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ヒルドイドソフトに市販薬はある?市販薬の効果や価格、使用方法について解説。市販薬にもジェネリック医薬品はあるの?

監修医薬品登録販売者 村上菜美子
更新日:2024年02月20日

更新日:2024年02月20日

ヒルドイドソフトに市販薬はある?市販薬の効果や価格、使用方法について解説。市販薬にもジェネリック医薬品はあるの?のイメージ
女性の手荒れや乾燥肌に効果があるとし「ヒルドイドソフト軟膏(クリーム)」が話題になったのをご存じでしょうか。

保湿力の高さが実感できるなどの理由で美容目的にも関わらず、病院で処方してもらいたいと希望する方が増え、SNSなどで発信されたりと、話題になっていましたね。

ヒルドイドソフト軟膏は、老人性角化症やアトピーなど、皮膚の防御機能が落ちる疾患などによる頑固な皮膚症状の改善に用いられる外用薬です。

ヒルドソフトとはどんな薬?

女性の手荒れや乾燥肌に効果があるとし「ヒルドイドソフト軟膏(クリーム)」が話題になったのをご存じでしょうか。

 

保湿力の高さが実感できるなどの理由で美容目的にも関わらず、病院で処方してもらいたいと希望する方が増え、SNSなどで発信されたりと、話題になっていましたね。

 

ヒルドイドソフト軟膏は、老人性角化症やアトピーなど、皮膚の防御機能が落ちる疾患などによる頑固な皮膚症状の改善に用いられる外用薬です。市販薬とは違い、医師の診断に基づき保険購入することのできる医療用医薬品(処方薬)です。

 

赤ちゃんからお年寄りまで幅広く使用できますが、治療が目的なので、化粧品のように美容目的の商品として使用が推奨されているわけではありません。

 

ヒルドイドは、マルホ株式会社という製薬会社が1954年から販売している保湿剤で、傷を綺麗に治す効果があるので、主にアトピー性皮膚炎の患者さんやひどい皮膚の乾燥に悩む方、しもやけなどの冷えが原因の炎症の方に使用されていました。(血行促進や抗炎症作用、皮膚保護効果のある成分が配合されているため)

 

脂質や水分のバランスが崩れ、皮膚が乾燥しやすくなると、肌トラブルが起きやすくなるため、肌荒れ等で皮膚科医から処方されたヒルドイドを使って高い効果を実感された方が多かったようです。

 

商品の剤型(医薬品の形状)も、ソフト軟膏タイプの他、クリームタイプ、ローションタイプ、フォームタイプ(泡のタイプ)と数種類あることから、肌の状態に合わせて使い分けることができ、お子様から高齢者まで広く使用ができるのが特長です。

 

剤型には次の種類があります。主な商品とその特長を比べてみましょう。

ヒルドイドクリーム白色のクリーム剤:基材中の水分の中に水が浮いている剤型。肌を保護する作用と使用感のバランスがとれており、季節を問わず使用しやすい剤型です

ヒルドイドソフト軟膏白色のクリーム剤:基材中の油分の中に水が混ざっている剤型。被覆性に優れており、重症例や冬場に用いられることが多いです。

ヒルドイドローション白色のローション型:伸びが良く、広範囲の患部に使用しやすく、有毛部にも使用しやすい剤型です。

ヒルドイドフォームフォーム剤:伸びが良く、液だれがなく、広範囲の患部に素早く塗布することができます

次に実際にヒルドイドソフトに含まれる成分を見ていきましょう。

成分は?

