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【医師監修】「そのできもの、ニキビ?」吹き出物との違いと正しいケア方法を紹介

監修医師 松澤 宗範
更新日:2025年06月12日

更新日:2025年06月12日

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鏡を見て、「これってニキビ?それとも吹き出物?」と悩んだことはありませんか?実はこの2つ、医学的にはどちらも「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という同じ皮膚疾患ですが、一般的には年代や原因の違いによって呼び分けられています。この記事では、思春期ニキビと大人の吹き出物の違いをわかりやすく解説し、それぞれに合った正しいケア方法や注意点を紹介します。

ニキビと吹き出物の違いとは

ニキビと吹き出物は、多くの人が混同しがちな皮膚のトラブルですが医学的に同じものを指します。しかし、この2つの言葉が使われる場面やその意味には、一般的に微妙な違いがあります。

医学的にはどちらも「尋常性ざ瘡」

ニキビと吹き出物はどちらも「尋常性ざ瘡」という医学用語で表される、同じ皮膚疾患です。この疾患は、毛穴の中で皮脂や角質が詰まり、細菌によって炎症が引き起こされることによって発生します。

一般的な使い分けは「年代」で決まる

実際に、ニキビと吹き出物という言葉は、年代によって使い分けられることが一般的です。思春期や青年期に見られるものが「ニキビ」と呼ばれ、ホルモンバランスの変化が大きな原因とされています。

 

大人になってから発生することが多いものは「吹き出物」と呼ばれ、ストレスや生活習慣の乱れ、さらにはホルモンバランスの変化などが関与していることが一般的です。発症する年代や背景が異なるため、呼び方が分かれますが、医学的には両者に違いはありません。

思春期に多い「ニキビ」の特徴

思春期に多く見られるニキビは、体の成長とホルモンの影響を大きく受けます。多くの10代が経験する思春期ニキビには特有の特徴と原因があり、理解しておくことが予防と治療に役立ちます。

10代に多い「思春期ニキビ」の仕組み

思春期ニキビは、ホルモンバランスの急激な変化が原因です。10代の成長期は体内で性ホルモンが分泌され、皮脂腺が活発になり、皮脂の分泌量が急増します。過剰に分泌された皮脂が毛穴を塞ぎ、その中でアクネ菌が増殖して炎症を引き起こすことで、ニキビが発生します。

 

思春期ニキビは通常、ホルモンバランスが安定してくることで自然に収まることがほとんどです。しかし、場合によっては長期化することもあります。

皮脂の過剰分泌とホルモンの関係

思春期にニキビが多く見られる原因の一つは、成長ホルモンや性ホルモンの分泌が急増することです。男性ホルモン(アンドロゲン)が増えることで、皮脂腺が刺激され、皮脂の分泌が過剰になります。

 

女性でも、ホルモンの変動により皮脂分泌が増えることがあり、これがニキビを引き起こす原因となります。ホルモンバランスが不安定なこの時期、特に思春期のニキビは皮脂の分泌過多が主な原因です。

Tゾーンにできやすい理由

思春期ニキビは、皮脂が多く分泌される「Tゾーン」に特にできやすいのが特徴です。Tゾーンとは、額から鼻、あごにかけての部分になります。この部分は顔の中でも特に皮脂腺が活発で、過剰な皮脂がたまりやすい場所です。毛穴が詰まって炎症を引き起こし、ニキビが発生しやすくなります。

大人に多い「吹き出物(大人ニキビ)」の特徴

大人になってから発生する吹き出物(大人ニキビ)は、思春期のニキビとは異なる特徴を持っており、主に生活習慣やストレスが影響しています。大人ニキビとも呼ばれ、この症状に悩む人は少なくありません。ここでは、その原因や特徴について詳しく説明します。

乾燥肌でも起きる吹き出物の仕組み

大人ニキビは、乾燥肌を持っている方にも発生することがあります。これは、乾燥によって肌のバリア機能が低下し、古い角質がうまく剥がれ落ちずに毛穴を塞ぐためです。毛穴が詰まると、皮脂や汚れが溜まり、アクネ菌が繁殖しやすくなり、炎症を引き起こして吹き出物ができます。

 

大人ニキビについて詳しく解説

生活習慣とストレスの影響

大人ニキビは、生活習慣やストレスによって悪化しやすいことが特徴です。不規則な生活や睡眠不足、食生活の乱れはホルモンバランスを乱し、ニキビができやすくなります。また、ストレスが溜まると体内でコルチゾールが分泌され、これが皮脂の分泌を促進するため、吹き出物が発生する原因になります。

