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子どもの急な発熱はどうしたらいい?家庭でできる対処法について詳しく解説

監修医師 山田 克彦
更新日:2024年10月21日

更新日:2024年10月21日

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子どもが急に熱を出すと、親としてはとても心配になりますよね。高熱が出たときにどうすればいいのでしょうか?すぐに病院に行くべきか、それとも家で様子を見るべきか、迷うかもしれません。

この記事では、子どもが急に熱を出したときに家庭でできる対処法や、注意すべき症状について詳しく説明します。正しい対処法を知っておくことで、落ち着いて対応し子どもの体調が早く良くなるようにサポートできます。

子どもの急な発熱はどうしたらいい?

急な発熱の原因の多くは、ウイルスによる感染症です。突然高熱が出ると、重い病気ではないかと心配になることもあります。しかし、高熱が必ずしも重症を意味するわけではありません。

 

まずは、41度以上の熱が出ていないか、また他にどんな症状があるかを確認することが大切です。心配な場合は、医療機関に相談しましょう。

子どもの発熱について

小さな子どもは、まだ脳が発達途中のため、一定の平熱がありません。10〜15歳くらいまで平熱が安定しないことがほとんどです。過去の研究では、小学校1年生の半分、4年生の3割が37.0℃を超える体温を持っていたことがわかっています。

 

子どもの体温は環境の影響を受けやすく、運動や食事の後、眠くなった時、疲れた時などに上がることがあります。一般的に、小児科では37.5℃を超えると発熱の可能性があると考えますが、必ずしも病気によるものとは限りません。たとえば、夏の暑い日や温かい部屋に長くいると「うつ熱」と呼ばれる状態になり、体温が上がることがあります。

 

病気による発熱の場合、急に体温が上がると悪寒や震えが見られることがあります。これが、悪寒戦慄です。この時、体は熱く感じるのに手足は冷たくなり、反応が鈍くなったり、手足がピクピク動いたりすることがあります。熱が上がりきると、顔が赤くなり、手足も熱くなります。

子どもが発熱する原因

子どもの発熱の原因には、風邪や扁桃炎、気管支炎、インフルエンザ、はしか、おたふく風邪、水ぼうそうなどの感染症のほかに川崎病などがあります。たとえば、扁桃炎ではのどの奥に白いブツブツが見え、おたふく風邪では頬が腫れます。これらの病気の場合、発熱があっても一晩様子を見て、翌日医療機関に連れて行っても大丈夫なことがほとんどです。安静にし、手足や頬などの熱を冷やし、水分をしっかり補給しましょう。

 

しかし、注意が必要な病気もあります。髄膜炎や肺炎です。髄膜炎の場合、頭痛や機嫌が悪い、おう吐やけいれん、意識がおかしい、呼びかけても反応しない、などの症状が見られ、特に細菌性髄膜炎では非常に重症な様子になります。肺炎の場合は痰がゴロゴロ絡んで呼吸が苦しくなり、高熱でも顔色が悪くなることがあります。髄膜炎を疑った時、肺炎を疑って呼吸が苦しそうな場合はただちに医療機関に連絡してください。

 

【子どもがかかりやすいウイルス性感染症】

 

扁桃炎

急性扁桃炎は、のどの痛みから始まり、症状が進行すると食べ物を飲み込むのが難しくなったり、唾液を飲み込むのもつらくなる病気です。高熱が出たり、関節が痛くなったり、頭痛がすることがあります。首のリンパ腺が腫れることもあり、扁桃腺が赤く腫れて白い膿がつく症状も特徴です。また、扁桃炎はウイルスではなく細菌感染症の場合があります。

気管支炎

気管支炎は、気管支という肺に繋がる管が炎症を起こす病気です。この病気になると、咳が出たり、鼻水が出たり、息を吐くときにゼーゼーやヒューヒューといった音がする症状がみられます。また、熱が上がったり下がったりを繰り返し、時には39度以上の高熱が出ることもあります。

 

