帯状疱疹で仕事は休むべき?うつるリスクと注意点を解説
帯状疱疹ってどんな病気?
帯状疱疹は、皮膚に痛みやかゆみを伴う赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れる病気です。適切な治療が遅れると後遺症が残ることもあるため、早期の対処が大切になります。
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原因とウイルスの仕組み
子どもの頃にかかることの多い水ぼうそうと同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因です。水ぼうそうが治った後も、このウイルスは背骨付近の神経に潜んだままになります。普段は免疫力によって活動を抑えられています。
加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下するとウイルスが再び活性化し、神経に沿って皮膚へ移動して発疹や痛みを引き起こすのが発症の仕組みです。この仕組みのため、帯状疱疹は誰にでも起こる可能性があり、一度発症しても再発することもあります。
どんな症状が出る?
帯状疱疹の初期症状は、体の左右どちらかの皮膚に「ピリピリ」「ズキズキ」といった神経痛のような痛みや、かゆみ、違和感が現れることです。その後、同じ場所に赤い発疹や小さな水ぶくれが帯状に連なって出てきます。
水ぶくれは破れてかさぶたとなり、皮膚症状はおおむね3週間ほどで治ります。しかし、発疹が治った後も痛みが長く残ることがあり、これが「帯状疱疹後神経痛(PHN)」です。この後遺症は特に高齢の方に多く、痛みが数ヶ月以上続くこともあります。また、発症部位によっては失明や難聴といった重い合併症を引き起こす場合があるため注意が必要です。
どんな方がかかりやすいのか
年齢が上がるほど発症しやすく、50歳を過ぎると発症率が高まります。子どもの頃に水ぼうそうにかかったことがない人は帯状疱疹にはなりません。日本では成人のおよそ9割が原因ウイルスを体内に持っているため、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を経験するといわれています。強いストレスを感じている方や疲れがたまっている方、がんの治療や免疫抑制剤を使っている方なども注意が必要です。
帯状疱疹はうつるの?
帯状疱疹は、もともと体内に潜んでいたウイルスが再び活性化することで発症する病気です。そのため、帯状疱疹そのものが他の人に直接うつることはありません。
帯状疱疹の感染ルート
帯状疱疹を発症した人の皮膚にできる水ぶくれの中には、水ぼうそうの原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスが含まれています。このウイルスは、主に水ぶくれに直接触れたり、破れた水ぶくれから漏れ出たウイルスが手や物に付着し、それを通じて他の人が触れることで感染が広がります。
すでに水ぼうそうにかかったことがある方にはうつりません。しかし、まだ免疫がない方は水ぼうそうとして発症してしまいます。家族の中に小さな子どもや妊婦がいる場合は、接触を避けるようにしましょう。
いつまで感染力がある?
感染力は、発疹が出ている間、すべての水疱が乾いて痂皮化するまでは続くとされています。水ぶくれがすべて乾いてかさぶたになると、ウイルスは外に出なくなるため感染力はほとんどありません。一般的には、症状が出てから1〜2週間ほどで水ぶくれがかさぶたに変わりますが、症状の進み方には個人差があるため、医師の指示を守ることが大切です。
日常生活で気をつけること
帯状疱疹を発症したときは、家族や周囲の人に感染を広げないように、いくつかのポイントに気をつける必要があります。水ぶくれ部分をガーゼや包帯で覆い、他の人が直接触れないようにしましょう。また、発疹に触れたあとはすぐに手を洗い、タオルや衣類などの共用は避けるのが望ましいです。
お風呂に入ること自体は問題ありません。家族に水ぼうそうにかかったことがない方がいる場合は、入浴は家族の最後にシャワーだけにするなど、接触を最小限にする工夫が安心です。もし不安がある場合は、早めに医師に相談しましょう。
帯状疱疹になったら仕事はどうする?休むべき?
