ユーザー向け

湿疹などの皮膚炎はなぜ起こる?原因や改善方法について詳しく解説

監修医師 松澤 宗範
更新日:2024年09月25日

更新日:2024年09月25日

湿疹などの皮膚炎はなぜ起こる?原因や改善方法について詳しく解説のイメージ
https://wpstatic.sokuyaku.jp/media/verified_YGENGTJxPVftmD6lmWmO.png
湿疹は、皮膚の表面に炎症が起こる状態です。これは皮膚炎とも呼ばれ、皮膚の表層やそのすぐ下に影響を及ぼします。かゆみや赤み、時には痛みを伴うため、生活の質を大きく低下させることがあります。また、場所や症状によっては、周りの目が気になることもあるでしょう。なぜ、湿疹は起こるのでしょうか。

この記事では、湿疹や皮膚炎の主な原因と、それらの症状を改善するための効果的な対策について詳しく説明します。皮膚トラブルに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

湿疹などの皮膚炎はなぜ起こる?

皮膚科に訪れる方の多くは、「湿疹」に悩んでいます。湿疹は、かゆみを伴い、皮膚に小さなブツブツや水ぶくれができるのが特徴です。代表的な湿疹の種類には、かぶれやアトピー性皮膚炎があります。

湿疹(皮膚炎)とは

湿疹(皮膚炎)は、皮膚に赤みやかゆみ、ブツブツ、水ぶくれなどの症状が現れる状態です。これらの症状は、皮膚の表面に炎症が起こることで発生します。湿疹(皮膚炎)は、日常生活の中でよく見られる皮膚のトラブルの一つです。

湿疹(皮膚炎)の原因

原因は大きく分けて二つあります。一つは、刺激物質やアレルゲンなどの「外的要因」です。もう一つは、健康状態やアレルギー体質などの「内的要因」になります。多くの場合、これらの要因が複雑に絡み合って湿疹や皮膚炎を引き起こします。

 

外部からの刺激とは、薬剤や化学物質、物理的な刺激、ハウスダスト、花粉、細菌、カビなどです。一方、内部要因には、体調や体質(アレルギーやアトピーの有無)、皮膚の乾燥状態、汗や皮脂の分泌状態などが関係しています。

 

湿疹の原因は、外部からの刺激と体質などの内部要因が複雑に絡み合っているため、特定するのが難しいかもしれません。原因がはっきりしない湿疹は、発症から間もない場合は「急性湿疹」、長期間続いて皮膚が乾燥して硬くなると「慢性湿疹」と呼ばれます。

急性湿疹と慢性湿疹

湿疹(皮膚炎)は、症状の現れ方や期間によって急性湿疹と慢性湿疹に分けられます。

 

急性湿疹は、発症から数日以内のもので、赤みやかゆみ、小さなブツブツ(水ぶくれ)などが特徴です。原因はさまざまで、たとえば洗剤などの刺激物が原因の場合、それを取り除くことで症状が改善します。しかし、放置すると症状が悪化し、治療が長引くことがあります。

 

一方、慢性湿疹は発症から1週間以上経過したもので、皮膚が乾燥してゴワゴワし、厚くなることが特徴です。また、色素沈着が見られることもあります。慢性湿疹の治療方法は急性湿疹と同様ですが、完治までに時間がかかることが一般的です。そのため、早めの治療が重要になります。

湿疹(皮膚炎)の症状

急性湿疹は、かゆみ、赤み、小さなブツブツ(丘疹)、水ぶくれ(小水疱)、そして膿がたまった水ぶくれ(膿疱)などが症状です。時間が経つと、ただれやかさぶたができることもあり、これらが剥がれて治ります。湿疹が長引くと、皮膚が乾燥してザラザラしたり、ゴワゴワしたりし、長引いた場合、皮膚に色素沈着が起こることもあります。

かぶれ(接触皮膚炎)

かぶれは、日常生活で使う物質が原因となる皮膚の炎症です。たとえば、化粧品や香水、ヘアケア用品、日焼け止めの成分、金属製のアクセサリー、衣類、家庭用の化学薬品、洗剤、医薬品、動植物などが挙げられます。これらの物質が皮膚に触れることで、刺激やアレルギー反応が起こり、かゆみを伴う発疹が現れることがあります。