ヒルドイドソフトに含まれる医薬品成分は、「ヘパリン類似物質」という成分です。「ヘパリン」は血液を固まりにくくする成分(血液凝固抑制成分)として、医療分野で血栓塞栓症の治療における医療用医薬品に分類されています。

 

ヒルドイドの有効成分である「ヘパリン類似物質」もヘパリン同様に、血行促進作用等、親水性を示す成分構成を持ち、水分を引き寄せる作用により肌の保湿効果があります。そのため、乾燥肌に優れた効果をしめすのです。

 

医療用医薬品のヒルドイドソフト軟膏およびクリームは、「ヘパリン類似物質 3.0mg」を有効成分として、その他グリセリン+スクワランなどの基材(ベースとなる材料)+品質保持のための添加物等で組成されています。

 

ヘパリン類似物質は、乾燥肌治療成分として、50年以上使われてきた成分で、体内にある「へパリン」という物質と似た構造を示します。

 

ヘパリン類似物質の主な作用として、「保湿」「血行促進」「抗炎症作用」の上記3つの働きがあり、この有効成分が血流の促進や新陳代謝をうながすため、一時的な保湿ではなく、乾燥して荒れてしまった肌の「改善」に繋がる成分として医薬品に配合されています。

 

では、病院を受診しなければ、ヒルドイドソフトは手に入らないのでしょうか?実はそうではなく、ヒルドイドと同じ成分を配合した保湿剤は市販薬でも商品として販売されているので、ドラッグストアなどで購入する事ができるのです。

どんな症状に効果的?

皮膚の乾燥を防ぎ、血行を良くする塗り薬で以下のような効能効果が期待できます。

皮脂の欠乏等による手指の荒れ

ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症(乾燥してヒビが入って固くなってしまう症状)

手足のひび・あかぎれ・乾皮症、小児の乾燥性皮膚(顔、体)

しもやけ(ただれを除く)

きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)

打身・ねんざ後のはれ

筋肉痛・関節痛

しもやけなどによる炎症皮膚細胞に水分補給するなどの保湿の効果

しもやけの予防などの血行不良によるトラブルにも有効とされていますね。
また、きず・やけどのあとの皮膚のしこり、つっぱりなどは、例えば皮膚が弱く、ひっかいてしまった跡が盛り上がりやすいといったような肌タイプの方に有効です。

 

瘢痕(傷の跡など)がしこり状に盛り上がってしまったり、皮膚が固くなりやすい方の予防改善にも効果があるという事です。

市販薬は?種類は?価格は?

ヘパリン類似物質を主成分とする薬は、処方薬だけでなく、市販薬としても販売されています。含有する医薬品成分は同じですが、メーカーにより商品の名前が違います。

 

市販の商品にも、油性クリーム、水性クリーム、乳液タイプのローション、クリアタイプのローションがあります。
例えば、次のようなものがあります。(商品情報や価格は2020年9月現在のもの。また販売ショップにより異なる場合があります)

「ヒルマイルド」 60g 1,550円(税抜)

健栄製薬から乾燥肌治療薬として2020年08月に販売開始された商品です。クリームタイプとローションタイプが発売されており、クリームタイプはさらっとした乳液状、クリームタイプは保護感のあるテクスチャーとなっています。

ヒフメイド油性クリーム 50g 1,280円~1,890円

ジャパンメディックより販売されている商品で、第2類医薬品です。処方薬の「ヒルドイドソフト軟膏」と同じ油性タイプを市販薬で初めて採用した商品です。メーカーサイトでは、お試し価格での購入が可能なキャンペーンなどがあるようですので、チェックしてみてください。

アットノン15g 1,430円(税込価格)

小林製薬から発売されている商品で、「きずあと、かきむしりあとにアットノン」のキャッチコピーになじみのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ヒルドイドソフトの主要成分であるヘパリン類似物質のほか、組織修復作用のある「アラントイン」や炎症を鎮める「グリチルリチン酸二カリウム」が配合されている商品です。

保湿作用に加え、皮膚の修復作用や炎症を抑える効果も期待できるので、ハンドクリームとして愛用しているなど、水仕事が多く手が荒れやすい主婦の方にも人気の商品です。

剤型もクリームタイプ、ジェルタイプやコンシーラー代わりに使えるようなものもありますので、使用感等により使い分けるとよいでしょう。

ロート製薬「ヘパリペア」ローションタイプの保湿薬 ・150mL 2,800円・50mL 1,200円

ヘパリン類似物質のほか、ビタミンA油(レチノール)が配合されています。ビタミンAは荒れた皮膚の角質層を回復、保護する役割があります。さっぱりしたローションタイプなので、べたつきが苦手な方や夏場の使用に向いています。

市販薬にもジェネリックはあるの?

