痛み止めでよく使われているロキソプロフェンに含まれる成分や効果、副作用について解説
更新日:2024年06月20日
「ロキソニン」という商品名の方が馴染みがある人も多いかと思います。
今回はこのロキソプロフェンについて解説していきます。
ロキソプロフェンとは
頭痛・発熱時に用いられる解熱鎮痛効果の高いお薬であるロキソプロフェン。
「ロキソニン」という商品名の方が馴染みがある人も多いかと思います。
今回はこのロキソプロフェンについて解説していきます。
ロキソプロフェンに含まれる成分は?
医療用医薬品の「ロキソプロフェン錠」は「ロキソニン」(先発品)のジェネリック(後発品)です。どちらも主成分は「ロキソプロフェンナトリウム」であるため同じ有効成分となります。
ジェネリック医薬品製剤の中の一つの『ロキソプロフェンNa錠60mg「サワイ」』の添付文書情報をもとに、用法用量および効能効果などをご紹介します。
製品名:ロキソプロフェンNa錠60mg「サワイ」
一般名:ロキソプロフェンナトリウム水和物薬効分類名:鎮痛・抗炎症・解熱剤
先発品との効能・効果、用法・用量の同異:同じ効能効果
1.下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕 症候群、歯痛
2.手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎
3.下記疾患の解熱・鎮痛 急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
用法・用量
効能・効果1と2の場合:通常、成人にロキソプロフェンナトリウム(無水物として)1回 60㎎、1日3回経口投与する。頓用の場合は、1回60~120㎎ を経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の投与は 避けさせることが望ましい。
効能・効果3の場合:通常、成人にロキソプロフェンナトリウム(無水物として)1回 60㎎を頓用する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として 1日2回までとし、1日最大180㎎を限度とする。また、空腹 時の投与は避けさせることが望ましい。
後発品とも言われるジェネリック医薬品は、多くの製薬会社より販売されています。
なお、薬価(国が定める医薬品の価格)については全て同じ薬価とはかぎりません。
ロキソニン錠60mgと一部ジェネリック医薬品製剤との比較
薬品名規格薬価後発かどうかロキソニン錠60mg錠13.4後発でないロキソプロフェンNa錠60mg「サワイ」錠7.9後発メディサロキソプロフェンナトリウム錠60mg「日医工」錠9.8後発日医工ロキソプロフェンNa錠60mg「YD」錠9.8後発陽進堂ロキソプロフェンNa錠60mg「三和」錠9.8後発三和化学ロキソプロフェンNa錠60mg「トーワ」錠7.9後発東和ロキソプロフェンNa錠60mg「ツルハラ」錠7.9後発鶴原ロキソプロフェンNa錠60mg「KN」錠7.9後発
※「ジェネリック医薬品」とは最初に開発された「新薬」と同じ有効成分で作られ、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」にもとづくさまざまな厳しい基準や規制をクリアしたお薬のことをさします。
また、錠剤以外の製品としては先発品の「ロキソニン」ですと「ロキソニン細粒10%」、外用剤の「ロキソニンテープ50mg」「ロキソニンテープ100mg」、「ロキソニンパップ100mg」、「ロキソニンゲル1%」があります。
どんな症状に効果的?