インフルエンザ

子どものインフルエンザの初期症状は、急に38℃以上の高熱が出ることがほとんどです。これに加えて、頭痛や関節痛、のどの痛みが現れることがあります。風邪との違いは、インフルエンザは症状が急に現れ、全身がだるくなったり、関節が痛くなったりすることが多い点です。風邪は徐々に症状が出ることが多く、全身症状はあまり見られません。

 

はしか

最初の2〜3日間は、発熱とともに咳や鼻水、目やにが出るため、普通の風邪と見分けがつきにくいことが特徴です。一度熱が下がりますが、再び39〜40度の高熱が出て、全身に赤い発疹が広がります。この発疹は、ひどい場合には皮膚の白い部分が見えなくなるほど広がりますが、かゆみはありません。

 

おたふく風邪

おたふく風邪は、耳の下やあごの下が腫れる病気です。多くの子どもは両方の耳の下が腫れますが、片方だけ腫れることもあります。腫れは1〜3日で最もひどくなり、1週間ほどで治まります。また、熱が出ることもありますが、3〜4日で下がります。

 

水ぼうそう

水ぼうそうは発熱が3〜4日間続き、その間に体がだるくなったり、食欲がなくなったり、頭が痛くなったりします。その後、同じ頃から、体のあちこちから赤い発疹が現れ、透明な水ぶくれに変化し、さらに水ぶくれの中が白っぽくにごり、最後に黒いカサブタがつきます。水ぼうそうの発疹は全身にできますが、頭部の髪の毛が生えている所や陰部にも水ぶくれができるのが特徴です。

子どもが発熱した時の対処方法

体にウイルスや細菌が入ると、体はそれらと戦うために熱を出します。これは体の防御反応の一つです。発熱のみで他に気になる症状がない場合の対処法は、以下のことが大切です。

安静にさせる

熱が出ると、体は通常よりも多くのエネルギーを消費します。これは、体温を上げるために必要なエネルギーが増えるためです。このため、体が疲れやすくなり、消耗しやすくなります。

 

さらに、体を動かすと筋肉が熱を生み出します。これにより、体温がさらに上がってしまうことがあります。だからこそ、発熱時には体を休めることが大切です。安静にすることで、体力の消耗を防ぎ、体温の上昇を抑えられます。

こまめに水分補給をさせる

発熱時には、体がたくさんの水分と塩分を失うため、脱水症状を防ぐために水分補給が非常に重要です。熱が出ると、汗をかいたり呼吸が荒くなったりすることで、体内の水分がどんどん失われてしまいます。

 

水分補給のポイントは、一度に大量に飲むのではなく、少しずつこまめに飲むことです。飲みたいものを選ばせてあげると良いでしょう。

食欲があれば消化がよいものを食べさせる

熱が高いときは体がたくさんのエネルギーを使うため、エネルギーやたんぱく質が豊富な食べ物を摂ることが大切です。たとえば、たまご雑炊やヨーグルト、りんご果汁、煮込みうどんなどが良いでしょう。これらの食べ物は消化が良く、体に必要な栄養を補給できます。一方で、脂っこいものや消化に悪いもの、お菓子などは避けるようにしてください。

 

普段の食事を続けても問題ありませんが、もし口やのどに痛みがあって食べにくい場合は、のどごしが良くて消化しやすい食べ物がおすすめです。スープやおかゆ、ゼリーなどが適しています。また、食欲がないときは無理に食べなくてもかまいません。その代わりに、水分補給を心がけましょう。

温度・湿度を適切に保つ

熱を逃がすために涼しい環境を保つことも大切です。昔は、体を温めて汗をかかせるのが良いとされていましたが、汗が出ない場合は体温がさらに上がってしまうことがあります。そのため、熱が上がりきって暑がっているタイミングでは涼しくして体温を下げる方が楽です。

 

少しでも快適に過ごせるようにするためには、室温を夏場は25〜28℃、冬場は23〜25℃を目安にしましょう。また、発熱に加えて咳や喉の痛みがある場合、空気が乾燥していると症状が悪化しやすくなります。加湿器を使ったりして、湿度を40〜60%に保つと良いでしょう。

