蕁麻疹(じんましん)が治らない、どうしたらいい?蕁麻疹の原因と対処方法について詳しく解説
更新日:2025年02月3日
蕁麻疹(じんましん)の原因
蕁麻疹は、体内でヒスタミンというかゆみを引き起こす物質が放出されることによって起こります。このヒスタミンが血管に変化を引き起こし、肌に赤い発疹が現れます。
多くの場合、明確な原因を特定できません。ウイルスや細菌による感染、疲労やストレス、特定の食物、運動後の発汗、日内リズムの変化なども蕁麻疹を引き起こす要因となります。これらの要因が重なることで、蕁麻疹が発症することがあります。
食物・食品添加物
食物による蕁麻疹には、アレルギー性と非アレルギー性のものがあります。アレルギー性のものは、エビ、カニ、ソバ、果物など特定の食物を食べると現れます。これは食物に含まれるアレルゲンが原因です。一方、青魚や肉類、タケノコ、ほうれん草などの食物による蕁麻疹は、食品中のヒスタミン様物質が原因で起こることがあります。
アレルギー性蕁麻疹は、特定の食品を食べると必ず症状が現れるのが特徴です。一方、非アレルギー性蕁麻疹は、同じ食品を食べてもその時の体調などによって症状が出るかどうかが異なります。アレルギー性のものは皮膚検査や血液検査で原因を特定できますが、非アレルギー性のものは検査では原因が分からないことがほとんどです。
何週間も毎日のように繰り返し出る蕁麻疹の場合、食物が原因であることは考えにくいと言えます。
薬剤
どんなお薬でも蕁麻疹が出ることがありますが、特にアスピリンやロキソプロフェンなどの解熱鎮痛剤や抗生物質、咳止め薬で多い傾向があります。
植物・昆虫
イチョウやウルシなどの植物やハチ、アリなどの昆虫に触れることでも蕁麻疹が出ることがあります。
感染症
細菌、ウイルス感染が原因で蕁麻疹が出ることがあり、これは急性蕁麻疹に多い原因です。
物理的刺激
皮膚に対する機械的な刺激や圧力、振動、日光、水との接触、寒さや熱なども蕁麻疹の原因となります。
機械性蕁麻疹
皮膚を掻いたり、下着のゴムで締め付けたり、重い荷物を持ったりすることなど、皮膚に対する摩擦や圧力で起こります。皮膚にミミズ腫れのような症状が現れるのが特徴です。
日光蕁麻疹
日光に当たることで発症する蕁麻疹です。突然現れ、日光にさらされた部位にかゆみを伴う腫れが生じます。
寒冷蕁麻疹
寒さによる刺激で発生する蕁麻疹です。氷に触れた部分に局所的に現れるものや、体全体が冷えることで全身に現れるものがあります。
温熱蕁麻疹
体温よりも温かいものや温風に触れることで皮膚の温度が上がり、刺激となって現れる蕁麻疹です。特に20代から40代の女性に多く見られます。
運動・発汗
コリン性蕁麻疹は、入浴や運動などで汗をかいた時に現れる蕁麻疹です。かゆみを伴う小さな膨らみが皮膚にできるのが特徴で若い方に多く見られます。
また、特定の食物(たとえば小麦製品やエビ)を食べた後、すぐに運動すると、蕁麻疹、血圧低下、気分不良、呼吸困難などの症状が出るケースがあるため注意しましょう。この場合は、原因となる食物を避けるか、運動を避けることで対策できます。
治らない蕁麻疹(じんましん)への対処法
蕁麻疹がなかなか治らない場合、次に紹介する対処法を試してみることで、蕁麻疹の症状が軽減されるかもしれません。
原因になるものを避ける
特定の食べ物や薬、寒さや摩擦が蕁麻疹の原因の場合、それらを避けるようにしましょう。
生活環境を整える
着心地の良い衣服を選んで肌の摩擦を減らしたり、脱衣所を暖かくして寒さを避けたり、空気清浄機を使って花粉やハウスダストを除去するなど、環境を整えることで症状を軽減できます。
生活リズムを整える
ストレスや疲労も蕁麻疹に影響を与えることがあります。ストレスを解消するために趣味に時間を費やしたり、リラックスできる方法を見つけると良いでしょう。疲労がたまっていると感じたときには、しっかりと休息を取ることが大切です。
症状の出た状況を記録する
蕁麻疹が出た体の部位や状況を詳細に記録します。どんな場所で、どのような状況だったのかを具体的に書き留めておきましょう。また、症状が出る前に食べたものや行った運動の種類、体調の状態も重要です。また、症状が現れた場合は、消える前にスマートフォンなどで写真を撮っておくと、受診時に役立つ場合があります。
