下痢もインフルエンザの症状?風邪や胃腸炎との違いは?正しい対処法を解説
インフルエンザなのにお腹を壊した?下痢との意外な関係
インフルエンザといえば、突然の高熱、強いだるさ、関節痛や筋肉痛、咳やのどの痛みが代表的な症状です。しかし、は「下痢」や「腹痛」「吐き気」といった消化器の症状が出ることも決して珍しくありません。
参考元
『When Influenza Masquerades as Gastroenteritis: Acute Diarrhea in an Adult With Influenza B – PMC』
『2024/25 シーズンにおけるインフルエンザの現況と今後の見通しに関する提言|日本感染症学会』
風邪とは違う?インフルエンザで下痢が起こるケース
いわゆる「風邪(普通感冒)」でも、お腹の調子を崩すことはありますが、インフルエンザの場合は高熱などの強い全身症状の一部として現れることが多いのが違いです。
インフルエンザにはA型、B型といった種類がありますが、メタ解析では「下痢はインフルエンザA型の症例の6%、インフルエンザB型の症例の10%で発生した」と報告されています。報告によって頻度は幅がありますが、特に小児では消化器症状が前面に出ることもあります。
特に注意したいのは「子ども」と「高齢者」
2024年の大規模な研究報告によれば、インフルエンザ患者のうち胃腸症状が出た割合は、成人(約20%)よりも小児(約26%)の方が高いという統計結果が出ています。また、高齢者の方は、もともと体力や免疫機能が低下しているため「重症化ハイリスク群」とされています。
「子ども」や「高齢者」は下痢や発熱が起きると、若年層よりも急激に水分が失われ「脱水症状」を引き起こしやすいため、適切な水分補給が重要です。
どうしてインフルエンザで下痢が出るの?その理由を解説
なぜインフルエンザという呼吸器の感染症で、お腹の症状である下痢が引き起こされるのでしょうか。それにはいくつかの理由が考えられています。
ウイルスによる全身への影響
インフルエンザウイルスが体内に侵入すると、体はウイルスと戦うために「サイトカイン」という物質を出して防御します。これが高熱や関節痛の原因です。
これまでは、この全身への炎症反応が腸にも悪影響を及ぼすと考えられてきました。しかし最近の研究では、それだけではなく、インフルエンザウイルスが呼吸器から血流などを介して胃腸管に到達し、「直接」腸に侵入している可能性が強く示されています。
参考元『Gastrointestinal Infiltration in Influenza Virus Infection: Mechanisms and Clinical Insights』
実際に、患者の便からインフルエンザウイルスが検出される割合が約20.6%にのぼると報告されています。
薬の副作用が関係していることも
インフルエンザの治療に使われる「抗インフルエンザ薬」や、高熱を下げるために使う「解熱鎮痛剤」の副作用として、下痢や軟便が起こることも報告されています。薬を飲み始めてからお腹の調子が悪くなった場合は、薬の副作用かもしれません。
参考元
体力や免疫の弱さがカギになる
通常、インフルエンザウイルスは呼吸器(喉や肺)で免疫によって抑え込まれます。しかし、体力や免疫力が著しく低下していると、ウイルスを呼吸器だけで食い止めることが難しくなる場合があります。
研究によると、免疫のバリアが弱まっている場合、ウイルスが肺から血流に乗って全身に広がり(ウイルス血症)、その結果として胃腸にまで到達してしまうケースが指摘されています。
つまり、免疫が十分に働かないことでウイルスの拡散を許してしまい、結果として腸の細胞に影響が及び、下痢などの症状につながる可能性があるのです。
参考元『Gastrointestinal Infiltration in Influenza Virus Infection: Mechanisms and Clinical Insights』
下痢があるインフルエンザと「胃腸炎」の見分け方
高熱と下痢があると、「インフルエンザ?それともノロウイルス?」と見分けるのが難しいことがあります。いくつかのポイントで違いを見てみましょう。
「発熱+下痢」か「下痢だけ」かで見えてくる違い
インフルエンザでは、高熱や強いだるさ、筋肉痛・関節痛、咳・のどの痛みといった全身症状が前面に出て、その「おまけ」として下痢や腹痛がついてくるイメージです。
