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これってダニ刺され?あせも(汗疹)との違いや見分け方、対処方法について詳しく解説

監修医師 高藤 円香
更新日:2024年09月30日

更新日:2024年09月30日

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夏になると、肌にかゆみや赤みが出ることがあります。それがダニに刺されたのか、あせも(汗疹)なのか、判断は難しいかもしれません。この違いを理解することで、適切な対処法を選ぶことが可能です。

この記事では、ダニ刺されとあせもの違いや見分け方、そしてどのように対処すればよいかを詳しく説明します。夏の皮膚症状に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。早めに適切なケアをして、肌トラブルを防ぎましょう。

これってダニ刺され?

肌に赤いポツポツとした発疹が出た場合、それがダニの仕業か、あせもや他の虫刺されによるものか迷うかもしれません。かゆみや腫れといった症状は、原因が似ているため、判断が難しいことがほとんどです。

ダニに刺された時の症状と特徴

家の中で人を刺すダニは、主に「イエダニ」と「ツメダニ」の2種類です。ダニは夜間に、寝具にもぐりこみます。

 

イエダニは、主にネズミに寄生して血を吸うダニです。5月から9月にかけて多く発生し、人を刺すこともあります。特にズボンの裾などから衣服の中に入り、柔らかい肌の部分を狙って吸血します。腕や顔などの露出している部分ではなく、衣類で覆われている下腹部やわきの下、腰や内ももなどが刺されやすいのが特徴です。

 

ツメダニは、梅雨や秋頃に特に増えます。本来は血を吸わないダニですが、半袖や短パンで畳の上に寝転がったときなどに、偶然刺されることがあります。

 

どちらのダニに刺されても、当日から翌日には赤みやかゆみが出ることがほとんどです。肌に赤い発疹ができ、かゆみは3〜4日から、長ければ1週間以上続くこともあります。また、同じ部屋で寝ていても、体質や寝る位置によって、ダニに刺されやすい人とそうでない人がいます。

あせも(汗疹)との違い

あせもは、大量に汗をかくことで起こる皮膚のトラブルで、ブツブツや水ぶくれができることがあります。医学的には「汗疹(かんしん)」と呼ばれる皮膚の発疹です。

 

夏の暑くて湿度が高い時期に多く見られ、汗をかきやすい環境で汗の通り道である汗管が詰まると、皮膚の中に汗が溜まり刺激となって炎症を引き起こします。あせもは、かゆみを伴うことが多く、首やわき、背中、おしり、服やベルトで締め付けられる部分など、汗をかきやすい場所にできやすいのが特徴です。

ダニとあせもを見分けるポイント

あせもは夏の暑い季節に発生しやすく、ダニが増える時期とも重なるため、見分けが難しいかもしれません。あせもとダニ刺されの両方に、かゆみや腫れといった似た症状が現れるからです。ただし、かゆみが発生する場所によって、特定しやすくなります。

 

あせもは、肘の内側、膝の裏、脇の下、首など、特に肌同士がこすれやすい部分に発生することがほとんどです。これらの部分に汗が溜まり、上手く排出が出来ずに炎症が起こります。

 

一方、ダニ刺されは衣服の下に隠れている部分、特に下腹部、脇腹、腿の内側など皮膚が柔らかい部分を好んで刺します。

ダニの種類

ダニにはさまざまな種類があり、人を刺すダニもその一部です。これらのダニは、大きく分けて「室内で見られるもの」と「屋外で見られるもの」に分類できます。

室内に生息するダニ

 

室内に生息するダニは、主にヒョウヒダニ(チリダニ)、コナダニ、ツメダニ、イエダニです。そのなかで人を刺すダニは、ツメダニとイエダニになります。

ツメダニ

ツメダニは、梅雨時や秋口に増殖し8月から9月にかけて被害が増えます。ツメダニは、ヒョウヒダニやコナダニなどを捕まえて体液を吸います。通常、室内には、あまり生息しません。ただし、築後2〜3年経過した家や新しい畳で、ヒョウヒダニやコナダニが大量発生した場合、それを食べるツメダニも増えることがあります。

 

吸血しませんが、夜間に人を刺すことがあります。刺された瞬間は痒みや腫れは感じません。1〜2日後に赤く腫れて痒みが出ることがあり、これが1週間ほど続くことがあります。刺されやすい場所は、大腿部、上腕部の内側、腹部や腰部などで、ふとんや畳に接した部分が被害を受けやすいです。

イエダニ

イエダニはネズミや鳥に寄生して血を吸うダニです。宿主であるネズミが死んだり、ネズミの巣で大量発生したりすると、人間にも吸血することがあります。その場合、皮膚炎を引き起こすことがあります。

 

ネズミが家にいる場合、イエダニもいるかもしれません。5月頃から見られ始め、6月から9月が最も多く発生し、この時期に人への被害も集中します。割れ目や暗い場所に潜み、通常は夜間に活動し、腹部や太ももを狙って刺します。

野外に生息するダニ

屋外でダニに刺された場合は、マダニの可能性が考えられます。マダニは屋外に生息する大きなダニで、感染症を広げる可能性があります。

マダニ

マダニは肉眼で見える大きなダニで、成虫の大きさは3〜10mmほどです。春から秋にかけて活発に活動し、特に10〜11月がピークになります。冬に活動する種類もおり、山や公園、河川敷、草地、庭など身近な場所でも見かけることが増えています。

 

もしマダニに刺された、または刺されたかもしれない場合は、すぐに皮膚科などの医療機関で診てもらいましょう。刺された場所や日時、状況を医師に正確に伝えることも重要です。マダニに刺されると、皮膚が赤く腫れて炎症を起こすことがありますが、かゆみを感じないことが多く、吸血されていることに気づかない場合もあります。

