いんきんたむし(股部白癬)原因とは?症状や対処方法について詳しく解説
更新日:2024年10月31日
この記事では、いんきんたむしの症状やその原因、そして日常生活での予防策や効果的な対処方法について詳しく解説していきます。ぜひ、参考にしてください。
いんきんたむし(股部白癬)とは?
いんきんたむし(股部白癬)は、太ももの付け根やお尻、下腹部などに現れる皮膚の感染症です。これは白癬菌というカビが原因で、特に湿気が多くて通気性が悪い場所で発生しやすいです。
白癬菌は皮膚のタンパク質を栄養源にして増殖します。鼠径部や股間は汗や摩擦で湿気がたまりやすく、菌が繁殖しやすい環境のため夏場は注意が必要です。また、患部の皮膚はバリア機能が低下しているため、細菌感染を併発するリスクもあります。適切な治療と清潔な環境を保つことが重要です。
いんきんたむし(股部白癬)の原因
いんきんたむし(股部白癬)は、白癬菌というカビの一種が原因です。この菌は水虫の原因菌と同じで、足に水虫がある人やその家族から感染することがあります。たとえば、水虫の部分を触った手で陰部に触れたり、同じタオルを使ったりすると感染しやすくなります。
特に男性は、陰嚢と太ももの付け根が接触しやすく、湿気と摩擦が起こりやすいため、いんきんたむしになりやすいです。最近では、中高年の男性にも多く見られるようになりました。肥満の方は、股間の湿気と摩擦が多くなるため、さらにリスクが高まります。
また、公衆トイレや銭湯、温泉など、多くの人が利用する場所でも感染することがあります。いんきんたむしは湿気や摩擦が多い環境で発生しやすく、感染経路も多岐にわたるため、注意が必要です。まれですが、動物から人に感染することもあります。
いんきんたむし(股部白癬)の主な症状
いんきんたむしは、股の周りに赤くて小さく盛り上がった発疹や膿を持った水疱が現れます。これらの発疹は徐々に広がり、輪のような形になることがほとんどです。輪の外側は赤く盛り上がり、内側は治っているように見えるのが特徴になります。ただし、必ずしも輪の形になるわけではありません。
この発疹は、太ももの内側など、皮膚がこすれやすい部分にできやすく、左右両側に現れることもあります。また、性器周辺や下腹部、臀部などにも広がることがありますが、陰嚢にはあまり発生しません。強いかゆみを伴うことが多く、時には痛みを感じることもあります。
いんきんたむし(股部白癬)と湿疹の見分け方
いんきんたむしは特徴的な症状としては、赤い輪のような形をした発疹が現れます。この発疹は、中央部分が正常な皮膚の色を保ち、周囲が赤くなることが一般的です。ただし、場合によっては炎症が内側まで広がることもあります。
一方、湿疹は皮膚のバリア機能が低下することで発生します。湿疹の症状は、斑点やまだらな赤みが広がることが特徴です。ブツブツとした発疹が広がることが多く、汗や蒸れ、乾燥が原因で発症することがほとんどです。
いんきんたむしと湿疹の見分け方は難しいかもしれません。いんきんたむしは他人に感染するリスクがあるため、自己判断せず早めに治療することが重要です。最も確実な方法は、医師に診断してもらうことです。
いんきんたむし(股部白癬)の治療法
いんきんたむしが疑われる場合、市販の水虫用の薬でセルフケアすることも可能です。ただし、他の皮膚疾患と区別するのが難しいことが多く、自己判断で治療を行うと症状が悪化することがあります。そのため、まずは医療機関で正確な診断を受け、適切な治療を受けることが重要です。
処方薬による治療
治療は主に抗真菌薬の使用です。最初に医師が真菌検査を行い、感染が確認されたら、抗真菌薬の外用薬(クリームやローション)が処方されます。これを患部に毎日塗ることで、徐々に症状が改善していきます。
ニゾラールやルリコンといった薬は、1日1回、肌のターンオーバーを考えた上で2週間以上を目安に続けて塗ることが必要です。クリームは肌にしっかりと密着し、効果が持続しやすいですが、べたつきが気になる場合はスプレーやローションも使えます。特に入浴後の清潔な肌に塗ると効果的です。ただし、かぶれることもあるので注意しましょう。
