頭皮湿疹はなぜ起こる?原因や改善方法について詳しく解説
更新日:2024年09月26日
ここでは、頭皮湿疹の原因や改善方法についてわかりやすく説明します。頭のトラブルに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
頭皮湿疹とは
頭皮湿疹とは、その字の通り頭皮に湿疹が現れた状態です。湿疹は皮膚の表面に起こる炎症で、皮膚炎とも呼ばれます。主な症状としては、かゆみ、赤み、小さなブツブツや水ぶくれなどです。症状が進行した場合、患部がただれたり、かさぶたができたり、フケのように皮膚片が落ちることもあります。
健康な頭皮は青白く見え、かゆみなどの不快な症状はありません。しかし、頭皮が赤く見えたり、かゆみを感じたりする場合は、何らかのトラブルが起きている可能性があります。このトラブルが頭皮湿疹で、適切なケアや治療が必要です。
頭皮湿疹の原因となる疾患
頭皮湿疹の原因はさまざまです。たとえば、ヘアカラー剤や汗による刺激、乾燥した空気、シャンプーのしすぎ、さらには過労やストレスなどが要因により、季節を問わず症状が現れることがあります。ここでは、頭部湿疹の原因となる疾患を紹介します。
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
脂漏性皮膚炎は、頭の生え際や顔など、皮脂が多く分泌される部位に赤みとフケのようなものが現れる皮膚の炎症になります。かゆみを伴うこともあり、治療をしても再発しやすいのが特徴です。
この皮膚炎には、新生児や乳幼児に見られる「乳児型」と、思春期以降に発症する「成人型」があります。乳児型は一時的なもので、適切なスキンケアを行うことで自然に治ります。一方、成人型は一度発症すると、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返し、慢性的な経過をたどることが一般的です。特に40〜50歳代以降の男性に多く見られます。
脂漏性皮膚炎は、皮脂が多く分泌される部位や皮膚同士がこすれやすい部位に発症しやすい皮膚炎です。原因としては、皮膚に常在する菌や皮脂の分泌、肥満、ストレスなど、さまざまな生活習慣や環境が関係していると考えられています。
接触皮膚炎(せっしょくひふえん)
接触皮膚炎には、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎の2種類があります。刺激性接触皮膚炎は、物理的な刺激や強い化学物質が皮膚に直接触れることで発生します。一方、アレルギー性接触皮膚炎は、皮膚に触れた化学物質が体内に取り込まれ、免疫システムがその物質をアレルゲンとして認識することで発生します。アレルゲンに対する抗体が作られ、その後再びその物質に触れると、免疫反応が起こり、皮膚に炎症が生じます。症状は通常、アレルゲンに触れてから数時間から数日後に現れ、痒みを伴う赤い発疹や水ぶくれが見られます。
原因となる物質は、野菜や果物、日用品、金属、化粧品、医薬品などさまざまです。植物や食物、日用品は短期的な症状を引き起こすことが多いですが、慢性的な接触皮膚炎の場合、原因物質の特定が難しいことがあります。金属は時計やアクセサリー、染料や化粧品に含まれることがあり、汗との化学反応でかぶれを引き起こすことが多くみられます。
接触皮膚炎の症状は、原因物質に触れた部位に痛みや痒みを伴う発赤や発疹です。重症になると湿疹や水ぶくれができ、皮が剥けたり肌が荒れたりすることもあります。刺激性接触皮膚炎では痛みが強く、ヒリヒリとした感覚が特徴です。アレルギー性接触皮膚炎では痒みが強く、症状が広がることがあります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。皮膚の内部で炎症が起こり、皮膚のバリア機能が低下することで、かゆみが生じます。このかゆみが原因で皮膚をかきむしってしまい、さらにバリア機能が低下し、炎症が悪化するという悪循環に陥ります。
アトピー性皮膚炎の症状は、赤みやブツブツ、滲出液が出るジクジクした湿疹、皮がむけるなどさまざまです。長期間続くと、皮膚が硬くゴワゴワになることもあります。湿疹は体の左右対称に現れることが多く、顔や首、頭、ひじ、ひざ、おなかや胸、背中などが特に症状が出やすい部位です。年齢によって、湿疹が出やすい部位が変わることもあります。
