アレルギーで湿疹が出るって本当?原因や対処方法について詳しく解説
更新日:2024年09月30日
この記事では、アレルギーによる湿疹の原因や対処方法について詳しく解説します。アレルギーが原因の湿疹に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
アレルギーで湿疹が出るって本当?
アレルギーによる湿疹は、体が特定の物質に対して過敏に反応することで起こる肌のトラブルです。たとえば、特定の食べ物や化学物質に触れると、免疫システムが過剰に反応し、肌に赤い腫れやかゆみが現れます。これには、食物アレルギーやアレルギー性接触皮膚炎が主な原因として挙げられます。湿疹は、赤く腫れた部分が広がり、強いかゆみを伴うことがほとんどです。
湿疹とは
湿疹(皮膚炎)は、皮膚が赤くなったり、かゆくなったりする状態です。これは、皮膚が何らかの刺激やアレルギー反応に対して、過剰に反応することで起こります。湿疹が発生すると、皮膚がかゆくなり、掻くことでさらに悪化することがあります。湿疹は、赤い発疹や小さな水ぶくれができることがあり、かゆみを伴うことがほとんどです。
湿疹の原因はさまざまで、たとえば、化学物質や植物、金属などに触れることで起こる「接触皮膚炎」や、アレルギー反応によるものがあります。また、ストレスや乾燥した肌も湿疹の原因となることがあります。
アレルギーとは
私たちの体には、細菌やウイルスなどの有害なものから身を守るための「免疫」という仕組みがあります。しかし、現代の環境や生活習慣の変化によって、この免疫が過剰に反応してしまうことがあります。これがアレルギーです。アレルギーが起こると、くしゃみや発疹、呼吸困難などの症状が現れます。
アレルギーにはいろいろな種類があります。たとえば、食べ物やカビ、花粉などアレルギーが出るものは多岐に及びます。鼻に症状がでるとアレルギー性鼻炎、目に症状が出るもアレルギー性結膜炎と呼ばれ、アトピー性皮膚炎はなんらかにアレルギー反応があると悪化します。
アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン」と呼び、食べ物や花粉、ダニなどがあります。これらのアレルゲンが体内に入ると、免疫システムがそれを異物とみなし、排除しようとします。このとき、体内でつくられる物質が「IgE抗体」です。これを「感作」といいます。
一度感作が成立すると、再び同じアレルゲンが体内に入ったときに、IgE抗体がアレルゲンにくっつきます。すると、マスト細胞という細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出され、アレルギー症状が引き起こされるのです。
I型(即時型)アレルギー
Ⅰ型アレルギーは、アレルゲンに触れてからすぐに反応が出るアレルギーです。たとえば、花粉や食べ物にアレルギーがある人がそれに触れると、15分から30分で皮膚に赤みや腫れが出ることがあります。
アレルゲンが体内に入ると化学物質が放出され、筋肉が収縮したり、血管が広がったり、腺が多くの分泌物を出したりします。これがアレルギー反応の原因です。Ⅰ型アレルギーによる代表的な症状には、喘息、鼻炎、じんましん、結膜炎、皮膚炎、アナフィラキシーショックなどがあります。
IV型(遅延型)アレルギー
Ⅳ型アレルギーは、反応が現れるまでに1日から2日かかるため、「遅延型アレルギー」とも呼ばれます。このアレルギーは、抗体ではなく、T細胞という免疫細胞が主に関与します。代表的なものはツベルクリン反応、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎です。
ツベルクリン反応は、結核菌に対する免疫反応を調べるためのもので、結核菌に感染したことがある人は注射した部分が赤く腫れます。これは、T細胞が結核菌を覚えていて、再び反応するためです。一方、アトピー性皮膚炎は、ダニやハウスダストに対するアレルギー反応です。これもT細胞が関与しており、皮膚がかゆくなったり、赤くなったりします。接触皮膚炎は、特定の物質に触れることでT細胞が活性化され、炎症が起こるものです。
アレルギー性湿疹のメカニズム
アレルギー反応は、体が特定の物質(アレルゲン)に対して過剰に反応することで起こります。ほこりや花粉、特定の植物、金属、薬品、化粧品、衣類などがアレルゲンです。アレルゲンが体内に入ると、免疫システムがそれを異物と認識し抗体を作ります。次に同じアレルゲンが入ってきた場合、免疫システムが「有害な物質」として認識し、炎症やかゆみを引き起こしてしまうのです。