 

かぶれの症状は、接触した部分に赤みや小さな水ぶくれができることです。たとえば、化粧品が原因なら顔に、ピアスが原因なら耳に、シャンプーが原因なら頭皮や手のひらに症状が現れます。

手湿疹(主婦湿疹)

手湿疹、または主婦湿疹とは、手にできる湿疹や炎症のことです。これは、手が触れる物質による刺激やアレルギー反応が原因で発生します。軽い手荒れが進行した状態とも言え、見た目だけでなく、かゆみや痛みを伴うことが一般的です。

 

この症状は、特に美容師や調理師、主婦など、化学物質を含む洗剤や水を頻繁に使用する職業の人々に多く見られるため、「主婦湿疹」とも呼ばれます。乾燥肌やアレルギー体質、アトピー性皮膚炎の人は、皮膚のバリア機能が弱いため、手湿疹を起こしやすいため注意が必要です。

 

手湿疹は乾燥してカサカサするタイプと、水疱ができてジュクジュクするタイプがあります。症状は、皮膚の赤みやかゆみ、小さなブツブツなどです。主に利き手の親指、人差し指、中指の指先から始まり、皮膚が乾燥して剥がれ落ち、硬くなってひび割れ指紋が消えることもあります。次第に他の指や手のひら全体、さらには手の甲にまで広がることもあります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が弱くなり、外部からの刺激に対して敏感に反応してしまう状態です。このため、皮膚に炎症が起こりやすくなります。子どもと大人では、症状の現れ方が異なります。また、皮膚から水分が失われやすく、乾燥肌になりやすいのも特徴です。

 

症状としては、皮膚が赤くなり、ブツブツができたり、乾燥して皮がむけたりすることがあります。かゆみが強く、掻いてしまうことでさらに症状が悪化することが特徴です。

 

アトピー性皮膚炎について

皮脂欠乏性湿疹

皮脂欠乏性湿疹は、皮膚が乾燥して鱗のように剥がれやすくなり、赤みやかゆみが生じる状態です。特に高齢者の膝から下に多く見られ、大腿や腰にも広がることがあります。秋の終わりから冬にかけての乾燥した気候が原因で発症しやすく、熱いお風呂や過度な洗浄、暖房の使いすぎが症状を悪化させることがあります。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、皮膚の炎症の一種で、特に顔や頭皮に影響を与えやすい湿疹です。皮脂は、皮膚の脂腺から分泌される油状の物質で、皮膚や髪を潤し保護する役割があります。しかし、頭皮や顔、耳の後ろ、脇の下、太ももの付け根など、皮脂の分泌が多い部位では、過剰な皮脂が原因でニキビや臭いが発生することがあります。

 

脂漏性皮膚炎は、かゆみや赤み、皮膚の荒れ、カサつき、細かい皮膚の剥がれなどが症状です。頭皮に発生すると、フケ症として現れることもあります。この皮膚炎の特徴的な点は、真菌(カビの一種)が原因であることです。適切な治療を行わないと、症状が慢性化したり再発したりするリスクが高まります。脂漏性皮膚炎は、特に思春期以降の成人に多く見られ、慢性化することがよくあります。

汗疱(かんぽう)・異汗性湿疹

汗疱は異汗性湿疹ともいい、手や足の指、手のひら、足の裏に突然小さな水ぶくれができます。これらの水ぶくれは左右対称に現れ、かゆみや痛みを伴うことが特徴です。水ぶくれが集まって大きくなることもあります。

 

特に春や夏の汗をかきやすい時期に見られ、秋になると症状が軽くなることが一般的です。通常、2〜3週間で水ぶくれは自然に吸収され、皮膚の表面から角質がはがれ落ちる形で治まります。

貨幣状湿疹

貨幣状湿疹(かへいじょうしっしん)は、主に足や腕に現れる円形の湿疹で、直径は1~5cmほどになります。その名の通り、コインのような形をしているのが特徴です。

 