この病気はダニやハウスダスト、食物などのアレルゲンが皮膚に侵入し、炎症やかゆみを引き起こすアレルギー疾患の一種です。正常な皮膚はバリア機能を持っており、アレルゲンの侵入を防ぎますが、アトピー性皮膚炎の皮膚はこのバリア機能が低下しているため、アレルゲンが簡単に侵入してしまいます。
アトピー性皮膚炎を悪化させる要因は人それぞれですが、汗やストレス、ハウスダストやダニ、細菌やカビ、食物など、複数の要因が重なり合って症状を悪化させるのです。
皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)
皮脂欠乏性湿疹は、皮膚の水分を保つ成分が減少することで起こる湿疹です。皮脂や角質のセラミド、天然保湿因子が減少すると、皮膚が乾燥しやすくなり、湿疹が発生します。この湿疹は特に高齢者に多く見られ、冬の乾燥した季節や暖房器具の使用が原因となることが多いですが、年齢や季節に関係なく誰にでも起こり得ます。
皮膚の乾燥に加えて、角質が剥がれ落ちれ、赤みやかゆみなどが症状です。保湿をしても改善しない場合は、湿疹が進行している可能性があり、保湿以外の治療が必要になることもあります。
頭皮湿疹の予防方法
頭皮の健康を保つためには、適切なヘアケアが重要です。毎日シャンプーをして、頭髪を清潔に保ちましょう。接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎、皮脂欠乏性皮膚炎のような乾燥しやすくデリケートな頭皮には、低刺激性のシャンプーを使い、泡で優しく包み込むように洗うようにしてください。皮脂の過剰分泌が原因の脂漏性皮膚炎の場合は、適度な洗浄力を持つシャンプーを使用し、しっかりと皮脂汚れを落として頭皮を清潔に保つことが大切です。
肌質に合ったシャンプーを使う
シャンプーにはさまざまな種類があり、洗浄力が強いものや刺激が少ないもの、炎症を抑えるものや抗菌作用があるものなどがあります。自分の頭皮に合わないシャンプーを使った場合、頭皮の状態が悪化したり、ヘアサイクルが乱れたりするかもしれません。
頭皮に傷や炎症がある場合は、アミノ酸系の優しい洗浄力のシャンプーが適しています。皮脂が多い方は、洗浄力が強いシャンプーを使うと汚れがしっかり落ちます。一方で、頭皮が乾燥しやすい方は、洗浄力が強すぎるシャンプーを避けて、頭皮の潤いを保つことが大切です。
丁寧に洗髪する
健康的な頭皮を保つためには、正しい洗い方が大切です。髪を洗う前にブラッシングをして、もつれをほぐしてください。次に、ぬるま湯で1〜2分予洗いを行い、汚れを落とします。シャンプーは手で軽く泡立ててから頭皮に塗り、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。耳の上から始めて、少しずつ頭皮全体に広げていきます。
シャンプーが行き渡ったら、髪の毛も優しく洗ってください。シャンプーの泡をぬるま湯でしっかりと洗い流します。トリートメントは髪の毛だけにつけ、頭皮にはつけないようにしましょう。最後に、トリートメントもぬめりが残らないように十分に洗い流します。
枕カバーを清潔に保つ
枕カバーには汗や皮脂が付着しやすく、これが原因で雑菌が繁殖し、肌トラブルやニキビ、頭皮湿疹を引き起こすことがあります。毎日洗うのは難しいかもしれませんが、少なくとも1週間に1回は洗いましょう。
もし枕カバーの臭いや黄ばみが気になる場合は、お風呂場などでバケツにお湯を張り、1時間ほど漬け置きしてから洗濯すると効果的です。お湯を使うことで、汗や皮脂の汚れがより落ちやすくなります。洗い替え用の予備を持っておくと便利です。
ドライヤーを上手く使う
洗ったばかりの髪はキューティクルが傷つきやすく、濡れたままにしておくと雑菌が繁殖してにおいの原因になることがあります。そこで、ドライヤーを使ってしっかり乾かすことが大切です。
ドライヤーを使う際は、頭皮とドライヤーの距離を10cm以上離し根元から乾かし始めましょう。その後、毛先を乾かします。同じ場所に長時間当て続けないようにし、ドライヤーを持っていない手で髪を持ち上げて、熱を均等に分散させるのがポイントです。
バランスのとれた食生活を心がける