Uゾーンやフェイスラインにできやすい理由

大人ニキビは、思春期ニキビとは異なり、主に顔のUゾーン(頬やあご、口周り)やフェイスラインが出来やすい場所です。女性では、ホルモンバランスの乱れ(生理前など)や乾燥肌、過剰なメイクなどが原因となり、これらの部位にニキビが現れます。また、男性ではひげ剃りが原因で口周りに吹き出物ができることがよくあります。

ニキビ・吹き出物によく似た皮膚トラブルに注意

ニキビや吹き出物とよく似た皮膚のトラブルがいくつかあります。これらは見た目が似ているため、自己判断でケアをするのが難しいこともあります。症状が長引いたり改善しない場合は、他の皮膚疾患の可能性もあるため、皮膚科を受診しましょう。

毛嚢炎

毛穴の奥にある毛根を包んでいる部分に炎症が起こる皮膚トラブルです。白ニキビに似た見た目をしていますが、痛みやかゆみはほとんどありません。黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌が毛嚢部に入り込むことで発症します。不規則な生活習慣や、清潔でない道具が原因となります。

粉瘤

皮膚の内側に袋状の構造物ができ、その中に古い角質や皮脂がたまることで発生する良性の腫瘍です。ニキビと異なり、粉瘤は数センチの大きさに成長することもあります。袋の中の内容物は独特の臭気を発することが特徴です。

稗粒腫

1~2mmの小さな白い丘疹で、目の周りや鼻先にできやすいのが特徴です。見た目が気になる場合もありますが、通常は放置しても問題はありません。白ニキビに似ていますが、膿や炎症が発生することはなく、良性の腫瘍です。

顔ダニ

毛包虫として皮膚に常在しているダニです。普段は皮脂を食べていますが、増えすぎるとニキビのような赤いブツブツを引き起こすことがあります。かゆみやひりつきが伴うこともあります。増殖を抑えるためには、特別な治療が必要です。

マラセチア毛包炎

マラセチアというカビ(真菌)によって引き起こされる皮膚炎で、赤いブツブツが現れ、かゆみを伴うことがあります。背中ニキビの原因としても知られていますが、マラセチア毛包炎はニキビとは異なる症状を示します。

湿疹

皮膚表面にかゆみや赤み、ブツブツ、水ぶくれが現れる炎症です。外的要因や体調不良によって引き起こされ、長期間続くと乾燥や色素沈着が進行することもあります。湿疹はニキビと症状が似ていることがありますが、治療方法が異なります。

 

湿疹について詳しく解説

ニキビ・吹き出物の正しいケア方法と予防策

ニキビや吹き出物を予防するためには、日常的なスキンケアや生活習慣の見直しが重要です。正しいケアを行うことで、ニキビを防ぎ、肌の健康を保つことができます。ここでは、実践すべきケア方法と予防策を紹介します。

正しい洗顔と保湿ケア

ニキビを予防するためには、洗顔と保湿が欠かせません。まず、洗顔では過剰な皮脂を取り除くために、優しく泡で洗顔し、ゴシゴシこすらないようにしましょう。1日2回の洗顔を守り、洗顔料は肌に合ったものを使用してください。

 

洗顔後は、乾燥を防ぐためにしっかりと保湿を行うことが重要です。乾燥した肌は、過剰に皮脂を分泌させ、逆にニキビを引き起こす原因になることがあるため、適切な保湿を心がけましょう。

食事のバランスに注意する

ニキビを予防するためには、食事のバランスも重要です。甘いものや脂っこい食べ物を摂取しすぎると、皮脂が過剰に分泌されてニキビができやすくなります。

 

ビタミンB群やビタミンC、ビタミンEなど、ニキビ予防に有効な栄養素を含む食品を積極的に摂り入れましょう。たんぱく質をしっかりと摂取し、野菜や果物を多く取り入れたバランスの良い食生活を心がけることが大切です。

睡眠をしっかりとる

睡眠不足はホルモンバランスに影響を与え、ニキビを悪化させる原因となります。規則正しい生活を送り、毎晩十分な睡眠を取ることが重要です。

 

睡眠中には肌の修復が行われるため、質の良い眠りを確保することで、ニキビの予防が期待できます。寝る前の1時間は、リラックスできる環境を整え、スマートフォンやテレビなどの刺激を避けると良いでしょう。

ストレスをためない

思春期や大人ニキビの原因の一つとしてストレスが挙げられます。ストレスが溜まると、ホルモンバランスが乱れ、ニキビが発生しやすくなります。

 

リラックスできる時間を作ったり、趣味の時間を楽しむなどして、ストレスをうまく発散しましょう。定期的に運動をすることも、ストレス解消に効果的です。

ニキビ・吹き出物が悪化するNGケア

ニキビや吹き出物を早く治したい一心で、つい自分でやってしまいがちなスキンケアがあります。しかし、その行動がかえって症状を悪化させたり、ニキビ跡を残す原因になってしまうかもしれません。ここでは、ニキビを悪化させる代表的なNGケアについて解説します。