クーリングを行う

寒気がする場合は、体がまだ熱を上げようとしている段階です。このときは、体を温めましょう。熱が上がりきって汗をかいたり、暑く感じたりする場合は、体が熱を下げようとしているサインです。わきの下や首筋、足の付け根など、太い血管が通っている部分にタオルに包んだ保冷剤をあてると、効率よく体を冷やせます。

つらい時は解熱鎮痛薬を使う

解熱剤は病気自体を治すものではありませんが、高熱で苦しい場合には使用しても問題ありません。ただし、服用する際は必ず6時間以上の間隔を空けるようにしましょう。通常、解熱剤で熱はある程度下がりますが、熱の勢いが強い時は下がりませんし、下がらないからと言って慌てる必要はありません。

解熱剤の正しい使い方

解熱剤の使用については、熱が高くて不機嫌になったり、ぼんやりして水分や食事が取りにくくなったり、眠れなくなったりする場合に検討しましょう。発熱による苦痛が強いときには、解熱剤を使って体温を少し下げることで、症状を和らげられます。これにより、食事や水分を摂りやすくなり、体力を消耗せずに回復を助けられます。

 

ただし、解熱剤は病気そのものを治す薬ではありません。発熱の原因となっている物質の働きを一時的に抑えて熱を下げるだけです。そのため、平熱まで下がることもあれば、病気の勢いが強くて解熱剤を使ってもなかなか熱が下がらないこともあります。解熱剤はあくまで一時的に症状を和らげるための薬なので、楽にする目的で適切に使用してください。

解熱剤の種類

解熱剤には、飲み薬と座薬の2種類があります。どちらも同じ成分を含んでいるため、効果は同じです。ただし、熱が高くてぐったりしている場合には、飲み薬を飲ませるのが難しいかもしれません。そんな時には、座薬を使うと良いでしょう。

解熱剤服用時の注意事項

子どもの場合、解熱剤は体重に合わせて処方されています。そのため、家族で同じ解熱剤を使い回すのは避けてください。使用量が合ってない場合、予期しない副作用が出る可能性があります。また、解熱剤を1回使用したら、次に使うまでに6〜8時間は間隔をあけるようにしましょう。用法と用量を守ることが大切です。

子どもの熱が出たときのNGケア

発熱したときに避けるべきケアについて紹介します。

自己判断で市販の解熱剤を使わない

市販薬を子どもに使う際には、薬の説明書に、その薬が使用できる年齢が記載されています。これは、子どもの肝臓や腎臓がまだ発達途中であり、薬を適切に代謝・排泄できない場合があるためです。

 

たとえば、アセトアミノフェンは子どもでも使用できますが、イブプロフェンは15歳未満には基本的に使用できません。大人が普段使っている薬を、量を調整すれば子どもにも使えるというわけではないのです。子どもに市販薬を使う際には、必ず説明書を確認し、適切な年齢であるかどうかを確認することが大切です。

むやみに体を冷やさない

熱が上がるのは、体がウイルスや細菌と戦っている証拠です。体温を上げることで、これらの病原体を退治しようとしています。ですからクーリングで熱を下げる事は、良いことばかりではありません。熱が高くても普段とあまり機嫌が変わらなければ熱を下げずに様子を見るのも正しい選択肢です。

特に子供の場合、熱が上がると寒がったり震えたりすることがあります。体は熱いのに手足が冷たいときは、体を冷やさずに温めてあげるのが大切です。たとえば、毛布で包んであげたり、暖かい飲み物を飲ませたりすると良いでしょう。

無理にお風呂に入れない

風邪をひいて熱があるときは、お風呂に入るのを控えましょう。お風呂に入ると体力を消耗してしまい、症状が悪化することがあります。ただし、体が汚れたままだとウイルスや細菌が増えやすくなるので、お風呂に入れない日が続くようなら蒸しタオルで体を拭いて清潔に保つことが大切です。

 

もし熱がそれほど高くなく、元気がある場合はお風呂に入ってもかまいません。ただし、発熱時は脱水症状になりやすいため、ぬるめのお湯に短時間だけ入るようにしましょう。また、お風呂から出た後は湯冷めしないように注意してください。

