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カルブロック錠(アゼルニジピン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 大越 有紀
2021年09月27日
カルブロック錠(アゼルニジピン)は、アムロジン錠やノルバスク錠(アムロジピン)などで有名なカルシウム拮抗薬という種類の高血圧治療薬の一つです。
中でも1日1回服用で済む有効かつ安全性が高い長時間作用型の薬剤です。

今回、カルブロック錠について特徴や成分、副作用などに解説します。

カルブロック錠(アゼルニジピン)とは

カルブロック錠は血圧降下作用の発現が緩やかかつ持続性に優れ、副作用が少ないカルシウム拮抗剤を目的とし、第一三共株式会社と宇部興産株式会社の共同開発で生まれた薬です。2003年5月より販売され、現在は製造販売元として第一三共(株)、技術提携に宇部興産(株)となっています。

カルブロック錠は8mgと16mgの2剤形があり、またジェネリック医薬品も販売されています。
加えて、アゼルニジピンを含む配合剤としてレザルタス配合錠LD/HD※(第一三共株式会社)があります。
※レザルタス配合錠LD:オルメテック(オルメサルタン メドキソミル)10mg+アゼルニジピン8mg
  レザルタス配合錠HD:オルメサルタン20mg+アゼルニジピン16mg)


カルブロック錠の特徴は、アゼルニジピンの降圧作用が血中薬物濃度の上昇より遅れて発現し、血中濃度が低下しても効果が持続することです。その理由として、カルブロック錠は脂溶性であり高い血管組織親和性を持つことから、血管平滑筋に長時間とどまることが可能なためです。

カルブロック錠は長時間作用型のため、血圧の大きな変動はありません。そのため心臓への負担が減り、カルシウム拮抗薬特有の副作用である頭痛や顔面紅潮、反射性頻脈※の頻度は少ないです。心拍数は少しずつ低下傾向を示します。
※反射性頻脈:カルシウム拮抗薬を服用して急に血圧が下がると、体の防御反応により血圧を上げようと交感神経末端よりノルアドレナリンが放出され、心拍数が上昇すること

カルブロック錠(アゼルニジピン)の成分について

カルブロック錠8mg/16mgには、有効成分のアゼルニジピンがそれぞれ8mg/16mg含まれます。

まず、血圧が上がる仕組みをみていきましょう。
血管の平滑筋細胞にあるカルシウムチャネルを通じ、カルシウムイオン(Ca2+)が流入することで血管が収縮し、血圧が上がります。

冒頭でも触れた通り、カルブロック錠は降圧剤の中でも効果の高いカルシウム拮抗薬(CCB:calcium channel blocker)です。
CCBはカルシウムチャネルに結合することで、Ca2+が細胞内に入ることを邪魔して、血管収縮を阻止し血管を広げることにより血圧を下げます。

また、Ca2+の出入口となるCaチャネルは、大きく3種類に分けられます。
・L型:主に心筋・血管平滑筋に存在。血管の収縮と血圧の上昇に関わる
・T型:主に腎臓の糸球体にある輸入・輸出細動脈に存在。糸球体内圧の上昇に関わる
・N型:主に神経終末に存在。交感神経の興奮に関わる

今回解説しているカルブロック錠は、L型とT型の両方に作用します。
T型は腎臓に作用するため、蛋白尿やアルブミン尿を改善する効果が高いです。慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)や糖尿病性腎症を合併した高血圧患者に、より効果的といえます。

カルブロック錠(アゼルニジピン)はどんな症状に効果がある?

カルブロック錠(アゼルニジピン)の効能効果は「高血圧」のみです。
狭心症の適用はありません。

カルブロック錠(アゼルニジピン)の用法・用量は?

カルブロック錠(アゼルニジピン)の用法用量は、通常、成人には8~16mgを1日1回朝食後に服用します。
なお、1回8mgあるいは更に低用量から投与を開始し、症状により適宜増減しますが、1日最大投与量は16mgです。

臨床試験で降圧効果を検討したところ、1日16mgまでの降圧率は81.6%でした。
また、カルブロック錠は投与2~4週目に有意な血圧降下が認められます。その後も持続的に血圧は下がり、長期にわたり安定した降圧効果が得られます。

カルブロック錠(アゼルニジピン)の副作用

カルブロック錠(アゼルニジピン)の副作用に以下のような症状が報告されています。

・頭痛、頭重、めまい、ふらつき:カルブロック錠により過度に血圧が下がって生じうる
・胃部不快感、悪心
・ほてり、顔面潮紅:顔面の血管拡張により生じうる
・肝機能障害(AST、ALT上昇)など

また、重篤な副作用としては次のようなものが挙げられます。
・肝機能障害
・房室ブロック、洞停止、徐脈

カルブロック錠は主に肝代謝のため、肝臓に負担がかかることがあります。長期服用している人は、定期的な血液検査で肝機能をチェックすることが望ましいです。

カルブロック錠(アゼルニジピン)に関する注意点

・カルブロック錠(アゼルニジピン)を含むカルシウム拮抗剤(CCB)の投与を急に中止したとき、症状が悪化したという報告があります。休薬を要する場合は徐々に減量し、医師の指示なしに服薬を中止しないでください。