自分で潰す

ニキビを見つけると、つい潰して膿を出したくなるものですが、これは絶対に避けるべき行為です。指や爪で潰すと、雑菌が入り込みやすくなり、炎症がひどくなる原因になります。結果として、色素沈着やクレーター状のニキビ跡を残してしまうリスクも高まります。見た目が気になっても、自己処理はせず、適切なケアや医療機関での治療を選ぶようにしましょう。

ニキビを潰すことがNGな理由を詳しく解説

過度に洗う

清潔を保つために洗顔をすることは大切ですが、1日に何度も洗ったり、ゴシゴシと強くこするのは逆効果です。必要な皮脂まで洗い流してしまうと、肌が乾燥し、バリア機能が低下してニキビが悪化しやすくなります。また、乾燥を補おうと皮脂が過剰に分泌され、さらに毛穴が詰まりやすくなる悪循環に陥るかもしれません。洗顔は朝と夜の2回を基本に、やさしく泡で包み込むように洗うのがポイントです。

放置する

「そのうち治るだろう」と思ってニキビを放置してしまうと、かえって症状が長引き、色素沈着や凹凸のあるニキビ跡が残る可能性があります。特に炎症を起こしている赤ニキビや、膿がたまった黄ニキビは、放置すればするほど治りにくくなり、跡が残るリスクが高くなります。軽症のうちにスキンケアを見直し、必要であれば皮膚科で相談するのが早期改善の近道です。

繰り返すニキビ・吹き出物は皮膚科を受診しよう

ニキビは「ただの肌荒れ」と思われがちですが、放っておくと慢性化したり、見た目の悩みがストレスになったりすることもあります。繰り返すニキビや吹き出物に悩んでいる場合は、ためらわず皮膚科に相談しましょう。

 

ニキビに見えて実は別の皮膚疾患だったというケースも少なくありません。自己判断で長期間対処するのではなく、医師の診断を受けることで、早期改善と再発予防が期待できます。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

学校や仕事、家事などで忙しく、なかなか皮膚科へ足を運ぶ時間が取れないという方には、オンライン診療の活用がおすすめです。ニキビや吹き出物のように、継続的なケアが必要な症状でも、専門医のアドバイスを受けながら自分のペースで治療を続けられます。

オンライン診療とは

オンライン診療について

オンライン診療とは、インターネットに接続されたスマートフォンやタブレット、パソコンなどの端末を通じて、医師の診察を自宅などから受けられる医療サービスです。ビデオ通話を使って医師と直接話しながら診察を受けられ、診療の予約、問診、診断、薬の処方、支払いまでをオンライン上で完結できます。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、オンライン診療をよりスムーズに受けられるサービスです。診療の予約から、お薬の受け取りまで、すべてのステップをスマートフォン一つで簡単に進められます。

 

お気に入りのクリニックや薬局を登録しておける機能や、お薬手帳のデジタル化も可能で、医療管理がしやすくなります。忙しい日常でも無理なくニキビや吹き出物の治療を続けたい方にとって、SOKUYAKUは非常に心強いサービスといえるでしょう。処方された薬は最短で当日または翌日に自宅へ配送されるため、忙しい方でも通院せずに治療を開始できます。

まとめ

ニキビと吹き出物は、見た目が似ていても原因やできやすい部位に違いがあります。誤った自己流のケアは症状を悪化させることがあるため、正しい知識に基づいた対応が重要です。また、別の皮膚疾患が隠れている場合もあるため、何度も繰り返す、なかなか治らないといった場合には、早めに皮膚科を受診しましょう。

コメント 思春期は皮脂過多、成人期は乾燥・生活習慣など原因が異なるため対処も変わります。洗顔は泡で 1 日 2 回、こすらずぬるま湯で。保湿は「さらっとした保湿剤」を選び、油分の多いクリームは部分使いに留めるのがコツです。睡眠不足と甘い飲料の過剰摂取は翌週の肌に確実に響きます。治りにくい・同じ部位を繰り返す場合は放置せず、皮膚科で面皰圧出や外用薬を早めに受けましょう。

監修医コメント

医師
松澤 宗範

思春期は皮脂過多、成人期は乾燥・生活習慣など原因が異なるため対処も変わります。洗顔は泡で 1 日 2 回、こすらずぬるま湯で。保湿は「さらっとした保湿剤」を選び、油分の多いクリームは部分使いに留めるのがコツです。睡眠不足と甘い飲料の過剰摂取は翌週の肌に確実に響きます。治りにくい・同じ部位を繰り返す場合は放置せず、皮膚科で面皰圧出や外用薬を早めに受けましょう。

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監修医師 松澤 宗範
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科

皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科 皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療 2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
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