを軽くできることは多くあります。
免疫力を落とさない生活習慣
バランスの良い食事、入浴や軽い運動で血流を整える、過度の飲酒を控えるといった基本が再発予防につながります。口周りの小さな傷やひび割れもきっかけになるため、保湿やUVケアで皮膚を守りましょう。
ストレスや睡眠不足への対処
忙しい時期ほど睡眠時間を確保し、昼夜逆転を避けましょう。ストレスが高いと感じる時は、予定の詰め込みを見直し、休息の“予定”もカレンダーに入れるなどして工夫してください。
紫外線対策も重要なポイント
強い紫外線は再発の典型的な引き金です。屋外活動や海・山・雪のレジャーでは、広範囲にUV対策をしてください。唇や鼻の周りは日焼け止めやUVリップで保護しましょう。
繰り返す顔のヘルペスに悩んだら医師に相談しよう
「毎回ひどくなる」「頻度が増えてきた」「旅行やイベントの直前に出やすい」…そんな場合には、再発パターンに合った対策を医師と相談しましょう。
ヘルペスの再発を抑える「再発抑制療法」とは?
年に何度も再発を繰り返す場合、抗ウイルス薬を毎日少量内服して発症を減らす治療法です。一般に再発が年6回以上などのケースで適応が考えられ、開始量や期間は症状の出方や体調に合わせて医師が決めます。抑制中に症状が出た場合は、短期の通常治療に切り替えることがあります。
前兆で飲むPIT療法で再発を最小限に
「前兆がわかる」タイプには、違和感が出たらすぐ処方薬を自分の判断で始めるPITという方法もあります。薬を手元に備えておき、外出先でもすぐ内服できるようにしておくと、発疹の規模や痛み、治るまでの期間を抑えやすくなります。
顔にできた水ぶくれや発疹、それは本当にヘルペス?
顔にはヘルペス以外にも似た見た目の「できもの」があります。間違えないために、見分け方のポイントを紹介します。
唇の端が切れて痛い…それは「口角炎」かもしれません
口角炎は、口の両端だけに起こる亀裂と炎症が中心です。原因は、入れ歯や歯列による刺激、ビタミンB₂・B₆や鉄分の不足、カンジダ(真菌)の増殖、免疫力の低下などが挙げられます。ヘルペスのように「小さな水ぶくれが群れて出る」ことは少なく、むしろ切れ目やただれが目立つ点が、見分けるポイントです。
化粧品やマスクで赤くなる「接触皮膚炎」
接触皮膚炎は、触れた物質が刺激やアレルギーの引き金になって起こる「かぶれ」です。口紅・日焼け止め・マスク・金属・香料などが原因となり、触れた範囲に一致して赤み、かゆみ、ヒリつき、時に水ぶくれが出ます。ヘルペスと違い、接触部位の形に沿うのがヒントになります。
子どもに多いが大人にも起こる「とびひ」
とびひ(伝染性膿痂疹)は細菌感染が原因で、かゆい水ぶくれや膿疱が破れてただれ、触った手を介して次々広がります。鼻や口まわり、虫刺され跡、汗疹を掻き壊した部位から始まることが多く、夏に多発します。ヘルペスのように同じ場所で繰り返す神経痛前駆はなく、「かゆくて広がる」のが特徴です。
違いは痛みと水ぶくれ「にきび」
にきび(尋常性ざ瘡)は、毛穴が詰まり皮脂と常在菌が関わって炎症を起こした状態です。白・黒・赤いブツブツが現れ、中心に毛穴の詰まりが見えることもあります。水疱やピリピリする前兆は通常ありません。
顔の片側に帯状に出るなら「帯状疱疹」の可能性
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化で、体や顔の「片側だけ」に神経の走行に沿って強い痛みと水疱が帯状に広がります。顔に出ると目や耳の合併症のリスクがあり、ヘルペスより痛みが強く広いのが特徴です。
「梅毒」も顔に症状がでる
梅毒は性感染症で、初期には感染部位(口唇・口腔・性器など)に痛みの乏しい潰瘍(しこり)やリンパ節腫脹が出ることがあります。数か月後には全身性の発疹が出たり消えたりを繰り返すこともありますが、ヘルペスのような「チクチク前兆→小水疱群発」とは経過が異なります。
