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頭皮湿疹の原因とは?対処方法や予防方法について詳しく解説

監修医師 松澤 宗範
更新日:2024年10月22日

更新日:2024年10月22日

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頭皮湿疹とは、頭皮に発生する炎症性の皮膚炎のことです。頭皮に赤いブツブツやかゆみが現れることが多く、場合によってはフケや痛みを伴うこともあります。これらの症状が起こる理由は、ストレス、アレルギー反応、使用するヘアケア製品の成分など、さまざまなことが要因です。

この記事では、頭皮湿疹が起こる原因と対処方法について、わかりやすく解説します。また、予防法についても紹介します。頭のトラブルに悩んでいる方は参考にしてください。

頭皮湿疹とは?

頭皮湿疹はなぜ起こる?原因や改善方法について詳しく解説

 

「頭皮湿疹」とは、頭皮に湿疹の症状が現れた状態になります。湿疹は皮膚の表面に起こる炎症で、かゆみや赤み、小さなブツブツや水ぶくれなどが特徴です。これらの症状が進行すると、患部がただれたり、かさぶたができたり、フケのように皮膚が剥がれ落ちることもあります。

 

健康な頭皮は青白く見え、かゆみなどの不快な症状はありません。しかし、頭皮が赤く見えたり、かゆみを感じたりする場合は、何らかのトラブルが起きている可能性があります。

頭皮湿疹が起こる原因

頭皮に湿疹ができる原因には、さまざまな疾患が関与しています。頭皮の湿疹を引き起こしやすい代表的な皮膚疾患には、次のようなものがあります。

 

脂漏性皮膚炎
頭皮や生え際など、皮脂の分泌が多い部分にできる湿疹になります。頭皮が赤くなり、黄色っぽい湿ったフケや乾燥した鱗のようなフケが出るのが特徴です。ひどくなるとフケが固まってかさぶたのようになることもあります。

この湿疹は、皮膚に常在するマラセチアというカビが皮脂を栄養にして異常に増えることで起こると考えられています。ただし、原因は完全には解明されていません。皮脂の分泌量の乱れやビタミン不足、ストレス、寝不足、ホルモンの乱れなどが関係しているとされています。

 

接触皮膚炎
接触皮膚炎はシャンプーやヘアケア製品、ヘアアクセサリー、毛染め用の染料などに含まれる成分が皮膚に刺激を与えて炎症を引き起こした状態になります。原因物質に触れた部分にくっきりと症状が現れるのが特徴です。接触皮膚炎には、誰にでも起こる「刺激性接触皮膚炎」と、アレルギー体質が関係する「アレルギー性接触皮膚炎」があります。

 

アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹が繰り返し現れる病気です。症状は左右対称に出ることが多く、良くなったり悪くなったりを繰り返して慢性化します。アトピー性皮膚炎の方の多くは、アトピーやアレルギー疾患の既往歴や家族歴を持っています。多くの場合、思春期から成人になると自然に治ることがほとんどです。ただし、一部の人は成人後も症状が続くことがあります。

 

皮脂欠乏性皮膚炎
皮脂欠乏性皮膚炎は、皮膚が乾燥してバリア機能が低下し、かゆみを感じるようになる病気です。皮膚をかき続けることで炎症が起こります。生まれつき皮脂の分泌が少ない人や、シャンプーのし過ぎや間違ったヘアケア習慣によって頭皮から水分が失われることで発症します。特に秋から冬にかけて、空気が乾燥する季節に悪化しやすいです。

 

膿痂疹

膿痂疹(のうかしん)は、一般的に「とびひ」とも呼ばれる皮膚の感染症です。この病気は、皮膚にできた小さな傷や擦り傷から細菌が入り込むことで発症します。たとえば、子どもが転んで膝を擦りむいたり、虫刺されを掻きむしったりすると、その傷口から細菌が入り込み、膿痂疹を引き起こすことがあります。膿痂疹は、黄色ブドウ球菌という細菌が原因となることがほとんどです。

 

膿痂疹が発症すると、最初は小さな水ぶくれや膿がたまったブツブツが現れますが、これが破れると周囲の皮膚に広がっていきます。この広がり方が火事の飛び火に似ているため、「とびひ」と呼ばれています。

頭皮湿疹の症状

頭皮湿疹は、頭皮にかゆみや赤みが現れることが一般的です。かゆみを感じて頭皮を見てみると、赤くなっていることがあります。シャンプーや整髪料がしみることもあり、これは、かゆみのために頭皮を引っかいてしまい、傷ができてしまうことが要因になります。また、頭皮の表面がガサガサして荒れて見えることも症状のひとつです。頭皮湿疹では、ブツブツした小さな丘疹や水疱ができることもあり、これが悪化するとフケが増えることがあります。

頭皮湿疹のサイン

頭皮にかゆみやフケが出る場合、頭皮湿疹のサインかもしれません。脂漏性湿疹だった場合、皮脂の分泌が多くなることで起こる炎症です。これを放っておくと、毛穴が炎症を起こし、髪の成長に悪影響を与える可能性があります。そのため、早めに治療を受けることが重要です。