この湿疹は、小さな水ぶくれができ、中心部が赤くなり、じゅくじゅくして強いかゆみを伴います。症状は良くなったり悪くなったりを繰り返し、治療が長引くことが一般的です。かゆみが強いため掻きむしることで悪化しやすく、ひどい場合は全身に広がることもあります。

湿疹(皮膚炎)の対処・予防法

湿疹(皮膚炎)の対処法と予防策を知ることで、症状の悪化を防ぎ、快適な生活を送れます。

根本原因を解決する

湿疹の原因がわかれば、その物質を避けることが重要です。

 

アトピー性皮膚炎の場合、ダニやハウスダストが原因となることがあります。これを避けるためには、部屋をこまめに掃除し布団を定期的に天日干しましょう。また、新しい寝具に交換することや、部屋や寝具の湿度を管理してダニの発生を防ぐことも大切です。

 

接触皮膚炎の場合、金属が原因となることがあります。金属アレルギーがある場合は、アクセサリーや腕時計などの金属製品を避けるようにしてください。ビューラーなどの化粧道具も原因となることがあるので注意が必要です。

 

汗が原因で皮膚がかぶれることもあります。汗にはさまざまな成分が含まれており、放置すると「あせも」などの皮膚トラブルを引き起こすことがあります。汗をかいたらこまめに拭き取る、着替える、シャワーを浴びるなどして、汗を皮膚に長時間残さないようにしましょう。

スキンケアの見直しを行う

湿疹を予防するためには、スキンケアの見直しを行いましょう。

 

皮膚の乾燥を防ぐために保湿を徹底してください。水仕事や入浴後は、すぐに柔らかいタオルで優しく水分を拭き取り保湿クリームを忘れずに塗布します。熱いお湯は皮膚の油分を奪いやすいので、入浴時の温度は38〜40℃程度に設定すると良いでしょう。特に乾燥しやすい冬には、加湿器を使って部屋の湿度を60%以上に保つことも効果的です。

 

水仕事をする際にはゴム手袋を着用する習慣をつけましょう。熱いお湯を避けることも大切です。台所仕事や洗髪の際にもゴム手袋を使い、その下に綿の手袋をつけると蒸れを防げます。

 

また、紫外線対策も重要です。紫外線は肌の免疫力を低下させ、乾燥の原因にもなります。夏だけでなく冬もUVケアを忘れずに行いましょう。

薬物療法を行う

湿疹によるかゆみを抑えるためには、市販の治療薬を使うと効果的です。かゆみや炎症を早く鎮めるために、ステロイド薬(副腎皮質ホルモン剤)などの成分が含まれたクリームや軟膏を使用します。

 

治療薬を選ぶ際には、症状や塗る場所に合わせて選ぶことが大切です。例えば、広い範囲に湿疹がある場合は、伸びが良いクリームタイプが適しています。一方、かき壊しなどがある場合は、刺激が少ない軟膏タイプが良いでしょう。市販薬を購入する際には、薬剤師に相談して、自分に合ったものを選んでください。

かゆみはかかずに冷やす

湿疹のかゆみを抑えるためには、「かかないこと」が重要です。かゆみを感じても、かいてしまうと皮膚が傷つき、炎症が悪化してしまうかもしれません。これにより、さらにかゆみが増してしまうこともあります。

 

患部を冷やすことでかゆみを和らげられます。たとえば、保冷剤をハンカチで包んで患部に当てると良いでしょう。また、寝る時には手や患部を覆うことで、無意識にかいてしまうのを防げます。

症状が改善しない場合は早めに医師に相談しましょう

湿疹が慢性化すると治りにくくなります。また、湿疹によって皮膚のバリア機能が低下すると、細菌や真菌に感染しやすくなり、その場合は抗真菌薬が必要になります。湿疹ができたら放置せず、適切に対処することが重要です。

 

かゆみが強くて我慢できない場合や市販薬を5〜6日使っても改善しない場合、分泌物が出ている場合や症状が広範囲にわたる場合には皮膚科を受診しましょう。受診時には、使用した市販薬を持参すると診断がスムーズに進みます。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

