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【医師監修】繰り返す大人ニキビの原因とは?思春期ニキビとの違いと正しい対処方法

監修医師 五藤 良将
更新日:2025年05月8日

更新日:2025年05月8日

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「思春期はとっくに終わったのに、またニキビ?」そんな戸惑いを感じたことはありませんか。大人になってから繰り返しできるニキビは、思春期ニキビとは原因も対処法も異なります。ホルモンバランスの変化や生活習慣、ストレスなど、さまざまな要素が複雑に影響し合っているのが特徴です。この記事では、大人ニキビと思春期ニキビの違い、できやすい部位の傾向、そして正しいケア方法について、医師監修のもとで詳しく解説します。

大人ニキビとは?思春期ニキビとの違い

あごや頬にできたニキビ。これは思春期とは異なるメカニズムでできる「大人ニキビ」かもしれません。思春期ニキビとはできる部位や原因、対策も異なるため、違いを理解することが大切です。

思春期ニキビについて詳しく解説

大人ニキビとは

大人ニキビとは、20歳以降に発生するニキビのことです。医学的には「思春期後痤瘡(ししゅんきござそう)」と呼ばれます。皮脂分泌に加え、睡眠不足やストレス、乾燥など複数の要因が重なって毛穴が詰まり、炎症が生じます。皮膚のバリア機能が低下しやすい年齢でもあるため、外的刺激にも注意が必要です。

思春期ニキビとの発生しやすい部位の違い

思春期ニキビは、皮脂の分泌が盛んなTゾーン(額や鼻)を中心に発生します。これは、思春期のホルモン分泌により皮脂腺の活動が活発になることが理由です。

 

一方、大人ニキビは皮脂が多くないUゾーン(あご・口周り・フェイスライン)にできやすい傾向があります。この部位は乾燥や刺激に弱く、生活習慣やスキンケアの影響を受けやすいことが特徴です。

大人ニキビの特徴

大人ニキビは、思春期のニキビとは異なり、慢性的かつ再発しやすい点が特徴です。皮膚の深い部分で炎症を起こすことが多く、患部が硬く感じられる場合もあります。発症部位にくり返し生じるケースも多く、色素沈着や凹凸が残ることがあります。皮脂の分泌量よりも、ターンオーバーの乱れや外的刺激が関与している点が特徴的です。

大人ニキビの主な原因

大人ニキビは、思春期ニキビとは異なり、複数の生活要因や環境的刺激が重なって発症する特徴があります。

ホルモンバランスの乱れ

女性は生理周期によりホルモン分泌が変動し、黄体ホルモンの増加で皮脂が多くなり、毛穴が詰まりやすくなります。また、不規則な生活や過労もホルモンに影響し、肌の再生リズムが乱れます。

外的刺激

マスクの着用、髪の毛の接触、紫外線、乾燥、摩擦など、日常のちょっとした外的刺激も肌にとっては負担となります。これらの刺激が皮膚にダメージを与えると、炎症が起こりやすくなり、ニキビの発生につながります。また、肌に合わないスキンケア製品やメイク用品の使用も原因の一つです。強すぎる洗顔やピーリングもバリア機能を低下させ、かえって悪化することがあります。

ストレス

ストレスは自律神経のバランスを崩し、男性ホルモンの分泌を増加させる要因です。これによって皮脂の分泌が活発になり、毛穴が詰まりやすくなります。また、ストレスは肌の修復力や免疫力を低下させるため、炎症が起こりやすくなり、ニキビが治りにくくなります。精神的な緊張や不安が続くことで、肌トラブルが慢性化することもあるため注意しましょう。

睡眠不足

睡眠時間が不足するとこの再生サイクルが乱れ、古い角質が肌に残ったまま毛穴をふさいでしまいます。また、成長ホルモンの分泌が減少し、炎症を抑える力も低下するため、ニキビが悪化しやすくなります。夜更かしや不規則な睡眠は、肌にとって大きなストレスとなるのです。

食生活の偏り

高脂質・高糖質な食事は皮脂分泌を活発にし、毛穴の詰まりを助長します。甘いお菓子や揚げ物、アルコール類の摂取が多い場合には注意が必要です。

 

一方で、肌の健康維持に必要な栄養素が不足していても、ターンオーバーが乱れやすくなります。ビタミンB群、ビタミンC、たんぱく質、亜鉛などは皮膚の修復に欠かせない成分であり、極端なダイエットや栄養の偏りがあると肌の機能が低下し、ニキビができやすくなります。

部位別にみる大人ニキビの特徴とケアの注意点

ニキビはできる部位によって原因や背景が異なります。繰り返し同じ場所にできる場合、体調や生活習慣の影響が関係している可能性があります。

額・こめかみのニキビと前髪・整髪料の影響

額やこめかみは皮脂分泌が多く、前髪の刺激やスタイリング剤、洗顔料のすすぎ残しが原因となりやすい部位です。ストレスや生活の乱れによるホルモン変動も関与します。洗顔後のすすぎ残しや前髪の清潔管理が予防の鍵です。

