フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説
更新日:2024年09月18日
今回は、フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説していきます。
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)とは
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)は副腎皮質ステロイドの点眼剤として1975年に参天製薬株式会社から販売されています。
既存のステロイド点眼液に比べると眼圧上昇が少ないという特徴があり、抗アレルギー薬として花粉症や炎症などに対して使われることが多く、現在まで多くの医療機関で使用されています。
現在、販売されているのはフルメトロン点眼液0.02%とフルメトロン点眼液0.1%があります。
ジェネリック医薬品が存在する
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)にはジェネリック医薬品が存在します。新薬は、数百億円以上の開発費と十数年の歳月というコストをかけて開発されています。
新薬は特許を取得することで独占して販売でき、研究開発費を回収します。
しかし、特許期間が切れると新薬と同じ有効成分の医薬品を他の製薬会社が製造、販売できます。
ジェネリック医薬品は、新薬とは異なり開発費などのコストがかかっていないため薬剤費を安くできるメリットがあります。
お薬代を安くするためにジェネリック医薬品の変更を希望する場合には医師や薬剤師に相談するといいでしょう。
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)の成分について
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)は、副腎皮質ホルモンをもとにして開発されたステロイド点眼液です。
副腎皮質ホルモンのなかにコルチゾールというホルモンが存在し、糖の代謝、タンパク質代謝、脂質代謝、骨代謝などの働きに関与していることが知られています。
コルチゾールの作用として、抗炎症作用、免疫抑制作用、細胞増殖作用。血管収縮作用などがあり、医薬品として関節リウマチなどの自己免疫疾患や気管支喘息などのアレルギー性疾患など様々な疾患に対して使用されています。
眼科用としては、眼の周囲にあらわれた炎症やアレルギー症状を抑えるために使用されることが多いです。
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)はどんな症状に効果がある?
まぶたや眼の周囲に起きた炎症や結膜炎、角膜炎、強膜炎、虹彩炎、虹彩毛様体炎、ぶどう膜炎などの眼球に生じた炎症、手術後の炎症抑制のために使用されます。
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)の用法・用量は?
底に配合成分が沈殿していることがあるため、点眼薬を使用する前に良く振り混ぜてから使用してください。
通常は、1回1〜2滴、1日2〜4回点眼します。年齢や症状に応じて増減できます。
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)の副作用
フルメトロン点眼液0.02%で行われた調査で副作用が報告されたのは全体の0.04でした。眼圧上昇0.03%、アレルギー性結膜炎の悪化が0.01%です。
フルメトロン点眼液0.1%で副作用が報告されたのは全体では0.24%でした。主な副作用としては眼圧上昇が0.13%、眼刺激感・結膜充血が0.05%、眼脂が0.04%でした。
重大な副作用としては緑内障、白内障、角膜ヘルペス 、角膜真菌症、緑膿菌感染症などがありますが、頻度は稀です。
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)に関する注意
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)にはいくつか注意点が存在します。眼のかゆみや炎症など使用する場面が多いので注意点を理解して安全に使うことを意識した方がいいでしょう。
使用前には良く振り混ぜる
フルメトロン点眼液の薬効成分であるフルオロメトロンが水に溶けにくく、吸収が遅い特徴があり、保管していると成分が底に沈殿していることがあります。
そのため、良く振り混ぜてから均等にしてから使用した方がいいでしょう。
点眼液を複数使用するときに医師の指示などがない場合には5分ほど間隔をあけて使用してください。
角膜に傷がある場合には使用できない
角膜に傷がある場合や角膜上皮剥離がある場合にはフルメトロン点眼液は使うことができません。
フルメトロン点眼液などのステロイド点眼液は、眼に本来備わっている修復能力を抑えることがあるため症状を増悪させたり、角膜穿孔を生じさせたりすることがあるので注意が必要です。
眼の感染症がある場合に使用できない
フルメトロン点眼液などのステロイド点眼剤は、眼の感染症がある場合には使うことができません。
ステロイド点眼剤には免疫抑制作用があるためウイルスや細菌性の結膜炎や化膿している状態の眼に使用するとウイルスや細菌の増殖を促進させ、症状を悪化させることがあるので使用できません。
過敏症がある場合には使用できない
フルメトロン点眼液の副作用として発疹、蕁麻疹、接触皮膚炎、眼のかゆみ、眼の腫れなどが報告されているためかこにフルメトロン点眼液で過敏症があらわれた場合には他の点眼液を選択した方がいいでしょう。
長期投与する場合には眼科医に相談する
頻度は非常に稀ですが、フルメトロン点眼液を長期間使用すると眼圧が上昇することがあります。眼圧が上昇すると緑内障へ症状が進行するリスクもあるので注意が必要です。
緑内障は、眼圧が上昇することで視神経を圧迫して機能障害を起こす疾患で視野が狭くなります。
少しずつ症状が進行するため自覚症状がありませんが、一度狭くなった視野は戻らないため早めの治療が重要です。
フルメトロン点眼液を使用して充血や痛み、かすみ、視野が狭くなるなどの症状があらわれた場合には医師、薬剤師の相談してください。
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)と同じ成分の市販薬はある?