市販の医薬品には、医療用医薬品のようなジェネリック(後発品)という概念はありません。医療用と同じ成分が配合されている医薬品をいわゆる「スイッチOTC」(OTC医薬薬)と呼び、医療機関を受診しなくてもドラッグストアで購入できる医薬品に区分されます。

 

もちろんヒルドイドの有効成分「ヘパリン類似物質」が含有されている医薬品も一般用医薬品として承認されドラッグストアなどで購入することができますが、保険適用になる処方薬のように安い価格で手に入るという事ではありません。

 

ただ、OTC医薬品の価格は製薬企業が定めることができるので、販売する薬店やネット通販などでの価格設定は自由です。通販サイト等、人件コストが抑えやすい販売形態では、比較的安価で提供しているショップもあるようです。

 

ちなみに、処方薬(医療用医薬品)に関して、ジェネリック医薬品という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。ジェネリックとは、医療用医薬品(処方薬)における後発医薬品の事で、処方薬の「ヒルドイドソフト軟膏」は先発医薬品(最初に開発、販売された医薬品のこと)となります。

 

ヒルドイドソフト軟膏のジェネリック医薬品も製薬メーカー各社から発売されています。(ビーソフテンクリームや、ビーソフテンローションなど)ちなみに、医療用医薬品には一般名と商品名があります。

 

一般名とは薬効成分(有効成分)となる化学物質の名前で、商品名(販売名)とは各製薬会社の独自性を表すためにつけた名前になります。

 

商品名(販売名)のつけ方について厚生労働省のホームページを参照すると、「後発医薬品の販売名の記載にあたっては、含有する有効成分に係る一般的名称に剤型(錠剤タイプなど)、含量及び会社名(屋号等)を付すこと」と規定されています。つまり「有効成分名+薬の形状(剤型)、含有量(〇〇mgなど)+会社名」ということですね。

先発医薬品「ヒルドイドソフト軟膏」(株式会社マルホ)の後発医薬品(ジェネリック)を例に取ると、日医工株式会社が製造販売した「ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「日医工」(旧:ビーソフテン油性クリーム0.3%)」(商品名)は後発医薬品としての商品名となります。

 

以前は、クリーム、ローションタイプともに、「ビーソフテンクリーム」や「ビーソフテンローション」という販売名でしたが、統一されるようになっています。

 

「ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%(日医工)(旧:ビーソフテン油性クリーム0.3%)」は、マルホ株式会社が製造販売した「ヒルドイドソフト軟膏」の後発医薬品ですので、有効成分は「ヘパリン類似物質(またはヘパリンナトリウム)」となり、効能効果も同じです。

 

後発医薬品(ジェネリック医薬品)は、先発医薬品と治療学的に同等であるもの(=効能効果も同じもの)として製造販売が承認されているので、先発医薬品であっても、後発医薬品であってもその効果に違いはないとされています。

 

近年、患者様の費用負担の軽減や医療保険財政の改善を目的として、後発医薬品の普及が推進されていますので、保険薬局で処方箋を出したときに、「ジェネリックで良いですか?」と薬剤師から聞かれた事がある方も多いと思います。

 

ジェネリック医薬品は、一般的に先発医薬品に比べて薬価(薬の値段)を安値で提供できるのが大きな特徴です。研究開発に要する費用などが低く抑えられる事が大きな理由のひとつでしょう。

使い方のポイント

皮膚のトラブルは、バリア機能が失われてしまう事が原因とひとつとされています。皮膚保護薬の効果を高めるためには、入浴後5分以内で肌に充分水分が補給された状態で使うことが望ましいとされています。

