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アクアチムクリーム(ナジフロキサシン) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
更新日:2024年02月26日

更新日:2024年02月26日

アクアチムクリーム(ナジフロキサシン) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
アクアチムクリーム1%は、有効成分としてナジフロキサシンを含む外用抗菌剤です。

今回はニキビ治療などに使用することがあるアクアチムクリーム1%について用法用量や服用時に注意すべき点を解説し、同じ有効成分を含む市販薬の有無も併せて紹介します。

アクアチムクリーム(ナジフロキサシン) とは

アクアチムクリーム1%はニューキノロン系外用抗菌剤として大塚製薬株式会社が製造販売する医療用医薬品です。アクアチムクリーム1%とともにアクアチムローション1%とアクアチム軟膏1%も上市されています。

 

アクアチムクリーム1%は数あるニューキノロン系外用剤の中でも世界で初めて製造販売の承認を受けた、つまり最も長く使われているニューキノロン系の外用剤です。

アクアチムクリーム(ナジフロキサシン) の成分について

アクアチムクリーム1%にはナジフロキサシンが1%(クリーム100g中にナジフロキサシン1g)有効成分として含まれています。

ニューキノロンとは?

キノロン系抗菌薬として初期に登場し、現在ではオールドキノロンと呼ばれることもあるナリジクス酸は発売後に広く用いられていましたが、耐性菌の出現や体内で代謝を受けやすいことなどから改良を余儀なくされます。

 

オールドキノロンの持つ種々に課題を解決した抗菌薬として構造中の特定の位置にフッ素を持つ化合物が上市されるようになり、これらのキノロン系抗菌薬をニューキノロンと呼びます。

 

ニューキノロンと呼ばれる抗菌薬は複数開発されており、オールドキノロンに比べて代謝安定性が向上しただけでなく、様々な病原菌に対して抗菌活性を示します。

アクアチムクリーム(ナジフロキサシン) はどんな症状に効果がある?

アクアチムクリーム1%は以下の細菌および疾患に効果があります。

適応菌種
アクアチムクリーム1%に感性があるブドウ球菌属・アクネ菌

適応症
上記の適応菌種が原因である表在性皮膚感染症・深在性皮膚感染症・化膿性炎症を伴うざ瘡

ざ瘡とは?

ざ瘡は細菌・ホルモン・皮脂が相互に関係して皮膚表面にある毛包を塞いでしまうことによって起こる炎症が原因です。尋常性ざ瘡やニキビと呼ばれることもあります。

 

日本では90%以上の人が経験する疾患と言われていますが、その中でニキビ治療を受けるために医療機関を受診する人が約10%ほどです。症状が軽くても適切に対処しないと痕が残るため、軽症でも放置せずに医療機関を受診することが大切です。

ローションや軟膏の適応症はクリームと同じ?

ナジフロキサシンを有効成分として含む外用の医療用医薬品はアクアチムクリーム1%の他にアクアチムローション1%とアクアチム軟膏1%があります。

 

いずれの外用薬も有効成分であるナジフロキサシンを1%含んでいますが、適応症は全く同じではなく以下に示す通りです。
・アクアチムクリーム1%:表在性皮膚感染症・深在性皮膚感染症・ざ瘡(化膿性炎
症を伴うもの)
・アクアチムローション1%:ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)
・アクアチム軟膏1%:表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症

 

以上から分かるように、ナジフロキサシンを含む外用薬の中でアクアチムクリーム1%が最も多くの疾患に対して使用できます。

尋常性ざ瘡治療にアクアチムクリームは強く推奨

炎症を伴う尋常性ざ瘡(炎症性皮疹)に対するアダバレン0.1%ゲルとの併用もしくは単剤でのナジフロキサシを含む外用薬を用いた治療の推奨度は最も高い「強く推奨する」です。

 

抗菌薬であるクリンダマイシンの外用薬はナジフロキサシンと同様の治療方法が強く推奨されています。
上記以外にも推奨されている治療方法はいくつかあるため、ニキビで悩んでいる方は一度医師へ相談してみると良いでしょう。

アクアチムクリーム(ナジフロキサシン)の用法・用量は?

1日2回適量のアクアチムクリーム1%を患部に塗布します。また、ざ瘡に対する治療の際は洗顔した後に患部へアクアチムクリーム1%を適量塗布してください。

 

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症に対してアクアチムクリーム1%を使用するときは、使用開始から1週間経過しても効果が認められない場合は医師に相談してください。

 

化膿性炎症を伴うざ瘡に使用する場合は、アクアチムクリーム1%を4週間塗布しても効果が現れないときは医師に相談しましょう。

アクアチムクリーム(ナジフロキサシン) の副作用

アクアチムクリーム1%を塗布したときに起こる副作用としてそう痒感・刺激感・接触皮膚炎・皮膚乾燥などが報告されています。

接触皮膚炎とは?