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)などの医療用医薬品を入手するためには原則的に医師の診察を受けてから処方してもらう必要があります。
しかし、医師の診察を受けたり、薬局でもらったりするために待ち時間がどうしてもかかります。
そのため、お客さんの判断で購入できる市販薬は仕事や育児などで忙しい方にはメリットがあります。
最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれていますので、家にいるままでも処方箋を受け取ることができます。
病院に行くことが難しい場合は、オンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。
眼の痒みなど症状が比較的軽度の場合にフルメトロン点眼液と同じ成分の市販薬があれば利便性が高いです。
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)と同じ成分の市販薬は存在するのでしょうか?
フルメトロン点眼液(フルメトロン)と同じ成分の市販薬は存在しない
残念ながら、フルメトロン点眼液(フルメトロン)と同じ成分の市販薬は存在しません。
フルメトロン点眼液などのステロイド性点眼剤は、高い抗アレルギー作用や抗炎症作用があるため花粉症などに対して強い作用が期待できますが、眼の感染症を悪化させたり、長期間使用することで緑内障のリスクを高めたりすることがあるため市販薬として流通することが難しいというのもあります。
フルメトロン点眼液以外の抗アレルギー成分を含んだ市販薬
フルメトロン点眼液などのステロイド性点眼剤以外に眼の痒みなどのアレルギー症状を抑える市販薬が販売されています。
アルガードクリアブロックZ
ロート製薬から販売されている市販薬で抗ヒスタミン成分や抗アレルギー性成分であるクロモグリク酸ナトリウム、抗炎症成分が配合されているものがあるためかゆみだけでなく赤くなっている状態を鎮めることも可能です。
複数の成分を配合しているため辛い花粉症による眼の痒みに試してみるのもいいでしょう。
スマイルコンタクトEX AL-Wクール
ライオンから販売されている市販薬です。防腐剤が配合されていないのでコンタクトレンズを装着していても点眼できるので日常生活において使用しやすい点眼液の一つだといえます。
抗ヒスタミン成分と抗炎症成分の二つの有効成分が配合され、乾燥を抑えるコンドロイチン硫酸エステルナトリウムも配合されているので乾燥と異物感を和らげることが期待できます。
気になることがあれば医療機関へ
花粉症などの眼のかゆみを主な症状としているものであれば市販薬で対応することも可能です。しかし、市販薬を使用しても症状が改善しない場合には重大な疾患である可能性があります。
特に、眼のかすみがあったり、視野が狭くなったりすることがあれば緑内障の可能性もあるので注意が必要です。緑内障は治療せずに放置しておくと失明することもあるので早めに治療することが重要です。
眼のことで気になる症状があれば自分で判断せずに医療機関へ受診した方がいいでしょう。
最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。
オンライン診療は、
・受付や会計の待ち時間が短縮される。
・自宅や外出先で診療が受けられる。
・院内処方の場合くすりが自宅に届く。
・院内感染・二次感染のリスクがない。
などのメリットがあり、非常に便利なサービスです。
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周辺への感染の可能性を配慮して外出を控えたいやその他事情により、病院に行くことが難しい場合は、オンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。
参考文献
フルメトロン点眼液0.1%|添付文書
副腎皮質ホルモン(眼科用外用薬)の解説|日経メディカル処方薬事典
副腎皮質ホルモン(ステロイド内服薬・注射薬)の解説|日経メディカル処方薬事典
緑内障 – 目の病気百科|参天製薬
ロート アルガード クリアブロックZ|製品情報
スマイルコンタクトEX AL-Wクール|目薬・アイケア|製品情報
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