痛みや発疹が強いと、仕事を続けるのが辛くなることもあります。仕事を休むべきかどうかは症状の程度や職場環境を考えて判断することが大切です。
判断のポイント
帯状疱疹は免疫力が低下したときに発症しやすく、無理をして働き続けると症状の悪化や治りの遅れにつながることがあります。痛みが強いときや体調が優れないときは、無理せず休息をとることが重要です。
医師から抗ウイルス薬などの治療を受けている場合は、指示を守って安静に過ごすことで回復が早まります。また、仕事の内容によっては出勤を控えたほうがよい場合もありますので、医師や職場に相談してみましょう。
出勤しないほうが良いケース
保育園や学校、病院など、乳幼児や妊婦、免疫力が弱い方と接する仕事をしている場合は、注意が必要です。帯状疱疹の水ぶくれにはウイルスが含まれているため、水ぼうそうにかかったことのない方に感染する可能性があります。
発疹がある間は感染リスクがあるため、こうした方と接する職場ではすべての水ぶくれがかさぶたになるまで、出勤を控えるよう求められることがあります。心配なときは職場の就業規則を確認し、必要に応じて医師の診断書を提出して安全に過ごせる環境を整えましょう。
仕事復帰のタイミングと体調管理
通常、発疹がすべてかさぶたになれば感染力がなくなるとされています。多くの場合、発症から1〜2週間ほどでかさぶたになりますが、治り具合には個人差がありますので、復帰のタイミングは医師と相談するのが安心です。
再発を防ぐためにも、仕事に復帰した後も無理をせず、十分な休息と睡眠をとり栄養バランスの良い食事を心がけましょう。ストレスや疲労がたまらないように体調を整えることが、帯状疱疹の早期回復と再発予防につながります。
帯状疱疹にかかったときにやってはいけない行動
間違ったケアや無理な行動は症状の悪化や回復の遅れに繋がることがありますので、注意しましょう。
激しい運動
帯状疱疹を発症したときは、体がウイルスと戦っている状態です。無理に運動をしたり、仕事で無理を重ねると、体に負担がかかり、免疫力がさらに低下して症状が悪化する恐れがあります。
ストレスや疲労は帯状疱疹の発症原因にもなるため、治療中はできるだけ安静にして、しっかりと休養をとることが重要です。体調が落ち着くまでは無理をせず、必要であれば仕事を調整するなどして体を労りましょう。
患部を冷やす
発疹は痛みやかゆみを伴うため、つい冷やしたくなるかもしれません。しかし、患部を保冷剤や湿布で冷やすと血流が悪くなり、かえって痛みが強くなることがあります。
帯状疱疹の痛みは神経の炎症によるものなので、冷やすよりも温めて血行を促すほうが痛みがやわらぐ場合があります。ただし、熱すぎるお風呂や長時間の入浴は刺激になることがあるため、適度な温度で清潔を保つようにしましょう。痛みがつらいときは、医師に相談して適切な方法で対処してください。
水ぶくれをつぶす
帯状疱疹では、水ぶくれができることが多く、気になって自分でつぶしてしまいたくなるかもしれませんが、これは絶対に避けてください。水ぶくれの中にはウイルスが含まれているため、手でつぶすとウイルスが周りに広がってしまったり、つぶした部分から細菌が入り込んで二次感染を起こす危険があります。
病院では必要に応じて清潔な環境で処置されますが、自宅で自分で行うのは避けましょう。水ぶくれは自然に乾いてかさぶたになりますので、無理に触らず、医師の指示に従って正しくケアすることが大切です。
帯状疱疹の治療方法は
ウイルスの増殖を抑えることと、強い痛みを和らげることが治療の基本となります。ここでは、治療法について解説します。
抗ウイルス薬
治療の中心となるのが、ウイルスの活動を抑える抗ウイルス薬です。この薬は、発疹が出てからできるだけ早く、できれば3日以内に飲み始めると治療効果が高いとされています。発症から5日以上経っていても、症状が進んでいたり合併症のリスクが高い場合には、医師の判断で投与が続けられることもあります。一般的には内服薬として1週間ほど服用しますが、症状が重い場合や免疫力が低下している方は、入院して点滴で抗ウイルス薬を投与することもあります。
鎮痛薬
痛みは日常生活に大きな支障をきたすことがあり、発疹が治まっても痛みが続く場合があります。この痛みを和らげるために使用するのが鎮痛薬です。
痛みの種類や程度によって処方される薬は異なり、一般的には内服薬が使われますが、痛みが強いときには注射薬や神経ブロックなど、専門的な治療が行われることもあります。痛みが長引いてしまうと「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という後遺症につながることもあるため、我慢せずに早めに医師に相談することが大切です。