鎮痛作用、抗炎症作用、解熱作用があるため、頭痛・月経痛 (生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛などの痛みや炎症(腫れ)などの症状に効果的なお薬です。
カロナール」には挙げられない「ロキソニン」の抗炎症作用について
処方や市販されている薬のうち解熱鎮痛剤は大きく分けて2つあり、「ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)」をはじめとした「NSAIDs」と呼ばれる解熱や鎮痛、抗炎症作用のある非ステロイド性の抗炎症薬と「カロナール(一般名:アセトアミノフェン)」のような脳の体温調節中枢や中枢神経などに作用して解熱、鎮痛作用があります。
発熱のメカニズムとしては、脳の体温調節中枢というところに情報が伝わって、体温調節中枢から発熱の指令が身体の各部に伝わることで生じるのですが「カロナール」は体温調節中枢に作用し、熱を体外へ逃がす作用を増強するお薬として知られています。
また、発熱や頭痛などの痛みの情報を伝える物質(PG:プロスタグランジン)を阻害する作用があります。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)である「ロキソニン」はCOX(シクロオキシゲナーゼ)を阻害し、かつ起炎物質・発痛増強物質として知られるプロスタグランジンE2(PGE2)の合成抑制もあるため、「ロキソニン」には抗炎症作用があります。
使い方のポイント
次の副作用と注意点に詳細を記入していますが、胃に負担がかかる場合があるため患者として医療機関に受診される際は必ずその旨を医師に相談しましょう。
そうすれば胃の粘膜を保護する胃薬などを「ロキソプロフェン」と一緒に処方してくださる場合があります。
市販で同じ成分の商品を購入し、使用する場合についてですが、医療用医薬品と市販薬の大きな違いといえば、1日あたりの服用量でしょう。
医師の処方の場合は1日3回までとし症状に合わせ適宜増減となっているのに対し、市販薬では1日2回までが基本的な適応量とされています。
医療用医薬品よりも適応量が少ないのは、薬剤師の指導のもととはいえ、薬局・薬店で誰でも購入できることや、成分の種類・含有量などの観点からです。
市販薬に向けて指定されている用量の範囲では比較的副作用の可能性も低くなり安全とされ、また、誰にでも使いやすいようにと考慮されています。
ちなみに、現在医療用医薬品「ロキソニン」の製造元である第一三共株式会社より内服薬としては第一類医薬品として3つのシリーズが販売されています。
ロキソニンS
ロキソニンSプラス
ロキソニンSプレミアム
用法用量
いずれも成人(15歳以上)のみ、1日2回まで。1回1錠。
頭痛などの症状があらわれた時、なるべく空腹時をさけて水又はぬるま湯で服用して下さい。
ただし、再度症状があらわれた場合には3回目を服用可能です。この場合は、次に服用するまでの間隔は4時間以上開けてください。
副作用や注意点
主な副作用として、胃部不快感、みぞおちの痛み、腹痛、吐き気・嘔吐、食欲不振、浮腫・むくみ、発疹、蕁麻疹、眠気、発熱、そう痒感などが報告されています。
このような副作用に当てはまりそうな症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。
次にあげる疾患などお持ちの方は事前に医師に報告するようにしましょう。
1. 消化性潰瘍のある患者
2. 重篤な血液の異常のある患者
3. 重篤な肝障害のある患者
4. 重篤な腎障害のある患者
5. 重篤な心機能不全のある患者
6. 本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
7. アスピリン喘息又はその既往歴のある患者
8. 妊娠末期の婦人
消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意してください。
あくまでも今ある痛みを抑えるお薬であって、痛みの原因を治癒させるものではありません。
注意点ですが、
15歳未満は服用不可該当するお子様には年齢に応じた痛み止めを使用するよう注意し、市販薬などを購入される際には必ず薬剤師・登録販売者に年齢を伝え相談後に適した医薬品を購入してください。
高齢者高齢者の方には副作用の発現を最小限に抑えるために必要最小限にとどめてください。
胃が弱い方向けの副作用の説明にもありますように、「ロキソニン」を服用することで胃に負担がかかる場合があるため患者として医療機関に受診される際は必ずその旨を医師に相談しましょう。 そうすれば胃の粘膜を保護する胃薬などを「ロキソニン」と一緒に処方してくださることがあります。また、胃に負担をかけないためにも必ず食後に服用するよう注意し、空腹時は避けてください。
妊娠中の使用上の注意妊娠中の投与に関する安全性は確立されていないため、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされています。 また使用を続けていると胎児の心臓や血圧など悪影響がでる可能性があるため、特に妊娠後期の28週以降は使用を避けることとされています。 妊娠されている方は必ず担当の医師に相談をするようにしましょう。
授乳中の使用授乳の場合は授乳を中止することが望ましいとされています。この場合も注意しかかりつけの医師に相談し判断を仰ぎましょう。
他にもお薬を飲んでいる方が注意すること:「ロキソニン」と他の薬剤の併用(飲み合わせ)、または「ロキソニン」と食品(飲み物/嗜好品含む)の食べ合わせによっては、よくない影響が出る組み合わせがありますので必ず他のお薬を飲んでいる場合は医師・薬剤師にお薬手帳などを見せて相談するよう注意しましょう。
ロキソプロフェンはどうすれば購入できる?
市販の第一類医薬品「ロキソニンS」シリーズをお求めの際には、薬剤師が勤務している薬局または薬店といった取扱店での購入が可能です。
一方で医療用医薬品に指定されている「ロキソニン」またそのジェネリック医薬品である各製薬会社のロキソプロフェンナトリウム含有のお薬は、通常購入することができませんが「処方箋以外の医療用医薬品」(非処方箋医薬品)に指定されているため、「零売」(れいばい)の取り組みを行なっているという薬局であれば、医師の処方箋がなくても薬剤師との対面によるカウンセリングのもと可能です。
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