「天疱瘡」は自己免疫による皮膚疾患
天疱瘡は自己抗体が皮膚の細胞同士の接着を壊し、もろく破れる水疱やびらんが広がる病気です。口内を含む粘膜病変を伴いやすく、感染症ではありません。軽い刺激でも皮膚が剥がれ、治りにくいびらんが持続するのが特徴です。ヘルペスのように限局した小水疱群ではなく、面でただれます。
顔に気になる症状が出たら放置せず早めに皮膚科を受診しよう
顔に出る発疹や水ぶくれは「ただの肌荒れ」だと思い込みがちですが、早めの治療が必要な病気の場合もあります。放置すると悪化したり、跡が残ったりすることもあるため、自己判断せず皮膚科で診てもらうことが大切です。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
忙しくて病院を受診する時間がつくれない場合には、オンライン診療という選択肢もあります。「通院時間を短縮したい」「待合室での感染リスクを避けたい」といったニーズにも応えられる、現代的な医療の形です。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、インターネットを通じて自宅にいながら医師の診察を受けられる医療サービスです。スマートフォン・タブレット・パソコンを使ってビデオチャットで医師と直接話せるほか、診察の予約から問診、診断、薬の処方箋発行や支払いまでオンラインで完結できます。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKUは、オンライン診療をアプリひとつでスムーズに行えるサービスです。予約から薬の受け取りまでの一連の流れを簡単に済ませられるのが大きな特徴になります。
専門スタッフによるサポートを受けられる仕組みがあり、気に入ったクリニックや薬局を登録して継続的に利用もできます。お薬手帳をデジタル化できるため管理がしやすく、薬は全国どこにいても当日または翌日に受け取ることが可能です。
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まとめ
顔に出るヘルペスは、唇だけでなく頬・鼻・まぶた周囲などにも生じます。湿疹やニキビと見間違えやすく、自己流のケアは悪化や周囲への感染拡大につながるため注意が必要です。
小さな水ぶくれやピリピリした痛みを覚えたら、まずは触れずにつぶさず、できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。再発予防には、十分な睡眠や栄養、ストレス・紫外線対策などで免疫状態を整えることが欠かせません。正しい知識にもとづく早めの対応が、症状の重症化と再発を防ぐいちばんの近道です。
「頬がピリピリする」「鼻の横に小さな水ぶくれができた」
そんなとき、多くの方はヘルペスを思い浮かべないかもしれません。ヘルペスといえば、唇のまわりにできるものというイメージが一般的です。しかし、ヘルペスも顔のさまざまな部位にも現れることがあります。
この記事では、顔にできるヘルペスの原因や発症メカニズム、症状の進行の様子に加え、ほかの病気との見分け方や注意すべきポイントについてもわかりやすく解説します。誤ったセルフケアや放置を避けるためにも、ぜひ最後までお読みください。
顔に突然できた水ぶくれ…もしかして顔面ヘルペスかも
顔に小さな水ぶくれがいきなり現れると、多くの人は「ニキビ?」「かぶれ?」と考えるかもしれません。しかし、「顔面ヘルペス」であることも少なくないのです。
原因は「単純ヘルペスウイルス」
顔面ヘルペスの主な原因は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)です。多くの方が幼少期に初感染し、そのとき症状が軽くて気づかないこともあります。