頭皮の健康を保つためには、生活習慣を整えることが重要です。古い角質が毛穴を詰まらせると、頭皮湿疹の原因になることがあります。これを防ぐためには、ターンオーバーが正常に行われるようにすることが大切です。
タンパク質と野菜を中心にしたバランスの良い食事を心がけ、高脂質・高カロリーな食事を避けるようにしましょう。お酒は適量であれば問題ありませんが、過度な飲酒は睡眠の質を低下させるため控えてください。
頭皮湿疹の治療方法
頭皮湿疹の治療法は、外用薬の使用や抗菌入りシャンプーの使用があります。
外用薬を使用する
頭皮の炎症を抑えるためには、ステロイドの外用薬を使用します。また、マラセチア菌が原因の場合は抗真菌剤、また状況によっては抗生剤の外用薬が効果的です。頭皮湿疹の種類によって治療法が異なるため、まずは医師に相談してください。自己判断で自宅にある薬を使用すると、症状が悪化する可能性があるので避けましょう。
抗菌剤入りシャンプーを使用する
脂漏性湿疹がマラセチア菌によって引き起こされる場合、医師が抗真菌剤入りのシャンプーを処方することがあります。このシャンプーを使うことで、日々のケアでマラセチア菌を減らせます。抗真菌剤入りのシャンプーは薬局やドラッグストアでも購入できますが、まずはクリニックで診断を受けることが重要です。もしマラセチア菌が原因でない場合、抗真菌剤入りのシャンプーを使っても効果はありません。
症状に合わせて医師の治療を受ける
頭皮湿疹の原因はさまざまですが、適切な対処法を取らないと症状が悪化することがあります。炎症やかゆみがストレスとなり、さらに悪化する悪循環に陥るかもしれません。そのため、早めに専門の医師に相談することが大切です。
症状が改善しない場合は早めに医師に相談しましょう
頭皮の湿疹にはさまざまな原因があり、適切な治療を行わないと症状が悪化することがあります。市販のステロイド外用剤を5〜6日間使用しても改善しない場合や、症状が悪化している場合は、使用を中止して医療機関を受診しましょう。
強いかゆみがあり掻くのを我慢できない場合や、症状が広範囲に広がっている場合、長期間続いている場合、頭皮以外にも皮膚症状が出ている場合、原因がはっきりしない場合などは、自己判断せずに皮膚科を受診し、医師の診断と治療を受けることが大切です。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
頭皮湿疹が気になり治療したくても、忙しくて病院を受診する時間がつくれないことがあります。そんな場合でも後回しにせず、オンライン診療を活用しましょう。
オンライン診療とは
オンライン診療は、自宅にいながら医師の診察を受けられる便利な医療サービスです。インターネットに接続されたスマートフォン、タブレット、パソコンを使って、ビデオチャットで医師と直接話せます。このサービスでは、診察の予約、問診、診断、薬の処方箋の発行、そして支払いまで、すべてオンラインで完結します。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKUは、オンライン診療をスマートフォンやタブレットを使って受けられるサービスです。予約から診察、薬の受け取りまで、すべての手続きをアプリで簡単に行えます。
専門スタッフのサポートもあり、かかりつけのクリニックや薬局を登録する機能も備えています。さらに、薬の情報をデジタルで管理できるお薬手帳機能もあり、全国どこでも当日または翌日に薬を受け取ることが可能です。
まとめ
頭皮湿疹の原因と改善方法について説明しました。頭皮湿疹は、ストレス、アレルギー反応、皮脂の過剰分泌など、さまざまな要因によって引き起こされます。これらの原因に対処するためには、生活習慣の見直しや適切なヘアケアが重要です。また、必要に応じて医師の診断を受けてください。
頭皮の健康を保つためには、日々のケアを怠らず、早めに対処することが大切です。自分に合った改善方法を見つけて、快適な頭皮環境を維持しましょう。
医師
高藤 円香
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
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