誰にでも起こるわけではなく、特定のアレルゲンに対してアレルギーを持っている人にのみ発症します。アレルゲンの種類や濃度、量によって異なりますが、アレルギーが成立するまでには通常2週間ほど必要です。しかし、場合によっては半年ほどかかることもあります。一度アレルギーが成立すると、次に同じアレルゲンに触れた際には数時間から1日程度で反応が現れることがほとんどです。ただし、3〜7日後に症状が出ることもあります。
つまり、アレルギー反応とは体の防御システムが過剰に働いてしまうことで、自分自身にダメージを与えてしまう状態です。アレルギー体質の人は、乾燥やストレスなどで皮膚のバリア機能が低下すると、皮膚炎を起こしやすくなります。
アレルギーによる湿疹の症状
湿疹は皮膚の炎症で、かゆみや赤み、小さなブツブツや水疱などが現れることがあります。
アレルギーによる接触皮膚炎
強いかゆみを伴う広範囲のかぶれが特徴です。小さなブツブツ(丘疹)や水ぶくれができ、かさぶたになったり、つぶれてただれたりすることがあります。原因物質に触れていない部分にも症状が広がることがあります。
アレルギーによる手湿疹
手湿疹はアレルギー性と刺激性の2種類があります。アレルギー性の手荒れは、かゆみと赤みが特徴です。一方、刺激性の手荒れは、皮膚の乾燥や硬化(角化)、ひび割れによる痛みが主な症状で、2つが混じった混在型もよく見られます。特に、手指が乾燥して硬くなり、亀裂ができて指紋が見えにくくなる状態は、進行性指掌角皮症と呼ばれます。
アレルギーによる湿疹の予防方法と治療方法
かゆみや炎症を防ぐためには、まず原因となる物質や刺激を避けることが大切です。かゆいからといって掻いてしまうと、症状が悪化し、さらに広がることがあります。これを防ぐためには、患部を掻かないようにしてください。手湿疹の場合は、こまめにハンドクリームを塗って保湿しましょう。かゆみや炎症を抑えるためには、ステロイドの外用薬や抗ヒスタミン薬の内服が効果的です。
予防方法
アレルギーによる湿疹を予防するためには、以下のポイントに注意すると良いでしょう。
原因物質を避ける
アレルギーの原因となる物質が分かっている場合は、それを避けることが大切です。例えば、花粉や特定の食べ物などです。原因物質に触れないように心がけましょう。
皮膚を掻かない
かゆみがあっても、できるだけ皮膚をかかないようにしましょう。かゆみが強い場合は、タオルでくるんだ保冷剤などで冷やすと、かゆみが和らぎます。
刺激物を避ける
湿疹が出ているときは、紫外線や天然ゴム製品、アルコールなどの刺激物に触れないようにしましょう。これらは症状を悪化させる可能性があります。
肌の清潔を保つ
肌を清潔に保ち、しっかりと保湿することで、肌のバリア機能を高められます。これにより、湿疹の予防につながります。
治療方法
湿疹による炎症やかゆみを抑えるため、ステロイド外用薬・内服薬、抗アレルギーや抗ヒスタミン薬などを使用します。ステロイド薬は、炎症を強力に抑える効果があり、症状が重い場合には強めのものを使います。抗アレルギー薬は、アレルギー反応を抑える薬です。また、抗ヒスタミン薬は、かゆみを引き起こすヒスタミンという物質の作用をブロックする薬になります。
症状が改善しない場合は早めに医師に相談しましょう
原因が不明な場合、それがストレスになることがありますが、原因がわからなくても症状を和らげる方法はあります。症状が強い、長引く、または繰り返す場合は、早めに皮膚科を受診して医師に相談しましょう。
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まとめ
アレルギーが原因で、湿疹が発生することは珍しくありません。原因や症状はさまざまで個人差があります。アレルゲンを特定し、できるだけ接触を避けることが一番の対策です。
湿疹が発生した場合は、早めに適切な対処を行うことで、症状の悪化を防げます。医療機関を受診し、アレルギーの原因が分からない場合でも、湿疹に対する改善が期待できます。湿疹が辛いときは、我慢せずに早めに医師に相談しましょう。
医師
高藤 円香
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