ウイルス性胃腸炎では、激しい嘔吐と水のような下痢、腹痛が中心で、発熱はあってもそれほど高くないことが多く、咳やのどの痛みは目立たないことがほとんどです。
参考元
ノロ・ロタなどウイルス性胃腸炎との見分け方
ノロウイルスは、冬に流行する代表的な感染性胃腸炎の原因で、少量のウイルスでもうつり、下痢・嘔吐・腹痛を起こします。ロタウイルスは乳幼児の重い胃腸炎の主な原因で、白っぽい水様便と嘔吐、発熱が特徴です。
これらの感染性胃腸炎は、インフルエンザのような強い関節痛や筋肉痛は通常伴いません。ただし、両方に同時にかかることもあるため、最終的な判断は医師の診察と検査が必要です。
参考元
家族内で広がり方にも違いがある
インフルエンザは主に「飛沫感染」で広がりますが、ウイルス性胃腸炎はウイルスが含まれた便や嘔吐物に触れる「接触感染」が主なルートです。トイレやドアノブを介して、家庭内で爆発的に広がりやすい特徴があります。
参考元
迷ったら病院へ!検査が必要なタイミング
これらの違いはあくまで一般的な傾向です。症状だけでは区別が難しいことも多く、高熱が続いていたり、水分が取れずにぐったりしていたりする場合は、自己判断せず医療機関で相談しましょう。
下痢になったらどうする?家庭でできる正しい対処法
インフルエンザか胃腸炎かにかかわらず、下痢があるときの基本は「脱水を防ぐ」「腸に負担をかけない」「自己判断で強い薬を使いすぎない」の3つです。
参考元
『厚生労働省|下痢症について (ファクトシート)』
脱水を防ごう!水分と塩分のとり方
下痢や発熱で最も怖いのは「脱水症状」です。体から水分だけでなく、塩分やカリウムなどの「電解質(でんかいしつ)」も一緒に失われてしまいます。
ただの水やお茶だけを大量に飲むと、体内の電解質が薄まるため、経口補水液(薬局などで購入可能)が最適です。一度にがぶ飲みせず、一口分を、5分〜10分おきに「こまめに」飲むのがポイントです。
参考元
『【縦型動画】経口補水液の正しい飲み方 | 政府広報オンライン』
『その飲み方NGです! 正しく知ろう経口補水液 | 政府広報オンライン』
食事はどうする?おすすめの食べ物とNG例
食欲がないときは「水分を切らさない」ことを優先してください。
下痢をしている時は、胃腸がダメージを受けています。無理に食べる必要はありません。食欲がない時は水分補給を最優先し、食べられそうになったら、消化の良いものから始めましょう。
おかゆ、やわらかく煮込んだうどん、すりおろしリンゴなどが適しています。脂っこいもの、食物繊維が多いもの、冷たいもの、刺激物は胃腸に負担をかけるため避けましょう。
下痢止めって飲んでいいの?使うべき人・避けるべき人
下痢は、ウイルスや毒素を体の外に出そうとする「防御反応」でもあります。インフルエンザか感染性胃腸炎かわからない場合は、市販の下痢止め(止痢薬)を自己判断で使うのは、原則としておすすめしません。
ロタウイルス胃腸炎などでは、厚生労働省が「下痢止め薬は病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましい」と示しています。
どうしても頻回の下痢でつらい場合や強い腹痛を伴う場合は、必ず医師に相談してください。
参考元
発熱や咳もあるなら休養環境も見直して
インフルエンザが原因の場合、何よりも安静にして休養することが一番の治療です。
トイレとの移動がしやすいように動線を確保し、汗で濡れたパジャマや寝具はこまめに替えながら、しっかり休める環境を整えましょう。
受診の判断ポイント:「様子見」でいい場合・危ないサイン
インフルエンザ+下痢の場合は、インフルエンザの重症化と脱水の両方に注意する必要があります。
体が弱い人ほど注意が必要(子ども・高齢者・持病がある人)
・5歳未満の子ども
・65歳以上の高齢者
・妊娠中の女性
・持病がある方(糖尿病、心臓病、腎臓病、呼吸器疾患など)
・治療によって免疫が落ちている方
該当する方は重症化するリスクが高いため、症状が比較的軽くても早めに医療機関に相談することをおすすめします。
参考元
『インフルエンザの感染を防ぐポイント「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」 | 政府広報オンライン』
こんな症状が出たらすぐ受診を!