病院を受診する
症状が続く場合や改善が見られない場合は、病院を受診して、専門の医師に相談してみましょう。また、アレルギーによる蕁麻疹の可能性が強い場合、アレルギー検査を受けて原因物質を特定するのも対策の一つです。原因が特定できれば、避けられます。
蕁麻疹(じんましん)の治療方法
蕁麻疹が慢性化すると、原因が特定しにくいことが多いですが、薬による治療は可能です。まずは薬を使って症状を抑え、最終的には薬を使わずに症状が出ない状態を目指しましょう。
基本は抗ヒスタミン薬
蕁麻疹の症状は、ヒスタミンという物質が関係しています。ヒスタミンが原因で蕁麻疹の症状が出るため、これを抑えるために抗ヒスタミン薬を使います。抗ヒスタミン薬にはいくつかの種類があり、症状に合ったものを選びながら、服用する量やタイミングを調整することが重要です。
治らない蕁麻疹にはオマリズマブ(ゾレア)
慢性的蕁麻疹の場合、原因が特定できずに通常の抗ヒスタミン薬が効かないことがあります。その場合、抗ヒスタミン薬の量を増やしたり、複数の種類を組み合わせて使用することがあります。それでも症状が改善しない場合の治療薬は、オマリズマブ(ゾレア)です。
オマリズマブ(ゾレア)は、アレルギー反応を引き起こすIgEという物質に結合し、それが炎症細胞に作用するのを防ぐことで、抗アレルギー効果を発揮します。注射はクリニックで受けることも、自宅で自己注射を行うことも可能です。
治らない場合は、そもそも蕁麻疹(じんましん)ではない場合も
もし蕁麻疹が数日以上続いたり、皮膚が茶色く変色したり、表面がガサガサしていたりする場合は、蕁麻疹以外の疾患が原因かもしれません。そのほかに、蕁麻疹とともに発熱や倦怠感、関節の痛みなどの症状が現れる場合には、内臓の病気が関連していることも考えられます。これらの症状が見られた際には、自己判断せず医師に相談しましょう。
蕁麻疹が治らない場合は、医療機関を受診しよう
病院で処方された薬がすぐに効かないと感じても、続けて飲むことで次第に効果が現れることがあります。医師の指示に従いながら薬を正しく服用し、自分に最適な薬を見つけましょう。蕁麻疹の症状がすぐに良くならなくても、医師の指導のもとで治療を続けることが重要です。
忙しくて通院できない場合はオンライン診療がおすすめ
忙しくて病院を受診する時間がない場合には、あきらめずにオンライン診療を活用しましょう。
症状が改善したとしても、すぐに薬をやめるのではなく、しばらくの間、抗ヒスタミン薬の服用を続けることが推奨されています。再発を防ぎ、症状が安定するまでしっかりと治療を行うことが重要です。治療が長期間になる場合には、オンライン診療が良いかもしれません。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、自宅や職場からインターネットを介して遠隔で診療を行う医療サービスです。これにより、病院への通院が難しい場合でも、適切な医療を受けられます。オンライン診療では、スマホやタブレット、パソコンなどを使用して医師とコミュニケーションを取り、診察や相談を行います。診察の予約、問診、診断、薬の処方箋の発行や支払いまで全てオンラインで完結が可能です。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKUは、オンライン診療を手軽に受けられるサービスです。専門スタッフによるサポートも受けられ、アプリで診療の予約から薬の受け取りまでが簡単になります。お薬手帳のデジタル化ができ、クリニックや薬局の登録も可能です。また、全国どこでもそ当日か翌日には薬を受け取れます。
まとめ
蕁麻疹が治らない場合は専門医に相談してみましょう。薬の効果が現れるまで時間がかかることもあります。自己判断せず、治療を続けてみてください。難治性の蕁麻疹ではオマリズマブ(ゾレア)の使用も考慮されます。また、蕁麻疹に似た別の疾患の可能性や内科の病気が潜んでいる場合もあるため、皮膚科を受診して適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
医師
高藤 円香
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