熱を無理に下げるのはNG

子どもが熱を出すと、親としては早く楽にしてあげたいと思うのは当然です。しかし、熱は体がウイルスと戦っている証拠になります。白血球が活発に働いてウイルスを排除しようとしているため、解熱剤で熱を下げる事は、良いことばかりではありません。また、解熱剤は病気を治しているわけではなく、一時的に熱を下げているだけなので、数時間でまた熱は上がってくるものだと思っておいてください。

なかなか症状がよくならない場合は医師に相談しましょう。

発熱しても、38℃以下で他に特別な症状がなく、食欲もあり機嫌が良い場合は、しばらく様子を見てもかまいません。ただし、急に高熱が出たり、熱が3〜4日以上続いたり、咳や嘔吐などの症状が見られる場合は、医師に相談しましょう。また、一度受診したが熱が下がらない場合や発疹が出ている場合にも、受診してください。

通院が難しい場合はオンライン診療もおすすめ

通院が難しい場合には、オンライン診療も一つの選択肢です。

オンライン診療とは

オンライン診療とは、インターネットを利用して自宅から医師の診察を受けられるサービスです。スマートフォンやパソコンを使って、ビデオ通話で医師と直接話せます。診察の予約、問診、診断、薬の処方箋の発行、そして支払いまで、すべてオンラインで完結します。これにより、病院に行かなくても医療サービスを受けられるため、特に忙しい方や移動が難しい方にとって便利な方法です。ただし、オンライン診療では対面診療と同じ診察はできません。オンライン診療の医師から対面診療を勧められた場合には助言に従ってください。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUはオンライン診療をよりスムーズに、そして便利にするためのサービスです。アプリを使うと、診察の予約から薬の受け取りまで、すべての手続きを簡単に行えます。薬は自宅に届けてもらうことも可能で、全国どこでも当日または翌日に受け取れます。

 

また、専門スタッフによるサポートがあり、使い方がわからないときも安心です。お気に入りのクリニックや薬局を登録しておくこともでき、お薬手帳もデジタル化できるため、健康管理が簡単になります。

まとめ

子どもが急に熱を出すと、慌ててしまうかもしれません。しかし、まずは落ち着いて対応することが大切です。まずは安静にして、水分をしっかり摂って、熱の様子を見守りましょう。

 

発熱以外に症状が出たり、子どもの様子が普段と違う場合は、早めに医療機関を受診してください。家庭でできる対処法をあらかじめ知っておくと、いざという時に冷静に対応できます。日頃から子どもの健康管理にも気を配りましょう。

コメント 子どもさんの発熱,特に初めての発熱では慌ててしまうことも多いと思います.ほとんどの場合に熱の程度では原因となる感染症やその他の病気を推定することはできませんが,発熱以外の症状が重い場合,例えば記事中にある髄膜炎を疑うような場合などと,3か月未満の赤ちゃんの38℃以上の発熱では一刻も早く小児科のある医療機関に連絡をとってください.その他の発熱は,まず落ち着いて家庭でできる看護をした上で,状態が許せばかかりつけの小児科医の先生がクリニックを開ける時間を待って診てもらってください.

監修医コメント

医師
山田 克彦

子どもさんの発熱,特に初めての発熱では慌ててしまうことも多いと思います.ほとんどの場合に熱の程度では原因となる感染症やその他の病気を推定することはできませんが,発熱以外の症状が重い場合,例えば記事中にある髄膜炎を疑うような場合などと,3か月未満の赤ちゃんの38℃以上の発熱では一刻も早く小児科のある医療機関に連絡をとってください.その他の発熱は,まず落ち着いて家庭でできる看護をした上で,状態が許せばかかりつけの小児科医の先生がクリニックを開ける時間を待って診てもらってください.

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監修医師 山田 克彦
大分医科大学(現・大分大学)医学部 卒業 / 現在は佐世保中央病院勤務 / 専門は小児科一般、小児循環器、小児肥満、小児内分泌、動機づけ面接
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