あご・口周りのニキビとホルモンの関係

あごや口周りはホルモンバランスの影響を受けやすく、生理前やストレス時にニキビができやすい傾向があります。胃腸の不調や冷えも関係しやすく、生活習慣の見直しと肌への刺激を避けることが必要です。男性は髭剃り後のケアにも注意しましょう。

頬のニキビと紫外線・乾燥・化粧品刺激

頬は乾燥しやすく、紫外線や化粧品の刺激、枕カバーやメイク道具の不衛生が原因になることがあります。肌のバリア機能を守るためには、保湿と紫外線対策、肌に合うスキンケアの選定が重要です。

背中・胸ニキビと衣類や汗による蒸れ

背中や胸は皮脂分泌が多く、汗や衣類の摩擦による蒸れ、洗浄不足が原因になります。ニキビではなく真菌が原因のこともあり、慢性化する場合は皮膚科での診断が必要です。保湿と清潔保持、通気性の良い衣類で予防しましょう。

大人ニキビのNGケア

大人ニキビは、誤ったスキンケアをすることで症状を長引かせてしまいます。ありがちなNG行動を避けることが重要です。

自分で潰す

炎症のあるニキビを無理に潰すと、雑菌が入りやすくなり、赤みや膿が悪化します。傷が深くなれば色素沈着やクレーター状の跡が残る可能性もあります。自己処理ではなく、清潔な環境で皮膚科医の処置を受けることが最善です。

マスクで隠す

マスクでニキビを覆うと、摩擦や蒸れによって炎症が悪化する恐れがあります。マスク内の湿気はアクネ菌の増殖を助け、ニキビが繰り返しやすくなる原因にもなります。肌への刺激を避けるには、通気性の良い素材やサイズの合ったマスクを選ぶことが重要です。

濃いメイクで隠す

ファンデーションを厚く塗ると、毛穴をふさぎやすくなり、油分がアクネ菌の栄養源となって悪化を招きます。特にリキッドタイプは毛穴詰まりの要因になりやすいため注意が必要です。ニキビがある日は低刺激な下地にとどめ、しっかりとメイクを落とすケアも欠かせません。

過剰に洗浄する

皮脂を気にして洗顔を繰り返すと、必要な皮脂まで落としてしまい乾燥を招きます。肌は乾燥を補おうとさらに皮脂を分泌し、結果的に悪循環を引き起こすこともあります。洗顔は1日2回、泡でやさしく洗い、ぬるま湯でしっかりすすぐことを心がけましょう。

放置する

「そのうち治る」と放置してしまうと、炎症が進んで色素沈着や凹みのあるニキビ跡につながる場合があります。大人ニキビは治りにくく、慢性化しやすいため、自己判断はさけましょう。

大人ニキビへの対処方法

大人ニキビは複合的な原因で悪化しやすいため、スキンケアや生活習慣を見直すことが基本です。早めの対処が悪化を防ぎ、跡を残さず改善につながります。

刺激を避ける

ニキビを指で触る、潰す、こすって洗うといった刺激は、炎症の悪化や跡の原因になります。シェービングやマスク、髪が触れることも刺激となるため、日常生活の中で肌への摩擦や圧迫を避けることが大切です。肌にやさしい素材を選び、丁寧な扱いを意識しましょう。

正しいスキンケアを行う

洗顔は1日2回、泡でやさしく洗い、ぬるま湯で丁寧にすすいでください。洗顔後はすぐに化粧水で保湿し、乳液やクリームで水分の蒸発を防ぎましょう。保湿不足は乾燥を引き起こし、皮脂の過剰分泌を招く原因になります。

バランスの良い食事を心がける

肌の土台となるタンパク質や、皮脂の分泌を抑えるビタミンB群、抗酸化作用のあるビタミンC・Eを意識的に取り入れましょう。過剰な糖分や脂質、刺激物の摂り過ぎはニキビを悪化させる要因になるため控えめにしてください。

睡眠をしっかりとる

質の高い睡眠は、肌の修復・再生に直結します。入眠後3時間の深い眠りが特に重要とされており、夜更かしや不規則な睡眠は肌の代謝を乱します。毎日同じ時間に就寝し、寝る前にはスマートフォンやテレビを控えることで、安定した眠りを確保しましょう。

ストレスをためない

ストレスはホルモンバランスを乱し、ニキビの炎症や再発を引き起こす要因となります。運動や趣味、入浴などで気分を切り替える時間を持ち、自分なりのリフレッシュ方法を見つけておきましょう。疲れを感じたら無理をせず、しっかり休むことも大切です。