カルブロック錠を服用できない人(禁忌)

・妊婦又は妊娠している可能性のある女性
出生児の体重低下、妊娠期間及び分娩時間の延長などの報告があります。カルブロック錠服用中に妊娠が判明した場合、直ちに医師・薬剤師に連絡し指示を仰いでください。


・アゾール系抗真菌剤*¹(経口剤、注射剤)、HIVプロテアーゼ阻害剤*²、コビシスタット含有製剤*³、オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル*⁴を投与中の患者

他のCCBでは併用注意ですが、カルブロック錠でのみ禁忌となっています。
特に爪白癬などで皮膚科に受診の場合、イトリゾール(イトラコナゾール)が処方されることがあります。イトラコナゾールとの併用により、アゼルニジピンのAUCが2.8倍(1.7~5.4倍)になるとの報告があり、注意が必要です。

*¹アゾール系抗真菌剤:イトリゾール(イトラコナゾール)、フロリード(ミコナゾール)など
*²HIVプロテアーゼ阻害剤:ノービア(リトナビル)、インビラーゼ(サキナビル)、クリキシバン(インジナビル)など
*³HIV-1感染症治療薬に含有(スタリビルドなど)
*⁴ヴィキラックス配合錠:オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル錠(C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症治療薬)

食事・食品による影響

<食事の影響>
空腹時投与のCmax※¹及びAUC※²は食後投与と比較すると、それぞれ38%及び69%でした。これはカルブロック錠が脂溶性のため、食事中の脂質と混ざることで効果を発揮します。そのため、空腹時に服用すると効果が落ちてしまいます。
朝食時に処方されている人で、朝食はほとんど摂らないという人は処方医に相談しましょう。
※¹Cmax:最高血中濃度(薬物投与後の血中濃度の極大値のこと)
※²AUC:薬物血中濃度-時間曲線下面積(体内に取り込まれた薬の量を示す指標)
<グレープフルーツ(ジュース)の影響>
・グレープフルーツに含まれるフラノクマリンが、カルブロック錠を代謝(≒解毒)する酵素CYP3A4の働きを妨げます。その結果、体内の薬剤血中濃度が上がり(※³)必要以上に薬が効きすぎ、血圧が過度に下がることでめまいやふらつきが起きやすくなります。
※³カルブロック錠のCmaxが2.5倍及びAUCが3.3倍に増加

・以下はフラノクマリンを多く含み、カルブロック服用中は摂取に注意が必要な果物です。
 グレープフルーツ/スウィーティー/ブンタン(ザボン)/夏みかん/金柑/ライムなど
・カルブロック錠服用中でも問題のない(フラノクマリンをほぼ含まず影響がない)果物は以下の通りです。
 バレンシアオレンジ/ゆず/温州みかんなど
 (ただし、果皮は避けるもの)レモン/スウィートオレンジ/日向夏など 

・フラノクマリン含量は、果皮>果肉>種 の順になり、果肉中にも存在します。
・ルビー種(果肉がピンク色)よりも白色種(果肉が白色)の方が、フラノクマリン量が2倍多いため、注意しましょう。
・グレープフルーツジュース摂取のCYP3A4阻害効果は3日以上持続するとの報告があり、カルブロック錠服用中はグレープフルーツ(ジュース)を代表とするフラノクマリンを多く含む果物の摂取は避けた方が無難でしょう。
オレンジジュースや温州みかんなどで代用することをおすすめします。
・Ca拮抗薬の中でもフラノクマリンの影響を受けやすい薬剤と受けにくい薬剤があります。どうしてもフラノクマリン含有の柑橘類を摂らなければならない方は、薬の変更を医師に相談しましょう。

また、CYP3A4により代謝するため、併用に注意が必要な薬剤が多数あります。他の病院や診療科などかかる際は、必ずカルブロック錠服用の旨を伝えましょう。

カルブロック錠(アゼルニジピン)と同じ成分の市販薬はある?

2021年9月現在、アゼルニジピンは医療用医薬品のため、医師による処方せんがないと入手できません。
参考資料
カルブロック錠8mg/カルブロック錠16mg|添付文書,2021年 7 月改訂(第 2 版)(info.pmda.go.jp)
カルブロック錠8mg/カルブロック錠16mg|医薬品インタビューフォーム,2020年4月改訂(第17版)(info.pmda.go.jp)
FAQ「カルブロック」の一覧| よくある質問(Q&A)|Medical Library|第一三共株式会社 
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監修薬剤師 大越 有紀
調剤併設ドラッグストアや調剤薬局にて15年以上保険薬剤師として勤務。 患者様の心に寄り添う投薬を心掛けています。 また、医療・薬や育児に関する記事を中心に執筆しています。 恐竜大好きわんぱく男の子を育てる未婚のシングルマザーで育児奮闘中。
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