 

吸血しているマダニを見つけた場合、無理に取ろうとするとダニの口器が皮膚に残ることがあるため、無理に取らないでください。つまんで取ろうとすると、ダニの体内の病原体が逆流する恐れもあります。吸血中のマダニを殺すと、ダニの口が皮膚の中に残る可能性があるので、殺さずに医療機関で適切な処置を受けてください。

ダニに刺されやすくなる環境

ダニは非常に小さいため、目で見つけるのが難しいかもしれません。しかし、ダニが好む環境を理解することで、効果的な対策が可能になります。ダニが繁殖しやすい環境には、適度な温度、湿度、そしてエサが必要です。

人のフケやアカ、カビ、食べ残しが落ちている

ダニは、人のフケやアカ、髪の毛、食べ残しなどをエサにして繁殖します。これらは生活の中で知らないうちに部屋に落ちてしまうことが多いため、こまめに掃除をしましょう。

梅雨から夏にかけての高温多湿な時期

室温が25〜30℃、湿度が60%以上の場所が、ダニにとっては理想的です。梅雨の時期など、高温多湿になりやすい季節には、室内でダニが増えやすくなります。しかし、風通しが悪く湿気がこもりやすい部屋や掃除が行き届いていない場所では、季節を問わずダニが発生することがあります。

布団やカーペット、畳などは要注意

寝具もダニの温床になりやすいです。枕やマットレス、掛布団などは、髪の毛やフケ、皮脂が溜まりやすく、寝汗によって湿気や熱もこもりやすい場所です。そのため、ダニが発生しやすいといえます。

 

さらに、ソファやカーペット、畳などもダニが好む場所です。これらは丸洗いが難しいため注意しましょう。

発生してしまったダニの駆除方法

すでにダニが増えてしまっている場合、掃除機だけでは完全に駆除できません。布団のダニを駆除するには布団乾燥機を使いましょう。ダニは布団やソファの繊維にしっかりとしがみついているため、掃除機では取り除きにくいためです。

 

布団乾燥機を使って60℃以上の温度で1時間程度乾燥させると、ダニを退治できます。布団乾燥機には「ダニ退治モード」が備わっているものもあるので、確認してみましょう。もし布団乾燥機を持っていない場合は、コインランドリーの高温乾燥機を利用してください。乾燥機にかけた後は、布団クリーナーを使って布団に残ったダニの死骸を取り除きます。

 

部屋全体にダニが繁殖してしまっている場合は、燻煙剤を使う方法があります。燻煙剤を部屋に充満させることで、一気に部屋中のダニを死滅させることが可能です。燻煙剤を使用した後は、掃除機をかけてダニの死骸を取り除いてください。ただし、燻煙剤を使う際には家電や火災報知器、寝具などにカバーをつける必要があるため、少し手間がかかります。また、薬剤を使用するため、子どもやペットがいる家庭では十分に注意しましょう。

ダニに刺された時の対処方法

ダニによる虫刺されは、強いかゆみと炎症を引き起こし、適切にケアしないと掻き壊して湿疹や色素沈着を起こすことがあります。これを早くきれいに治すためには、ステロイド外用剤を使いましょう。

 

ステロイドは、かゆみや腫れの原因となる炎症を強力に抑える効果があります。市販のステロイド外用剤の中には、掻き壊してしまった虫刺されにも使えるように抗生物質が配合されたものもあります。虫刺されは掻かないことが大切ですが、どうしても掻いてしまう場合や、掻き壊してしまった場合には、抗生物質入りのステロイド外用剤を使うと良いでしょう。

 

ただし、患部がひどく腫れていたり、痛みがあったり、広範囲に症状が出ている場合は、医療機関を受診して医師の治療を受けることが必要です。

症状が改善しない場合は早めに医師に相談しましょう

ダニや虫刺されによる症状か分からない場合や症状が自分で対処しても改善しない場合、症状が広範囲にわたる場合は、早めに医療機関を受診してください。医師の指示に従って適切な治療を受けることが重要です。

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まとめ

ダニ刺されとあせもは見た目が似ているため、ポイントを押さえて判断しましょう。ダニは、わき腹や下腹部・ふとももの内側などにぷつぷつの赤い発疹が見られます。あせもは、汗がたまりやすい首元・ひじやひざ裏などに起こり、皮膚が面状に赤くなるのが特徴です。

 

発疹がひどい場合や広範囲になる場合、屋外でマダニに刺された場合は医療機関を受診しましょう。ダニが原因の場合は、ダニが生息しやすい環境にならないように気を付けてください。

コメント ダニ対策として普段お勧めしているのは、ソファやベッドの環境作りです。ソファやベッドには無数のダニの死骸があると言われています。そのダニの死骸と生活をともにすることはアレルギー発症のリスクとなります。まずは生きたダニを退治することを習慣に、こまめに掃除をすることはダニによるアレルギーを防ぐには最も有効です。また、絨毯や毛の敷物などダニが好むものを出来るだけ避け、ダニが住み着かないような環境づくりを心がけてみてくださいね。

監修医コメント

医師
高藤 円香

ダニ対策として普段お勧めしているのは、ソファやベッドの環境作りです。ソファやベッドには無数のダニの死骸があると言われています。そのダニの死骸と生活をともにすることはアレルギー発症のリスクとなります。まずは生きたダニを退治することを習慣に、こまめに掃除をすることはダニによるアレルギーを防ぐには最も有効です。また、絨毯や毛の敷物などダニが好むものを出来るだけ避け、ダニが住み着かないような環境づくりを心がけてみてくださいね。

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監修医師 高藤 円香
経歴は防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科 保有免許・資格は皮膚科専門医
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