アルファロールカプセル(アルファカルシドール)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説
更新日:2024年02月29日
骨粗しょう症の治療を行う病院や調剤薬局では採用されることも多いので目にしたこともあるのではないでしょうか。アルファロールカプセルを使用するためにいくつか注意点があるため安全に使用するために理解しておく必要があります。
今回は、アルファロールカプセルに含まれている成分や効果、副作用などについて解説します。
アルファロールカプセル(アルファカルシドール)とは
アルファロールカプセルは、1981年から中外製薬株式会社から販売されている活性型ビタミンD3製剤です。1973年に活性されたビタミンDであるビタミンD3に速やかに代謝されるように開発され、カルシウムの代謝や骨代謝の調節を改善する作用があります。
慢性腎不全や副甲状腺機能低下症、くる病、骨軟化症などのビタミンDの代謝異常が伴う疾患に対して使用されます。カプセル以外にも様々な剤形が開発され、嚥下能力が低下している高齢者や小児にも服用しやすいように工夫されています。
カプセル以外にも内用液や散剤がある
アルファロールカプセルは、カプセル以外にもアルファロール散、アルファロール内用液が開発されています。小さい子供や高齢者では食べ物などを飲み込む能力が低下してくるのでカプセルだと服用が難しい場合があります。
アルファロール散であれば、とろみをつけて飲み込みやすくできる服薬支援ゼリーなどを活用でき、内用液など小さい子でも服用が可能となっています。患者さんの状況によって剤形を選択できるメリットがあります。
ジェネリック医薬品が存在する
アルファロールカプセルにはジェネリック医薬品が存在しています。新薬には、数百億円という莫大な費用と10数年という長い歳月をかけて開発されるため特許を取得して独占的に販売することで費用を回収しています。
しかし、特許の期間が切れると他の製薬会社が新薬と同じ有効成分で医薬品を製造、販売ができます。ジェネリック医薬品には、開発費というコストがかかっていないので新薬に比べると薬剤費が安くできるメリットがあります。
厚生労働省は、ジェネリック医薬品の普及に推進しており、安全性や有効性、同等性の試験を行なって市場に流通させています。ジェネリック医薬品の変更を希望する場合、医師や薬剤師に相談してください。
アルファロールカプセル(アルファカルシドール)の成分について
骨粗しょう症は、加齢などの原因によって骨を壊す細胞と骨を作る細胞のバランスが崩れることで骨が脆くなる病気です。転倒などによって骨折のリスクが上がるため治療薬を活用して骨の代謝を改善する必要があります。
アルファロールカプセルは、活性型ビタミンD3製剤に分類され、小腸からカルシウムの吸収を促進して骨量が減少するのを抑制する作用を持っています。ビタミンDの欠乏があらわれる副甲状腺機能低下症や慢性腎不全などにはビタミンDを補充する目的で使用されることもあります。
ビタミンDとは?
ビタミンDは、脂溶性ビタミンに分類されるビタミンで、強い骨を維持するためには重要な栄養素です。
カルシウムの吸収を助ける効果があるため骨粗しょう症や骨軟化症などの骨の病気にも使用されますが、カルシウムには筋肉の活動や神経の伝達、免疫系の維持のために重要な役割を果たすためビタミンDが不足すると様々な影響が起きます。
アルファロールカプセル(アルファカルシドール)はどんな症状に効果がある?
骨代謝の改善を目的に骨粗しょう症に使用されますが、慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性くる病、骨軟化症などビタミンDの代謝がうまくできなくなったり、不足したりする疾患に対して使用されることがあります。
アルファロールカプセル(アルファカルシドール)の用法・用量は?