ヘルペスウイルスが潜伏する場所
ウイルスは、顔の感覚をつかさどる三叉神経節に潜みます。ふだんは静かに潜んでいても、免疫が落ちたタイミングで再び活性化し、神経に沿って皮膚の表面に戻ってきます。これが「再発」です。
なぜ顔にヘルペスが出るの?発症のしくみ
顔の皮膚は三叉神経が広く分布し、そこに潜伏したHSV-1が再活性化すると、支配領域にそって鼻のまわり、唇の外側、頬、あご、まぶたや額などに水ぶくれが生じます。
どのように感染するのか
感染は主に「接触」で広がります。水ぶくれの中や唾液、涙にウイルスが多く含まれるため、キスやほおずり、タオルや食器の共用などでうつることがあります。症状が目立たない時期でもウイルスが出ていることがあり、注意が必要です。
ストレスや疲労、免疫力の低下が発症のきっかけ
再発の前には、忙しさや寝不足、強い紫外線、風邪や発熱、月経、ケガやスキンケアのこすり過ぎなどが重なって免疫が落ちていることが少なくありません。こうしたきっかけがあると、潜伏ウイルスが活動を再開し、数時間〜数日のうちに症状が出てきます。
ヘルペスのできやすい部位は
もっとも多いのは唇やその周囲です。1982年から2002年までに1,690例を集計したデータでは、口唇ヘルペスが最も多く469例、次いで再発型性器ヘルペスが319例、顔面のヘルペスが230例、カポジ水痘様発疹症が197例という結果でした。その他にも殿部136例、手指に生じるヘルペス性ひょう疸69例、下肢38例など、多彩な部位に発症することが確認されています。
参考元:『公益社団法人日本皮膚科学会 Q3単純疱疹の好発部位はありますか?』
顔に限っても、唇やその周囲、鼻の入口や小鼻、頬、あご、まぶた・目の周囲、額の生え際などに現れることがあります。
顔のヘルペスの症状と経過を詳しく知ろう
顔面ヘルペスは、小さな水ぶくれが群れて出るのが特徴です。触れるとチクチク、ピリピリする痛みや違和感を伴い、やがてただれてかさぶたになり、自然経過で治ります。
初めて感染したときの症状は
幼少期の初感染は気づかないほど軽いこともありますが、成人の初感染では、赤みと腫れのあとに多数の水ぶくれが出て、リンパ節の腫れ、発熱、だるさ、頭痛を伴うことがあります。
水ぶくれからかさぶたになるまでの流れ
前兆の違和感ののち半日〜1日で赤く腫れ、小さな水ぶくれが集まって出現します。数日で破れてびらん(ただれ)になり、1週間前後でかさぶた化、さらに数日〜1週間で落ち着くのが典型的な経過です。
再発した場合はどう違う?ピリピリ・かゆみがサインかも
再発は初感染より軽いことが多く、発疹の前に「ピリピリ」「ムズムズ」「ほてり」といったサインが現れます。この前兆段階で適切に対処すると、悪化や拡大を抑えやすくなります。
無症状の場合もあるため注意が必要
目立つ発疹がなくても、軽いひりつきだけで終わることがあります。無症状やごく軽い症状でもウイルスが出ている可能性があるため、家族への接触やタオルの共用には配慮しましょう。
ヘルペスが顔にできたときの正しい対処法
自己判断でこすったりつぶしたりすると、広がったり二次感染の原因になります。適切なケアと受診タイミングを押さえましょう。
顔のヘルペスが出たときは早めの受診が大切
・目の周囲・まぶたに症状がある
・発熱や強い痛みがある
・広範囲に増えている
・初めてで診断がついていない
・乳幼児や高齢者・基礎疾患がある
こうした場合は皮膚科(目の症状は眼科も)を早めに受診してください。抗ウイルス薬は、早期に始めるほど効果的です。
触れない・こすらない・清潔を保つが基本
水ぶくれには大量のウイルスが含まれているため、触ったりつぶしたりしないことが重要です。患部は清潔に保ち、メイクやシェービングは刺激を最小限にしてください。水ぶくれはつぶさないようにし、触れた手はすぐ洗いましょう。
市販薬でも対応できる?