湿疹が辛くても、忙しい場合には病院を受診する時間がつくれません。そんな状況の時には、オンライン診療がおすすめです。

オンライン診療とは

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンを使って、自宅などから医師の診察を受けられる医療サービスです。通常の対面診療とは異なり、インターネットを通じてビデオ通話などで医師とコミュニケーションを取ります。

 

この方法の利点は、病院に行く時間や交通費を節約できることです。また、待ち時間が短縮され、特に忙しい人や移動が難しい人にとって助かります。診療の予約から決済、薬の処方まで、すべてオンラインで完結でき、薬は自宅に郵送されるか、近くの薬局で受け取れます。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、自宅やオフィスなどからオンラインで診療を受けられるサービスです。予約から処方薬の受け取りまでをアプリで完結でき、処方された薬は最短で当日中に自宅に届けられます。

 

SOKUYAKUは使いやすさにもこだわっており、アプリを通じて簡単に診療予約ができ、よく利用するクリニックや薬局を登録しておくことで、次回からの予約がスムーズになります。さらに、処方箋のQRコードをスキャンすることで、アプリ内のお薬手帳に自動的に登録される機能も便利です。

 

サポート体制も充実しており、操作に困ったときには専門のスタッフが電話やメールでサポートしてくれます。これにより、初めてオンライン診療を利用する方でも安心です。

まとめ

湿疹や皮膚炎が発生する原因や改善方法について詳しく解説しました。これらの症状は、さまざまな要因が絡み合って発症しますが、適切なケアや予防策を講じることで、症状を和らげることが可能です。

 

湿疹は自分の皮膚状態やライフスタイルに合った対策を取り入れることで、再発を防ぎ、健康な肌を維持できます。もし症状が長引く場合や悪化する場合は、早めに専門家に相談し、適切な治療を受けてください。

コメント まず、湿疹の状態を確認するために、できるだけ鮮明で見やすい写真を提供しましょう。
また、症状がいつから始まったのか、痒みや痛みの有無など、症状の経過を詳細に説明することが大切です。
アレルギー歴や生活習慣、肌の質についても情報提供を行いましょう。過去に使用した薬や治療歴を報告することも、診断に役立ちます。
さらに、湿疹以外の症状がないかも重要なポイントです。発熱などの症状や、湿疹が他の部位に広がっているなどの症状があれば、それも伝えてください。
オンライン診察では対面診察よりも限られた情報で診断が行われるため、これらの詳細な情報を提供することが、適切な診断と治療を受けるために不可欠です。

監修医コメント

医師
松澤 宗範

まず、湿疹の状態を確認するために、できるだけ鮮明で見やすい写真を提供しましょう。
また、症状がいつから始まったのか、痒みや痛みの有無など、症状の経過を詳細に説明することが大切です。
アレルギー歴や生活習慣、肌の質についても情報提供を行いましょう。過去に使用した薬や治療歴を報告することも、診断に役立ちます。
さらに、湿疹以外の症状がないかも重要なポイントです。発熱などの症状や、湿疹が他の部位に広がっているなどの症状があれば、それも伝えてください。
オンライン診察では対面診察よりも限られた情報で診断が行われるため、これらの詳細な情報を提供することが、適切な診断と治療を受けるために不可欠です。

この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。

当コラムの掲載記事に関するご注意点

  • 当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
  • 当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
  • 当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
  • 前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。
湿疹などの皮膚炎はなぜ起こる?原因や改善方法について詳しく解説のイメージ
この記事が気に入ったら
いいねしよう!
最新記事をお届けします。
監修医師 松澤 宗範
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科

皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科 皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療 2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
オンライン診療アプリ
SOKUYAKUの使い方
  • STEP1

    診療予約

    SOKUYAKUの使い方STEP1
  • STEP2

    オンライン問診

    SOKUYAKUの使い方STEP2
  • STEP3

    オンライン診療

    SOKUYAKUの使い方STEP3 SOKUYAKUの使い方STEP3
  • STEP4

    オンライン服薬指導

    SOKUYAKUの使い方STEP4 SOKUYAKUの使い方STEP4
  • STEP5

    おくすり配達

    SOKUYAKUの使い方STEP5

    ※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。

SOKUYAKUメディカルコラム