塗り薬
治療には、飲み薬だけでなく、患部に直接塗る外用薬が使われることもあります。皮膚の赤みやかゆみ、炎症を抑える薬や、傷口を清潔に保つための抗菌薬などです。また、水ぶくれができた後に細菌感染を防ぐ目的で処方される場合もあります。塗り薬はあくまでも補助的な役割であり、基本的には抗ウイルス薬や鎮痛薬と併用して治療を進めます。
仕事への影響を避けるために予防しよう
忙しい時期に発症すると、十分な休養が取れず症状が長引くケースも少なくありません。こうしたリスクを減らすためには、日頃から予防を心がけることがとても大切です。
ワクチン接種でリスクを避ける
帯状疱疹を予防する方法として、50歳以上の方には予防接種という選択肢があります。予防接種を受けることで免疫を強化し、発症のリスクを減らせるだけありません。発症した場合でも症状が軽くなるという報告もあります。ワクチンは誰でも接種できるわけではないため、体調や持病などに不安がある方は、かかりつけの医師に相談してから検討しましょう。
免疫力を高める生活を心がける
ワクチンだけに頼るのではなく、日頃の体調管理も帯状疱疹予防には欠かせません。帯状疱疹は、加齢だけでなく疲労やストレスで免疫力が低下したときにも発症しやすくなります。
十分な睡眠をとり、栄養バランスの良い食事を心がけ、無理のない範囲で適度な運動を取り入れることが大切です。また、リラックスできる時間を意識して作り、ストレスをためないようにすることも予防につながります。忙しい毎日だからこそ、体調を整えて免疫力を維持し、帯状疱疹のリスクを減らしましょう。
帯状疱疹は早めの対処が大切、放置せず皮膚科を受診しよう
帯状疱疹は、痛みを伴うつらい症状だけでなく、後遺症として長期間続く神経痛を残すこともある病気です。原因のわからない片側の痛みや赤い発疹に気づいたら、我慢せず、できるだけ早く皮膚科を受診するようにしましょう。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
帯状疱疹は早期治療がとても重要ですので、体調が気になるときはオンライン診療をうまく活用し、治療のタイミングを逃さないようにしましょう。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、インターネットに接続されたスマートフォン、タブレット、パソコンなどを使って、医師とビデオ通話を通じて診察を受けられる医療サービスです。自宅にいながら、予約から問診、診察、薬の処方箋の発行、支払いまでをすべてオンラインで済ませられます。
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SOKUYAKUとは
SOKUYAKU(ソクヤク)は、オンライン診療をより便利に利用できるサービスです。診察の予約からお薬の受け取りまで、すべてのステップをアプリで簡単に完結できます。
専門スタッフによるサポートや、かかりつけのクリニック・薬局を登録しておける機能もあり、お薬手帳もデジタル化できるので管理がスムーズです。処方されたお薬は全国どこでも当日または翌日に自宅に届くため、忙しい方でも安心して治療を続けられます。
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まとめ
帯状疱疹は、感染リスクや体への負担を考えると、無理をして出勤するのではなく、体調や症状に合わせてしっかりと休養をとることが大切です。水ぶくれが残っている間は周りの方に感染させる可能性があるため、十分な注意が必要です。医師の指示に従い、適切な治療を受けながら無理をせず回復に専念しましょう。また、再発や症状の悪化を防ぐためにも、日頃から免疫力を維持する生活を心がけ、必要に応じてワクチン接種も検討してみてください。
「帯状疱疹にかかったけれど、仕事は休むべきなのか…」と、迷う方は少なくありません。帯状疱疹はウイルス性の感染症のため、発症中は他の方に感染する可能性もあります。そのため、症状の程度や職場の状況によっては、出勤を控える判断が必要になることもあるでしょう。この記事では、帯状疱疹の感染リスクや、仕事を休むべきか判断する際のポイント、注意しておきたい点について詳しく解説します。
帯状疱疹ってどんな病気?