厚生労働省の「こんな時は迷わず119へ」では、
・激しい下痢や嘔吐で水分がとれない
・食欲がなく意識がはっきりしない
・強い腹痛で苦しがっている
・便に血が混じる
などの状態を、救急受診の目安として挙げています。
参考元『こんな時は迷わず119へ|厚生労働省』
・半日以上ほとんど尿が出ない
・口や唇がカラカラ
・目がくぼんでいる
・立ち上がるとフラフラする
・呼吸が速くて苦しそう
これら脱水や全身状態の悪化が見られた場合は、夜間や休日でも医療機関の受診を急いでください。
抗インフルエンザ薬が使えるタイミングとは?
インフルエンザの治療薬は、ウイルスの増殖を抑える薬です。これらの薬は、発症してから48時間(丸2日)以内に飲み始めないと、十分な効果が期待できません。
ただし、効果は弱くなるものの、重症化リスクが高い人で症状が続いている場合には、48時間以降でも投与を考慮することが指針に示されています。
参考元
『2025/26 シーズンのインフルエンザ治療・予防指針|日本小児科学会』
『治療薬・治療法に関するガイドライン 令和6年 (内閣感染症危機管理監決裁)』
家族にうつさないために!感染を防ぐ具体的な工夫
インフルエンザでも胃腸炎でも、家族内での二次感染を防ぐには、「手洗い」「マスク」「換気」に加え、トイレや嘔吐物の片づけ方・消毒の仕方が重要です。少し手間はかかりますが、ここを丁寧に行うかどうかで、家族全体の発症リスクが変わります。
参考元
トイレ・ドアノブ・手すりの消毒方法
インフルエンザウイルスはアルコール消毒が有効ですが、下痢や嘔吐がある場合、ノロウイルスの可能性も考慮し、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用の塩素系漂白剤)を薄めた液で消毒するのが最も確実です。厚生労働省では汚物が付着した場所は0.1%(1000ppm)の濃度を推奨しています。
トイレの便座、水洗レバー、ドアノブなど、手がよく触れる場所をこまめに拭きましょう。
嘔吐や下痢の片づけ方で差が出る感染対策
下痢便や嘔吐物を処理する際は、必ず使い捨ての手袋、マスクを装着し、換気を行ってください。
ペーパータオルなどで静かに拭き取り、すぐにビニール袋に入れて密閉します。その後、汚物があった場所を次亜塩素酸ナトリウム消毒液で浸すように拭き、10分ほど置いてから水拭きします。
処理後は石鹸で徹底的に手を洗いましょう。
参考元『保育所における感染症対策ガイドライン (2018 年改訂版)』
使い捨て手袋・ペーパータオルの正しい使い方
汚物処理のときに使った手袋やマスク、ペーパータオルは、再利用せずにそのままビニール袋に入れて捨てます。袋をしっかり縛ったあと、最後は石けんと流水での手洗いを忘れないことが大切です。
洗濯・ごみ処理でもうつる?見落としがちな注意点
汚れた衣類やシーツは、次亜塩素酸ナトリウムにつけ置きするか、85℃以上の熱湯で消毒してから、他のものとは分けて洗濯します。汚物を入れたゴミ袋は、密閉して早めに捨てましょう。
不安なときはオンライン診療を活用しよう
「高熱で動けない」「この症状で受診すべきか迷う」といった時には、オンライン診療を活用するのも一つの方法です。
例えばSOKUYAKU(ソクヤク)のようなオンライン診療サービスを利用すれば、自宅から医師にアクセスしやすくなり、対面受診や検査が必要かどうかの判断や、自宅でのケアのポイントを教えてもらえます。
つらい症状が出たときは、我慢しすぎず、適切な対処と休養で乗り切りましょう。
インフルエンザといえば、高熱や関節の痛み、喉の痛みをイメージする方が多いかもしれません。しかし、インフルエンザでも「下痢」や「腹痛」といったお腹の症状に悩まされる方もいます。一方で、冬場に多いノロウイルスなどの「胃腸炎」でも発熱を伴うことがあり、見分けがつきにくいのがやっかいなところです。
この記事では、インフルエンザと下痢の関係、胃腸炎との違い、自宅での対処法や受診の目安をわかりやすく解説します。
インフルエンザなのにお腹を壊した?下痢との意外な関係