もし、外用薬だけでは十分な効果が得られない場合や再発を繰り返す場合は、内服薬も併用します。イトリゾールやラミシールといった薬を3〜6週間服用することで、体内から真菌を抑える効果が期待できます。ただし、内服薬は他の薬との相互作用や肝臓への負担があるため、医師の指示に従って使用することが重要です。
自己判断でステロイド外用薬を使うと症状が悪化することがあるため、必ず医師に相談してから治療を始めてください。
市販薬による治療
オロナインH軟膏は、昔から皮膚の赤みや傷に使われている有名な薬です。主成分はクロルヘキシジングルコン酸塩という消毒成分になります。この薬は水虫やたむしにも効果があるとされていますが、完治を目指すなら抗真菌薬の方が効果的です。
市販されている抗真菌薬には、ダマリングランデクリームやラミシールDXなどがあります。これらの薬はしっかりと治療効果が期待できますが、自己判断で使用するのは避けたほうがよいでしょう。皮膚の状態が改善したとしても、それが薬の効果なのか、他の要因(例えば、皮膚の清潔さを保つことや生活習慣の改善など)によるものなのかはっきりしません。
疑わしい症状がある場合は、病院で適切な検査を受けることをお勧めします。専門医の診断を受けることで、正しい治療を受けられます。
いんきんたむし(股部白癬)の予防方法
皮膚を清潔に保つことが重要です。夏場などの高温多湿な時期は、汗をかきやすく、下着の中が蒸れやすくなります。入浴後や汗をかいた後は、清潔なタオルで余分な水分を取り除き、蒸れを防ぎましょう。通気性の良い衣服や下着を選び、締め付けの強いズボンや下着は避けてください。
最も重要なのは、足や爪の水虫に感染しないようにすることです。これが、いんきんたむしの予防につながります。
1日1回入浴またはシャワー浴を行う
毎日の入浴で全身を清潔に保つことも重要です。もし皮膚に菌が付着しても、24時間以内に洗い流せば感染を防げます。毎日1回、入浴やシャワーで全身を丁寧に洗いましょう。
強くこすりすぎると皮膚に傷がつき、逆に感染しやすくなるため注意が必要です。角質を削るような行為は控えめにしてください。角質が傷つくと菌が入りやすくなるからです。
タオルやバスマットを他人と共用しない
感染は、感染者との直接的な接触や、床、畳、履物、バスマット、タオルなどを共有することで起こります。家族内での感染が多いため、共用の履物やバスマット、タオルの使用は避けましょう。また、プールやスポーツジム、公衆浴場など、多くの人が利用する場所では感染リスクが高まります。
手足や爪の水虫があれば適切に治療する
高齢者は足や爪の水虫を持っていることが多く、そこから感染することがよくあります。足や爪の水虫がある場合は、まずその治療を行い、他の場所に広がらないようにすることが大切です。
症状が改善しない場合は医師に相談しましょう。
いんきんたむしと湿疹は見分けるのが難しいことがあります。いんきんたむしは真菌(カビの一種)による感染症で、湿疹とは異なります。いんきんたむしの治療には、抗真菌薬が必要です。
確実に診断するためには、自己判断せずに医療機関で診察を受けましょう。市販薬にもいんきんたむしに効果的なものがありますが、医師の診断を受けることで適切な治療を受けられます。
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まとめ
いんきんたむし(股部白癬)は、適切な知識を持って対処することで、早期に治癒する可能性が高い感染症です。疑わしい症状が現れた場合は、早めに医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。また、日頃から予防対策を心がけ、清潔な生活習慣を維持することも大切です。
医師
高藤 円香
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