 

かゆみがあると、無意識に爪で引っかいてしまうことがありますが、これが症状をさらに悪化させることがあります。かゆみを感じたら、できるだけ引っかかないように注意しましょう。

頭皮湿疹におすすめのシャンプーの選び方

髪や頭皮の汚れや皮脂を取り除くためには、定期的なシャンプーが重要です。シャンプーをすることで、髪と頭皮を清潔に保ち、衛生的で清潔感のある状態を維持できます。しかし、頭皮湿疹対策には、単に汚れや皮脂を落とすだけでは不十分です。シャンプーの選び方を紹介します。

地肌に優しいアミノ酸シャンプーを選ぶ

アミノ酸系シャンプーは、アミノ酸をベースにした洗浄成分を含むシャンプーです。アミノ酸は、私たちの皮膚や髪のタンパク質を構成する成分と同じで、肌と同じ弱酸性です。そのため、髪や頭皮に優しく、必要な潤いを保ちながら汚れをしっかり落とせます。

 

このシャンプーの洗浄成分は「界面活性剤」と呼ばれ、水と油を混ぜ合わせる特性があります。これにより、皮脂などの油汚れを水と一緒に洗い流せます。界面活性剤にはいくつかの種類があり、その中でもアミノ酸系のものを使用したシャンプーがアミノ酸系シャンプーと呼ばれます。

 

アミノ酸系シャンプーは、頭皮や髪に優しいだけでなく、植物由来の成分を使用しているため、環境にも配慮されています。頭皮のかゆみや乾燥、フケ、髪のパサつきやダメージに悩んでいる方に特におすすめです。

保湿効果を重要視する

シャンプーを選ぶ際には、髪や頭皮をしっかりと保湿できる成分が含まれているものを選ぶことが大切です。シャンプーは基本的に髪や頭皮の汚れを落とすためのものですが、中には保湿成分が含まれていて、髪や頭皮に必要な潤いを与えるものもあります。

 

例えば、濃グリセリンやブチレングリコールといった成分が保湿に使われます。濃グリセリンは、パーム油などの天然素材や石油を原料とする合成素材から作られ、保湿力が高く、水に溶けやすいことが特徴です。そのため、化粧水や美容液、シャンプーなどに広く使われています。一方、ブチレングリコールは、皮膚の水分量を増やし、乾燥を防ぐ効果があり、ハンドクリームや化粧水などの保湿アイテムにも含まれています。

 

シャンプーを選ぶときには、これらの保湿成分が含まれているかどうかを確認し、頭皮の乾燥を避けるものを選ぶと良いでしょう。

シリコン入りのものを避ける

シリコンは髪の毛を滑らかにし、キューティクルを保護する成分です。これにより、髪が絡まりにくくなり、手触りが良くなります。しかし、シリコンは髪の表面をコーティングするため、トリートメント成分が髪の内部に浸透しにくくなることがあります。

 

また、シリコンが髪に残ると、ヘアカラーやパーマがうまくかからないかもしれません。シリコンがキューティクルに強く付着していると、洗い流す際にキューティクルも一緒に剥がれてしまうことがあり、これが髪のダメージにつながることがあります。

抗菌効果のあるものを選ぶ

一般的に、頻繁に髪を洗う場合は、頭皮トラブルの原因となる脂肪酸や皮脂を洗い流すことで、基本的なトラブルを防げます。しかし、洗髪の頻度が低い場合は、皮脂が長時間放置されるため、菌の増殖を抑える抗菌剤が役立つことがあります。

 

薬用シャンプーは、特定の有効成分が含まれているシャンプーです。脂っぽいフケの原因となるマラセチア菌の増殖を抑えるために、抗菌や消炎効果が期待できる成分が含まれています。抗菌剤は、皮脂を分解する菌の増殖を抑え、炎症やニオイを防ぐ効果が期待できます。

症状に合わせたシャンプーをチェック

頭皮のかゆみや湿疹の原因の一つとして、シャンプーやヘアケアの方法が考えられます。特に、洗浄力が強すぎるシャンプーを使うと、頭皮に必要な皮脂まで取り除いてしまい、乾燥を引き起こすことがあります。これは、皮脂が多く出るタイプの人が、汚れや臭いを気にして強力なシャンプーを使うことが多いためです。

 

その結果、頭皮が乾燥しすぎてしまい、かゆみや湿疹が発生することがあります。自分に合ったシャンプーを見つけるには、まず自分の髪質や頭皮の悩みをしっかり理解することが重要です。どんな点を最も重視するかを明確にした上で選ぶと、より快適に使える理想のシャンプーに出会えるでしょう。

頭皮湿疹の治療方法

頭皮湿疹の治療は、症状や原因によって異なるため、自己判断で薬を使うのではなく、必ず医師に相談することが大切です。

外用薬を塗布する

 