帯状疱疹は、皮膚に痛みやかゆみを伴う赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れる病気です。適切な治療が遅れると後遺症が残ることもあるため、早期の対処が大切になります。
原因とウイルスの仕組み
子どもの頃にかかることの多い水ぼうそうと同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因です。水ぼうそうが治った後も、このウイルスは背骨付近の神経に潜んだままになります。普段は免疫力によって活動を抑えられています。
加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下するとウイルスが再び活性化し、神経に沿って皮膚へ移動して発疹や痛みを引き起こすのが発症の仕組みです。この仕組みのため、帯状疱疹は誰にでも起こる可能性があり、一度発症しても再発することもあります。
どんな症状が出る?
帯状疱疹の初期症状は、体の左右どちらかの皮膚に「ピリピリ」「ズキズキ」といった神経痛のような痛みや、かゆみ、違和感が現れることです。その後、同じ場所に赤い発疹や小さな水ぶくれが帯状に連なって出てきます。
水ぶくれは破れてかさぶたとなり、皮膚症状はおおむね3週間ほどで治ります。しかし、発疹が治った後も痛みが長く残ることがあり、これが「帯状疱疹後神経痛(PHN)」です。この後遺症は特に高齢の方に多く、痛みが数ヶ月以上続くこともあります。また、発症部位によっては失明や難聴といった重い合併症を引き起こす場合があるため注意が必要です。
どんな方がかかりやすいのか
年齢が上がるほど発症しやすく、50歳を過ぎると発症率が高まります。子どもの頃に水ぼうそうにかかったことがない人は帯状疱疹にはなりません。日本では成人のおよそ9割が原因ウイルスを体内に持っているため、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を経験するといわれています。強いストレスを感じている方や疲れがたまっている方、がんの治療や免疫抑制剤を使っている方なども注意が必要です。
帯状疱疹はうつるの?
帯状疱疹は、もともと体内に潜んでいたウイルスが再び活性化することで発症する病気です。そのため、帯状疱疹そのものが他の人に直接うつることはありません。
帯状疱疹の感染ルート
帯状疱疹を発症した人の皮膚にできる水ぶくれの中には、水ぼうそうの原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスが含まれています。このウイルスは、主に水ぶくれに直接触れたり、破れた水ぶくれから漏れ出たウイルスが手や物に付着し、それを通じて他の人が触れることで感染が広がります。
すでに水ぼうそうにかかったことがある方にはうつりません。しかし、まだ免疫がない方は水ぼうそうとして発症してしまいます。家族の中に小さな子どもや妊婦がいる場合は、接触を避けるようにしましょう。
いつまで感染力がある?
感染力は、発疹が出ている間、すべての水疱が乾いて痂皮化するまでは続くとされています。水ぶくれがすべて乾いてかさぶたになると、ウイルスは外に出なくなるため感染力はほとんどありません。一般的には、症状が出てから1〜2週間ほどで水ぶくれがかさぶたに変わりますが、症状の進み方には個人差があるため、医師の指示を守ることが大切です。
日常生活で気をつけること
帯状疱疹を発症したときは、家族や周囲の人に感染を広げないように、いくつかのポイントに気をつける必要があります。水ぶくれ部分をガーゼや包帯で覆い、他の人が直接触れないようにしましょう。また、発疹に触れたあとはすぐに手を洗い、タオルや衣類などの共用は避けるのが望ましいです。
お風呂に入ること自体は問題ありません。家族に水ぼうそうにかかったことがない方がいる場合は、入浴は家族の最後にシャワーだけにするなど、接触を最小限にする工夫が安心です。もし不安がある場合は、早めに医師に相談しましょう。
帯状疱疹になったら仕事はどうする?休むべき?