インフルエンザといえば、突然の高熱、強いだるさ、関節痛や筋肉痛、咳やのどの痛みが代表的な症状です。しかし、は「下痢」や「腹痛」「吐き気」といった消化器の症状が出ることも決して珍しくありません。
参考元
『When Influenza Masquerades as Gastroenteritis: Acute Diarrhea in an Adult With Influenza B – PMC』
風邪とは違う?インフルエンザで下痢が起こるケース
いわゆる「風邪(普通感冒)」でも、お腹の調子を崩すことはありますが、インフルエンザの場合は高熱などの強い全身症状の一部として現れることが多いのが違いです。
インフルエンザにはA型、B型といった種類がありますが、メタ解析では「下痢はインフルエンザA型の症例の6%、インフルエンザB型の症例の10%で発生した」と報告されています。報告によって頻度は幅がありますが、特に小児では消化器症状が前面に出ることもあります。
特に注意したいのは「子ども」と「高齢者」
2024年の大規模な研究報告によれば、インフルエンザ患者のうち胃腸症状が出た割合は、成人(約20%)よりも小児(約26%)の方が高いという統計結果が出ています。また、高齢者の方は、もともと体力や免疫機能が低下しているため「重症化ハイリスク群」とされています。
「子ども」や「高齢者」は下痢や発熱が起きると、若年層よりも急激に水分が失われ「脱水症状」を引き起こしやすいため、適切な水分補給が重要です。
どうしてインフルエンザで下痢が出るの?その理由を解説
なぜインフルエンザという呼吸器の感染症で、お腹の症状である下痢が引き起こされるのでしょうか。それにはいくつかの理由が考えられています。
ウイルスによる全身への影響
インフルエンザウイルスが体内に侵入すると、体はウイルスと戦うために「サイトカイン」という物質を出して防御します。これが高熱や関節痛の原因です。
これまでは、この全身への炎症反応が腸にも悪影響を及ぼすと考えられてきました。しかし最近の研究では、それだけではなく、インフルエンザウイルスが呼吸器から血流などを介して胃腸管に到達し、「直接」腸に侵入している可能性が強く示されています。
参考元『Gastrointestinal Infiltration in Influenza Virus Infection: Mechanisms and Clinical Insights』
実際に、患者の便からインフルエンザウイルスが検出される割合が約20.6%にのぼると報告されています。
薬の副作用が関係していることも
インフルエンザの治療に使われる「抗インフルエンザ薬」や、高熱を下げるために使う「解熱鎮痛剤」の副作用として、下痢や軟便が起こることも報告されています。薬を飲み始めてからお腹の調子が悪くなった場合は、薬の副作用かもしれません。
参考元
体力や免疫の弱さがカギになる
通常、インフルエンザウイルスは呼吸器(喉や肺)で免疫によって抑え込まれます。しかし、体力や免疫力が著しく低下していると、ウイルスを呼吸器だけで食い止めることが難しくなる場合があります。
研究によると、免疫のバリアが弱まっている場合、ウイルスが肺から血流に乗って全身に広がり(ウイルス血症)、その結果として胃腸にまで到達してしまうケースが指摘されています。
つまり、免疫が十分に働かないことでウイルスの拡散を許してしまい、結果として腸の細胞に影響が及び、下痢などの症状につながる可能性があるのです。
参考元『Gastrointestinal Infiltration in Influenza Virus Infection: Mechanisms and Clinical Insights』
下痢があるインフルエンザと「胃腸炎」の見分け方
高熱と下痢があると、「インフルエンザ?それともノロウイルス?」と見分けるのが難しいことがあります。いくつかのポイントで違いを見てみましょう。
「発熱+下痢」か「下痢だけ」かで見えてくる違い
