蕁麻疹と湿疹はどう違うの?原因と症状、対策について詳しく解説!
更新日:2025年02月3日
蕁麻疹(じんましん)とは
皮膚に一時的に赤みや腫れ、かゆみが生じるアレルギー反応や刺激による皮膚トラブルのことです。
蕁麻疹の症状
蕁麻疹の主な症状は、皮膚の一部に突然現れるかゆみを伴った盛り上がりや赤みです。盛り上がりは、大きさや形がさまざまで、2〜3mmの小さな円形や楕円形のものから、直径10cm以上の地図状に広がるものまで見られます。患部を掻くと赤いみみずばれができ、かゆみがさらに強くなることがあるため注意しましょう。
蕁麻疹の原因
原因として、特定の食物や薬品、植物などに対するアレルギーや他の疾患が関与していることもありますが、ほとんどの場合、直接的な原因は特定されていません。ウイルスや細菌感染、疲労、ストレス、食物、運動による発汗、日内リズムなどが発症や悪化の要因として挙げられます。ただし、複数の要因が重なり合っていることもあり、原因の特定が困難な場合がほとんどです。
蕁麻疹の仕組み
蕁麻疹は、皮膚の中の小さな血管が一時的に広がり、血液中の液体成分(血漿)が漏れ出すことで発生します。このため、皮膚が赤くなったり、盛り上がったりするのです。
血管の周りにある「マスト細胞(肥満細胞)」が刺激を受けると、「ヒスタミン」という物質を放出します。ヒスタミンは血管を広げ、血漿を漏れやすくするだけでなく、かゆみを引き起こす神経も刺激します。これが、蕁麻疹が腫れやかゆみを伴う仕組みです。
湿疹とは
湿疹は、皮膚の表皮や真皮の上層で起こる炎症の総称です。アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、貨幣状湿疹など、さまざまな種類があり、それぞれのタイプに応じた治療が必要となります。
湿疹の症状
湿疹の症状は進行に伴って変化しますが、多くの場合、「湿疹三角」と呼ばれる特徴的な経過をたどります。
皮膚に赤みやプツプツした盛り上がりが現れることが症状の始まりです。その後、水ぶくれができることがあり、中には膿がたまる場合もあります。これが破れると、皮膚がただれてジュクジュクした状態になりますが、やがてかさぶたができて治っていきます。
湿疹の原因
湿疹は、外部からの刺激である「外的要因」と、個人の体質や体調による「内的要因」が組み合わさることで引き起こされます。
外的要因は、薬剤や化学物質、アレルゲン、昆虫、金属、日光、ゴムの締め付け、カビや細菌、気候変化などです。一方、内的要因には、アレルギー体質やアトピー素因、内臓疾患、皮膚のバリア機能低下、皮脂や汗の分泌量の変化などがあげられます。
湿疹の仕組み
皮膚は本来、外部からの刺激物や紫外線などを物理的に遮断し、体を守る役割を果たしています。しかし、このバリア機能が何らかの理由で破られると、皮膚の免疫システムが作動し、異物を排除しようとします。この免疫反応が炎症を引き起こし、結果として湿疹が現れるのです。
蕁麻疹(じんましん)と湿疹の違いは
蕁麻疹と湿疹はどちらも皮膚が赤くなり、かゆみを引き起こす点で共通しています。ただし、原因や特徴、治療法にはそれぞれ違いがあります。
症状の違い
蕁麻疹は、皮膚に赤みや腫れが突然現れ、かゆみを伴うのが特徴です。症状は出たり消えたりし、体の複数箇所に現れることがあります。
一方、湿疹は皮膚が乾燥してカサカサしたり、傷口がジュクジュクしたりすることがあります。水疱ができたり、治った後に色素沈着が残ったりすることも多く、症状は特定の部位に集中することが特徴です。
期間の違い
蕁麻疹は、症状が突然現れ、数時間以内に消えることが一般的です。そのため、発症した日時をはっきり覚えていることが多いかもしれません。
一方で湿疹は、症状が徐々に進行し、発症したタイミングが曖昧な場合が多いです。また、湿疹は数日から数週間といった長期間にわたり症状が続くことが多く、慢性的になることもあります。
原因の違い
蕁麻疹は、食べ物や薬によるアレルギー反応、紫外線や温度差などの刺激が主な原因です。さらに、肝臓病や膠原病などの疾患、激しい運動、ストレスも発症の要因になることがあります。ただし、蕁麻疹の場合、原因が特定できないことも少なくありません。
一方、湿疹は、金属、食べ物、ハウスダスト、化粧品、細菌などの外部刺激や、皮膚のバリア機能の低下が主な原因です。これらの刺激により、皮膚が炎症を起こして湿疹が発生します。
治療の違い
蕁麻疹は、真皮内に病変があるため外用薬では効果が得られにくく、内服薬による治療が中心となります。抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を用いて、ヒスタミンの作用を抑え、かゆみや赤みを軽減します。
一方、湿疹は皮膚の表面に炎症が起こるため、外用薬が有効です。ステロイド剤や保湿剤などを使用して、皮膚の状態を整えながら症状を改善していきます。
蕁麻疹(じんましん)が辛いときの対策
蕁麻疹の症状が辛いときには、以下のことに注意しましょう。
掻かない
蕁麻疹の症状が現れた場合は、患部を掻かないようにしましょう。掻いてしまうと、かゆみがさらに広がり、皮膚に傷がついて湿疹化する恐れがあります。
温めない
体温が上がると症状が悪化しやすくなるため、患部を温めるのは控えましょう。入浴時も熱いお湯は避けてください。
患部を冷やす
蕁麻疹のかゆみや腫れを和らげるためには、患部を冷やすことが効果的です。タオルで包んだ保冷剤や冷たいタオルを使い、優しく冷やすと症状が軽減する場合があります。ただし、寒冷刺激が原因で起こる蕁麻疹の場合は、冷やすことで症状が悪化することがあるため注意が必要です。
安静にする
衣類による摩擦や圧迫が刺激となり、症状が悪化することがあります。そのため、刺激を与えないように、締め付けのないゆったりとした服を選び、安静に過ごすことが大切です。リラックスした環境で体を休めることで、症状を和らげる助けになります。
病院を受診する
症状が繰り返し起きる場合や、重症化している場合は、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
蕁麻疹(じんましん)か湿疹か分からないときは皮膚科を受診しよう
蕁麻疹と湿疹は、どちらも皮膚に赤みやかゆみを伴う症状が現れるため、見分けが難しいことがあります。原因や治療法が異なるため、自己判断で対処せず、皮膚科を受診することが大切です。専門医による診察を受けることで、正確な診断と適切な治療を受けられます。症状に迷ったら、早めに皮膚科へ相談しましょう。
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まとめ
蕁麻疹と湿疹は似た症状を持ちながら、原因や経過、治療法に明確な違いがあります。蕁麻疹は短期間で症状が現れて消えることを繰り返すのが特徴で、一方、湿疹は慢性化しやすい傾向があります。いずれの場合も適切な治療と対策が重要です。症状が長引く場合や、蕁麻疹と湿疹のどちらか判断がつかない場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。専門医による診断を受けることで原因を特定し、正しいケアを行うことで肌の健康を取り戻せます。
医師
高藤 円香
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