・慢性腎不全、骨粗しょう症
成人には1日1回アルファカルシドールとして0.5〜1μgを経口投与します。年齢や症状によって増減できます。
・副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患
成人には1日1回アルファカルシドールとして1〜4μgを経口投与します。年齢や症状によって増減できます。
・小児用量
小児の骨粗しょう症には1日1回アルファカルシドールとして0.01〜0.03μg/kgを経口投与します。その他の疾患では、日1回アルファカルシドールとして0.05〜0.1μg/kgを経口投与します。年齢や症状によって増減できます。
アルファロールカプセル(アルファカルシドール)の副作用
慢性腎不、副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患に対してアルファロールカプセルを使用した臨床試験では、副作用は全体の5.7%で報告されました。主な副作用としてかゆみ(2.3%)、食欲不振 (1.0%)、吐き気(0.9%)、下痢(0.6%)、ALT上昇(0.5%)でした。
骨粗しょう症に対してアルファロールカプセルを使用した臨床試験では、副作用は全体で1.3%報告されています。主な副作用は、BUN上昇(0.2%)、吐き気(0.2)、食欲不振(0.1%)胃痛(0.1%)、AST上昇(0.09%)でした。
重大な副作用として急性腎不全、肝機能障害、黄疸などが見られますが、頻度としては非常に稀とされています。
急性腎不全が発生する理由として急激な血清カルシウム上昇を伴うことが理由と考えられているので血液中のカルシウム値と腎機能や肝機能などを定期的に観察する必要があります。
アルファロールカプセルを使用して体調に変化が生じたら医師、薬剤師に相談してみてください。
アルファロールカプセル(アルファカルシドール)に関する注意点
アルファロールカプセルを使用するためにはいくつか注意点が存在します。注意点を理解せずに使用すると副作用のリスクが上がることもあるのでこちらでは注意点を解説していきます。
高Ca血症に注意
アルファロールカプセルは活性型ビタミンD3製剤で、小腸からカルシウムの吸収を促進する作用があります。そのため、カルシウムの血中濃度が上昇して高カルシウム血症を起こす可能性があります。
高カルシウム血症が起こると吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘、脱力感、体重減少などの初期症状が起こり、重症化すると錯乱、意識障害、不整脈などを起こす可能性があるので注意が必要です。
定期的な血液検査を行い血中のカルシウム濃度を測定することで、高カルシウム血症を未然に防ぐことができます。
高齢者への投与
高齢者では、若い人に比べると腎臓や肝臓などの機能が低下していることが多いです。腎臓や肝臓は体内に入った医薬品を排泄、代謝する重要な臓器であるため高齢者に対してはアルファロールカプセルの量には注意が必要です。
妊婦、産婦、授乳婦への投与
ヒトにおける妊娠中や授乳婦への安全性は確立していないため治療上必要とされる場合にのみ使用した方がいいでしょう。そのため、健康に良いと思ってビタミンDのサプリメントを服用するのは注意が必要です。
アルファロールカプセル(アルファカルシドール)と同じ成分の市販薬はある?
アルファロールカプセルを入手するためには原則的に医師が発行する処方箋を持って調剤薬局でもらう方法しかありません。骨粗しょう症の予防やビタミンDの補給を目的にするために入手はできないのが現状です。
しかし、お客さんの判断で購入できる市販薬であれば、入手がしやすく、待ち時間なども減らせるので忙しい方にはメリットが大きいです。
アルファロールカプセルと同じ成分の市販薬はあるのでしょうか?
アルファロールカプセル(アルファカルシドール)と同じ成分の市販薬は存在しない
残念ながらアルファロールカプセルと同じ成分の市販薬は存在しません。ビタミンDとしては、市販薬ではなくサプリメントとして販売されています。
ビタミンDは、脂溶性ビタミンであり、脂肪に蓄積することもあるので過剰症にある可能性があります。過剰症になると高カルシウム血症になることもあるので注意が必要です。
また、医薬品との相互作用があらわれることもあるのでサプリメントを購入する前に薬剤師、登録販売者に相談してみてください。
気になることがあれば医療機関へ
骨密度が低くなると転倒などで骨折するリスクが高くなります。
年齢を重ねることで骨粗しょう症のリスクも高くなるので骨のことで気になることがあれば、医療機関へ相談した方がいいでしょう。
参考文献
アルファロールカプセル|添付文書
活性型ビタミンD3製剤の解説|日経メディカル処方薬事典
厚生労働省eJIM | ビタミンD | サプリメント・ビタミン・ミネラル | 一般の方へ
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