過去に医療機関で「口唇ヘルペスの再発」と診断され、同様の軽い再発であれば、抗ウイルス成分の外用薬を薬剤師の説明のもとで選べる場合があります。ただし、顔の広い範囲や目の周囲、初感染が疑われるケース、5日たっても改善しないケースは自己治療にこだわらず受診してください。
顔にヘルペスが出たときに注意したいこと
症状がある時期は感染力が高くなります。自分の他の部位や家族にうつさない工夫が大切です。
人にうつさないためにできることとは
・水ぶくれや分泌物に触れない
・触れたらすぐ手洗いをする
・タオルや食器、リップクリームを共用しない
・キスやオーラルセックスは治るまで控える
こうした基本が最も効果的です。マスクは患部を不用意に触る回数を減らす助けになります。
子どもや高齢者など抵抗力が弱い方への注意点
免疫力が低い方にうつると、症状が重く出ることがあります。乳幼児や高齢者、アトピー性皮膚炎がある方は注意が必要です。
ヘルペスの再発を防ぐために日常生活でできる予防策
再発の“引き金”をできるだけ避け、皮膚のバリアと免疫を守る生活が大切です。完全にゼロにするのは難しくても、頻度や重さを軽くできることは多くあります。
免疫力を落とさない生活習慣
バランスの良い食事、入浴や軽い運動で血流を整える、過度の飲酒を控えるといった基本が再発予防につながります。口周りの小さな傷やひび割れもきっかけになるため、保湿やUVケアで皮膚を守りましょう。
ストレスや睡眠不足への対処
忙しい時期ほど睡眠時間を確保し、昼夜逆転を避けましょう。ストレスが高いと感じる時は、予定の詰め込みを見直し、休息の“予定”もカレンダーに入れるなどして工夫してください。
紫外線対策も重要なポイント
強い紫外線は再発の典型的な引き金です。屋外活動や海・山・雪のレジャーでは、広範囲にUV対策をしてください。唇や鼻の周りは日焼け止めやUVリップで保護しましょう。
繰り返す顔のヘルペスに悩んだら医師に相談しよう
「毎回ひどくなる」「頻度が増えてきた」「旅行やイベントの直前に出やすい」…そんな場合には、再発パターンに合った対策を医師と相談しましょう。
ヘルペスの再発を抑える「再発抑制療法」とは?
年に何度も再発を繰り返す場合、抗ウイルス薬を毎日少量内服して発症を減らす治療法です。一般に再発が年6回以上などのケースで適応が考えられ、開始量や期間は症状の出方や体調に合わせて医師が決めます。抑制中に症状が出た場合は、短期の通常治療に切り替えることがあります。
前兆で飲むPIT療法で再発を最小限に
「前兆がわかる」タイプには、違和感が出たらすぐ処方薬を自分の判断で始めるPITという方法もあります。薬を手元に備えておき、外出先でもすぐ内服できるようにしておくと、発疹の規模や痛み、治るまでの期間を抑えやすくなります。
顔にできた水ぶくれや発疹、それは本当にヘルペス?