 

乾燥のひどい方は、一度塗布したあとに、1時間ほど時間をおいて再度塗布するなど、すぐ乾燥してしまっても、そのままにせず、何度か重ねて塗布することが推奨されています。

 

入浴のタイミングで塗布できない場合は、使用する前に水などで塗布部位を湿らせておくとより効果的とされています。

 

また、皮膚科でステロイド剤を処方されている方の場合、塗布する順番を変えても臨床的に効果の差はないということが言われています。先に皮膚を保護したあと、薬を塗るようにしても良いということです。

 

純粋に、肌の保護や保湿のみの効果を狙うのであれば、ワセリンで水分の蒸発を防いだり、セラミドやヒアルロン酸のような美容成分を配合したクリームなどの化粧品でも良いのです。

 

ただ、ヒルドイドを使うメリットは、保湿作用に加えてさらに血流の促進をする事で、肌の新陳代謝を上げる効果が期待できることです。

 

肌荒れや傷が跡になりやすい、ケロイド状になりやすいといった方の「予防」と「改善」をプラスの効果として使用すると良いでしょう。そして、季節や年齢によって剤型を使い分けるのもポイントです。

 

クリームタイプやローションタイプでは使い心地が変わるので、保湿はしたい、でもベタつくのは苦手という方は、ローションタイプや水性クリームタイプ。強い被膜感、保護感が好みの方は油性クリームタイプ。このように、部位や症状に合わせて使い分けてみてください。

服用方法と注意点、副作用はある?

医療用医薬品の臨床情報では、ヒルドイドソフト軟膏とヒルドイドローションには副作用は認められないというデータが報告されています。

 

ヒルドイドクリームとヒルドイドフォームに、皮膚の炎症や痒みなどの副作用が認められたとされていますが、比較的大きな副作用等なく、市販の商品でも安心して問題なく使用していただける保湿薬ということになります。

 

ただし、使用に関しては、次のような方は使用ができないとされています。

1.出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)の人

2.わずかな出血でも重大な結果をきたすことが予想される人

これはヘパリン類似物質の血液凝固抑制作用が、出血を助長してしまう可能性があるからです。また、目、粘膜(口腔、鼻腔、膣など)などには使用をしないでください。

 

粘膜部分は吸収率が高い部位になりますので、皮膚に塗布するよりも医薬品成分の効果が強く出すぎてしまう可能性があるからです。

 

医師の治療を受けている人や薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人、湿潤やただれのひどい人は使用を検討する前に、医師や薬剤師、登録販売者に相談するようにしましょう。

 

使用後、肌に合わない場合は直ちに使用を中止し、薬剤師、登録販売者に相談するか、医療機関を受診し医師の診察を受けて下さい。

どうすれば購入できる?

街のドラッグストア店、薬店、医療用医薬品を購入できる零売薬局等で購入することができます。

 

また、第1類、第2類、第3類のすべての医薬品は、一定の条件の下、「amazon」や「yahoo!」などの通販サイトや電話相談などでも販売できるようになりました。(ただし、使用に特に注意が必要な「要指導医薬品」は対面販売に限ります。)

 

ヒルドイドと同じ成分の商品を購入したい場合は、店頭の他、通販やネットショップでの購入を検討してみるのも手です。

ヒルドイドソフトを購入するにはどうしたらいい?

ヒルドイドソフトは「医療用医薬品」に指定されているため、処方箋なしでドラッグストアなどで購入することはできません。

 

ヒルドイドソフトを購入するには、医師の診察を受けて処方箋を発行してもらう必要があります。しかし、薬をもらうためだけに病院に行くのは面倒と感じる方もいるのではないでしょうか。

最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。

 

オンライン診療は、
・受付や会計の待ち時間が短縮される。
・自宅や外出先で診療が受けられる。
・院内処方の場合くすりが自宅に届く。
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