インフルエンザでは、高熱や強いだるさ、筋肉痛・関節痛、咳・のどの痛みといった全身症状が前面に出て、その「おまけ」として下痢や腹痛がついてくるイメージです。
ウイルス性胃腸炎では、激しい嘔吐と水のような下痢、腹痛が中心で、発熱はあってもそれほど高くないことが多く、咳やのどの痛みは目立たないことがほとんどです。
参考元
ノロ・ロタなどウイルス性胃腸炎との見分け方
ノロウイルスは、冬に流行する代表的な感染性胃腸炎の原因で、少量のウイルスでもうつり、下痢・嘔吐・腹痛を起こします。ロタウイルスは乳幼児の重い胃腸炎の主な原因で、白っぽい水様便と嘔吐、発熱が特徴です。
これらの感染性胃腸炎は、インフルエンザのような強い関節痛や筋肉痛は通常伴いません。ただし、両方に同時にかかることもあるため、最終的な判断は医師の診察と検査が必要です。
参考元
家族内で広がり方にも違いがある
インフルエンザは主に「飛沫感染」で広がりますが、ウイルス性胃腸炎はウイルスが含まれた便や嘔吐物に触れる「接触感染」が主なルートです。トイレやドアノブを介して、家庭内で爆発的に広がりやすい特徴があります。
参考元
迷ったら病院へ!検査が必要なタイミング
これらの違いはあくまで一般的な傾向です。症状だけでは区別が難しいことも多く、高熱が続いていたり、水分が取れずにぐったりしていたりする場合は、自己判断せず医療機関で相談しましょう。
下痢になったらどうする?家庭でできる正しい対処法
インフルエンザか胃腸炎かにかかわらず、下痢があるときの基本は「脱水を防ぐ」「腸に負担をかけない」「自己判断で強い薬を使いすぎない」の3つです。
参考元
『厚生労働省|下痢症について (ファクトシート)』
脱水を防ごう!水分と塩分のとり方
下痢や発熱で最も怖いのは「脱水症状」です。体から水分だけでなく、塩分やカリウムなどの「電解質(でんかいしつ)」も一緒に失われてしまいます。
ただの水やお茶だけを大量に飲むと、体内の電解質が薄まるため、経口補水液(薬局などで購入可能)が最適です。一度にがぶ飲みせず、一口分を、5分〜10分おきに「こまめに」飲むのがポイントです。
参考元
食事はどうする?おすすめの食べ物とNG例
食欲がないときは「水分を切らさない」ことを優先してください。
下痢をしている時は、胃腸がダメージを受けています。無理に食べる必要はありません。食欲がない時は水分補給を最優先し、食べられそうになったら、消化の良いものから始めましょう。
おかゆ、やわらかく煮込んだうどん、すりおろしリンゴなどが適しています。脂っこいもの、食物繊維が多いもの、冷たいもの、刺激物は胃腸に負担をかけるため避けましょう。
下痢止めって飲んでいいの?使うべき人・避けるべき人
下痢は、ウイルスや毒素を体の外に出そうとする「防御反応」でもあります。インフルエンザか感染性胃腸炎かわからない場合は、市販の下痢止め(止痢薬)を自己判断で使うのは、原則としておすすめしません。
ロタウイルス胃腸炎などでは、厚生労働省が「下痢止め薬は病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましい」と示しています。
どうしても頻回の下痢でつらい場合や強い腹痛を伴う場合は、必ず医師に相談してください。
参考元
発熱や咳もあるなら休養環境も見直して
インフルエンザが原因の場合、何よりも安静にして休養することが一番の治療です。
トイレとの移動がしやすいように動線を確保し、汗で濡れたパジャマや寝具はこまめに替えながら、しっかり休める環境を整えましょう。
受診の判断ポイント:「様子見」でいい場合・危ないサイン
インフルエンザ+下痢の場合は、インフルエンザの重症化と脱水の両方に注意する必要があります。
体が弱い人ほど注意が必要(子ども・高齢者・持病がある人)
・5歳未満の子ども
・65歳以上の高齢者
・妊娠中の女性
・持病がある方(糖尿病、心臓病、腎臓病、呼吸器疾患など)
・治療によって免疫が落ちている方
該当する方は重症化するリスクが高いため、症状が比較的軽くても早めに医療機関に相談することをおすすめします。
参考元
こんな症状が出たらすぐ受診を!