痛みや発疹が強いと、仕事を続けるのが辛くなることもあります。仕事を休むべきかどうかは症状の程度や職場環境を考えて判断することが大切です。
判断のポイント
帯状疱疹は免疫力が低下したときに発症しやすく、無理をして働き続けると症状の悪化や治りの遅れにつながることがあります。痛みが強いときや体調が優れないときは、無理せず休息をとることが重要です。
医師から抗ウイルス薬などの治療を受けている場合は、指示を守って安静に過ごすことで回復が早まります。また、仕事の内容によっては出勤を控えたほうがよい場合もありますので、医師や職場に相談してみましょう。
出勤しないほうが良いケース
保育園や学校、病院など、乳幼児や妊婦、免疫力が弱い方と接する仕事をしている場合は、注意が必要です。帯状疱疹の水ぶくれにはウイルスが含まれているため、水ぼうそうにかかったことのない方に感染する可能性があります。
発疹がある間は感染リスクがあるため、こうした方と接する職場ではすべての水ぶくれがかさぶたになるまで、出勤を控えるよう求められることがあります。心配なときは職場の就業規則を確認し、必要に応じて医師の診断書を提出して安全に過ごせる環境を整えましょう。
仕事復帰のタイミングと体調管理
通常、発疹がすべてかさぶたになれば感染力がなくなるとされています。多くの場合、発症から1〜2週間ほどでかさぶたになりますが、治り具合には個人差がありますので、復帰のタイミングは医師と相談するのが安心です。
再発を防ぐためにも、仕事に復帰した後も無理をせず、十分な休息と睡眠をとり栄養バランスの良い食事を心がけましょう。ストレスや疲労がたまらないように体調を整えることが、帯状疱疹の早期回復と再発予防につながります。
帯状疱疹にかかったときにやってはいけない行動
間違ったケアや無理な行動は症状の悪化や回復の遅れに繋がることがありますので、注意しましょう。
激しい運動
帯状疱疹を発症したときは、体がウイルスと戦っている状態です。無理に運動をしたり、仕事で無理を重ねると、体に負担がかかり、免疫力がさらに低下して症状が悪化する恐れがあります。
ストレスや疲労は帯状疱疹の発症原因にもなるため、治療中はできるだけ安静にして、しっかりと休養をとることが重要です。体調が落ち着くまでは無理をせず、必要であれば仕事を調整するなどして体を労りましょう。
患部を冷やす
発疹は痛みやかゆみを伴うため、つい冷やしたくなるかもしれません。しかし、患部を保冷剤や湿布で冷やすと血流が悪くなり、かえって痛みが強くなることがあります。
帯状疱疹の痛みは神経の炎症によるものなので、冷やすよりも温めて血行を促すほうが痛みがやわらぐ場合があります。ただし、熱すぎるお風呂や長時間の入浴は刺激になることがあるため、適度な温度で清潔を保つようにしましょう。痛みがつらいときは、医師に相談して適切な方法で対処してください。
水ぶくれをつぶす
帯状疱疹では、水ぶくれができることが多く、気になって自分でつぶしてしまいたくなるかもしれませんが、これは絶対に避けてください。水ぶくれの中にはウイルスが含まれているため、手でつぶすとウイルスが周りに広がってしまったり、つぶした部分から細菌が入り込んで二次感染を起こす危険があります。
病院では必要に応じて清潔な環境で処置されますが、自宅で自分で行うのは避けましょう。水ぶくれは自然に乾いてかさぶたになりますので、無理に触らず、医師の指示に従って正しくケアすることが大切です。
帯状疱疹の治療方法は
ウイルスの増殖を抑えることと、強い痛みを和らげることが治療の基本となります。ここでは、治療法について解説します。
抗ウイルス薬
治療の中心となるのが、ウイルスの活動を抑える抗ウイルス薬です。この薬は、発疹が出てからできるだけ早く、できれば3日以内に飲み始めると治療効果が高いとされています。発症から5日以上経っていても、症状が進んでいたり合併症のリスクが高い場合には、医師の判断で投与が続けられることもあります。一般的には内服薬として1週間ほど服用しますが、症状が重い場合や免疫力が低下している方は、入院して点滴で抗ウイルス薬を投与することもあります。
鎮痛薬
痛みは日常生活に大きな支障をきたすことがあり、発疹が治まっても痛みが続く場合があります。この痛みを和らげるために使用するのが鎮痛薬です。
痛みの種類や程度によって処方される薬は異なり、一般的には内服薬が使われますが、痛みが強いときには注射薬や神経ブロックなど、専門的な治療が行われることもあります。痛みが長引いてしまうと「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という後遺症につながることもあるため、我慢せずに早めに医師に相談することが大切です。