接触皮膚炎はいわゆる「かぶれ」の一種で、刺激性もしくはアレルギー性の接触皮膚炎に分類できます。通常、刺激性接触皮膚炎の場合は原因物質を塗布してから数分以内の比較的早いタイミングで症状が現れます。

 

一方、アレルギー性接触皮膚炎の場合は原因物質を身体が異物として認識して排除しようとするときに起こる皮膚炎で、原因物質を塗布してから数時間〜数日後に症状が現れます。

 

また、一度塗布したときに原因物質を異物として認識した後、再び原因物質に触れると免疫系が働いて皮膚炎を引き起こすため、一般には何度か塗布した後にアレルギー性接触皮膚炎が起こります。

 

アクアチムクリーム1%の臨床試験では、健康成人30例の背中に塗布してパッチテストを実施したところ、皮膚刺激性の弱いことや光過敏反応を示さないことが明らかになっています。

アクアチムクリーム(ナジフロキサシン) に関する注意点

アクアチムクリーム1%を使用するときは以下に注意してください。

用法用量を守るように

アクアチムクリーム1%の有効成分であるナジフロキサシンは抗菌作用を持つ医薬品成分です。一般的に抗菌薬を用いた治療を行うときは原因となる病原性微生物を特定し、その病原菌に対して有効な医薬品を用います。

 

また、抗菌薬は定められた用法用量にしたがって服用することで病原菌に対して効果が得られます。一方で、服用回数もしくは服用量を減らしてしまうなど指示された用法用量で治療を行っても十分な効果が得られないばかりか病原菌が抗菌薬に対する耐性を獲得してしまい、それ以降は同じ抗菌薬を使っても効果が得られなくなってしまいます。

 

抗菌薬を含めいずれの医薬品を服用するときも同じですが、アクアチムクリーム1%による治療を行うときは自己判断で服用中止や服用量を減らすことはせずに医師から指示された用法用量を守って使用してください。

 

アクアチムクリーム1%による治療中に何か異変が生じた場合も自己判断はせずに必ず医師や薬剤師に相談してください。

妊娠中の使用は十分な有益性が得られるときのみ

妊娠中は、アクアチムクリーム1%による治療で得られる有益性が何らかの副作用を引き起こす危険性を上回るときのみ使用できます。妊婦もしくは妊娠している可能性がある方は必ず医師に相談しましょう。

塗布するタイミングは要確認

アクアチムクリーム1%を用いた治療を行う上で、他の外用薬と併用することもあります。そのときは、アクアチムクリーム1%を含む外用薬を塗布する順番を治療を開始する前に医師へ確認してください。

 

医薬品以外にも化粧水など使用している場合は、クリームやローションといった剤形も併せて医師へ伝えておくと良いでしょう。
また、アクアチムクリーム1%単剤で治療を行う場合も、起床時・洗顔後・入浴後など塗布するタイミングを確認しておきましょう。

アクアチムクリーム(ナジフロキサシン) と同じ成分の市販薬はある?

現在、アクアチムクリーム1%に含まれている有効成分であるナジフロキサシンを含む市販薬は販売されていません。

 

先ほども述べましたが、病原菌によって有効な抗菌薬が異なること、さらに適切に服用しないと病原菌が耐性を獲得してしまうことから、抗菌薬による治療は非常に管理が難しいです。そのため、抗菌作用を持つ医薬品成分を含む市販薬は限られています。

 

今回は医療用医薬品であるアクアチムクリーム1%について紹介しました。外用抗菌剤であるアクアチムクリーム1%はざ瘡(ニキビ)などの治療に用いることができます。

 

現在は耐性菌出現の懸念などから同じ有効成分を含む市販薬は販売されていません。ざ瘡(ニキビ)にお困りの方は、医師に相談してみてはいかがでしょうか。

 

参考資料
アクアチムクリーム1%
アクアチムローション1%
アクアチム軟膏1%
キノロン系抗菌薬の基礎
尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017|日本皮膚科学会
尋常性ざ瘡 – 14. 皮膚疾患 – MSDマニュアル プロフェッショナル版

アクアチムクリーム(ナジフロキサシン)を購入するにはどうしたらいい?

アクアチムクリーム(ナジフロキサシン)は「医療用医薬品」に指定されているため、処方箋なしでドラッグストアなどで購入することはできません。

 

アクアチムクリーム(ナジフロキサシン)を購入するには、医師の診察を受けて処方箋を発行してもらう必要があります。しかし、薬をもらうためだけに病院に行くのは面倒と感じる方もいるのではないでしょうか。

薬をもらうためだけに時間をかけて行きたくない

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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
「メディアから医療を支える」をミッションに活動している
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