厚生労働省の「こんな時は迷わず119へ」では、
・激しい下痢や嘔吐で水分がとれない
・食欲がなく意識がはっきりしない
・強い腹痛で苦しがっている
・便に血が混じる
などの状態を、救急受診の目安として挙げています。
参考元『こんな時は迷わず119へ|厚生労働省』
・半日以上ほとんど尿が出ない
・口や唇がカラカラ
・目がくぼんでいる
・立ち上がるとフラフラする
・呼吸が速くて苦しそう
これら脱水や全身状態の悪化が見られた場合は、夜間や休日でも医療機関の受診を急いでください。
抗インフルエンザ薬が使えるタイミングとは?
インフルエンザの治療薬は、ウイルスの増殖を抑える薬です。これらの薬は、発症してから48時間(丸2日)以内に飲み始めないと、十分な効果が期待できません。
ただし、効果は弱くなるものの、重症化リスクが高い人で症状が続いている場合には、48時間以降でも投与を考慮することが指針に示されています。
参考元
家族にうつさないために!感染を防ぐ具体的な工夫
インフルエンザでも胃腸炎でも、家族内での二次感染を防ぐには、「手洗い」「マスク」「換気」に加え、トイレや嘔吐物の片づけ方・消毒の仕方が重要です。少し手間はかかりますが、ここを丁寧に行うかどうかで、家族全体の発症リスクが変わります。
参考元
トイレ・ドアノブ・手すりの消毒方法
インフルエンザウイルスはアルコール消毒が有効ですが、下痢や嘔吐がある場合、ノロウイルスの可能性も考慮し、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用の塩素系漂白剤)を薄めた液で消毒するのが最も確実です。厚生労働省では汚物が付着した場所は0.1%(1000ppm)の濃度を推奨しています。
トイレの便座、水洗レバー、ドアノブなど、手がよく触れる場所をこまめに拭きましょう。
嘔吐や下痢の片づけ方で差が出る感染対策
下痢便や嘔吐物を処理する際は、必ず使い捨ての手袋、マスクを装着し、換気を行ってください。
ペーパータオルなどで静かに拭き取り、すぐにビニール袋に入れて密閉します。その後、汚物があった場所を次亜塩素酸ナトリウム消毒液で浸すように拭き、10分ほど置いてから水拭きします。
処理後は石鹸で徹底的に手を洗いましょう。
使い捨て手袋・ペーパータオルの正しい使い方
汚物処理のときに使った手袋やマスク、ペーパータオルは、再利用せずにそのままビニール袋に入れて捨てます。袋をしっかり縛ったあと、最後は石けんと流水での手洗いを忘れないことが大切です。
洗濯・ごみ処理でもうつる?見落としがちな注意点
汚れた衣類やシーツは、次亜塩素酸ナトリウムにつけ置きするか、85℃以上の熱湯で消毒してから、他のものとは分けて洗濯します。汚物を入れたゴミ袋は、密閉して早めに捨てましょう。
不安なときはオンライン診療を活用しよう
「高熱で動けない」「この症状で受診すべきか迷う」といった時には、オンライン診療を活用するのも一つの方法です。
例えばSOKUYAKU(ソクヤク)のようなオンライン診療サービスを利用すれば、自宅から医師にアクセスしやすくなり、対面受診や検査が必要かどうかの判断や、自宅でのケアのポイントを教えてもらえます。
つらい症状が出たときは、我慢しすぎず、適切な対処と休養で乗り切りましょう。
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.
当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
2.
当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
3.
当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
4.
前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。

2004年 私立海城高等学校卒業
2010年 私立東邦大学医学部卒業 医師免許取得
2012年 公益財団法人日産厚生会玉川病院
2016年 東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科
2018年 医療社団法人七福会ホリィマームクリニック
2022年 浅川クリニック
免許・資格:
・医学博士
・日本内科学会総合内科専門医
・日本腎臓学会腎臓専門医
・日本透析医学会透析専門医
・労働衛生コンサルタント(保健衛生)
・東京都福祉局認定難病指定医
専門領域:
医療 > 内科 > 総合内科
医療 > 内科 > 感染症科