治療方法としては、まず外用薬(塗り薬)を使うことが一般的です。頭皮の炎症を抑えるためにステロイド外用薬が使われたり、マラセチア菌に対処する抗真菌剤、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌に対処する抗生剤が処方されることがあります。頭皮湿疹の種類によって治療法が異なるため、自己判断で薬を使うのではなく、必ず医師に相談しましょう。

抗菌剤入りシャンプーを使用する

マラセチア菌が原因の脂漏性湿疹の場合、抗真菌剤入りのシャンプーが処方されることがあります。このシャンプーを使うことで、日々のケアでマラセチア菌を減らせます。抗真菌剤入りのシャンプーは薬局やドラッグストアでも購入できますが、まずはクリニックで診断を受けることが重要です。原因がマラセチア菌でない場合、このシャンプーを使っても改善しないため、正確な診断が必要になります。

頭皮湿疹が改善しない場合は医師に相談しましょう

頭皮に湿疹ができた場合、適切な治療を受けないと症状が悪化することがあります。市販のステロイド外用剤を5〜6日間使っても改善しない場合や、むしろ悪化している場合は、使用を中止して医師に相談しましょう。

 

また、かゆみが強くて我慢できない場合、湿疹が広範囲に広がっている場合、症状が長引いている場合、頭皮以外の部分にも湿疹が出ている場合、原因がわからない場合なども、自己判断せずに皮膚科を受診して医師の診断を受けることが大切です。

通院が難しい場合はオンライン診療もおすすめ

頭皮の症状が気になっていても、忙しくて病院に行けない場合もあるでしょう。我慢していると悪化する可能性もあるため、自己判断は避けてください。どうしても、受診が難しい場合には、オンライン診療も選択肢のひとつです。

オンライン診療とは

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンなどのデバイスを使って、自宅などから医師の診察や薬の処方を受けられる診療方法です。待ち時間が短縮され、診察が予約制になるため、待合室での待ち時間がありません。自宅や外出先から診察を受けられ、病院に足を運ぶ必要がないため、時間がない方におすすめの方法です。このサービスでは、診察の予約から始まり、問診、診断、そして薬の処方箋の発行や支払いまでオンライン上で完結します。

 

オンライン診療とは?厚生労働省からの通達や病院やクリニックにおける導入、利用法について

 

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、忙しい方や通院が難しい方にとって非常に便利なオンライン診療サービスです。SOKUYAKUの専用アプリは、使いやすさを重視して設計されており、診療予約から薬の受け取りまで一貫してスムーズに行えます。

 

サポートチームが充実しており、オンライン診療や薬の受け取りに関する質問や不安に迅速に対応します。日時やエリア、診療科目からオンライン診療や服薬指導の予約が簡単に行え、クリニックや薬局をお気に入り登録でき、次回からスムーズに予約が可能です。

 

処方箋のQRコードをスキャンすることで、アプリ内のおくすり手帳に簡単に登録できます。処方薬は自宅への郵送が可能で、最短で当日中に受け取れます。

まとめ

頭皮湿疹は、頭皮にかゆみや赤みが出る状態です。これを防ぐためには、まず原因を理解しないといけません。たとえば、ストレスや不適切なヘアケア製品が原因になることがあります。対処法としては、生活習慣を見直したり、使っているシャンプーやコンディショナーを変えてみると良いでしょう。それでも症状が続く場合は、皮膚科の専門医に相談するのが安心です。

 

また、日常的にストレスを減らす方法を見つけたり、頭皮を清潔に保つことも予防に役立ちます。これらの習慣を身につけることで、頭皮湿疹を防ぎ、健康な頭皮を維持しましょう。

コメント 清潔な頭皮環境を保つためには、基本的に毎日シャンプーを行うことが推奨されます。ただし、乾燥肌や敏感肌の方は頻度を調整してください。シャンプー前に予洗いをして、適量のシャンプーを手でよく泡立ててから頭皮に塗布します。指の腹で1〜2分間優しくマッサージし、爪を立てないように注意しましょう。その後、シャンプーが残らないようにしっかりすすぎます。自分の頭皮タイプに合ったシャンプーを選び、過度なスタイリング剤の使用は控え、定期的な頭皮マッサージで血行を促進することも効果的です。かゆみや炎症、脱毛などの異常を感じたら、早めに皮膚科専門医に相談してください。

監修医コメント

医師
松澤 宗範

清潔な頭皮環境を保つためには、基本的に毎日シャンプーを行うことが推奨されます。ただし、乾燥肌や敏感肌の方は頻度を調整してください。シャンプー前に予洗いをして、適量のシャンプーを手でよく泡立ててから頭皮に塗布します。指の腹で1〜2分間優しくマッサージし、爪を立てないように注意しましょう。その後、シャンプーが残らないようにしっかりすすぎます。自分の頭皮タイプに合ったシャンプーを選び、過度なスタイリング剤の使用は控え、定期的な頭皮マッサージで血行を促進することも効果的です。かゆみや炎症、脱毛などの異常を感じたら、早めに皮膚科専門医に相談してください。

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監修医師 松澤 宗範
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科

皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科 皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療 2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
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