皮膚科を受診する

セルフケアで改善がみられない場合や、炎症が強い場合には、早めに皮膚科を受診しましょう。長引くニキビには専門的な対応が必要です。

皮膚科で受けられる治療法

医師による診断のもと、内服薬や外用薬、ケミカルピーリングなど適切な治療を受けることで、再発の予防にもつながります。

塗り薬

塗り薬はニキビ治療の基本です。毛穴の詰まりを改善したり、ニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖を抑えたりします。

 

白ニキビには、毛穴の詰まりを防ぐアダパレンや過酸化ベンゾイルを使用します。赤く炎症を起こしたニキビには、抗菌薬であるクリンダマイシンと過酸化ベンゾイルの配合薬が有効です。症状に応じて、複数の成分を含む薬を使うこともあります。

飲み薬

炎症を伴う赤ニキビや膿を持ったニキビには、抗菌薬の内服治療を行います。アクネ菌に対して効果があり炎症も和らげる作用がありますが、耐性菌の発生を防ぐため長期間は使用しません。また、補助的に漢方薬やビタミン剤を使用することもあります。

ケミカルピーリング

皮膚の表面に酸を塗って古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促す治療です。毛穴の詰まりを改善し、白ニキビをできにくくします。使用する薬剤は、肌の状態や体質に応じて選びます。

大人ニキビが治らない場合は違う病気かも

大人ニキビが何度も繰り返したり、治療しても改善しないときは、実は「ニキビではない別の皮膚疾患」が隠れていることがあります。次のような病気が、見た目や症状が似ているため誤解されやすい代表的なものです。

毛嚢炎

毛穴の奥にある毛根を包む部分に細菌が入り込んで起こる炎症です。ひげ剃りや掻き傷、衣類の摩擦などがきっかけで発症し、赤みや小さな膿をもった発疹ができます。首やおしり、太ももなどが出来やすい部位です。抗菌薬の外用や内服で治療しますが、重症化すると「おでき」や「よう」に進行することもあります。

粉瘤

皮膚の下に袋状の構造ができ、古い角質や皮脂がたまっていく良性のしこりです。しばしば「脂肪のかたまり」と誤解されますが、実際は皮膚の老廃物です。炎症を起こすと赤く腫れて痛みを伴うことがあり、膿が出てくる場合もあります。圧迫すると悪化するため、自己処理は避けましょう。

マラセチア毛包炎

一見ニキビのような赤いポツポツが、胸や背中など皮脂の多い部位に出る皮膚の病気です。原因は「マラセチア」という常在菌(カビ)で、夏に悪化しやすく、かゆみを伴うこともあります。見た目はニキビと似ていますが、白ニキビはできず、赤いポツポツが均一に並ぶのが特徴です。

大人ニキビは放置せず皮膚科を受診しよう

大人になってからできるニキビは、思春期のものと原因が異なり、ホルモンバランスやストレス、スキンケアの習慣などが関係しています。市販薬で改善するケースもありますが、繰り返したり、なかなか治らない場合は注意が必要です。間違ったケアを続けることで、悪化したり跡が残ることもあります。

 

「ニキビくらい」と自己判断せず、気になる症状は早めに皮膚科で相談しましょう。早期に適切な治療を受けることが、肌を守る第一歩です。

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まとめ

繰り返す大人ニキビの背景には、誤ったスキンケアや生活習慣の乱れが関係しているかもしれません。放置することで悪化し、ニキビ跡として残る可能性があります。セルフケアで改善が見られない場合は、早めに皮膚科での専門的な治療を検討しましょう。健やかな肌を保つためにも、今一度スキンケアの方法や日常生活を見直してみてください。

コメント 大人ニキビは、思春期ニキビとは異なり、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、乾燥、睡眠不足や食生活の偏りなど、さまざまな要因が複雑に関与します。慢性的に繰り返しやすく、色素沈着や瘢痕が残ることもあるため、放置せず早期の対策が重要です。正しい洗顔と保湿を基本としたスキンケア、生活習慣の見直しに加えて、皮膚科での専門的な治療を受けることで、根本的な改善につながります。

監修医コメント

医師
五藤 良将

大人ニキビは、思春期ニキビとは異なり、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、乾燥、睡眠不足や食生活の偏りなど、さまざまな要因が複雑に関与します。慢性的に繰り返しやすく、色素沈着や瘢痕が残ることもあるため、放置せず早期の対策が重要です。正しい洗顔と保湿を基本としたスキンケア、生活習慣の見直しに加えて、皮膚科での専門的な治療を受けることで、根本的な改善につながります。

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監修医師 五藤 良将
経歴:千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。 免許・資格:医師免許、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医、日本医師会産業医、日本美容内科学会評議員 所属:医療法人社団五良会 竹内内科小児科医院 院長 医療法人社団五良会 理事長
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