塗り薬
治療には、飲み薬だけでなく、患部に直接塗る外用薬が使われることもあります。皮膚の赤みやかゆみ、炎症を抑える薬や、傷口を清潔に保つための抗菌薬などです。また、水ぶくれができた後に細菌感染を防ぐ目的で処方される場合もあります。塗り薬はあくまでも補助的な役割であり、基本的には抗ウイルス薬や鎮痛薬と併用して治療を進めます。
仕事への影響を避けるために予防しよう
忙しい時期に発症すると、十分な休養が取れず症状が長引くケースも少なくありません。こうしたリスクを減らすためには、日頃から予防を心がけることがとても大切です。
ワクチン接種でリスクを避ける
帯状疱疹を予防する方法として、50歳以上の方には予防接種という選択肢があります。予防接種を受けることで免疫を強化し、発症のリスクを減らせるだけありません。発症した場合でも症状が軽くなるという報告もあります。ワクチンは誰でも接種できるわけではないため、体調や持病などに不安がある方は、かかりつけの医師に相談してから検討しましょう。
免疫力を高める生活を心がける
ワクチンだけに頼るのではなく、日頃の体調管理も帯状疱疹予防には欠かせません。帯状疱疹は、加齢だけでなく疲労やストレスで免疫力が低下したときにも発症しやすくなります。
十分な睡眠をとり、栄養バランスの良い食事を心がけ、無理のない範囲で適度な運動を取り入れることが大切です。また、リラックスできる時間を意識して作り、ストレスをためないようにすることも予防につながります。忙しい毎日だからこそ、体調を整えて免疫力を維持し、帯状疱疹のリスクを減らしましょう。
帯状疱疹は早めの対処が大切、放置せず皮膚科を受診しよう
帯状疱疹は、痛みを伴うつらい症状だけでなく、後遺症として長期間続く神経痛を残すこともある病気です。原因のわからない片側の痛みや赤い発疹に気づいたら、我慢せず、できるだけ早く皮膚科を受診するようにしましょう。
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帯状疱疹は早期治療がとても重要ですので、体調が気になるときはオンライン診療をうまく活用し、治療のタイミングを逃さないようにしましょう。
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オンライン診療とは、インターネットに接続されたスマートフォン、タブレット、パソコンなどを使って、医師とビデオ通話を通じて診察を受けられる医療サービスです。自宅にいながら、予約から問診、診察、薬の処方箋の発行、支払いまでをすべてオンラインで済ませられます。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKU(ソクヤク)は、オンライン診療をより便利に利用できるサービスです。診察の予約からお薬の受け取りまで、すべてのステップをアプリで簡単に完結できます。
専門スタッフによるサポートや、かかりつけのクリニック・薬局を登録しておける機能もあり、お薬手帳もデジタル化できるので管理がスムーズです。処方されたお薬は全国どこでも当日または翌日に自宅に届くため、忙しい方でも安心して治療を続けられます。
まとめ
帯状疱疹は、感染リスクや体への負担を考えると、無理をして出勤するのではなく、体調や症状に合わせてしっかりと休養をとることが大切です。水ぶくれが残っている間は周りの方に感染させる可能性があるため、十分な注意が必要です。医師の指示に従い、適切な治療を受けながら無理をせず回復に専念しましょう。また、再発や症状の悪化を防ぐためにも、日頃から免疫力を維持する生活を心がけ、必要に応じてワクチン接種も検討してみてください。
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
1.
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2.
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皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療
2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業


















