顔にはヘルペス以外にも似た見た目の「できもの」があります。間違えないために、見分け方のポイントを紹介します。
唇の端が切れて痛い…それは「口角炎」かもしれません
口角炎は、口の両端だけに起こる亀裂と炎症が中心です。原因は、入れ歯や歯列による刺激、ビタミンB₂・B₆や鉄分の不足、カンジダ(真菌)の増殖、免疫力の低下などが挙げられます。ヘルペスのように「小さな水ぶくれが群れて出る」ことは少なく、むしろ切れ目やただれが目立つ点が、見分けるポイントです。
化粧品やマスクで赤くなる「接触皮膚炎」
接触皮膚炎は、触れた物質が刺激やアレルギーの引き金になって起こる「かぶれ」です。口紅・日焼け止め・マスク・金属・香料などが原因となり、触れた範囲に一致して赤み、かゆみ、ヒリつき、時に水ぶくれが出ます。ヘルペスと違い、接触部位の形に沿うのがヒントになります。
子どもに多いが大人にも起こる「とびひ」
とびひ(伝染性膿痂疹)は細菌感染が原因で、かゆい水ぶくれや膿疱が破れてただれ、触った手を介して次々広がります。鼻や口まわり、虫刺され跡、汗疹を掻き壊した部位から始まることが多く、夏に多発します。ヘルペスのように同じ場所で繰り返す神経痛前駆はなく、「かゆくて広がる」のが特徴です。
違いは痛みと水ぶくれ「にきび」
にきび(尋常性ざ瘡)は、毛穴が詰まり皮脂と常在菌が関わって炎症を起こした状態です。白・黒・赤いブツブツが現れ、中心に毛穴の詰まりが見えることもあります。水疱やピリピリする前兆は通常ありません。
顔の片側に帯状に出るなら「帯状疱疹」の可能性
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化で、体や顔の「片側だけ」に神経の走行に沿って強い痛みと水疱が帯状に広がります。顔に出ると目や耳の合併症のリスクがあり、ヘルペスより痛みが強く広いのが特徴です。
「梅毒」も顔に症状がでる
梅毒は性感染症で、初期には感染部位(口唇・口腔・性器など)に痛みの乏しい潰瘍(しこり)やリンパ節腫脹が出ることがあります。数か月後には全身性の発疹が出たり消えたりを繰り返すこともありますが、ヘルペスのような「チクチク前兆→小水疱群発」とは経過が異なります。
「天疱瘡」は自己免疫による皮膚疾患
天疱瘡は自己抗体が皮膚の細胞同士の接着を壊し、もろく破れる水疱やびらんが広がる病気です。口内を含む粘膜病変を伴いやすく、感染症ではありません。軽い刺激でも皮膚が剥がれ、治りにくいびらんが持続するのが特徴です。ヘルペスのように限局した小水疱群ではなく、面でただれます。
顔に気になる症状が出たら放置せず早めに皮膚科を受診しよう
顔に出る発疹や水ぶくれは「ただの肌荒れ」だと思い込みがちですが、早めの治療が必要な病気の場合もあります。放置すると悪化したり、跡が残ったりすることもあるため、自己判断せず皮膚科で診てもらうことが大切です。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
忙しくて病院を受診する時間がつくれない場合には、オンライン診療という選択肢もあります。「通院時間を短縮したい」「待合室での感染リスクを避けたい」といったニーズにも応えられる、現代的な医療の形です。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、インターネットを通じて自宅にいながら医師の診察を受けられる医療サービスです。スマートフォン・タブレット・パソコンを使ってビデオチャットで医師と直接話せるほか、診察の予約から問診、診断、薬の処方箋発行や支払いまでオンラインで完結できます。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKUは、オンライン診療をアプリひとつでスムーズに行えるサービスです。予約から薬の受け取りまでの一連の流れを簡単に済ませられるのが大きな特徴になります。
専門スタッフによるサポートを受けられる仕組みがあり、気に入ったクリニックや薬局を登録して継続的に利用もできます。お薬手帳をデジタル化できるため管理がしやすく、薬は全国どこにいても当日または翌日に受け取ることが可能です。
まとめ
顔に出るヘルペスは、唇だけでなく頬・鼻・まぶた周囲などにも生じます。湿疹やニキビと見間違えやすく、自己流のケアは悪化や周囲への感染拡大につながるため注意が必要です。
小さな水ぶくれやピリピリした痛みを覚えたら、まずは触れずにつぶさず、できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。再発予防には、十分な睡眠や栄養、ストレス・紫外線対策などで免疫状態を整えることが欠かせません。正しい知識にもとづく早めの対応が、症状の重症化と再発を防ぐいちばんの近道です。
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